クトゥルフ神話TRPG・リプレイ
■ 『 狂気山脈 』 2ページ ■
2022年7月20日




 ●3シーン目:5000〜6000メートル

KP/奇跡的に天候に恵まれ、無事ショゴス乗越を越えて高度6000メートルに到達しました。

 高度6000メートルを超え、ショゴス乗越を越えた頃、山はその姿を大きく変えた。
 あまりの強風のためか、はたまたその特殊な地質の影響か、全ての雪が吹き飛ばされた、漆黒の山脈が姿を表したのだ。
 また、視界の果てまで、目もくらむような高峰群が続いていた。
 ここから先、登山隊は、無数のピークをトラバース(迂回)しながら、漆黒の山脈の最高峰と推定されるピークの取り付きまで移動していく。

KP/要約「危ないとこは避けて遠回りだけど安全なルートで登っていくよ!」
恋色/安全に行こう!
迅/ピンチは抜けたと考えて、でも慎重に行こう。
KP/(K2になって)今のコンディションならもう少し進めそうだが、ここから先は更に厳しい状況になるだろう。万全の調子で進むためにも、余力があるうちに今日はここで休もうと思う。いいかな?」
迅/賢明な判断です。
KP/コージーは「なんだよ、このまま勢いに乗って進んじまおうぜ!」などと息巻きますが、K2は首を横に振ります。「今回は幸運にも天候に恵まれたが、この先もそうとは限らない。無茶をして帰還不能になってしまっては元も子もないだろう」
潤/うんうん。
KP/「我々はただ山頂に行けば良い、というものではない。山頂に立ち、そして帰るまでが我々の目的であり使命だ。わかるね?」
恋色/わかる〜。
KP/「……チッ」 K2の言葉にコージーも渋々従い、雪も無く風が避けられそうな場所に皆さんはテントを張る事になりました。そうして食事をし、火を囲んで談笑をする貴方達。
恋色/今のところ大きな怪我もしてない……私達、かなりラッキーなんだろうね。
潤/確かに。負傷者は出てないし……。
KP/(梓になって)「私の仕事が無いのは本当に良いことだわ。このまま何事もなく進んでくれれば良いのだけれど……」 (コージーになって)「まあ、俺というラッキーマンが居るんだからこの先も大丈夫だって!」 (K2になって)「さて、楽しいお喋りはこの辺りにしてそろそろ休もうか。明日も頑張ろう」
潤/うん、おやすみ。
迅/みんな、ラッキー温存しておけよ〜。
KP/おやすみ、良い夢を。……そして、皆がテントに入り寝静まった頃。

 ――夜。探索者たち全員は夢を見る。
 漆黒の山脈を、無数の人影が列をなして登っているように見える。
 山が鳴動する。ズルリ、と山が身じろぎすると、ひとり、またひとりと、まるで山に飲み込まれるように登山者たちは消えていく。
 漆黒の山脈に無数に空いた「うろ」から、飲み込まれた人たちが無残な「残骸」と成り果てて、吐き出されていく。漆黒の谷が、あっという間に、虹色に染まっていった。
 そして、虹の谷の一部となりはてた登山者たちの中に、君は見つけてしまう。――「あなた自身」の姿を。SANc(1/1D4)。

恋色/ひえ、SANチェック!(ころころ)10、成功。

 6人一斉にSANチェックをしたところ、梓以外は成功。梓はSAN値が3減少した。

KP/ちなみに、「虹の谷」というのは実際にエベレストにある場所だそうです。谷底に無数に転がる、色とりどりの登山ウェアを纏った登山者たちの遺体を形容する言葉で、ウィキにも載ってますが……閲覧注意です! 登山家であるなら虹の谷の意味は知っているでしょう。そして、その一部になるという恐怖も。
迅/これから難所に向かうんだから、こういう悪夢を見てもおかしくないな……。

 目が覚める。
 周囲を見ると、みな脂汗をかいて酷い表情で目を覚ましていた。皆、同じ夢を見ていたようだ。

KP/(コージーになって)「何だよ、みんなして顔色わりいな……」
迅/うーん、天候が悪くてみんな頭痛しちゃったかな? 明るく言う。
潤/梓さん、大丈夫ですか。顔色が悪いですが……。
KP/(梓になって)「え、ええ……気圧の関係で体調やメンタルを崩すこともあるから……」
潤/万全を期して昨日早く休んで良かったですね。遅く休んだらもっとメンタルやられてたでしょう。
恋色/そうそれ! つまり昨日早めに休んで良かった! 頭ぶんぶんして疲れを吹き飛ばします!
KP/(K2になって)「ショゴス乗越を越えて、緊張感が緩んでドッと疲れも出たんだろう。少し休んだら出発しよう」 えー、これからアクシデント・チャートが【漆黒のアクシデント・チャート】へ切り替わります。今までのものよりちょっと難易度やペナルティが増えるぞ。

 天候決定の<幸運>ロールは、迅が00ファンブル(通常の失敗と同じ効果で適用)、恋色が失敗、潤が成功した。
 2人失敗したため、天候は「強風」に。耐久力が−1d3され、<ナビゲート>&知覚&運動系技能に−30%された。

恋色/初ダメージ! まだまだいける!
KP/何気にこの卓ダメージ初めてなんだよな(笑)

 全員マイナス補正が入った状態で<ナビゲート>ロールをした結果、恋色、潤、コージーが失敗。
 恋色とコージーはアクシデント表で3の「大滑落」を引き当てる。

 ■アクシデント表3:大滑落
 チャートを振った探索者は足を滑らせる。<STR×5>ロールで成功すると、滑落停止。ダメージなし。
 失敗した場合、KPは2d10を振って落下メートルを決定する。落下ダメージ(ルールブックp62)を算出すること。

恋色/おわ〜!?(ころころ)<STR>ロール、45で成功!
KP/成功したので滑落停止です! 急斜面で足を取られ、あわや滑落か……と思いましたが、寸でのとこで恋色ちゃんはザイルを掴んで事なきを得ました。
恋色/今までの経験がいきる! いえーいいえーい! コジコジ頑張って……!
KP/コージーのSTRは11。(ころころ)32で成功! お前凄い!?
恋色/コージーくんすごーい!
迅/凄いぞ凄いぞ!
潤/成功して良かった……!
KP/「あっぶね! はあ、恋色も無事か〜!」
恋色/無事〜! 良かったコージーくんが無事で! 装備とか場所が場所じゃなかったら抱きついて喜んでたよ〜!」
KP/「えっ……」 きゅん。
迅/これは全員で抱きついて胴上げするレベル。
KP/危ないからここでは止めてね(笑) では、大滑落を無事乗り越えたところで、潤さんのアクシデント表です。

 ■アクシデント表2:高山病
 急に高度を上げ、高度順応が十分でないまま進んでしまったようだ。全員<CON×(10-現在標高の千の位)>ロール。失敗すると、高山病にかかる。
 治療されるまで、キャンプによる耐久力回復が無くなり、あらゆるロールに−20%の修正がかかる。
 治療は<医療>か、もしくは、【停滞】ごとに発生する<CON×(10-現在標高の千の位)>ロールに成功すること。

一同/(ころころ)成功。
KP/マジで!? 成功したの!?(ころころ)その代わり、梓がファンブルだと……。(ころころ)ううん…悪夢の影響もあるのか、梓は万全に治療行為をすることが出来ませんでした。さて、改めて6000メートルで停滞するか7000メートルまで進むか、どうされますか?
恋色/7000メートルまで行きたい派です!
迅/どちらでもいいなと思ったので……7000メートルまで行きますか。
潤/じゃあ、進みます。
KP/了解です。(K2になって)「んん……停滞も選べるが、ここまで来たら7000メートルまで登り切ってしまった方が良いと思うが、皆はどうかな?」 コージーは元気なので「今の内に登って、そこで休もうぜ!」と小声で喚いています。
潤/梓さんも苦しそうですが、行けますか……?
KP/(梓になって)「ええ、ごめんなさい……こんなときに役に立てなくて」
潤/みんなさすがに今はきついと感じてますよ。
KP/「キャンプに着いたらもう少し落ち着いて治療出来ると思う。きついけど、みんなもうひと踏ん張り頑張りましょう」 高山病で重たくなった体に鞭打ちながら、7000メートル付近まで進むことが出来ました。(K2になって)「しんどいところ悪いが、日がある内にテントを張ってしまおう」
恋色/テントはりはり! みんな休んで〜!

 キャンプ地で改めて判定した結果、高山病は完治した。
 全員回復した結果、HPを1d3回復。全員ほぼ全快状態となった。

KP/「ここまで大きな怪我も無く進めて順調だ。あと3000メートル、一層気を引き締めて行こう」「高山病は落ち着いたけど、またそうならないとは限らない。今日も早く休んで英気を養いましょう」
潤/エベレスト一歩手前だ。頑張ろう。
迅/お休みスヤア!
恋色/みんな寝る気満々! 今夜は悪夢を見ませんよーに!
KP/皆さんがスヤァしている……そんな夜半、<聞き耳>ロールをどうぞ。
潤/(ころころ)79、失敗。
恋色/(ころころ)55、成功。
迅/(ころころ)80、失敗。
KP/恋色ちゃんだけか。……恋色ちゃんだけ、テントから誰かが出て行く足音に気付きます。
恋色/……だーれ?
KP/「あ? 恋色も起きたのか?」 コージーです。
恋色/おねむ……しないの?
KP/「トイレだよトイレ。ついでにちょっと散歩しようかなって」
恋色/……散歩、私もしていい? トイレはゆったりしていいから(笑)
KP/「ん、じゃあ、ちょっと待ってろ。すぐ戻る」(笑) コージー、恋色ちゃんから見えない聞こえないぐらい離れた岩陰の方に向かいました。そしてしばらくして……「おおい! ちょっとこっち来てみろよ!」
恋色/……ん〜? 行きますよ、とてて。

 空洞だ。中は鍾乳洞のような様相である。内部の壁はうねうねとヒダ状になっており、鍾乳石が随所に見られる。
 比較的暖かく、そしてじっとりとした湿気を感じた。

恋色/わあ……凄い所を発見しちゃった!
KP/「なんだこの空洞? もっと奥まで続いてるぞ。……おい、せっかくだし行ってみよう。世紀の大発見があるかもしれないぞ!」 コージーは鍾乳洞の中を進もうとしますが、恋色ちゃんはどうしますか?
恋色/ちょっと待ってて! 潤さん達に一声かけて来る! じゃないと「2人だけ居なくなった!」ってなっちゃうでしょ?
KP/「えっ……あ、ああ、分かった」 2人きりチャンスだと思ったのに、という顔です。「さっさと声掛けに行って来いよ」
恋色/潤さん、迅さん! 洞窟を見つけた! 行ってくる! いい?
迅/むくり。いいよ……と言いたいところだけど、危険ではある。
潤/むくり……うん。
恋色/うん。でも、いい?
迅/恋色ちゃん、2人きりでいきたい? コージーくんと。
潤/それとも、ついて行った方がいい?
恋色/えっとねー……正直なことを言うと、2人きりで行きたい。
迅/安全なのはみんなで行くことだけど?
恋色/いや、何かあったときのため被害は少ない方がいいのと……「2人きりになりたいなー」って顔してたコージーくんが可愛かったから。その声に乗っちゃだめ?
迅/気があるの? コージーくんに。
KP/迅さんはお父さんか?(笑)
恋色/無いって言ったら嘘になる〜。
迅/じゃあ、30分以内に帰っておいで。
KP/お父さんだな?(笑) 潤さんはそれでいいの?
潤/……俺も、迅さんと一緒に待ってる、かな。そこまで洞窟は深くないと思いたい。
恋色/2人きりで行かせてくれるんだ?
潤/スマホとか使える場所じゃないから本当に、気を付けて。心配してるから。早く戻ってきて。
恋色/はーい。
潤/ストーキングします。
迅/お、ストーキングするんだ?(笑) じゃあ俺は他の2人を守ってるよ。
KP/迅さん、イケメンか?
迅/知らなかったの? 俺イケメンだよ。
KP/洞窟には恋色ちゃんと潤さんが、迅さんはキャンプ地で待機ですね。じゃあまず潤さんは<追跡>ロールを振っていただいて……。
潤/<追跡>は50以下で成功。(ころころ)50ぴったり成功!(笑)
迅/バレない絶妙な距離を取ってる!(笑)
潤/シャッター音無し(違法)カメラで洞窟内の記録していきます。
KP/洞窟の中を進む2人と1人。ヘッドライトは薄暗い通路を照らしていく。……暫く歩くと洞窟の先に、出口がある。出口は谷になっていた。行き止まりだ。
恋色/わあ、谷だ。
KP/「おい、見てみろ。なんだありゃ……」 コージーのヘッドライトが谷底を照らし出す。そこには、先日夢に見たばかりの光景が広がっていた。
恋色/あ、あれ……?
KP/「虹の谷。……第一次狂気山脈登山隊の遺体たちだ!」
恋色/つまりあれは、迅さんの……知り合い達……。
KP/<目星>判定をどうぞ。
恋色/(ころころ)んんん!? 84で失敗! ここで失敗はしたくないのに〜!?
KP/潤さんも振って良いですよ。
潤/(ころころ)3でクリティカル成功。
恋色/隠れてる人がクリティカル!(一同爆笑)
潤/視力は2.5あるんだ。
KP/ストーカーアイで見た潤さんは気付く、気付いてしまう……。

 8000メートル級の山を登ったことがある人間なら知っているだろう。高山での死体は腐らず、屍蝋となりミイラ化することを。
 しかし、なんだあの死体は。体の部位がバラバラで、皮膚や肉はドロドロに溶け、白骨がむき出しになっているではないか。
 こんな山で、どんな死に方をしたら、あんなおぞましい死体と成り果てるのか。<正気度>ロール。(0/1D10)

潤/SANチェック。(ころころ)72、成功……0減少なので冷静に見てます。
恋色/し、失敗したら1d10のショッキングな光景を冷静に回避してる……(笑)
KP/潤さんはその奇怪な事実に気付くも、取り乱すことなく物陰から2人を見ている。ストーカーの鑑か?
潤/何故なら目標は恋色ちゃんだからで他に推しは作りません。……しかし、このことを迅さんに言うの、つらいな……。
恋色/かつての知り合いがイミフ死体になって発見されたんだもんね……。
KP/(ころころ)……では、最初は谷底がよく見えなかったコージーですが、暗闇に目が慣れて来たのかふとその顔が強張ります。「え、え……なんだあれ」
恋色/だ、だいじょぶ?
KP/「第一次登山隊は……あんな死に方したのか? どうやったらあんな風に死ぬんだよ!? 山だぞ! 高山だぞ! 大型獣に食い散らかされたみたいな、あんな……あんな! うわああああああ!」 不可解な死体を目の当たりにしたコージーは取り乱し、その場から走って逃げようとします。
潤/俺とぶつかりませんか?
KP/駆け逃げるコージーを止めるなら<DEX>で対決。更に<組みつき>か<精神分析>に成功したら彼を止めることが出来ます。
潤/潤の<DEX>なら15です。対決しましょう。
KP/コージーの<DEX>は12、ちょうど待ち構えているしPC側を能動側としましょう。潤さんは65%成功ですが、気付かれずストーキングしてるので+10%しても良いです。
潤/75%以下成功か。(ころころ)68、成功です。
KP/「うわ!? どっから出て来た!? ど、退けよお!」 続けて<組みつき>か<精神分析>ロールをどうぞ。
潤/<精神分析>。(ころころ)20、成功。落ち着け。今の俺の体から香ってるのは恋色ちゃんがコラボした香水だ。スゥーッと吸え。
恋色/化粧品メーカーから案件貰ったやつです!
迅/結構色々やってるユーチューバーなんだな(笑)
KP/どういうこと!?(笑) 「あっ、めっちゃ良い匂い……スウ……お前から恋色の匂いするのヤダー!」 ジタバタ!
恋色/大丈夫! プチプラだから! 色んなJKも同じ匂いさせてるよ!
KP/「そういう問題じゃない〜!」 潤さんに取り押さえられ、コージーはその場に留め置かれますが……混乱が収まった訳では無く、隙あらばまた駆けだそうとしそうな有様です。「こんな所にいられるか! 俺は山を下りるぞ!」
潤/ホールドしたまま洞窟から出ます。
恋色/抱っこされながら運ばれてる……(笑) その、みんなの前でちゃんと報告しなきゃですよね。
KP/では暴れるコージーを連れて、2人はキャンプ地に戻ってきました。
潤/俺がコージーをホールドしてます。ホールドしたまま説明してくれますか?
KP/(K2になって)「何かあったのかね?」 コージーの喚き声に、K2と梓も流石にテントから出てきて状況の説明を求めます。
恋色/第一次隊の……ご遺体を、発見したようです。洞窟であったことを皆さんにお話します。
迅/…………。ああ、この辺なんだね。この辺からだろうねえ……。聞いて、ちょっと納得します。
KP/K2と梓も沈痛な顔をします。確かに消息を絶った話は聞いていたけれど、まさかキャンプ地に選んだ場所の近くで見つかるとは……という感じでしょうか。「遺体は……回収できるような状態だっただろうか? 遺体は無理でも、何か遺品になるような物だけでも持ち帰れれば……」
潤/驚かないで聞いてもらいたいんですが、バラバラでした。ミイラ化とは言えない、異常な死に方をした状態で残っていました。コージーが驚いている理由をしっかり伝えます。
KP/「そ、そんな……!」
恋色/……こんな所でも、熊が出るんです?
KP/「……いや、ありえない。一般的な熊でも2000メートルが限界だ。少なくとも3000メートル以上ではありえない。何故なら、食料となる動植物が激減するからね。高山地帯になると分解するバクテリアがいないことと気温の関係で腐敗が進まない。チルド保存状態になるからな……」
迅/やはり……普通に考えておかしい死だと?
潤/という訳で、コージーの取り乱し方の理由はこれです。ありえない死に方をしている死体を発見したからです。
KP/普通に大量の死体見たらビビッて逃げたくなるよね。K2と梓は洞窟での出来事の話にショックは受けていますが、実物を見た訳ではないのでコージーほど取り乱すような感じではなさそうです。また、異常ではあるが第一次登山隊が消息不明なのは知ってるし、山の事故で隊が全滅するのもそう珍しいケースでは無いのでなので、現時点で二人は下山するという気持ちは無さそうです。
迅/そっか……。とにかく、見つけてくれてありがとな、3人とも。
恋色/いえ……。
潤/先陣の発見は、第二第三の目標ではありました。
KP/「もし遺体近くまで行けそうなら遺品でも回収しに行きたいところだが……。その、迅くん、確認しに行くかい?」
迅/行きたいですね。遺体を見たい、死体を確認したいだなんて、誰も思いませんが……それでも、再会はしたかった仲間ですから。ケヴィンさんも来てくれますか?」
KP/「ああ、一緒に行こう。こういう事は登山家であるならすべきことだ。偉大な先人を弔いは重要だからね。梓はここに残ってコージーの治療を頼む」
潤/俺も行きます。案内します。
迅/潤くんも、ありがとう。
恋色/じゃあ……恋色は残るかな。梓さんとコージーくんと一緒に居ます。
KP/「潤くん、すまないが案内を頼む。恋色くん、悪いがコージーを頼むよ。彼も君が一緒なら落ち着くはずだ」 潤さんの案内で洞窟へと向かいます。空洞の奥、谷の底には色とりどりの登山ウェアが転がっています。迅さん、<目星>ロールをどうぞ。
迅/覚悟して見ます。(ころころ)58、成功。
KP/潤さんたちから話は聞いて覚悟して谷底を覗いたのでSANチェックは無くてOKです。……貴方には見覚えがある。それは確かに、貴方と共にこの山に臨んだ仲間たちの変わり果てた姿だと。ひとり、ふたり……と確認して迅さんは気付く。2人足りない。
迅/……全員いませんね。2人、いないみたいです。
恋色/全員死んでいる訳じゃなかった?
KP/「……前向きに考えるなら、どこかに避難して救助を待っているか、幸運にも別ルートで下山している最中なのか。あるいは……」 そこまで口にして、言葉を飲み込む。「いや、憶測で話すのは止めよう。今はここに第一次登山隊の人達がいるということだけしか分からないからね」
潤/はい……。
KP/「遺品を回収したかったが……降りるには少し厳しいな。岩肌の様子も判らないし、残念だがここは諦めよう」
迅/潤くん、写真は撮れる? 凄惨な撮影を押し付けることになるけど、こういうことがあったんだよと記録を持ち帰ることは大事だから。
潤/パシャ。可能な限り鮮明に撮ります。
KP/「……そろそろ戻って休もう」
迅/はい、休みましょう。2人とも、お付き合いありがとうございました。
潤/……コージー、落ち着いているといいな。
KP/キャンプ地に戻ると、コージーは幾分か落ち着いているものの、膝を抱えて震えているような状態です。(梓になって)「だいぶ落ち着きは取り戻したけど……登頂するというモチベーションは喪失している状態ね」
潤/進めるか?
迅/どう? コージーくん、行く気ある? 行ける?
KP/……コージーは顔面蒼白のまま、膝をぎゅっと抱える。この状態で上に進む方が危険だろう。
潤/つまり……脱落?
KP/(K2になって)「……そうなってしまうな」
恋色/気力なしにマラソン走らせるのは酷だもんね……。
KP/「かと言って、彼一人下山させるのも危ない。なので、コージーには比較的安全なこのキャンプ地で我々の帰還を待ってもらうべきだと考える」
迅/それで、いい? コージー自身に確認します。
KP/(コージーになって)「……ああ、それでいい」 そうして……翌朝。コージー以外の皆さんはテントを片付け身支度を整え、7000メートルに挑みます。
恋色/はい。コージーくん、キャンプ待機……お願いね。
KP/「……おう」
迅/何かの時の判断は君自身に頼んだ。
潤/行ってくる。
KP/正直今すぐにでも山を下りたいが、流石に一人で降りるのは危険だという事ぐらいは判断できる程度にはコージーも落ち着いて来たようです。「……おい、恋色」
恋色/なになに?
KP/「ちょっとこれにサインして行け」 そう言って、コージーはペンを恋色ちゃんに手渡し、自分の背を指差します。
恋色/背中にサインしていいの?
KP/「狂気山脈に登った女性登山配信者のサインとか、これから先プレミアもんだろ」
恋色/Koiro  シュルルルル〜〜とハートマーク付きでサインします。
潤/さすが恋色ちゃん。サインすらかわいい。
恋色/あと……コーヒーを飲んだカップがありますよね。みんな〜! コージーくんのコップにサインして!
潤/うん?
迅/サイン?
恋色/みんなといっしょがいいでしょ?
潤/なるほど。「ひとりぼっちはさみしいもんな ウル」。
迅/コップに、「迅」。
KP/「あっ! ちょ!? 勝手に書くなよ!」
恋色/梓さんもケヴィンさんも書いて書いて〜! 全員集合! シャツとコップのサインセットです!
KP/(K2になって)「はは、寄せ書きみたいだな」 (コージーになって)「……こういうの、登頂者が生きて戻ってこそ価値が上がるんだからな! 遺品として展示するなんてまっぴらだからな! お前らが戻って来ねえと俺も下りれねえんだからな! 分かってるのか!?」
恋色/うんっ! シャツのサインの横に書いた「登頂ガンバりまーす」を有言実行してくるね〜! 行ってきまーす!


 ●4シーン目:7000〜8000メートル

 標高7000メートル、キャンプ地から少し進むと貴方たちの目の前には異様な光景が聳え立っていた。
 行く手には巨大なアイスフォール。無数の氷の柱が連なり、氷の裂け目がいくつもの深遠を覗かせている。

 アイスフォール。急勾配の氷河が滝のようになっているところ。無数の氷の裂け目(クレヴァス)や氷柱の崩壊など、通過に多くの危険を伴う。
 さらに不気味なのは、それらのアイスが、山肌の黒を透かしているのか、あるいはなんらかの成分が混じっているのか、ヌラヌラと玉虫色に輝く黒色であることだ。
 加えて、勾配が極めて急なため、どうしても氷壁の垂直登攀が発生してしまう。

恋色/テケリリ!(笑)
潤/どこまでガチ登山描写かクトゥルフ描写か判んなくなるな……(笑)
KP/さて、ここでは未踏破ナビゲートルールは使用しません。代わりにクライミングロールという新しい判定を行います。まず登攀するクライマーと、それを支えるビレイヤーを決めます。二人一組ですね。
恋色/はーいお願いします!

 <登攀>と<SIZ>を駆使した特殊ロールを行ないながら、登っていく一同。
 1回目のクライマーは、ケヴィン&潤で挑戦。

KP/K2はこれぐらいの氷壁はエベレストなどでも体験済なのでしょう。危なげなく登り切り、彼と潤さんが確保したルートを使って全員氷の上を登っていきます。
潤/流石のベテラン。潤がサポートします!

 2回目もケヴィン&潤で判定。2回連続なのでマイナス20%の補正を受けながら、登っていく。

KP/氷の手応えに何か違和感を覚えたのか、一瞬手は止まったものの、問題なく登りルートを確保しました。2ピッチクリアです! 「ふう、思ったより難しい場所じゃなくて助かったよ」
迅/登り切りましたね……これで8000メートル到達か。
恋色/いえーいケヴィンさん大勝利!
潤/空がだいぶ近くなってきた……。
KP/ええ、星の輝きも登山開始の頃よりも強く近くなってきた気がします。
恋色/お星様がほんと手届きそ〜!

 そんな中、貴方達はまた夢を見る
 ――切り立った巨大な漆黒の壁を登っている。
 足首を掴まれる。下を見下ろすと、そこには腐った肉がへばりついた白骨の登山者が、君を奈落の底へ引きずり降ろそうとくびりついていた。
 「墜ちろ 墜ちろ」「この山を最初に登るのは、オレだ」

恋色/わあ悪夢……!
KP/白骨が喋る。その声に、そして白骨がまとっているウェアに、心当たりがある。全員1d4を振ってください。
迅/(ころころ)1。
KP/(ころころ)梓も1でした。……迅さんと梓は、足を掴まれる。腐った肉が貴方の足にへばりつく。見覚えのあるウェア、そのウェアは確か……そんな風に思いながら、怯えながら、貴方は己の足を掴む亡者の顔を見た。
迅/誰だ?
KP/顔は、ない。塗りつぶされたような、貌なしの骸が貴方の足首を、太腿を、腰を、腕を掴んで頂へと向かう貴方を引きずり降ろそうとする。あの、虹色の谷へ。
迅/誰でもない。顔も無いなら俺の敵じゃない。匿名のご意見なんて気にしない。
KP/メンタルつよつよか?(笑)
迅/怖がっている自分が見せている夢だな。うん、怖いね、そりゃああそこまで顔見知りの死を見せられたら。当然の悪夢だ。でも、それで負ける探検家ではないよ。振り払って登る。
恋色/つよつよかっこよ〜!(ころころ)恋色は2でした!
KP/K2も2だったので恋色ちゃんと同じです。

 貴方の足を掴んで、谷底へと誘おうとする骨の手
 それは一つではない。二つ、三つ、四つ、と増えてずりずりと自分の仲間にしようと、あるいは貴方を踏み台にして頂きを目指そうとしている
 その朽ちたウェアには見覚えがある。つい数日前に見たものだ。

KP/第一次登山隊……あの洞窟の先の谷底で見た、色とりどりのウェア。自分たちの屍を踏み越えて、先に行こうとする貴方を恨むような声。妬むような声。自分たちが先に登頂するはずだったのに」「どうしてお前が」
恋色/なんで貴方達先に登頂しなかったんですか? どうして貴方達は? 逆に問いかけます。
KP/「登らなければ」「登らなければ」「あの頂に向かわなくては」「下りてはいけない」「下りられない」「登るしかない」「登れ」「のぼれ」「のぼれ」
恋色/それ……応援歌だとして頂きますね! 私を鼓舞する声援だと思って登りまーす!
KP/ポジティブ〜(笑)
迅/怨念にすらならない……。
潤/強い……。
恋色/だってコージーくんにも話したもん。「私が行けるチャンスをありがとうございます先人の皆さま!」ってね。
KP/死者の声に背を向けて貴方は登っていく。登っていく、登っていく登っていく。どこまで貴方は登っていくのか、終わりは見えない……。
恋色/登っていく! 頂上まで! 満足するまで! 満足するとこ、つまりゴールまで!
潤/強い……。(ころころ)俺は3でした。
KP/最後に3の潤さん……なんですけど。
潤/はい。
KP/「おっす、おれコージー」
潤/おっす、おらウル。
KP/「お前らまだこんなとこにいるのかよー。さっさと登っちまえよなあ。早く登って戻って来ないと俺も帰れねえんだからさあ」
潤/ありがとう。頑張るよ。サインにキスしながら待っててくれ。
KP/「ああ、待ってる。早く来ないと、俺も谷底に落ちちまうからな」 虹の谷に、黒いウェアが加わる。ひしゃげた死体が、恨めしそうに貴方を見上げる。
潤/……そんなことさせないためにも早く戻るよ。無事を祈っててくれ。キャンプで待ってるだろ、みんなのサインといっしょに。
KP/最後に、全員の共通部分を。

 死者の声を背に受けてなお山に登り続ける貴方たち。谷底に引きずり降ろされまいと岩壁にしがみつく手が、腐り落ちていく。
 肉が剥がれ落ち、白骨が覗く。掴んでいた岩肌が骨を砕き、探索者たちは谷底へと落下していく。
 どんなに己を鼓舞しようと、お前たちが行きつくのはあの谷底なのだと嗤うように。<正気度>ロール(1/1D4)。

KP/なお、1を引いた2人は1D4/1D10です。

 全員、SANチェックは成功した。

KP/悪夢パートなのにみんなポジティブ&メンタルつよつよで草。潤さんのシーンは、コージーが既に死んでたらコージーが恨み言を言うシーンだったんですよ。
恋色/いくらでも死ぬ可能性があるシナリオですもんね……。コージーくんのステータスがわざと低いようにしてるのは、そういう意図だろうなあ。
潤/もし本当に死んだコージーが化けて出てきたら、つらい……。
迅/でも……今の現状だと逆に「コージーにいいとこ見せてやろう!」ってやる気が出るね。
恋色/うん! 悪夢パートっぽいけど逆に応援会だなって思えてきた! 負けるんじゃねえぞって言われてるみたい!
KP/コージーに対して優しい人達だな(笑)
迅/「登山家」という無謀な場所に挑む夢追い人の設定だから、自然とメンタル強めのキャラになっているんだな。
潤/そう、冒険者だからわりと楽観的というか……?
KP/悪夢なのにまことに遺憾(笑)


 ●5シーン目:8000〜9000メートル

 標高8000メートル。この先、人類生存限界である「デスゾーン」へ突入する。
 今までキャンプで発生していた耐久力回復がこの先は無くなり、逆に1日ごとに耐久力が1d3ずつ減少していく。
 また、極高所では天候が不安定なため、天候決定ロールが−30%の修正を受ける。

恋色/8000メートルすごーい! しかもまだほぼ全快状態だよ! いけるよ!
潤/写真いえーい。
KP/(梓になって)「ここからは、もう長期の停滞ができないわ。8000メートルを超えると死の領域に突入する。眠っているだけで体力を消耗していく、人が生きていけない領域。しかも、天候も今まで以上に不安定になるわ。出発のタイミングの見極めには慎重を要する。
潤/ラスト2000だもんな。
KP/「高山病に低酸素症を発症する恐れもある。撤退も考えるならここが分水嶺かもしれない」 梓は「全員の生還」を重要視するので、コンディションに不安があるならここで撤退するのも手では、という提案をします。
恋色/つまり……ここが、スタート地点! すごーい! 行くべき場所に来た!
潤/恋色ちゃん前向き。……どうですか、梓さん。全員のコンディションを客観的に見て。
KP/それに対して、K2は少し咳をしながら答えます。「天候は悪くない。食糧も体力も、まだ余裕がある。引き返す理由は、ないさ」
恋色/ないさ!
KP/梓は咳をしているK2を心配するような視線を向けますが「……確かに、ここまでかなり順調に進んでいるので、好条件だとは思うけど」と貴方達の様子を見て、「まだ大丈夫かな」という判断を下します。
迅/昨日あんな応援を受けちゃったばっかりなので。いけますよ。

 天候ロールは2人失敗のため、強風になった。
 <ナビゲート>ロールは迅と梓が成功、恋色と潤が失敗し……。

KP/K2が<ナビゲート>をしようとしたとき。「ゲホッ! ゲホゲホッ!」
恋色/げほ!?
KP/K2が血痰を吐き、崩れ落ちる。
潤/わ!?
迅/ケヴィンさん!?
KP/肺水腫と脳浮腫を併発しているのか、絶え間なく咳をし、息はヒューヒューとか細く、時折血痰を吐き、意識は朦朧としている。
恋色/え……えええー!?
迅/梓さん! 診られる!?
KP/(梓になって)「まずいわね……重度の高山病を発症している。これ以上は命に関わるわ! どうしてこんなになるまで黙っていたの…!」 梓は手早くK2の症状を診断し始めるが、その顔色は悪い。梓の手当てを受けながら、K2ははうなされるよう、虚空に向かって呟く。
潤/我慢できちゃったのか……!
KP/(K2になって)「コージー……お前の言うとおりだ。私は、第一次隊が失敗したと聞いたとき、しめたと思ってしまった。バチが当たったんだ……許してくれ」
恋色/それは……私も同じです! でも私はバチ当たってない! 前向きに考えて!
KP/「恋色、くん……? は、はは……若い子は強いな……ゲホッゴホッ!「K2、喋らないで」
潤/梓さん、看病できますか? 人命第一です。
迅/キャンプの準備ができるならしますよ。できないならするまで行きます。
KP/暫くK2を診た後、梓は医療者としての判断を下し、それを伝えます。「K2はこれ以上登れない。一刻も早く下山を、少なくてもこのキルゾーンから離脱しないと命に関わる。私は彼を連れて7000メートルのキャンプへ、コージーのいる所まで戻るわ。天候が落ち着いて、K2の体調が小康状態になり次第、私は彼を担ぎ下ろす」
迅/それがいい。梓さんはケヴィンさんと一緒に。
KP/「貴方達はどうする? このまま山頂を目指すのか、それとも一緒に下山するのか。私と一緒に7000メートルまで戻ってまた山頂に向かうというのは難しいと思う。食料的にも体力的にも。だから、さっきも言ったようにここが分水嶺よ」
恋色/上を目指します。
迅/まだいけるのであれば、行く。
潤/恋色ちゃんと迅さんは、上を行く気なんだ?
恋色/うん。3人の半数メンバーになっても行けるのであれば行くよ。
迅/仲間を見つけた。その後は、仲間の意思と共に登り切る。可能である限り行くつもりだ。
KP/「……2人は山頂を目指すのね? 潤さんはどうするの?」
潤/恋色ちゃんの活躍を収めるのが目的なので、行きます。ゴールは彼女なので、行きます。
KP/「そう……。コンディションは悪くない、無理をしなければ山頂も目指せると思う。でも無茶はしないで」
迅/無理をしなければ山頂も目指せると思う、心強いお言葉いただきました。
恋色/心強いお言葉いただきましたー!
潤/俺達3人は向かうとケヴィンさんをよろしくお願いします。
KP/「ええ、任せて。K2も、コージーも無事に下ろしてみせるわ。だから、貴方たちも必ず還ってくるのよ」
潤/はい。
恋色/はい!
迅/頼みました。こっちもダメそうだと判断したら追います。無理はしないし、させません。
KP/2人と別れ、貴方達3人でのスタートとなります。

 <ナビゲート>に失敗した恋色はアクシデント表で2を出し、「高山病」を引き当てる。
 潤が<CON>ロールをしたところ、2でクリティカル成功。クリチケを入手した。
 恋色と迅は判定の結果、高山病のデバフとして−10%の修正を受ける。
 また、<ナビゲート>に失敗した潤はアクシデント表6の「落石」を引き当てた。

 ■アクシデント表6:落石(大)
 落石発生。事前に察知できるかどうか、チャートを振った探索者は<聞き耳>か<目星>でロール。
 失敗した場合、更に<回避>でロール。<回避>にも失敗した場合、石は探索者に直撃する。2d6のダメージ。

 高山病の影響もあったが……落石回避の判定に、全て成功した。

KP/潤さんは落石の気配を察知! そして回避! そして……8000メートルもクリア!
恋色/凄い! なんとかなってるよ、8000メートル……!
迅/まじでラッキー続きだな……。
潤/HPが全然減ってない!
恋色/いえーい9000メートル到達! エベレスト越え〜!
迅/この時点で人類最高!
潤/凄い。写真かしゃ。
KP/もうここの時点で貴方達は前人未到の標高に到達したことになる。9000メートルに到着した皆さん。早速ですが<目星>判定をお願いします。
恋色/<目星>!(ころころ)57、成功おっけい!

 標高9000メートル、“大黒壁”の手前部分で貴方達は崖下で死んでいるクライマーの遺体を見つける。

恋色/わ。
迅/わあ……仲間か……。
KP/皆さんは洞窟で第一次登山隊の死体を見てますね? ではSANチェックは回避です。良かったね。

 彼の履いているアイゼンは何故かボロボロに腐食しており、皮膚は半ば溶けかけている。
 ハーネスに結び付けられたロープは先端が切れており、ザイルパートナーはその周囲にはいない。

潤/いないのは2人だったよな。
恋色/そっか。……もう1人いる筈なのに、いない?
KP/彼の死体の状況に疑問を覚えた方は更に<目星>をどうぞ。
迅/なんでだ……腐食なんてするのか?(ころころ)87、失敗。顔とか身元ばかり確認しちゃったのかも。
恋色/知り合いだもんね〜……。(ころころ)60で成功。
潤/(ころころ)16で成功。
KP/潤さんと恋色ちゃんは風避けができそうな岩陰に、もう一人の死体を発見する。
潤/あった……そっちも確認します。
迅/9000メートルまで到達したんだな、凄いぞ2人とも……。

 死んだ登山家は、衣服などが凍っているが、皮膚や肉が半ば溶けかけており、一部分の骨が露出していた。
 谷底に見た死体ほどひどくはない。だがやはり、凍死と考えるにはあまりに不自然だ。
 足を負傷しているが、行動不能になるほどではない。適切な処置を行えば、歩いて降りることは可能な傷だ。
 横にはザックが落ちており、荷物を漁ると、残っていた食糧や燃料のほかに、手記を手に入れる。

恋色/手記だ! 9000メートルまで生きてた記録……読める?
潤/手記写真ぱしゃ。拾います。
迅/しっかり写真撮ってから取った。頼む……。

 『第一次登山隊は、山頂を踏むことなく壊滅した。
 道中、未知の生物と遭遇し、襲われ、皆狂気に侵されて死んだ。
 最後に残った私とパートナーの2人でなんとか登頂を目指すも、大黒壁を登りきることができず、落下。私は足を負傷し、パートナーは背骨を強く打ち付け行動不能となった』

迅/未知の生物と……。
恋色/やっぱ熊さんかビックフットと遭遇!?

 『後に続く者のために記す。この先、頂上直下に、“大黒壁”の垂直登攀が待ち構えている。“大黒壁”は黒い岩肌と氷壁が、途切れ途切れに表れるミックス帯だ。ここからが要点だ』
※ミックス帯:氷壁と岩壁が途切れ途切れに現れるルート。ミックスクライミングは必要な装備が増え、あらゆる技術が問われる。

恋色/訳「めっちゃむずいよこの先」!

 『“大黒壁”の登攀の際に、岩肌を傷つけてはならない。岩肌を傷つけると、粘性の高い石油のような液体が染み出してくる。この粘液は金属を腐食し、肌を溶かすため、登攀が極めて困難となる。
 当然、ハーケン(杭)は打込めないし、アイゼン(*登山用スパイク)を履いて岩を踏むこともできない。私はこれに気づかず、アイゼンとピッケル、そして指のことごとくをダメにした。
 この壁を登るには、氷がへばりついている場所を慎重に選びながら進むか、ピッケルとアイゼンを捨て、フリークライミングで進むしかないだろう』

恋色/ああっ、これか!?
潤/液体のせいで解けてたのか……。

 『私は足を引きずって降りることもできたはずだ。なのに、何故かこの場所から動くことが出来ない。山頂から目が離せないのだ。このままでは私も仲間も、ここで朽ち果ててしまう。
 今の満身創痍の状態で、登頂は無理だ。ならば、せめて動ける私だけでも降りなければ。しかし、なぜだ。私はどうしても、ここから降りることができない』

迅/ん……何があったんだ?

 『世界最高の登山家たちを集めた世紀の登山隊の、これが末路か。なんと惨めなことか。
 そういえば、この山脈に足を踏み入れる人類史上類を見ない権利を勝ち取ったにも関わらず、無念にもチームから脱落した彼は、結果的に見れば幸運だったのかもしれない』

恋色/んんんー……。
潤/…………。
迅/9000メートル頑張った。その成果は凄いよ。

 『ああ、しかし、願うならば。彼が、我々の敵をとってくれるのであれば。彼がこの山を制覇してくれるのであれば、私達の登山隊も全くの失敗ではなかったと言えるのに。
 この狂気の山脈に屈してしまった無念を彼に託すのは、酷が過ぎるだろうか……』

KP/手記は、そこで終わっています。
迅/…………。参ったね、こりゃ。あの夢はほんとに激励だったみたいだ。この手記の想いがバケて俺の夢に出たのかな? ……はあ……。
潤/……唸ってますね、迅さん。
迅/何度でも言うよ。9000メートルは凄いよ、人類初だ。その快挙は貴方のものだ。誇ってね。
恋色/そう! ……私達より先に9000メートル到達だもんね! 超快挙!
潤/エベレスト以上を登った初人類はこの人達です。
恋色/うん! 偉人じゃん!
迅/ああ……失敗じゃない、大快挙の大成功だ。こんなフォローしかしてあげられなくてすみませんね。貴方達は生きて帰りたかったしおめでとうを生きた人達にされたかったでしょうけど、それが出来なかった貴方は、貴方への絶賛を聞いてください。おめでとうございます。
KP/世界で一番天国に近い場所にいるんだから、きっとその言葉は仲間達に届いているでしょう。
潤/いいな……。
恋色/いいな〜!
迅/俺達は生きているけど、貴方に及ばない二番手なんで。誇って俺達のゴールを見守っていてくださいね、空の上から。
恋色/最前席で!
KP/……そして、手記を読んだ貴方たちは気付く。自分達もまた山頂から目が離せなくなっていることに。手記を遺した登山家と同じように、山頂から目を離せない。以降、山頂から背を向けようとするたびに<正気度>ロールが発生します。(1D4/1D6)。
恋色/わあ?
KP/山頂から目を離すというか、山頂を目指すことを止めようとするとSANチェックが発生って感じですかね。山から下りようとしなければ大丈夫です。
恋色/そっか、帰れなくなるだけか。つまり下山時SANチェック地獄の可能性!?
KP/ニコッ。
恋色/にぱ!
KP/きゃっ、恋色ちゃんにファンサされちゃった(笑)
迅/ちゃんとチェキ撮ってもらいなよ(笑)
潤/ケヴィンさんと梓さんは良かったですね、山に求愛される前に帰れて。
恋色/求愛されたら帰れないもんね〜。
KP/さて、9000メートル到達のイベントは以上です。本日のキャンプのお時間ですが、何と言うことでしょう……お休み時間なのにHPが減ります! 1d3点減らしてね!

 HPを減らす一同。
 それとは別に、高山病回復判定を行なう。<応急手当>をすることで治療を行なった。

潤/あの、HP回復をしたいですけど、<応急手当>が無いです。
KP/無かったら素振りかな。
潤/じゃあ初期値で……(ころころ)成功した!?
KP/お、初期値成功! HP回復の場合は1d3点回復です。
潤/(ころころ)3点、最大値回復?
KP/<応急手当>の才能があったのでは?(笑)
恋色/すごーい! 潤さんスゴーイずっと私のサポートスタッフになって〜!
潤/えっ。
迅/ほぼプロポーズじゃん。
KP/プロボーズじゃん。これにはブロッケンくんも嫉妬が隠せない。
恋色/ブロロ〜。お手振り
KP/(ブロッケンになって)「きゃ〜っ!」
潤/良かったな、切り抜き動画を作ってあげる。動画編集だけじゃなくお手伝いもできて最高です。
迅/ところでこの山の山頂くん、帰してくれないのってストーカーっぽいよ。
潤/つまり俺の仲間。
KP/山頂に仲間意識を持たれた!?(笑) ……山頂くん的には「恋色ちゃんを我が社に取り込めば我が社のファン層が増えるのでは?」と思うプロデューサーかな。
潤/力あるオタク(業者)だった。