クトゥルフ神話TRPG・リプレイ
■ 『 Vendetta4L 』 1ページ ■
2022年4月11日




 ●オープニング

天鴻/先日のセッション後の雑談でお話していた「実散さん&天鴻でいけたら良いなー的なシナリオ」を探してきました。
イガ→KP/(←紹介してもらったシナリオを読んで)面白そうですね! タカちゃん的に「超能力要素が付与されるキャラになる」のはアリですか?
天鴻/既に猫耳猫しっぽが生えた前歴があるので……(笑) そのシナリオのみでの設定付与でしたら大丈夫です!
実散/そんなシナリオなのか……! 気になるね。紹介してくれたシナリオ、2人で遊びたいでーす!



 クトゥルフ神話TRPG 『Vendetta4L』
   シナリオ製作者:きゅーび 様 シナリオ掲載サイト



 残念ながら、この世界を救える可能性は僅かにしかない。
 星辰がそろう時を待たずして世界は絶望に沈むだろう――。

 本シナリオは、刑事のバディ限定です。新規・継続は問いませんが、本シナリオで一時的に超能力を得ることになります。
 食えない殺人鬼との戦いに、世界の危機、命がけで挑むバディ、超能力――と、盛りに盛っています。
 SAN値チェックは回数が多く、重いものもあります。また戦闘技能が低い探索者の場合は、戦闘によるロストの可能性もあります。




KP/ゆっくり進めていく『V4L』、よろしくお願いします!
実散/ゆっくりしていってね!
天鴻/ゆっくりTRPG、はーじまーるよー!


 ●シーン1:現場

 4月某日。この国では春になると狂ったように桜が咲く。
 春嵐とともに吹き飛んだ花弁は、道路の隅に黄ばんで折り重なり見る影もない。
 そうして今、木々には青々とした若葉が芽吹き始めていた。

実散/今の時期ぴったりの4月舞台なんだー。
天鴻/おお、まさに今頃。

 だが街は肌を刺すような緊張感に満ちている。まるで、もっと大きな嵐が訪れるのに怯えるかのように。
 ――2ヶ月前。春の息吹をあちこちで感じるようになった頃から、この街では異常な連続殺人事件が起こっている。
 被害者の血を少しずつ抜き取りながら、壁に絵を描いて死に至らしめる。
 すでに被害者は7人に上り、市民の間では不安と不満の声が限界近くまで高まっていた。
 マスコミは揶揄と中傷を織り交ぜて、この殺人鬼を「スクラブル(落書き魔)」と呼称した。

天鴻/連続猟奇殺人事件……。
実散/こわーい!

 被害者はいずれも30歳。だがそれ以上の接点は見当たらない。
 捜査は暗礁に乗り上げたまま、少しずつ浸水を始めている。今日もまた進展がないまま、貴方達は覆面パトカーを走らせていた。

KP/天鴻と実散は覆面パトカーで見回りをしている最中です。2人で街を走っていてください。
天鴻/はーい。……桜、随分散っちゃいましたね。
実散/今年も早めにあったかくなったからね〜。俺の誕生日のとき丁度良くお花見ができたね! 誕生日は4月5日なのだ。
KP/おおっ、誕生日おめでとうミチルちゃん! じゃあ今日は4月6日にする。
実散/誕生日翌日になった!?(笑)
天鴻/誕生日パーティー兼お花見をしたんだな、ちょうど天気も良かったし!(笑)
実散/兄ちゃん、お花見いっぱいお重で作ってくれたよね!
天鴻/あれ、何日前から下準備してたんすかね……(笑)
実散/ところで……ふふん、たかひろくんには判るかな? 俺が今つけてる香水!
天鴻/ん? ああ、いつもと違いますね?
実散/いたるくんからプレゼントです! えへへ〜、俺にピッタリな香水を作ってもらいました〜! 良いにおいでしょ〜!
天鴻/あいつ、お洒落なプレゼントしたなあ。格の中の人がリアルに実散さんイメージ香水を作ってましたもんね(笑)
実散/今度は夏頃に兄ちゃんのとたかひろくんの香水が作るらしいよ、中の人がリアルで!(笑) 事件は暗礁に乗り上げてるけどふんふんって上機嫌で車に乗ってる〜。
天鴻/桜が散る前には解決できればいいと思ってたけど……もう犠牲者が7人か。
実散/多いよね。なんだっけ、マスコミが付けたアダ名……。
天鴻/スクランブルエッグみたいな……そう、「スクラブル」。
KP/ふいに無線機からザザっとノイズが零れた。
天鴻/ん?

 「本部よりPS管内。
 南区四丁目、公衆電話よりマル電あり。重傷者がいるとのこと。付近PMは現場に急行して下さい。
 なお、本件はスクラブルに関係する可能性あり。現急のPMは十分に警戒のこと。10時08分。以上」

KP/そこで無線は途切れた。事件現場は、2人が居る現在地からごくごく近い場所のようだ。
天鴻/……実散さん。
実散/うん。どうやら俺達、近場にいるね?
天鴻/向かいましょう。サイドボックスからパトランプ出して、サイレンを鳴らす。至急現場に向かいます!

 現場は古い町工場が立ちならぶ地域だった。
 幸か不幸か人通りは少なく、沿岸部の工業地帯へ向かう大通りをトラックが通り過ぎていく。
 通報を行ったであろう公衆電話がぽつんと立っている。
 公衆電話の真向いにある工場のシャッターが半開きになっている。恐らく、現場はあの中だろう。どうやら、貴方達が一番乗りのようだ。

KP/公衆電話付近には通報者らしい人は居ないですね。無人です。
実散/……通報者は逃げたのかな? 「殺人犯がいた!? わぁー通報! さっさと逃亡!」って感じ?
天鴻/それか「殺人犯自体が通報してきたか」ですかね。
実散/わー、それだったら怖い。
天鴻/通報者が居ないなら、現場に入るしかないでしょうね。俺が先行するんで、実散さんは後ろを警戒しててください。
実散/了解、しっかり見張るよ。
KP/市民の不安も極限まで高まっており、これ以上犯人を野放しにすれば、警察の威信に関わるだろう。応援を待つべきではない、貴方達は突入する。
天鴻/警戒しながらシャッターをくぐる……。

 シャッターを潜れば、すぐにその異様な光景が目に入るだろう。
 赤黒いインクの正体を、貴方達はよく知っている。それらは全て、本物の血液だ。

天鴻/うわっ。

 壁一面に描かれているものは、異形の神の姿。
 ――蛸のような頭部、蝙蝠のような翼、無数の触腕と巨大な鉤爪のある手足を持っていた。

実散/クトゥちゃん?
KP/ミチルちゃん、まるで知り合いみたいに言ったね?(笑)
天鴻/知っているのか実散さん!?
実散/寝ぼすけクトゥちゃんに見えるよ。よく兄ちゃんが読んでくれた絵本にいた子だ。よく一緒にお昼寝したから知ってる。
天鴻/どういうこと?
KP/クトゥルフと一緒にお昼寝してたの!?(笑)
実散/たまーにだよ! いつもじゃないよ!
KP/たまにでもしてたの!?(笑)
天鴻/それが、なんでこんな所に……? いや、それよりも被害者は!?

 壁画の前には、すでに事切れた男がうつ伏せに倒れている。
 だが、それだけではなかった。
 伏した男の傍らに、白髪の男が立っている。男は貴方達の気配に気が付いたのか、ゆっくりと振り返った。
 白髪の外見に反して、意外にも男の年齢は若く、おそらくは30代だろう。その手には、見た事もない銃が握られていた。

実散/……銃を所持?
天鴻/実散さん、下がって。……さすがにこっちは哨戒中だと拳銃所持はしてないだろ。
KP/警棒ぐらいは持ってるかもだけど、銃撃戦ができる格好じゃないですね。「やあ久しぶり、君達」
実散/……久しぶり? たかひろくん、お知り合い?
天鴻/こんなファンキーそうな知り合い、いねえですよ。
KP/「ええと名前は……もしかして初対面だったか? 失礼、悪気は無いんだ。興味が無いだけさ。これも何かの縁だ。名前くらいは名乗っておこう。俺の名前は九重 ミツグ。アーティストだ。ああ、知らなくてもいい。刑事なんて連中は芸術とは相性が悪い存在だ」
実散/アーティスト……。
天鴻/ほう……。で、あんたが警察に通報した人?
KP/「通報? まぁどうでもいいさ」
天鴻/……この絵を描いた本人か?
KP/「そうだよ」
実散/そうだよ……!?
天鴻/大人しくしろ、殺人容疑で逮捕する。
KP/「さて、挨拶も終わったところで、そろそろ死んで貰おうか。それじゃ、刑事さん。サヨウナラ」 瞬間、電撃が貴方たちの胸を貫いた。
天鴻/え?
KP/全身の筋肉が戦慄き、悲鳴をあげる。動けない。立っていることすら難しい。
天鴻/がっ!? なになになに!?
実散/開幕即死!? わ……あ……う?
KP/九重 ミツグは、再び銃口を貴方達に向ける。
実散/う……うう……?
天鴻/み、ちるさ、にげ……!

 「Ph'nglui mglw'nafh
 CthulhuR'lyeh
 wgah'nagl fhtagn!」

実散/……じゅも……ん?

 無慈悲にもトリガーが引かれる。
 それが「死」であるのだと、貴方達は確信する。
 だが、次に訪れたのは、目を焼くほどの激しい光の洪水だった。

KP/九重 ミツグに撃たれて殺された2人は、真っ白い世界に居ます。
天鴻/な、なんだ!?
実散/真っ白……眩しい……何ここ!?
天鴻/死後の世界ってやつ……?
KP/そして、声が聞こえた。いや、聞こえたのではなく、感じたと言った方が正しいかも知れない。「君達は今まさに息絶えた。だがこれは、数多くある未来の一つに過ぎない」
実散/……誰?

 「可能性は常に広がっている。数多に。君達の目の前に。
 私はそんな君達の可能性に賭けたい。だから、私の力を少しばかり君達に貸し与えよう。
 一つは、先を見通す力だ。極近い未来を垣間見ることのできる力、ウォッチャーだ。
 もう一つは、触れたものの過去の記憶を見ることのできる力、サイコメトリー
 選ぶといい。君達に一つずつ、この力を貸し与えよう」

実散/わわわ……なになに、誰かが、助けてくれるの?
天鴻/ウォッチャーとサイコメトリー? 世代的に『サイコメトラーEIJI』しか出てこなくて困る。
KP/判る(笑) 謎の声によるプレゼント攻撃です! どっちがいいですか?
実散/世界遣いと感応力師、どっちがいい?

 ▼【ウォッチャー】
 命の危険が及ぶような事態が訪れると、その未来を予知することができる。
 任意での発動は不可。
 ▼【サイコメトリー】
 利き手でものに触れると、その物体に纏わる過去を覗き見ることが出来る。
 任意で発動可能。MP−1、SAN−1(さらに見た内容によってSAN値減少の可能性あり)

実散/サイコメトリーはSANとMPが減少しやすいんだ……どっちも高い実散向きだな。俺はSANならいくらでも出すよ〜! で、たかひろくんは未来を予知したら目が赤くなる!?
天鴻/わー、厨二っぽい!(笑)
KP/タカちゃんの緑目が赤くなるの!? カッコイイ! タカちゃんの緑目大好き(^ε^)-☆Chu!!
天鴻/なんか飛んできた!(笑)
実散/謎の声もキスをするのか。
KP/これは百合人です!(笑) 謎の声もキスしていいならするけど。
天鴻/謎の声、ノリが良いな?(笑)
実散/どんな人か知らんがキスをすることは確定した。俺もたかひろくんの緑目大好きー! それが変貌して能力を使うってカッコイイね!
天鴻/ありがと! じゃあ「天鴻がウォッチャー」「実散さんがサイコメトラー」で良いかな。そう、手が勝手にサイコメトラーと打ってしまうのである!(一同笑)
KP/了解です。「さて、では君達を元居た場所に戻そう。死の選択を選ぶ少し前に。……目を凝らし、耳を澄まし、真実を見つけ出してくれ。どうか、この世界が終わる前に……」
天鴻/えっ。……「世界が終わる」!?
実散/ちょっ、ちょっと君ー!?
KP/網膜を焼き尽くすかのような光量は少しずつ弱まっていく。周囲が色と輪郭をおぼろげに取り戻し始めた。
実散/なんなのさ……いや、その前に! ありがとう!
KP/「…………。どういたしまして
天鴻/ありがとう! でも誰ー!?(笑)

 「本部よりPS管内。
 南区四丁目、公衆電話よりマル電あり。重傷者がいるとのこと。付近PMは現場に急行して下さい。
 なお、本件はスクラブルに関係する可能性あり。現急のPMは十分に警戒のこと。10時08分。以上」

天鴻/……はっ。
実散/わっ。あれ、ここって……車の中?
天鴻/さっきの、入電? 実散さん、これって一体……。
実散/時計を確認する。10時08分……無線が聞こえたあの時間だ。たかひろくん、俺達もしかして居眠り運転してた?
天鴻/居眠り運転してたら、今頃懲戒免職ですよ。
実散/そうだよねえ。……つまり、時間が戻ってる?
KP/貴方達は現場へ急行する前の車の中へと戻っていた。(SANc 1/1d2)。
実散/(ころころ)37、成功。
天鴻/(ころころ)49、成功です。

【現在SAN値】
 実散:90→89(1点減少)
 天鴻:60→59(1点減少)


実散/ねえ、俺達はこれから工場に向かうよね? ……行っていいと思う? このままだとスクラブルっぽい子と会って、銃で撃たれて死んじゃうよね。
KP/時間を掛けて行ってもいいですよ。
天鴻/……少しだけ遠回りしてみます? でも、あんまり遅れたら別の奴が同じ目に遭うかもしれない。
実散/そ、そうだ、それはダメだ! 「誰かが居る」って判っている状態で現場突入するだけでも、未来が変わるかな!?
天鴻/「到着しても応援が来るまで突入しない」とかであれば……それでいこう!
KP/では、再び現場に到着する。すると……2人は少しゆっくり来たせいか、貴方達以外の警官が続々と現場に駆け付けてきた。警察による封鎖が完了し、ちらほらと報道陣達も集まってきている。そして大勢で突入する。工場の中には誰も居ないと判るだろう。
実散/あ、犯人が居なくなってる!? ……未来が変わった? 警官がいっぱい来たから逃げたのかな?
天鴻/俺達がちょっと遅れて来たから、その間に逃げたのか……? でも居ないなら、あの変な銃みたいなので撃たれる危険性は無くなったな。
実散/そうだね、あの白髪の男によって死ぬのは回避した……ってことかな。
天鴻/犯人を逃がしたのは痛いが……幸い俺達は、犯人の顔と名前を憶えてる。
実散/そう! 俺達、思いっきりスクラブルの顔を見た! しかも自分で「絵を描いた」って言ってたよ! 自供じゃん!
天鴻/ただ……それって「この場の話じゃない」んだよな。
実散/……他の人に言っても信用してもらえない?
天鴻/難しそうですね。もしかしたらあの男に繋がる証拠が見つかるかもしれないから、俺達も調べてみませんか?
実散/うんっ!
KP/シャッターを潜った先には、つい先刻見た光景と寸分たがわぬ惨劇の跡があった。遺体の検視が始まり、鑑識係が壁に描かれた絵画を記録に収めている。取り調べを受けている取り乱し男は工場長だろうか。情報収集が可能です。

 (1)遺体を調べる
 (2)壁画を調べる
 (3)検視官の話を聞く
 (4)工場長の話を聞く

実散/1つずつ調べていこー!
天鴻/そうですね。まずは遺体についてかな?

 (1)遺体を調べる
 中肉中背の男だ。おそらく30歳前後だろう。大量の血を失っているせいか、肌はやけに白くなっている。
 外傷は少なく、腕に太い注射針が刺さったままだ。床にはまだ1リットルほどの血液が貯まったままのバケツが置かれていた。

実散/うわ……今まさにここで「生きたまま描かれていた」ってこと?
天鴻/この量の血を、生きたまま抜いたのか?
実散/どういう技術だよ、それ。生きたままとか痛い〜!
KP/KPから開示する情報は以上です。何かすることありますか?
実散/……早速ですが、遺体にサイコメトリーはできるかな?
KP/できます! サイコメトリーをする場合、MP−1、SAN−1してください。
実散/はーい。……たかひろくーん、俺やってみるよ。兄ちゃんが魔術を使いこなしてるからね、俺も超能力ぐらい使ってみせるよ!
天鴻/草摩さんが魔術を使ってるのもアレなんだよな!(一同笑) ……実散さんに何かあっても良いよう、近くに居る。気を付けて。
実散/うん。……遺体に触れる前に、検視官さんや鑑識さんにちゃんと許可を取る。
KP/現場の検視官である花園草摩が「いいぞ」と許可を出します。
天鴻/うわ、出た!?(笑)
実散/兄ちゃんじゃん!(笑) 許可が下りたから触るよ……えーい!

【現在SAN値】
 実散:89→88(1点減少)


 遺体に触れた瞬間、映像と音が一気に押し寄せる。
 「嫌だ嫌だ嫌だ死にたくない怖い怖い怖い怖い助けて誰か」

実散/ふえっ!?
天鴻/ひえっ。

 チューブを伝う血液。ぽた、ぽたっとバケツに零れる赤。
 「どんな気分だった? 夢を奪われて生きるのは……おめでとう、抜け殻の人生とさよならだ」

 斜陽。学校の美術室。キャンバス。油絵具。石膏像とリンゴ。
 「画家になんてなれる訳ないだろ?」「負け犬になるな」「お前程度の奴なんて五万といる」
 「でも、それでも、俺は……――」
 ――ブツンと。映写機の電源が落ちたように、そこでビジョンは途切れた。

実散/…………。これが、被害者の過去? わりとハッキリ見え……。
KP/サイコメトリー使用後は5分ほど利き手に激痛が走り、戦闘・運転など利き手を使う技能に−20。
実散/痛っ!?
天鴻/実散さん、大丈夫か? 顔色が少し悪いけど……。
実散/あう、ヤバ、これいっぱい使えない能力だ! ……たかひろくん、内緒話しよ。
天鴻/ん……人気の無いとこに移動しよう。話の内容もそうだけど、実散さんの顔色が悪いから。
実散/見たもの全てその通り話します! ……被害者もアーティスト志望だったのかも? 確か、今までの被害者に共通点って無かったんだよね?
天鴻/「30歳ってだけだった」とか何とか?
KP/はい、みんな30歳でした。それ以外は共通点は発見されてません。
実散/……被害者も犯人と同じアーティスト志望だった。もしかしたら、他の子も芸術関係で繋がりがあるかもしれない。調べられないかな……。
天鴻/現場に戻れます?
実散/手がしびしびしてるけど大丈夫! ありがとね、気遣ってくれて!
天鴻/無理はしないでくださいね。無理させて実散さんが怪我なんかしたら、草摩さんと百合人さんに怒られちまう。
実散/そんなことできっと怒らないよ〜。俺にいっぱい怪我させたって大丈夫だって!
天鴻/だめ。俺が悲しいからだめ。俺に悲しい顔をさせないように無茶しないでくれよな。
実散/……もうっ、早速たかひろくん悲しい顔してるー。
天鴻/ん。
実散/うん。無茶しなーい! 帰りの運転はよろしく! ……ねえ、たかひろくん。サイコメトリー、本物だったね。凄いプレゼント貰っちゃったの、本当だったよ。
天鴻/あの真っ白い世界の出来事は、本当にあったことだったんだな……。
実散/これを生かしていったら事件解決が早くなるかもよ? どんどん使っていこー!
天鴻/だからって、あんまり乱用すると身体に悪いから程々にね? ……じゃあ次、壁画を見てみます?

 (2)壁画を調べる
 血で描かれた悍ましい絵画だ。
 頭足類を思わせる頭部、無数に蠢く触手はいまにも動き出しそうだ。
 見ているだけで寒気に襲われ、言い知れぬ不安感が湧き上がる。ひどく嫌な予感がする。あまり深く覗き込まない方がいいだろう。
 ☆歴史or芸術でロール可能

天鴻/親から貰ったもんしかねえわ。<歴史>ロールで(ころころ)24、失敗……惜しい。
実散/俺もどっちも無い〜! とりあえず<歴史>で(ころころ)3。初期値クリティカル成功!?
KP/クリチケと情報プレゼント!

 <歴史>→実散が成功。
 10年ほど前にもブラジルのアーティストが自身の血液で絵を描き評判になった。
 かの有名な画家ドラクロワが用いていたマミーブラウンという絵具の原料はミイラだったそうだ。
 人体を絵画に用いるという手法自体は目新しいものではないだろう。

実散/ということなんじゃよ。血を使って描くこと自体はわりとあるという。
天鴻/ミイラ、顔料になったり薬になったり大変だな(笑)
KP/絵画の情報提示は以上です。何かしますか?
実散/……えー、たかひろくん。この絵にもサイコメトるの、どうでしょう?
天鴻/ありだと思うけど……。実散さんは平気?
実散/まだSAN値なら88もあるよ! 俺の高いSANがいっぱい使える! なんか嬉しい!
KP/嬉しがってるミチルちゃん、MP−1、SAN−1すればサイコメトリーできるよ。
実散/という訳で、しちゃう! さいこめとるー! てやーっ!

【現在SAN値】
 実散:88→87(1点減少)


 どぷん、と貴方は真っ暗な水に落下する。

実散/わ?

 黒。ひたすらに黒。上も下も分からない漆黒の水が貴方をヒタリと取り囲む。
 目を開けているのか、閉じているのかさえも分からない。

実散/わ わわ?

 それは、深淵だった。
 だが、貴方は見る。のっぺりとした闇が蠢くさまを。

天鴻/クトゥルフ神話TRPGだ!
実散/わ……わ? CoCの時間だ!?

 途端に鼓膜を裂くような悲鳴がとどろいた。何百、何千、何億の絶叫。それが身体を突き抜けていく。
 それは苦痛であり絶望であり、終焉でありながら永劫でもある。
 悍ましいそれが貴方の身体に絡みつく。引き裂かれ、絞られ、粉々に砕かれてもその苦痛は終わらない。
 絶叫。それは、貴方自身の口から発せられた音だった。(SANc 1d2/1D4+1)

実散/普通にトラップだったでござる!(ころころ)15、成功。減少値は1……。
天鴻/なんてこった。でも成功&最小値、ヨシ!

【現在SAN値】
 実散:87→86(1点減少)


KP/絶叫上げて、おかえり
実散/う、うわあ!?
天鴻/実散さん!? 大丈夫か!?
実散/うわ……うわあ? わ? たかひろくん……?
天鴻/落ち着いて……深呼吸して。そっと身体を支えながら、絵から離れます。
実散/あう、ん。……あはは、これ多用は良くないかも。凄いの見ちゃった……と、たかひろくんにSANチェックをしない程度にボカして伝えます。
天鴻/……描いた人間の過去って感じじゃないもんな。あれ自体が普通の絵じゃないのか?
KP/そうっぽいですね。「何か凄いの来ちゃう系の絵」だと思います。
実散/呼び出しちゃう系の絵? 召喚的な意味?
天鴻/あれ自体が魔法陣とか召喚陣ってやつなのか? 知らんけど。……俺も順当に染まって来てるなあ。もう不思議な生き物が出てくる程度じゃ動じなくなってきたぞ(笑)
実散/零課で兄ちゃんと俺とよくつるんでるからねえ〜。で、あの絵はつまり「不思議な生き物が出てくるかもしれない系の絵」……の未完成品かな? もしくは準備号?
天鴻/準備号が許されるのは同人誌だけだぞ。
実散/極道入稿でも間に合わなかったんだね。この準備号を次のイベント会場に持ってくれば100円引きしてくれるかも……。しかし既に7つも準備号を出してるんだよなぁ。
天鴻/7冊も準備号を出してるのは流石に原稿スケジュール下手クソすぎじゃない?
実散/いいかげん完成版を出しなよ(笑) ……じゃあ次、兄ちゃんの話を聞く?
天鴻/「(3)検視官の話を聞く」ですから、検視官の草摩さんのところに行きましょうか。気分転換にもなるだろうし。
KP/了解です。検視官をしている花園 草摩のところに2人はやって来ます。
実散/兄ちゃん、お疲れ様ー!
天鴻/零課で待機してたら駆り出されたんだろうな……。
KP/兄ちゃんっぽいロールをします。(草摩になって)「みちる、天鴻。好きだぞ」
実散/いきなり!?(笑)
天鴻/今ここで言う事じゃねえですよね!?(笑)

 (3)検視官の話を聞く
 「これから詳しく検査に回すことになるが、十中八九、失血死だ。スクラブルの仕業だろうな。
 死後硬直と体温低下は殆ど無い。おおよそ死後2時間ってところだろう。
 後頸部に火傷に似た跡が残っている。レーザー銃のようなもので電流を流し麻痺させたんだろう。
 まだ銃の種類が判らないな。……犯人オリジナルの銃か? まあ、それよりも……足痕係の話じゃ今回もゲソコンははっきり残ってたそうだ。靴のサイズからしてホシは男だ」

実散/レーザー銃……俺達が受けた、あれ?
KP/はい。実散と天鴻が受けたのは「弾丸の銃弾」ではなかったです。
天鴻/強力なスタンガン、みたいなもんかな? ゲソコンが残ってるのに特定には至らないってことは、靴自体は珍しいもんじゃなかったか。
KP/検視官の話は以上です。何かしますか?
実散/兄ちゃんにサイコメトリーしたら面白いと思った。
天鴻/草摩さんにサイコメトリーしたらヤバいでは?
KP/絵画のSANチェックよりヤバイのが見えるのでは?
実散/絵画よりもヤバイ兄ちゃんの過去って何だよ!?(笑)
天鴻/深淵を覗くとき、また深淵もこちらを見ているのだ的なあれ。花園 草摩はかく語りき。
KP/この深淵、真顔で凝視してきますよ。タカちゃんはいつもされてるでしょ
天鴻/それ(笑) 草摩さんのあの目で凝視されると、なんか、こう、あれ……ろくろを回す手。
実散/好きになっちゃうとか?
天鴻/オニキスを抱いてるときの手触り……みたいな……。
実散/兄ちゃんはたかひろくんのこと大好きだからね〜(笑) じゃあ次、工場長への事情聴取をしよー!
天鴻/工場長って言われるとジョニーでデップなイメージが勝手に。
KP/じゃあジョニーでデップな立ち絵を出しました。
天鴻/わあ、イケメン!(笑)

 (4)工場長の話を聞く
 「(被害者について)若いのに昔ながらの職人気質の男でね。手先がえらく器用で、働き者だった。
 愛想は無かったけど、誰かに恨まれるなんてことはなかったと思うよ。
 なんでも昔は『芸大を目指してた』って話はちらっと聞いたよ。けど、ある日……ふいに嘘みたいに興味が無くなったんだとさ。
 そういえば、今回の事件は珍しく気にかけてたな。絵描きの犯罪ってのが引っ掛かったらしい……やっぱ絵が好きだったのかねえ?」

天鴻/芸術家志望だったけど、急に興味が無くなった……? ちなみに、その被害者の知り合いに「九重」って男が居たか知りませんか?
KP/「あくまで自分が聞いたことないだけだけど、いないんじゃないかなあ? あんまり友達が多そうなタイプじゃなかったし……」 判らんって言います!
天鴻/流石に勤務先の人じゃ、個人の交友関係把握はしてないか。
実散/……今までの被害者も、過去に芸術関係だったか調べてみるのはアリだよね。事情聴取後に「九重 ミツグ」の名前を調べることはできますか?
KP/調べられます。……ここで質問です。実散と天鴻は、芸術関係、または芸能関係について詳しいですか? 詳しい設定なら「九重 ミツグに関する情報」を無条件で取得できることにします。
天鴻/天鴻はスポーツ関係は興味あると思うけど、芸術はあんまりかな。
実散/うーん、実散も流行やタレントについては人並みしか知らないな。
KP/特別詳しいってキャラじゃないですね? なら偶然知っていた<幸運>か、ネットで検索する<図書館>ロールをお願いします!
実散/<幸運>ロールするね!(ころころ)44、成功。
天鴻/<図書館>を振ります!(ころころ)68、成功。Hey Siri!
KP/ハーイ シリちゃんがネットで九重 ミツグについて検索してあげたよー
天鴻/これかな! ……なんか、百合人さんみたいなSiriだな?(笑)
実散/ユリちゃんセンパイだったら芸能関係もよく知ってそうだし、すぐ教えてくれそう(笑)

 『九重ミツグ』
 30歳、現代美術を牽引する新進気鋭のアーティスト。
 都内を中心に活動中。今日から個展が開催されるようだ。

KP/という訳で、ネットで検索するとすぐ出てくる人でした!
実散/30歳のアーティスト……ネットで顔写真は出てきませんか?
KP/出てきますよ。2人を撃った白髪の男の顔の写真を発見します。
実散/あ、この人……! たかひろくん! このアーティストで間違いないよ!
天鴻/ふむ? 個展があるのか……行ってみます? 個展初日だから記念に殺人したのか?
実散/記念殺人ってこと!?
KP/そう話し合っている2人に草摩が声を掛けてきます。「みちる、天鴻。一度署に戻るぞ。捜査本部で改めて報告会だ」
天鴻/ああ、会議か……。そりゃ新たにガイシャが出たなら捜査会議しなきゃですよね。
実散/兄ちゃん……そうだね。捜査本部に出てから、行こうかな?
天鴻/今の時点で、捜査会議より個展に行くことを優先させる理由を出せないし……。
実散/何より……スクラブルがあの男だって知ってるの、俺達ぐらいだし。判った、署に戻ろう。
KP/まだ警察はスクラブルと九重 ミツグの関連性を見出せていませんしね。捜査会議が終わってから個展に行くといいよ。という訳で、警察のシーンをします!