ギガントマキアFP・リプレイ・ファネスプロジェクト
■ 第1話 『空を貫く』 ■
2006年11月14日




 ツタが絡まる遺跡。
 古びた石墓が立ち並ぶ墓地。
 周りには黒い鳥、鴉の群れ。
 滅んだ大地……そこに、一人の少女が立っている。

「……会いに行こう。みんなのもとへ。
 誰も私の手なんて掴んでくれないだろうけど、やってみせる。
 でも貴方達は判ってくれるのね?

 行きましょう。みんなのもとへ――」


 ★オープニング/ヴァロード


 ツーデル村。都市・イーストシティの近くにあり街との繋ぎの宿屋町として発展した地域。都市から少し離れた村であり、自然があり、歴史があり、……遺跡が近くにある平和な村。
 歴史ある建造物を守るは騎士団。騎士団と言っても国王を守るだけではなく、一般的に憲兵という意味で街や建物、人達を守っている。その一人が……。


GM/ヴァロード・G・シュルツ。他の騎士と呼ばれる守人たちとは少々違い持っている武器が刀だが、街を守る優しい兵士だということには変わりなく――今日も村の見回りだ。
ヴァロード/うーん、今日もいい天気だなぁ。最近モンスターが出た話は?
GM/残念ながらこの村にはサッパリ。……けど先日、都心の方で魔物が出て大変だという噂を聞いたりもしている。
ヴァロード/ま、魔物が都会に! 俺の見たことないヤツがきっと!
GM/そこでハァハァしない、魔物愛好家!(笑) って、魔物に会いたいから騎士になったのかお前!「この前ヴァロードと魔物の話したら2時間ぐらい話されちゃって。……夕飯の時ぐらい魔物の話は勘弁してほしいよな……目がいっぱいあるヤツの可愛さを延々語られると困るんだよ!」
ヴァロード/でも任務は村を守ること。……警戒しなきゃな。
GM/だけど今日も村は平和。見回りをするけどあまり気にしないで、のんびりひなたぼっこでもしながら警戒でもしていてください。
ヴァロード/のんびりしながら警戒って難しいな!(笑)
GM/ぽっかぽっか。――平和な村を歩いていると教会の前に来た。教会の中からはおばあさんと子ども達の話し声が聞こえてくる……。「おばあさん、何かお話聞かせてよー」「ああ、そうだねぇ。むかーしむかし、あるところに……」
ヴァロード/にこやかに、いいなぁ平和って……と思いながら一緒に聞こうかな。
GM/その笑顔の裏には。
ヴァロード/自分の知らない魔物が出てこないかなと思ってる。
GM/危ない人だ(笑) ……教会の中からおばあさんの声が聞こえてくる。「昔、ここがツーデルという土地ではなかった頃……そう、あれは数千年前。サイタマと呼ばれていた頃の話だの……」
ヴァロード/……へー。サイタマってところだったんだ、ココ?
GM/と、そんな入り口で話を聞いていたヴァロさんの元に少年が一人やってくる。見知った男の子で、名前はエルク。……おばあさんの話をおとなしく聞いているより外出て遊んだり冒険がしたいヤンチャ坊主です。
ヴァロード/どうしたんだ、エルク?
GM/「んー。中で聞いているのつまんないから出てきちゃった……そうだ、ちょっとちょっと。ねえヴァロ兄!」
ヴァロード/なんだい?
GM/「オレ、もしかしたらバカかもしれないんだ」
ヴァロード/……え?
GM/「さっきね、すっげぇバカにされてね、みんながバカバカ言うからバカかもしれないんだ……オレ」その顔は真剣です。「嘘も冗談も言ってないのに、それはないだろとかありえねーってみんな言うんだよ」
ヴァロード/どうしてそんな風に言われたか……教えてくれないか? どんな話をしたんだい?
GM/「何言っても信じてくれる? ……じゃあ、見て」エルクは空を指差します。青空、白い雲。
ヴァロード/……良い天気だねぇ。それが何か?
GM/「――お空にね、ヒビが入ってるんだ」


  ★オープニング/カミール&クロード


 カミールとクロードは、同じエルフ族で傭兵だ。何度か同じ任務を乗り越えた戦友である。
 ここはイーストシティ。「列島」と呼ばれる大陸の中心都市。アークという団体に所属している二人は、ある遺跡を本拠地としてここに滞在していた。その遺跡の名は「国会議事堂」。かつてそう呼ばれていた遺跡はこの国のトップ達が話し合う際に使われていた神聖な場所と伝説には記載されているという……西暦の時代から残る遺跡だ。
 数日前、魔物が首都を襲った。その傷も癒えない今。
 二人はある人に呼ばれ、ある部屋の前にいた――。


クロード/……なんでしょうね、いきなり呼ばれて。
カミール/判らんが、我らを呼び出すというのは仕事の依頼だろう。……そう言いながらトコトコ行く。
クロード/あ、待ってください〜!
GM/そんな傭兵エルフの少年達。――貴方達を呼び出した人とは「マスター」と呼ばれるアークのリーダー、マシンネイチャーの女性です。扉の奥から優しい声がする。「お入り下さい」
クロード/失礼します。
GM/「カミール・クライアス、クロード・イシュアール、よく来てくれました」
カミール/敬礼。――突然のお呼び出し、どのようなご用でしょうか。
クロード/な、何か悪いことでもしましたっけ? この前、格納庫をぶっぱなしちゃったのがバレました……!?
GM/いやいや……ってそんな事したのかよミンストレル(笑) 「どうぞそこにお座り下さい」
カミール/おとなしく着席します。
クロード/は、はい。ボク達にどのようなご用件で……?
GM/「貴方達には刻印がありますね。力のある刻印……聖印が。その力を持っている者は、この世界では限られています。このアークにも多くの仲間がいましたが、数日前……都心でモンスターが現れ、大きな打撃を被りました」
クロード/あ、はい。その戦にはボク達も参加しました……ヒドイ結果になっちゃいましたけど。
GM/「ええ、結果はご存知の通り。今日お話したい事とは、聖印の力を持っている貴方達にお願いをしたいことです。……その前に、まずこの世界について少々お話ししなければなりませんね。まわりくどいかもしれませんが、私の話をお聞き下さい」
カミール/はい。
GM/「赤き霧に閉ざされた大地、列島。我が住む大陸の名前です。とても広い大陸、この北から南にかけて細長い大陸が母なる大地……そのの大陸の周りには『血壁』と呼ばれるバリアーが張られています。
 千年前、ある時代が終わりました。考古学者の手によって明かされた、崩壊した歴史……『西暦』と呼ばれる時代です。西暦が終わって約千年が経ちました。千年前、あの時代に住んでいた者達によって『あること』が行われ……西暦は滅びました。
 何があったのか、まだ詳しくは解明されていません。ただ、とても恐ろしい力が、人の手によって作られた大きな力によって一つの歴史の幕を閉じるようにしてしまった……そう聞いています」
カミール/……確かにその話は御伽噺や伝説で聞いたことはあるな。
GM/「世界そのものを滅ぼしてしまう大きな力は、自然……我々が住む場所さえも奪ってしまう力でした。空気を、今立てる大地を守るために、また人が作り出したのが『血壁』です」――ではここで【神秘考古学】で判定してください。目標値は15。
カミール/(ころころ)15。
クロード/(ころころ)16です。
GM/余裕でクリアですね。……前に、その点に関して文書を読んだことがあるなとある言葉を思い出した。何故西暦人が結界を作りだしたというと……『オゾン層の崩壊』が関わっている、と。
カミール/……ああ、確かそういう言葉だったな。
GM/「何らかの力で壊れた世界、そして同じ手によって守られた世界。それが今なのです。しかし、あの時の技術は殆ど失われ……千年経った今、恐れていたことが起こり出してしまいました。……血壁の寿命です。血壁の先には恐ろしいものが列島に入り込もうと渦巻いています。しかし我々には血壁を修復する技術はありません。これまで解明していたら一体何年、何百年かかるやらまだ検討もつきません。修復することはできない……けど、崩壊を遅らせることができる。せめてあと数百年……解明されるまで、発見するまで時間がほしいのです。――ですから、崩壊を早めようとしている輩は排除しなければならない」
クロード/血壁を壊す輩……?
GM/「――鋼魔です。モンスターの中でもトップクラスの強さと知恵を持つ……悪意の結晶。霊的な力の集合体。……ここ最近、奴らはおかしな行動をし始めました。結界を崩すように行動をしています。鋼魔と話すすべを持っていないので何故そんなことをするのか判りません。鋼魔が活動しているという報告は、列島の中でも何カ所であります。我々は血壁の崩壊を止めること、修復することはできません。ですが、崩壊しようとしている者を止めることはできます。
 カミール、クロード。貴方達と同じように刻印を持った者たちは同じ任についております。しかし、ご存知の通りその数は……」
クロード/最近、戦があった。数の増えた鋼魔によってやられちゃった人も沢山……。
カミール/ああ、あの戦で友人も……残念だった。
GM/「貴方達への任務。それは、都心から離れていない宿場町のツーデル村の近くの遺跡にて、おかしな霊力の動きがあると聞きました。もしそれが鋼魔の発生源であったら殲滅を。……そして、各地で聖印がある者がいたら我々アークに協力してほしいと説得してほしいのです。共に戦う仲間が今は必要なのです」
カミール/……同じ刻印のある者をスカウトしろ、と?
GM/頷きます。「……ああ、傭兵である以上、報酬の話は避けられませんね。ですが、貴方達の望む額をこちらで用意しましょう。――ただ判ってほしい。この世界の危機……世界を終わらせるわけにはいかないということを」
カミール/……報酬の話は後日で結構です。達成できるかは判らない任務ですが了解しました、マイマスター。我ら神命として任務を遂行してみせます。――失礼します。行くぞ、クロード。
クロード/し、失礼します……トコトコ。
GM/「どうか、お願いします……」
 そんな話を聞いたのが、もう3日前。貴方達は、イーストシティからさほど離れていないある宿場町に向かっているのでした……。その前に、カミールには『アミュレット』というものがアークから配給されます。
カミール/アミュレット?
GM/魔力の詰まった云々霊力云々……ぶっちゃけ一種の通信機です。ファンタジーの世界で携帯電話って何て言えばいいんだ(笑)
カミール/アクセサリーとして考えていいんだな。……どこに着ければいいんだ?
GM/お好きにどうぞ。この世界の武器やアイテムはその人の「想い」によって姿が変貌できるものです。つまり、自分の好きな形にすることができますよ。
カミール/じゃあ、……首輪でいいか。
GM/では首輪から、貴方自身に語りかけるような声がする。「――艦長、あと五分でツーデル村に着きます」副官の、マシンネイチャーの声がします。
カミール/ああ、お前達は消えていろ。何かあったら直ぐに報告する。……ところで副官の名前は?
GM/ヴァルゴという女性のデータですね。貴方がアークで活動し始めた頃からの仲だったりする子です。勿論オペレーターとか整備兵のデータも戦艦が出れば実体化しますよ。
カミール/早速ですまないがヴァルゴ、村のデータを用意しておいてくれ。軍服を脱いで普通の旅人っぽい格好で……ツーデル村に入ろう。
GM/村に入る。――街と街との通り道ということもあって結構栄えているなぁ。……そんなこんなで普通の旅人に扮した二人が教会の前にやって来ると、「むかーしむかしあるところに……」とおばあさんが読み聞かせをしている声も聞こえてきます。
クロード/わぁ、なんだか平和でいいですね〜。
カミール/ああ、伝説が伝わるのは良い事だな。
GM/教会の入り口には一人、騎士……サムライが立っている。そう思っていると、トコトコとサムライの元へ少年がやって来た。「オレ、バカかもしれない!」
クロード/……はっ?(笑)
カミール/んっ? ちょっと呆気にとられる。
GM/「オレ、バカじゃないよ〜。ありえないとか言われたけどバカかもしれないけどバカじゃないもん〜!」
カミール/……自分を馬鹿と認識する奴がこの世界にいるのか?
クロード/とりあえずあの子、何故バカなのか彼に訊いてみない限り判らないんじゃ……。
GM/「お空にヒビが入ってるんだ!」
カミールクロード/ええぇっ!?(笑)


 ★オープニング/クロン


 君はある日気付いた。気付いてしまった。
 ――とても重要なことを。


クロン/金がねぇ……!(笑)
GM/そう、冗談ではございません。……金がない……というか俺って、記憶が無いじゃん!
クロン/えっ、マジで!?(笑) 冗談で言ったんだけどなぁ! 文無しの上、記憶無しかよ!?(笑)
GM/その通り。「アレ? 俺なんでここにいるんだろう……」ウロウロ、ウロウローと道にいる君。……道? 遺跡? ん? ……何で自分がここにいるんだか判らない。
クロン/あ、あれ……ぼーっとしながら空を見上げよう。
GM/夕方。……茜空だ。
クロン/ふぅん、――まるで、赤い血みたいだ。
GM/赤い血。なんだか不思議な感覚。そんな茜空の下、……幼い声がした。そちらを見るとゾロゾロとサムライ風の騎士に連れられて歩く団体様。「カブト虫いっぱい取れたね、ヴァロ兄〜!」「早く街に帰ってお父さんに見せるんだ〜!」
ヴァロード/ちゃんとついて来いよー、行くぞー! 先導してる。
GM/場所は、ツーデル村と遺跡の間にある道です。「待ってよ、ヴァロ兄ー!」……あ、ころんっ。えーんえーん。
ヴァロード/だ、大丈夫か! 抱き上げてキャッキャ!
GM/あやすサムライ、喜ぶ子ども。――そこにキミ。
クロン/……ぼんやりと見てる。
GM/そんな、ぼんやりとしている男を見付けた……ヴァロ兄。猫耳猫しっぽの男が呆然としている。「ヴァロ兄、……あのお兄ちゃん、変じゃない?」
ヴァロード/ん? ――えっと、どうかなさったんですか?
クロン/ハッとしてキョロキョロ周りを見渡す。あ、べ、別に……。
ヴァロード/別に?
クロン/別に、あ、あの……。ごめんなさい、ココ……ドコですか?
ヴァロード/ツーデル村前の街道だけど、大丈夫か?
クロン/ツーデル村……?
GM/村の名前を聞いても、そうなんだ……としか思えない。とりあえず自分の名前は判る。お箸を使ってご飯を食べるんだとかそういう知識もある。……でも、なんでココにいるのか、何をしていたのかは判らない。
クロン/うー……むー……んー。
ヴァロード/す、凄く悩んでる……困っていることがあるなら私のところで話を聞きますけど?
クロン/じゃ、じゃあ……す、すいません。――助けてください。
ヴァロード/助けて!?(笑)
GM/「た、助けてとか言ってるよこのお兄ちゃん! ヴァロ兄、助けなきゃ! お兄ちゃん、アメ食べる?」
クロン/あ、俺……気付いちゃった……腹減ったなぁ。
ヴァロード/わ、我が家でごちそうしますから! 一緒に村まで行きましょう!
GM/「わーい、今日のお土産はカブト虫とキノコとお兄ちゃんだ!」
クロン/俺、所有物にされた!?(笑)
GM/されました、お持ち帰り。エルク君が話し掛けてきます。「オレの家は宿屋をやってるから、親父に言えば泊まれって言うよ。ヴァロ兄も一緒だし!」――ヴァロさんは元々この村の生まれではなく、ここに滞在しているだけの騎士です。
クロン/耳が垂れ下げて、弱った猫みたいに大人しくしています……。
GM/猫だしなぁ(笑) 「ヴァロ兄達と今日獲ってきたお土産でゴハンにするよ。お兄ちゃんも遠慮しないで食べなよ!」
ヴァロード/今日はキノコ鍋だ。キノコの判別……どれが毒あるんだっけなぁ……【知力】判定かなぁ。
クロン/す、すいません……ずっと頭を下げてます。
GM/「大丈夫だよー」
 ――そんな事があったのがもう3日前。一時身を置くことにしたのでした。宿屋のお昼。「クロンちゃん、そっちの皿は十二番さんへ!」
クロン/お待たせいたしました、若鶏の唐揚げでーす!(笑)
GM/「今度はこっちの皿だー! 熱いから気を付けなよ!」
クロン/はーい! あ、すいませんオーダー入りましたー! こっちサポートしてくださーい! おやっさん、こっちチャーシューメンと水くださーい!
GM/「いやぁ、よく働くなぁクロンちゃんは!(笑) このままずっと住み込みでバイトやってくれるといいのに」
クロン/ハーイお待たせしましたー! チャーハンとナスの酢漬けとチョコパフェでーす!(笑)
GM/「メニューも全部覚えたし、3日間でよくやるなあのバイト!(笑)」……そう、そんな風に3日過ごしたのです。だが、記憶は戻らない……時間だけが経つだけ。
クロン/何で記憶無いのかな、俺……。あ、今度はこれ一番テーブルの方に!(笑)
GM/そんなお昼の忙しい時間帯を終わります。忙しいのは昼だけですから。「お疲れ、クロンちゃん。休憩していいよ。エルクも夜は手伝うんだけどな、今頃外か教会で遊んでるな……」
クロン/お疲れ様です。……エプロンを外しながら、外に出て、空を見上げる。今日も良い天気だなー。
GM/青空で、白い雲ですね。――そんなこんなで散歩しているクロン。あっ、あんなところでヴァロがひなたぼっこしているよ……。
ヴァロード/ぽっかぽっか。
GM/あ、あっちには旅人さん達もいる。
カミール/村に入ってきて、まずは教会に行くか……向こうから二人で歩いて来る。
GM/そして、教会の中からエルク君が出てきた。「オレ、バカかもしれない!」
クロン/え? ……何言ってんだエルク……首を傾げてヴァロ達の近くへ寄っていく。
GM/寄って来たところで、エルクが一言。

「――お空にヒビが入ってるんだ」


 ★教会前


GM/「見えない? 確かにあったんだけどなぁ。ヒビ」
クロン/……エルクにヴァロードさん。何を話してるんだ?
ヴァロード/あ、クロン。……なんかエルクがおばあさんの語りを聞くの飽きちゃって。いきなり「オレバカかもしれない」って言われちゃったところ。
クロン/は? ――エルク、空にヒビが入ってるって? どの辺だ?
GM/「今はね、ヒビが見当たらないんだ。でも青いお空なのに赤いヒビが走ってたんだよ」……今のところ見当たらないけど。
クロン/それ、いつの話だ?
GM/「朝。起きて、いい天気だなー今日も一日ガンバ……ヒビだ!」空をずっと見上げていたエルクが、辺りを見渡します。「あ……旅人さんだ」
ヴァロード/ん? どうもこんにちは、旅の方ですか?
クロード/こんにちは。……えっと、教会の前を通ったら「オレ、バカかもしれない」って言うからビビっちゃいました(笑) 思わずお空を見上げてしまいましたよ。
GM/「お兄ちゃん達もオレのこと、バカだと思う?」
クロード/うーん、まずどんなのかよく判らないからね。ボクも見たかったなあ、それ。
カミール/……少年、名前は?
GM/「エルクだよ」
カミール/ヒビを見たのは一回だけか?
GM/「今日、一回だけ。前に見たことはないよ……どうしたの?」
クロン/うーん、どこを見たって青空、ヒビなんてものはないな。……あ、そろそろ店の手伝いの時間かな?
ヴァロード/仕事に戻りますか?
クロン/ええ、俺は店に戻りますね。――そうだ、旅人さん方。
カミール/……何か?
クロン/お腹空いたならウチの店に来てくださいな。旅人さんなんでしょう、良かったら旅の話とか聞かせてくださいよ。オレのバイト先、食堂と宿屋やってるですよ。
クロード/あ、じゃあじきにお世話になりますね。
クロン/宜しかったらいらしてください。もし来てくれたら、お茶の一杯は御馳走しますよ。
カミール/……ああ、ありがとう。
クロード/そうだ! お名前を教えてくれませんか? 申し遅れました、ボクはクロード・イシュアールです。
カミール/同じく、カミール・クライアスだ。
クロン/俺は……クロンです。クロン・カッツェ。
ヴァロード/私の名前はヴァロード・G・シュルツ、よろしく。
クロン/じゃ、また後で。ヴァロードさんもも見回りの仕事頑張ってください。……では。
ヴァロード/私も仕事に戻ります。エルク、暗くならないうちに帰るんだぞ?
GM/「わかってるよー!」
カミール/――二人が去ったところで、とりあえず我らは教会に行こうか。おばあさんに話を聞いてみたい……カッカッカと移動!
クロード/ま、待ってくださいー、カミールさん早いですー!
GM/エルフ2人が教会の中に入ると、中では絵本の読み聞かせをしています。「昔々ムーミんという妖精が〜……めでたしめでたし」「わあーっ!」
カミール/待てぃ!(笑) い、いやムーミんがめでたしめでたし!?
GM/何か?(笑)
カミール/……ま、まぁ……いいや。子供達にまじって聞いてようか。
GM/「今も黒いムーミんとの壮絶な戦いに勝った白い妖精は平和に暮らしてるんじゃよ。それじゃあこれで今日はオシマイにしようか」「はーい、おばあちゃんバイバーイ!」……話が終わって子供達が帰り始めます。「おぅや、旅人さんかね?」
クロード/はい。お話、すっごく楽しかったですよ!
GM/「あぁ、この地に伝わる話での。面白い伝説じゃろう? 白い妖精と黒い悪魔との対決……」(笑)
クロード/そうですね……おばあさんは他にお話ご存知ですか?
GM/「どんなお話がいいかねぇ。……アクション大作、昼ドラ……色々あるよ?(笑) でも村の近くには遺跡があるからねぇ。やっぱり旅人さんに聞かせると言ったらこの地域の話かねぇ」
クロード/じゃあ、それをお願いします!
GM/「そうかそうかぁ、――ツーデル村の少し行った所にな、遺跡があるんじゃよ。西暦と呼ばれる時代にある施設として使われていたらしいんじゃ」
カミール/……遺跡、か。
GM/これは、ヴァロさんも知っています。クロンも遺跡のことは村の外れにあるから有名だよってことで聞いているでしょう。「石が沢山集まっていてね……今となっては何をされていた場所だか判らないんじゃが、霊力が高い場所と言われている……けどあまり人は近寄れないんじゃ」
カミール/というのも?
GM/「モンスターが出て危ないんじゃ。村は騎士様が守ってくれているから安全だけどの……遺跡の方には出現するんじゃ」
カミール/村人は自主的には行かないか。西暦の遺跡だから重要文化財の一つだろうけど……ところでおばあさん、西暦の時代でのここの地名はなんですか?
GM/「サイタマと呼ばれる地方じゃったが、遺跡の名前は……確かこんな字の場所じゃ」と、絵本のある棚から一冊の本を出します。古い本の古いページ、そこには古代語がぺらり……。
クロード/読めますか?
GM/【歴史学】で判定を。目標値は15。
クロード/調べます。(ころころ)18です。
カミール/(ころころ)出目が低い、12だ……だがカードを足して16!
GM/では二人共判った。クロードは余裕で、……カミールは一生懸命努力して読めた。
カミール/ふん、クロードに判って私に判らぬ訳がない!
クロード/ヒドイ!(笑) でもボクは余裕で判ったよー♪
GM/ではその結果です。この古代語は、こんな読み方をする――『トコロザワ』。
クロード/ところざわ……? それが遺跡の名前ですか?
GM/いや、トコロザワと言うのはまた地名らしい。その書かれた字の隣を解読すると――『霊園』という言葉が目に入った。
カミール/……墓?
GM/「旅人さんや。教会には書物を沢山保管しているから、もしツーデルの歴史に興味があるんだったら見てみるといいよ」
クロード/ありがとうございます! ――あ、おばあさん。『こんな模様』を持った人を知ってますか? コレです、……って自分の左目を見せる。
GM/クロードの左目に刻印があるんですよね。左目を見ておばあさんは唸ります。「おお、これは確か……聖印、だったかの?」
クロード/はい。この村でコレと同じものを持った人はいませんか?
GM/「そうじゃな……確かここを守ってくれている騎士さんでな。……さっきまでそこにいたんじゃが、名前は何といったかのぉ」
カミール/右手に刀と、左手に厚い本を持った男では?
GM/「あー、持ってたのぉ」(笑)
カミール/ということは、さっきの男。……宿屋に行けば会えるか。
クロード/もし騎士さんが宿屋にいなくても、宿屋で働いているあの人に聞けば判るんじゃないですかね?
GM/ブツブツ相談してるんですか。「もおー、そんな小さな声で話されたらおばあちゃん聞こえないぞー?」
クロード/あっ(笑) おばあさん、とても貴重なお話ありがとうございました!
カミール/見聞が深まりました。――それでは我らはここらで失礼します。
GM/「またお話があったらいつでもおいで」
クロード/はいー。……教会を出ます。
GM/注釈を入れますが、この世界では『特殊な力を持つ者』や『聖印』は隠すものではございません。「そういやあの兄ちゃん、強いなぁ」「聖印持ってるんだって」「へぇ〜」ぐらいな認識です。知っている人もいれば知らない人もいます。
クロード/ボクは目にありますから直ぐ何かあるか知られちゃいますねぇ。
カミール/私は場所が太股だからな、露出しない限り判らない。……良かった、一人でも見えやすいやつがいて(笑)
GM/お昼が終わり、絵本の読み聞かせを聞いて、――教会を出てあらためて空を見る。するともう茜色。日が落ちる前だ。……ちょうどヴァロさんもクロンもシフトが終わる時間帯です。
クロード/それじゃあ、宿屋に行きましょうか。


 ★夕方 宿屋


クロン/ふう、生ゴミはこっち……と、外に出る。そろそろ夕飯の客が来るかな……と思いながら、空を見上げよう。
GM/昼間は綺麗な青空だった。だからか、天気の良い夕方は一面綺麗な茜色の空になっている。
クロン/自分が初めて見た空でもあるから少々考え深いものがあるな……目を細めて茜色を見る。
GM/目を細めるクロン。ああ、3日前もこんな空だった……カブト虫といっしょに拾われたあの日(笑)
クロン/そんなこともあったなぁ!(笑) あのカブト虫、挟んできて痛かったこと……(笑)
GM/……そうだ、あの時。同じ空の下、遺跡と街の間の道にいた。――何故、俺は記憶を失ったんだ?
クロン/……何故、……俺は一体?
GM/――そこにやってくる旅人二人。「いらっしゃいませ〜」
クロン/にゃっ? 知ってる気配がする、直ぐにゴミを捨てて、……いらっしゃいませー!
カミール/どうも。……メニューを見ようか、今晩は何にするかな。
クロード/あ、クロンさん……約束通りお食事に来ましたよー。
クロン/来てくれたんだね。ありがとう。……オヤジさん、あの二人は俺の知り合いなんですよ、さっき会った人達なんだけど。お茶くれませんか?
GM/「クロンちゃんの友達かい。いいさ、コレ持って行ってあげな」
クロン/ありがとうございます。茶を持って二人のテーブルに置こう。
カミール/ずずずー……。あの騎士っぽい男はまだいないのか?
クロード/お茶貰ったんだからありがとうってちゃんと言わなきゃダメですよ!(笑)
GM/マイペースだなぁ……では、噂をすれば騎士の仕事が終わって宿屋に帰ってくるヴァロ兄。
ヴァロード/カランカラーン♪ ふぁー、今日もよく働いたぁー……ただいまー。
クロン/いらっしゃーい……じゃなくて、おかえりヴァロードさん。
GM/「ようヴァロもお疲れ。仕事終わりはエールがいいかな?」
ヴァロード/ありがとう、今日は何かオススメあるかい?
カミール/――ギラリ、と獲物を見付けた目でそちらを見る。
ヴァロード/えっ?(笑)
カミール/……確か貴方はシュルツさん、でしたか。宜しかったら一緒にお食事でもどうでしょう?
ヴァロード/あ、別に構いませんよ。
クロン/じゃあそっちのテーブルに料理運ぶよ。どうぞ、今日のオススメはコレ。鶏の丸焼きです!(笑)
GM/「友達が来てくれてるんなら、クロンちゃんも休んでくれていいよ。今日は一日中働いてるんだしさ」
クロン/すいません、じゃあ休ませて貰いますね。……という事で、4人で円卓を囲もうか。
ヴァロード/いやー、お疲れ。それじゃいただきまーす!
カミール/……テーブルの下でクロードをガッと蹴る!
クロード/ひっ!?(笑) い、痛いよぉ……いきなり何ですかぁ?
カミール/……目で合図。
クロード/あ、はい……。シュルツさん……でしたっけ? 失礼なことを聞くかもしれませんけど、こういう模様とかに見覚えはありませんか……と左目を見せる。もうっ、ボクばっかり見せてる!
カミール/だってお前の方が判りやすいだろ! こっちは太股だぞ!(笑)
GM/少年がスッとズボン脱ぎだしたら驚くわな(笑) クロードが左目を近寄せ、見たヴァロードは……自分も同じものがあると思った。
ヴァロード/ああ、これのことですか。――右手を出す。
クロード/そ、それです! ……えっと、もしかしてクロンさんもありますか?
クロン/聖印? ありますけど、それが何か?
カミール/……フフッ、こんな所に2人も……。
クロード/カミールさん怖いです!(笑) とにかく続きは任せた!
カミール/了解。夕飯を一頻り楽しんだ後で、――お二人はさっきの少年の話、どう思われるか?
クロン/え、空にヒビが入ってるって話ですか? ……正直言うと見間違えじゃないかなって思ってます。
ヴァロード/うーん、見間違い……だった可能性もあるけど。エルクも真剣だったし、嘘をつくような子じゃないから信じてあげたいんだけどな。
GM/じゃあ、エルク君が出てきます。「ハイハイ、デザート持ってきたよー! オレお手伝いだよ、ジェラートだよー!」
クロン/お、ありがとう。……でも何で俺だけチョコレートなんだ?
GM/「黒だから!(笑) 喧嘩売ってないよー、バカでもないしー!」
クロン/それはともかく、エルク。……そこのお兄ちゃん達がお前に話があるってさ。俺のチョコレートジェラートはあげるから座れ。……ついでに俺はヴァロードさんの貰ってる。
GM/ヴァロさん奪われてるよ!(笑) ……エルクは大人しくジェラートを貰って椅子に座ります。
クロード/エルク君、……空にヒビが入ってたって本当かなぁ?
GM/「本当だよ。朝起きたらあって……でも顔洗ってまた外を見たら無くなってたんだ。青いお空に、赤いヒビがガラスにピシピシ走ってるみたいな感じ」
カミール/そのヒビを見たのは本当に初めてだな?
GM/「初めてだよ。雨も最近降ってないし、おかしいことだって無い……ううん、あったな?」
クロード/あった?
GM/「おかしいことっていうか、気になっていることなら」
カミール/言ってみろ。
GM/じっとクロンの方を見る。「3日前にね、……カブト虫といっしょにクロンを拾ったんだけど」
カミール/……拾われたとはどういうことだ?(笑)
クロン/人聞きの悪いこと言うなよ! ……事実だけど(笑)
GM/「3日前にヴァロ兄と一緒にカブトムシ狩りに行って、その時にビー玉を落としちゃったんだ。だから昨日、一人で街道まで行ってみたんだ。そしたら……昨日の夕方、遺跡の方に女の子が一人立ってたんだよ」
ヴァロード/……一人でか?
GM/「ビー玉取って帰ってきたらもう夕方になっちゃってさ、変なお姉ちゃんもいるし……直ぐ帰ってきたよ?」
クロード/その女の子は何していたか判らないか?
GM/「わかんない。けど剣とか武器は持ってなかったし、特に連れ添いがいるようには見えなかったし、メイガスっぽい格好もしてなかったよ。お姉ちゃんが一人だけで変だった」
カミール/この村の子ではないのか?
GM/「それはないよ。だったらオレ、声掛けるもん」
クロード/遺跡って、あの霊園ですよね? モンスターがいるから一般人であれば近寄らないんじゃ……。
カミール/3日前はいなかったんだな?
GM/「3日前はいなかったよね、ヴァロ兄。いたのは、カブトムシとキノコとネコだけだよ」
クロン/俺かよ(笑) ……でも、気になるなその子。今から見に行けるか……。ヴァロードさん、もし一般人だったら一人でモンスターが出る遺跡には危ないですね。探しに行ってみましょうか?
ヴァロード/そうですね、……けどその前に。エルク、勝手に遺跡の方に一人で行っちゃダメだろう!
GM/「わ、わーっ、ごめんなさい! でも無事だったじゃん!」
カミール/……お二人。我々も連れて行ってはくれないだろうか。何か力にはなれる。
ヴァロード/いいんですか? ……多すぎても困りますがこれぐらいの人数だった大丈夫でしょう。行きますか。
クロード/……カミールさん、行くんですか?
カミール/マスターは『ツーデル村の近くの遺跡で、おかしな霊力の動きがある』と言っていた。それが鋼魔の発生源である可能性もある。我々はこの辺の地理には詳しくない。
ヴァロード/では案内しますよ。エルク、ちゃんと留守番してるんだぞ――。


 ★遺跡


GM/村を出て街道を歩くこと数分、まだ完全に暗くなる前に遺跡への入り口に到着しました。
クロン/ここに女の子は?
GM/いません。――探すなら【捜索】判定をどうぞ。
ヴァロード/(ころころ)19。
クロン/(ころころ)カード使って、19にします。
GM/では2人は判る。……小さな足跡があった。おそらく誰かが遺跡の中へ入っていったんだろうな。けどヴァロさんは判る、子供達はまずここに入らないだろう……。
カミール/GM、【神秘考古学】で『ここが本当に霊園なのか』調べたい。できるか?
GM/可能です。クロンとヴァロードが捜索している間にしたということで、どうぞ。
カミール/(ころころ)達成値18、……どうだ?
GM/カミールは遺跡の所に石板を発見した、その字も読むことができた。――『芝生型自由霊園リバティ所沢』。
カミール/……は?
GM/じゃあ【歴史学】で判定をしてください。
カミール/(ころころ)22。
GM/え、20越えた?(笑) ――それではカミールの頭の辞書からババッと情報が!『所在地は埼玉県所沢市南○井、事業主体(宗)三○寺。羨望の、墓苑というより、まさにメモリアルモニュメントの美術公園とでも言うようなオリジナルデザインの墓標の数々が自由で伸びやかなやすらぎの空間を演出しています。花で埋もれたオシャレな設計は次世代の霊園を象徴してます――』
クロン/なんかカミールさんがブツブツ言ってる!(笑)
クロード/つ・ま・り! 墓地ということですね?
カミール/そういう事だ。……何か問われれば私が出すから(笑)
クロード/中に入った子が心配になってきました。もう一回改めて【捜索】してみよう、どっちの方に行ったとか判るかな(ころころ)カードを足して23です。
GM/また20越えか。クロードは、『あること』に気付く。……これは鍛錬をした人間の歩き方じゃない、普通の人間だ。
クロード/普通って、どういうことですか?
GM/クロードのような僧侶やヴァロードみたいな戦士なら、修業した際に『よりよい気の流れ』を拾得しているので歩き方に規則性があるのです。だけど普通の人間は魔術や気など気にしないのでバラバラに歩きます。……つまり。
クロード/……本当に一般人、それって危険だってことですよね! 早く行きましょう!
GM/遺跡の中に入ります。――ではここで、もう一度【捜索】判定をしてください。目標値は……25。
クロード/え、高い!?(ころころ)…17です、届かない。
カミール/クロード、後押ししよう。【勇気】のカードを使うのは勿体ないが……仕方ないな。怖がらずに調べ尽くすんだ!
クロード/は、はい! 貴方が信じてくれる……その心、使わせていただきます。では【友情】と【勇気】のカード2枚を足して達成値26になれます!
GM/頑張ったなぁ。……クロードは、キュピーンと感じた。芝生の方でガサガサと音がする。
クロード/草が動いている? ……皆さん、何かいますよ。
ヴァロード/言われて、そっちの方を見ます。敵ですかっ?
GM/ブロッコリーがいます。
ヴァロード/……え?



カミール/……えっとコレ、何?
GM/【魔導生態学】でふってください。
カミール/(ころころ)……15。
GM/名前、ブロッコリー。
カミール/まんまやん!(笑)
GM/緑色の強靱な肉体を持ったモンスターです。……捕まえると経験値が入るんじゃね?
カミール/……よし殺ろう!(笑) 全員戦闘体勢をとれ!

 ●戦闘/1ターン目
GM/場所は陸、ブロッコリーは3マス離れています。ではまず毎ターンの最初に『ドローフェイズ』でカードを1枚引いて、『AP決定フェイズ』で行動力を算出してください。それではどうぞ!
クロード/3マスも離れてますから、最初はみんな接敵しましょう。全員移動力1だからね。
カミール/同じく、俺も1マス移動で終わりだ。
クロン/了解、1マス移動して……ついでにAP5使ってチャージをします。次の攻撃に賭ける!
ヴァロード/1マス進んで……【フェイバリット/刀渡】いきます!
カミール/必殺技、もう使うのか?
ヴァロード/カードも射程も大丈夫です! なので【希望】と【友情】のカードを使って……そのままダメージ算出します!(ころころ)ダメージ15、ズシャッ!
ブロッコリー/……ぶ、ブロッ!
クロード/鳴き声、『ブロ』なんだ!(笑)
ブロッコリー/ブロォーッ! こちらのターンだブロ……緑のアタマを引っこ抜いて投げるブロ! クロンに(ころころ)15で投擲!
クロン/なにぃっ!(笑) 相殺したいが……残りAPが5だから普通に避ける!(ころころ)18だ、スカッ!
ブロッコリー/あ、避けられたブロー!

 ●戦闘/2ターン目
クロン/接敵して【武器/セスタス】で攻撃するぞ!(ころころ)うわ、11だ!
ブロッコリー/回避いくブロ!(ころころ)流石に11は避けるブロ。
カミール/クロンに続けて、魔法をうつ! その前にチャージを2回。
クロード/一気にダメージプラス10ですか?
カミール/力を溜めて溜めて、ふざけた顔に【魔術/シェードコード】。(ころころ)命中値20!
ブロッコリー/(ころころ)あ、当たるブロ……。
カミール/(ころころ)霊力17のダメージ!
ブロッコリー/ブロオオオ! ぶろーぶろー……パタリ。
カミール/……ふん。
GM/カミールさんの魔法の餌食により、なんと可愛らしいブロッコリーが採れたよ☆
クロン/……これ、喜んでくれますかね。宿屋のオヤジさん。
カミール/……いいんじゃないかな。持っていってやるか。
GM/そんなカミールさんに経験値を与えましょう。『ブロッコリーを倒した』という【勇気】にプラス10してください。
カミール/経験値が貰えるのは嬉しいが、毎回出てきてほしくないような……顔……だな(笑)
GM/こんなに可愛いのにー(笑) ――さて、「遺跡の近くにモンスターが出る」とは聞いていたけど、やっぱり出るとは……警戒しなければなりませんね。
クロード/……でも、ブロッコリーですよね?(笑)
カミール/一般人には危ないに変わりない。……一般人でもブロッコリーに襲われるのは屈辱的だろうな(笑)
ヴァロード/早めに助けに行った方がいいな……皆さん、無事のようですから行きましょう!


 ★遺跡


GM/暫く遺跡を探索しながら歩いていくと……広く寂れた場所に出た。西暦の時代に『墓地』として使われたところだろう。
カミール/墓か……出来ることなら荒らしたくないな。
GM/ではここで、【直感】判定をお願いします。
ヴァロード/霊格が無いので皆さんお願いします。
クロン/霊格無いけど一応ふっときますね。(ころころ)あ、ファンブルだ!(笑)
GM/クロンは思った。「お墓だ」……恐いなぁ。
カミール/(ころころ)16。クソ、やる気ない。
GM/では、16のカミールは気付く。――ハッ、あそこに人が……いる。黒髪の長い女の子が一人……。
カミール/む? まさか一般人というのは……。
クロード/(ころころ)あ、22です。20越えした!
GM/おお、それでは22のクロードは感じる。――【直感】は『霊感』としても処理されます。そこで……ここに何か、絶対に『悪いもの』がいる……いっぱいいる!
クロード/な、なんかココ……スゴイいるんですけどー!?
ヴァロード/そう言われても、何が居るんですか? キョロキョロ。
クロン/物凄い失敗したから物凄く判らない(笑)
カミール/……どうやらこの場所はよくないらしい。俗に言う死霊、悪霊、怨霊と言われるものだ。――それと、そこに少女がいるんだが。何をしているんだ?
GM/カミールに言われれば全員気付きます。……一人の少女が、ある墓石に向かって話し掛けているみたいだ。
カミール/……耳を澄ませて声を聴く。何て言ってるんだ?
GM/ぼそり、ぼそり。『誰か』に向かって話し掛ける少女。

「……やり残したことはない? まだやりたかったことはない?
 誰かを嫌わなかったの? 妬んだりしてないの? 殺したいとか思わなかった?
 ……ええ、そう。その気持ち…………イヤじゃないわ。とても判る。
 ……スナオな気持ち、私は好きよ」


クロード/
あ、あぶないコト言ってますよ、あの子……村の子じゃないんですね?
GM/ヴァロードさんが村で騎士をしている間、あんな子は見たことない。
ヴァロード/……絶対違います。墓石に話し掛けてるだなんて……。
クロン/……俺にも、判らないか?
GM/……クロン限定で【直感】判定を。
クロン/(ころころ)【愛】4のカードを使って17。
GM/クロンに……見覚えは、ありません。全くない。けど近くに、似たような『モノ』を知っている気がする。似ている人や格好という訳ではないけど……この感じは。
クロン/……なんか引っ掛かるものがある。
GM/黒髪の少女は話し続ける。
「貴方達に力をあげる。貴方がしたいこと、たくさん、今生きている人達に伝えて。……貴方が今もいるってことを」
クロン/……ヤな予感を感じた! 咄嗟に叫ぶ!

「――やめろ!」
 彼女が話を終える。クロンが叫ぶ。
 ……そして周りの怨霊達がざわつきだした。墓地中の霊達が4人の方を向く!


クロード/うわあぁっ! 心の中で『クロンのバカー!』って叫ぶよ! みんなこっち向いたじゃーん!(笑)
GM/おどろおどろしいモノが、……クロード以外にも形となって視えてくる。――改めて【霊格】判定をどうぞ!
クロン/(ころころ)16。
ヴァロード/(ころころ)15。
カミール/(ころころ)18!
クロード/(ころころ)16……だけど【絶望】カードを足して23にします。
GM/全員15以上ですね、全員圧倒的な『悪意』の感情を持ちます。そして傭兵の二人は思い出す、……俺達が戦ってきたアイツラが生まれる嫌な香りだ!
カミール/うっ! ……そ、総員……後退しろ!
ヴァロード/ど、どうかしたんですか?
クロード/これはイヤなものです、下がった方がいいです……!
GM/一方クロンとヴァロードは、……急に体内の刻印が疼きだした気がする。そして、貴方達の心の中に――『ある名前』が浮かび上がってくる。
ヴァロード/ある……名前?
GM/……もう一人の自分の名前だ。危機が訪れた時、この名を……。
クロン/……もう一人の、自分。
GM/怨霊は更に大きく、禍々しく貴方達の目に映る。実体化した黒い影は動き出す、……村の方へ!「これから、もっと大きな気持ちを生み出しに行きましょう。――人々を襲いなさい」
ヴァロード/村の方へ!? 
カミール/仕方ない、聞け! ――これが鋼魔というこの世界を壊すモノが生まれる瞬間だ。私達はそいつらからこの世界を維持する為に派遣された者だ……知っている通り、お前達にも聖印が刻まれている。
クロン/……肩をそっと抱く。
カミール/同じ聖印を持つ者として言う。――私達の任務を手伝ってほしい。奴を倒すんだ!
クロード/ボクからもお願いします、どうか、力を貸してください!
カミール/コール、【フェイバリット/サモンノア】――カモン・サイレンス!

 カミールが第二の名を叫び。カミールの体を光がつつみ、現れる戦艦カリバーン。
「君達はもう分かるだろう? そうだ、その名を叫べ!」


クロード/了解、カミール……艦長。――おいで、フェンリル!

 クロードが叫ぶ、途端に緑色の巨人……グリタール・ファンタズマが現れた。

ヴァロード/……。分かりました、貴方に従います。……刀を構え、名を呼ぼう。――来たれ、マンジ!

 ヴァロードの目の前に紅い神格機兵が出現した。剣を持ったエクレール・シュヴァリエの光が侍をのみこむ。刀を持った紅い騎士が村を襲う黒い影に立ちふさがった。

クロン/もう一度、少女の方を見る……彼女は今どうしてる。
GM/……墓石の方を向いたまま、変わらない。
クロン/こんな状況でもか……。どこか懐かしいと思った、でも判らない。君は誰だい、――セレスティアルス。

 呟く。いつの間にか、クロンの隣には――蒼のセア・クシポスが立っていた。
 そして語りかけた後に黒髪の少女は、……何も言わずパァッと赤い霧になり、消えた。
「村を守る。……いこう、もう一人の俺」


 ●戦闘/1ターン目
GM/場所は陸で神格機兵戦闘です。黒の巨人は4マス離れています。では戦闘開始!
カミール/【魔導生態学】で奴を調べる。GM、目標値は?
GM/今回のボスなので、高めの20です。
カミール/(ころころ)……無理だ。クロード機、いけるか?
クロード/やるだけやってみます。(ころころ)あ、ダメだ。16!
GM/では外見だけ説明すると、巨人はおどろおどろしいゾンビのような姿をして……どうやら弓になるようなものを持っている。
カミール/判ることだけでも戦闘機に伝える。……おそらく奴はあのまま村へ向かい破壊活動を行うだろう。その前に近付きたい。私の【チャクラフェイバリット/縮地】を使ってワープをしたいのだが。
クロン/俺は移動力が3あるので奴の所まで飛んで行けます。だからヴァロード機が戦艦に乗って一緒にワープしてもらって……挟み撃ちをしましょう!
ヴァロード/判りました、戦艦に乗ります。
カミール/エクレールを収容して……村の前まで【チャクラフェイバリット/縮地】! 村に奴が着く前に戦艦が盾になろう! ……これで手持ちのカードが無くなったがな。行ってくれ、二人とも!
クロン/了解。まず宣言、AP5消費して空に浮かびます。その後に、【フェイバリット/ブレイズハート】を使用! 戦闘終了まで攻撃達成値プラス5します。3マス移動して、――射程が届くから攻撃!【メインアーム/エーテルランスランスモード】いくぞ、(ころころ)カードをプラスして命中値27!
GM/(ころころ)くらいます。
クロン/攻撃いくぞ!(ころころ)ダメージ25!
GM/ザスッ! 黒い幻影に槍が刺さり「グオオォ!」――怨霊は唸り声を上げます。
ヴァロード/サムライ行きます! まず戦艦から下り……て、残りAPが6だけになります。
クロード/じゃあボク、ヴァロードさんを支援するよ。1マス前に出て【フェイバリット/アネモス】! APをプラス5にしてください。
ヴァロード/ありがとうございます、これなら【メインアーム/ソードライフル・ライフルモード】で攻撃ができる。まずは命中を……(ころころ)23!
GM/回避します。(ころころ)う、当たる。
ヴァロード/食らえ!(ころころ)霊力ダメージ33!
GM/バスッと霊力弾を食らった怨霊……グラッとふらつく。
カミール/戦艦も援護しよう。この位置から【メインアーム/精霊機銃】を撃つ、全砲門開け!(ころころ)22命中。
GM/回避しますよ、(ころころ)ち、当たりました。
カミール/(ころころ)24の霊力ダメージ、ドオオン!
GM/霊力攻めだな……では敵のターンいきます。黒い巨人は村の方向へ1マス移動し、2マスの射撃攻撃……赤のヴァロード機へ!
ヴァロード/回避します……(ころころ)31!
GM/(ころころ)当たった、33。弓矢がマンジを襲います!(ころころ)物理ダメージ34!
ヴァロード/ぐ……っ、でも割と平気です。

 ●戦闘/2ターン目
クロン/【希望】カードの3を使って【フェイバリット/ウェポンパージ】! 戦闘終了までAP基本値プラス5いきます。それと誰かいらないカードをください!
カミール/じゃあ【絶望】のカードをやろう。……わかるかクロン、これが戦場というものだ。
クロン/カミール……艦長、ありがとうございます。【フェイバリット/ソウルバーニング】使用、と【愛】【絶望】を使って【チャクラフェイバリット/裂風】!(ころころ)物理ダメージ26! ……これでチャクラゲージに全部カードが揃いました!
GM/セアが放った疾風が黒い巨人を切り刻んでいき、……けたたましい叫び声を上げながら森の中、影がよたつく!
カミール/奴の調子はどうだっ?
GM/何度も攻撃を食らい、よろけながらも……奴は人々の暮らす方向へ進んでいく。
クロン/……何故? 村の人々が何もしてないだろう? ……どうして鋼魔は人を襲うんだ!
GM/……鋼魔は、何も言いません。鋼魔となったモノは意思疎通は出来ないからです。奴らは悪意の塊で、ただ……ヒトを襲います。
ヴァロード/そんな、……何としてでも止めないと!
クロン/……ああ、止めなきゃいけない。今は……俺達が、みんなを助けないと!

 その時。クロンの機体が光り輝く。
 クロンだけではない、紅の機体、緑の機体、戦艦にも力がみなぎる。
 戦艦サイレンスのオペレーターが通信を取った。
「オーバーロード――発動!」


GM/オーバーロード承認されました。スーパーモードです。今後、チャクラゲージにあるカードは無限に使えるようになります。
ヴァロード/総攻撃いきます! 【希望】と【友情】のカード使用で、【フェイバリット/刀渡】!(ころころ)ダメージ25!
GM/裂風の後、片方から真空刃が来た! 切り刻まれる!
カミール/その連撃に戦艦も続こう。1マス動いて、【フェイバリット/ブレッドミサイル】を撃つ。(ころころ)物理で22ダメージ、ミサイル発射!
クロード/ヴァロードさんは回復まだ大丈夫ですよね? ではボクも攻撃しますよ。【メインアーム/バスターガトリングガン】(ころころ)命中26!
GM/(ころころ)当たります。
クロード/(ころころ)ダメージは35です。……クロンさん、APプラスしたら攻撃できますか?
クロン/ああ、くれ!
クロード/わかりました、クロンさんに【フェイバリット/アネモス】。AP19までいってください。
クロン/セレスティアルス、いきます。【オーバーロードスキル/ゴッデスプレアー】……後ろに女神が現れ、その瞬きで全てを焼き尽くすという……超必殺技!
GM/来たか、必殺技。……前に出た蒼の機体に巨大な怨霊が怯む!
クロン/いくぞ!(ころころ)……う、出目低い! 誰かカードプラスしてくれ!
ヴァロード/私の【絶望】の7を使ってください!
クロード/ボクの3のカードもどうぞ!
クロン/ありがとう……二人のカードを足してプラス10。ダメージは、霊力89――!

「グアアアアアァ!」
 夜の森に女神の閃光が走る。闇に染まりかけた世界が眩しく光る。
 白い炎を一身に受け黒い巨人がよろけ……ようとした時。腕に力を込める。深い血のような朱に彩られた弓矢を、天に向け……。
「あっ! 艦長……っ!」
「しまった、防げないか……!」
 鋼魔は、空に矢を放った。
 夜空に『突き刺さる』矢。途端、ガラスが割れるようにパリパリと赤いヒビが入り……。
 パアン――ッ。
 ……砕けて散った。

「……偽りの世界なんていらないわ。
 世界をあるべき姿に戻しましょう……」

 巨人は、赤い霧に掻き消されるように消滅していく。
 砕け落ちる夜空のカケラ。絶望し顔を上げれば……そこは夜。ごく普通の、平和な夜の光景。
「ねえお父さん。なんか今、ずしーんずしーんって音しなかった?」
「ん、何かな? また気のせいじゃないか、エルク」
「でもさ、さっきパリーンって音もしたよ?」
「うーん、お父さんは判らないなー……」
 今日も村は、――世界は平和な夜を過ごしている。


ヴァロード/た、倒したんですね! 良かった!
カミール/……ああ。敵機は消滅、全機ご苦労だった……ハア。一度、二人とも戦艦に来てくれ。詳細を話そう、この世界の危機についてな。


 ★エンディング


GM/クロンとヴァロードが戦艦サイレンスに招待されます。一般人では見られないような『西暦的』な空間に案内されました。
クロン/も、物凄いキョロキョロするぞ……。
GM/ブリーティングルームにて、副官のヴァルゴが話し掛けてきます。「カミール艦長、マスターからの通信です。映像を出します」
カミール/判った。
GM/カミールの前に、マスターの姿が出ます。ホログラム映像ですね……クロンとヴァロード的には「幽霊が出たっ!?」
ヴァロード/わわっ、ビクッてする!
カミール/……そんなの気にしてられないぐらい落ち込んでる。
クロード/も、申し訳ございません、マスター……。
GM/「カミール・クライアス、クロード・イシュアール、気を落とさないでください。一度……壁は崩されてしまいましたが、アークが造りだしたとても薄い血壁を張ることができました」
クロード/本当ですかっ!
GM/「本部にて長年の研究されていたものです。まさかこんなに早く使うとは考えていなかったのですが……それだけ鋼魔の活動が活性化しているということですね。しかも、この数ヶ月で」
カミール/……しかし、血壁を破壊しようとする鋼魔の行動を抑え込むことが出来ませんでした。失敗は失敗です。
GM/「……結界は完全に破られた訳ではありません。これもそう長くは保たず、何回も張れません。また強い攻撃がされたら……、今はまだ解決策が出ません」
カミール/……。
クロード/……。
GM/「しかし落ち込んでいる時間は無い。早速ですが、新しい任務です」
カミール/……何でしょう?
GM/「4つの地域が今、鋼魔を原因とした混乱を来しております。その混乱を解決してほしい。お二人とも、やって頂けますか?」
カミール/……勿論です、マイマスター。今度こそ任務、果たしてみせます。
クロード/同じように頷きます。ボクも頑張ります!
GM/傭兵二人に話し終わった後、マスターはクロンとヴァロードの方へ向きます。「先程鋼魔と戦ってくれた方々ですね? ――どうか、我々アークと共に、一緒に戦ってはくれませんか?」
ヴァロード/……まだよく分かりませんが、それが世界の為になるというのであれば。
クロン/……俺も、やります。自分がどこに住んでるとか、どんな奴なのか判らないけど、世界が終わるのは食い止めなくちゃならない!
GM/「ありがとうございます……ヴァロード・G・シュルツ。クロン・カッツェ」
 ――貴方達はアークのメンバーになりました。任務で別の土地に参ります。……ヴァロードとクロンがアークの任務に向かう前に、準備の時間を与えます。ツーデル村に近い街道に2人を下ろしますけど、どうしますか?
ヴァロード/真っ先に宿屋の方に向かいます……エルク、オヤジさん。
GM/「あれぇ……クロンにヴァロ兄、おはよう……おかえり。どうしたの、朝帰りじゃん?」
ヴァロード/ちょっと色々あってね。で、オヤジさん。――私は旅に出なければいけなくなりました。暫くここに戻って来られるか判りません。なので私がいない間、他の人達をどうか宜しく頼みます。
GM/「え、ヴァロ兄……急なコトなの?」
ヴァロード/うん、かなり急なことなんだ。でも絶対帰ってくるからな。村から勝手に出たりするんじゃないぞ?
GM/「う、うん。判ってるよ! ……ヴァロ兄、帰ってくるよね?」
ヴァロード/ああ。
GM/「ちゃんと、帰ってくるよね?」
ヴァロード/帰ってきてこの村を守る、約束しよう。
GM/「うん、男の約束ー!」拳をぶつけ合うエルクとヴァロード。――クロンは?
クロン/宿屋のオヤジさん達に挨拶をします。オヤジさん、……俺もヴァロードさんと一緒に行くことになりました。今まで本当にありがとうございます。
GM/「まさかクロンちゃん、記憶が戻ったとか?」
クロン/……それには静かに首を振る。記憶はまだ戻らないんですけど、俺を必要としてくれる人達がいました。だからどこまで出来るか判らないけれど、行ってみます。……本当にお世話になりました。
GM/「……ずっとウチで働いてくれてもいいなって思っていたんだがなぁ。でも、お前さんの道が見付かったんなら良かった」
クロン/はい。
GM/「記憶、ちゃんと戻るといいな」
クロン/はい! 深々と頭を下げます。
GM/「頑張れよ」「ヴァロ兄もクロンもガンバレー!」
ヴァロード/じゃあ、行ってきます――!
GM/――それでは貴方達を、任務のある4つの地域へ『巨大テレポートコード』を使い送ります。……ゲームシステム的に説明しますと、GMがこれから4つの選択肢をあげますので、次の舞台を決めてください。現在位置は、イーストシティ、東京。……ツーデル村は埼玉と訳します。

 @ウェストシティ。
  古い歴史がある都市。オタベが美味いです。京都と訳します。
 Aブライトインゼル。
  西の都市で、山と海に挟まれた豊かな自由都市です。お好み焼きが美味くて、広島とか言われてます。
 Bノーデンメーア。
  本州から離れた北の島で、極寒の地です。ラーメンが美味くて北海道らしいです。
 Cハウフェト。
  列島のヘソと呼ばれる中央地です。焼き饅頭が美味いです。ぶっちゃけ群馬です。


カミール/……GM、これって古今東西旅道中するんですか?(笑)
GM/その通りです。折角滅んだ日本列島が舞台のゲームなので、その地域に合ったステージが用意されてますよ。例えば北海道にはよく判らない時計のついた遺跡があったりね?(笑)
カミール/……個人的な希望を言えば、群馬を最後にしたいんだけど。
クロン/まあ、群馬が埼玉から一番近いからなぁ。……ラーメンって美味いよね?(笑)
カミール/そうだな、出来れば寒い所から処理していきたい。……本州以外から解決した方がいいんじゃないか?
クロード/いいと思いますよ、遠くからで。ヴァロードさんは?
ヴァロード/北海道ならシャケですよね!(笑)
GM/シャケだね!(笑) きっとホワイトラバーズもありますよ!
カミール/うむ、北海道だな。では……マイマスター、決定しました。
GM/「判りました。それでは行きましょう――北の国ノーデンメーアへ!」