クトゥルフ神話TRPG・リプレイ
■ 『 鳥は空へ 』 1ページ ■
2022年1月22日




 ※このリプレイには、性的表現を含んだ18禁要素・同性愛描写が含まれております。ご留意ください。


 ●前回の飲み会にて

百合人/兄ちゃんって不思議だよな。兄ちゃんはミチルちゃんのことを好きなのに、自分以外の人に体を許すの。
天鴻/あ、それ思いました。
百合人/そのおかげで百合人がミチルちゃんの恋人になれているけど、兄ちゃんが許してくれなきゃNTRだった訳で……。
実散/実散は基本的にみんな好きなんで求めてくれる人なら誰とでもセックスしますけどね。
百合人/おおい!?
草摩/みちる。通りすがりの人ともするのか?
実散/……求められたらするかも?
天鴻/実散さんは自分を切り売りするようなことは止めましょうね!?
百合人/NTR好きな中の人としては、新規キャラでミチルちゃんに会ってちょっとアプローチかけて抱かれるのか試したい。百合人が嫌がって暴れると同時に中の人が「やりたい〜!」って叫んでる。
天鴻/性癖が凄い!(一同笑)
実散/凄い思考実験を考えるね!?(笑)
百合人/オレと恋人してるミチルちゃんに新規PCで会いてえ〜! 今度は年下系とかでミチルちゃんを押し倒してえ〜!
天鴻/なんで自PCから自PCでNTRしようとしてるんすか!?(一同爆笑)
草摩/それ、俺にも見せてください。かわいいみちるを愛でるから。
百合人/じゃあ新規PCでいくからまたセッションしてよ。中の人に押さえつけられた百合人が「えーん! タカちゃんー! アタシの恋人が大変なことにー!」って泣きつくから。
天鴻/この性癖に素直集団!(笑)
実散/み、魅力的なキャラ相手じゃないとNTRされないからね!? センパイ以上の人を連れてこないと成り立たないよ!?
百合人/俺が俺を越えるRPG。
天鴻/テイルズの新作かな!?(一同笑)
実散/頑張れ! いや頑張らないで!(笑)
草摩/みちるはかわいい。かわいいを共有したいと俺はいつも言っている。みちるが好きな人なら自由にすればいいが、それ以外は殺す。
実散/殺す!?(笑)
天鴻/殺すな〜! あ、でもこれは「何があっても実散は自分のとこに戻ってくる」という確固たる自信があるからか……?(笑)
草摩/もちろんだ。だってみちるは俺のだし。
天鴻/めっちゃ伸びるリードを着けてるみたいな……でもあれ、リードが伸びすぎて危ないんだよな。伸びたリードに引っかかった人が実散さんに引っかかった人だな(笑)
実散/凄い例えですね……(笑)
百合人/引っかかった年下をつれて来ます!



 クトゥルフ神話TRPG 『鳥は空へ』
   シナリオ製作者:みるーく 様 シナリオ掲載サイト



百合人→KP/……という訳で、クトゥルフ神話TRPGでNTRができるシナリオを探してきました。シナリオはやや改変させてもらって遊んでいきます。
実散/世の中、色んなものがありすぎる……(笑)

 榎都 咲空(プレイヤー名:イガ)
 職業タイプ:[ストリートローグ]
  STR:15  CON:15  POW:11  DEX:13
  APP: 7  SIZ:14  INT:10  EDU:10
  HP:15  MP:11  SAN:55
  アイデア:50  幸運:55  知識:50
  ダメージボーナス:+1D4  不定領域:44
 こぶし:70  投擲:50  応急手当:60  隠れる:19  精神分析:50  図書館:46  目星:70  跳躍:30  言いくるめ:70  芸術(ファッション):30  心理学:11
 職業:大学3年生  性別:男  年齢:21  身長:179cm  体重:67kg  出身:東京  髪色:黒  瞳色:茶
 持ち物→スマホ、財布、バイク、お菓子

▼榎都 咲空(えのと・さく)の設定
 21歳の大学生。飲み屋に行ったり遊ぶの大好き。所属しているサークルはテニス(半飲みサー)。
 酒を覚えたばっかりの年で、明るい店にハマっている。目立ったところに首を突っ込むのが最近の趣味。
 気が強くて男勝りの髪が長くて勝てない姉がいる。高圧的な姉に敷かれて育てられてきたので、男兄弟には憧れがある。

草摩/見学ドキドキ。
天鴻/NTRドキドキ。
実散/NTRされるドキドキ……!?
KP/KPもドキドキ。もしかしたら見学席に来てくれている2人に助けを求めるかもしれません。助けてください。
天鴻/見学席なのにプレッシャーが凄いじゃん……(笑)
KP/ブツぎりなシーン構成になるかもだけど、それではよろしくお願いします


 ●シーン1

KP/とある飲み屋にて。どこにでもよくありそうな居酒屋……和民とか、土間土間とか、魚民とか、そういうチェーン店です。
実散/笑笑とか、鳥貴族とか、月の雫とかかな。
KP/そこでは大学生のサークルが楽しそうに、賑やかに飲んでいる。酒を覚えたての若い青年達が集まって食事をしていた。
実散/きゃっきゃ、わーわー。
天鴻/お洒落系のお店っぽいと良いな。大学生のサークル飲み会?
KP/しかし賑やかだった大学生の一人がその場で倒れてしまう。「おい田中、大丈夫か?」 男子生徒達は最初は笑っていたが、倒れた青年は吐きそうでヤバい顔をしている。
実散/わあ、大変。
咲空/「おい起きろよ、田中。これから神楽に行く〜って言ってたのお前だろ。神楽に行きたいんじゃなかったのかよ……おーい、田中〜?」
草摩/大変だ。
KP/明らかにヤバい様子に、焦る大学生達。……もし実散がこんな光景に居合わせたら、どうする?
実散/ちょっと失礼。その子、寝かせるなら横を向いて寝かせてね。窒息しちゃうかもだよ?
咲空/……えっ?
実散/その子の上着を持ってきてくれる? 無かったら誰でもいいから上着を貸してあげてね。お酒を飲んでるときは熱くても一気に体温が下がったら大変だから。
咲空/えっ……あ、はい!
実散/完全に酔っちゃって倒れた。それであってる?
咲空/はい、はい、あってます。
実散/誰か、店員さんに「友達が潰れちゃったんです」って言っておいで。お酒を出してる店ならそういうの対処は用意してある筈だよ。エチケット袋とか貰っておいで。
KP/「は、はーい!」 何人か慌てて散っていく。すぐ店員を呼んで対処してもらいます。
実散/とは言っても、救急車を呼ぶほど重症じゃないよね? 大変な症状じゃないならこのままみんな楽しんでも平気。でも倒れた子、気遣ってあげなね? ちゃんと見ていてあげるんだよ、幹事さん?
咲空/は、はい!
草摩/出来る大人の対応だ……。
実散/店員さんが来たら去ります。あっちの席に居る兄ちゃんやたかひろくんやいたるくんのとこに戻ります。じゃあねー。
天鴻/零課の飲み会の最中だったのか(笑)
咲空/あっ……。
実散/どうしたの?
咲空/あ、あの。……ありがとうございます!
実散/どういたしまして。みんなと居る時間、気を付けて楽しみなよ。笑顔で手を振って去ります。お礼が言えるなんて偉いなぁ〜と思いながら。……これ、最高の出会いでは?(笑)
天鴻/偉い子だったなぁ。
草摩/みちるもいい子だ。
KP/ハプニングの経験が浅い学生には、助け船を出してくれる社会人の存在は嬉しいよ。その日は特に何もなく平和に終わります。そんな……12月上旬の花園班忘年会の出来事でした。


 ●シーン2

KP/シーンは百合人の店です。時期は1月。新年が明けました。
実散/明けましておめでとうございます!!
KP/そんな1月の夜、実散は百合人が開いているバー・アルカディアで飲んでいる。
実散/センパイ、飲みに来ましたー!
KP/今日の実散は1人で百合人の店へ来店したが、他にも客が数人居てそこそこ繁盛している。百合人もあちこち相手をするという、よくある光景だ。
草摩/爆破してない店なんて珍しい。
天鴻/店! 爆破せずにはいられないッ!
実散/爆破されてないセンパイの店、守らなきゃ(笑)
KP/そんなとき、ある客が来店する。終始そわそわしており、この店に来たことが無い青年だと思える。間違いなく初めて来たのだろう。
実散/初めてのお店に入るときってドキドキするもんねー。
KP/店主の百合人は青年に話し掛けた。「いらっしゃいませ。初めてちゃんだよね〜?」「あ、はい……あ、あの、実は剛力さんとお話がしたくて」「なーに? アタシに会いに来てくれたの? アタシに会いたかったなんて嬉しいー! なになにどうしちゃったー?」
実散/お店モードのユリちゃんセンパイ、かわいい(笑)
KP/実散はその場から離れる? それともこのまま彼らの話に乗ってくる?
実散/……あくまでユリちゃんセンパイへの相談だから、邪魔しない程度に席をちょっとズレる。でも退席はしないで「聞こえちゃったから聞いちゃった」程度でいますね。
KP/OKです。青年は百合人に話し始めます。

 「初めまして、潮田 勇と申します。すみません、実はこのたび相談があって……」
 真剣な表情に、百合人も笑顔ではあるが本腰を入れる。
 潮田はあまり大声ではなく、後ろめたさもあるような様子でカウンターに立つ百合人に相談を始めた。
 「剛力さんは顔が広いと聞きました。お聞きしたいことがありまして、今日はお願いに参りました」

実散/センパイ……顔が広いんだ。それっぽいなー(笑)

 「客商売だからね! 場所が場所だけに色んな子が来るから人より顔が広い程度だけど……なーに? 人探しでもしてんの?」
 「久住 吾妻(くずみ・あずま)という男はご存知ですか?」
 「クズミ……ああ、聞いたことあるわね」
 「本当ですか!」
 「アタシも聞いたことあるだけで、うちに来店はないわよ。その聞いたことある話も、『悪い噂』を色んな所で聞いてるだけ。有名人でしょ、その子……悪い意味で」

実散/こういうやり取りをするセンパイカッコイイ!(笑)
天鴻/百合人さんの知り合い探偵PCとか作りたい(笑)
草摩/ぜひキャラメしてほしい!(笑)
KP/「彼は……僕の友人の女の子を犯して、そして逃げ出しました。その子は妊娠して……精神に異常をきたしてしまったようで、今は病院に入院しています」
実散/うわ、クズのクズミくんだ!
KP/「その後、この男は連絡も取れず行方不明で……警察もお手上げ状態で。会ってどうにかしたいというわけではありません、でも、しかるべき罰を受けてほしいのです」 百合人は潮田に「警察もお手上げ状態」と言われたとき、何気なく実散の方を見る。
実散/おっ?
KP/実散が知る訳もない、そう常識的に判断した百合人は……実散を頼ることなく、すぐに潮田に向き直った。
天鴻/言い方は悪いけど、ただの強姦事件を零課が受け持つことは無いだろうしな。
実散/……久住 吾妻。良くない要注意人物、なのかな?
KP/さすがに、現時点で実散は知らないかなあ。

 潮田は、カウンターテーブルに厚めの茶封筒を置く。
 百合人は「なになに?」とそれを受け取り、中身を確認し、顔を凍らせた。
 実散がもし横目で見たなら……厚さからして100万円ほどの札束が入っていると判る。

草摩/うわ、大金。
実散/……本気で探す気か?

 「これだけしかありませんが、必要経費としてお使いくだ……」
 「待った。これを渡すのはアタシじゃない。……アタシの知り合いに探偵業をやってる子がいるから紹介する。その子にお願いしなさい。その方が確実よ」

実散/うわー! あしらい方がカッコイイー!(笑)
KP/ちなみに探偵と言いますがただの設定なので、このセッションには登場しません。ただただ百合人は「この件に直接巻き込まれたくないので依頼を断った」というロールをします。
天鴻/まあ、ただのバーのマスターが探偵の真似事みたいなことはしたくないですよね。信用問題的に……。
実散/なるほど、100万円は受け取らないんですね。
KP/冷や汗をかいて「受け取れないよ!」って顔をしてるよ。百合人は潮田の席から離れ、実散に近づきます。
実散/センパイ?
百合人/……ミチルちゃん。今夜閉店したら一緒に帰る予定だったけどさ、ミチルちゃん一人で帰れる?
実散/そんな……お子様相手みたいなこと言わないでくださいよ。一人で帰れます。
百合人/アタシ一人が怖かったから一緒に帰りたかったんだけどさ〜!(笑) でも……彼の話、聞いてあげたいんだよね。
実散/はい。
百合人/あの子、カウンセリングが必要な顔してるからさ。色々アタシに話してラクになってもらおうと思って。思い詰めてる子を放っておけないし。
実散/ユリちゃんセンパイのお話、不思議な魔力ありますから。ぜひとも彼を癒してあげてください。
草摩/精神分析(オカマ)の技能で。
百合人/いっぱい癒すね 今夜は一人で気を付けて帰るんだよ!
実散/はーい。……あの、センパイ。気を付けてくださいね? 変なところに首を突っ込んで……その、大変なことにならないよう。
百合人/まー、アタシは大丈夫じゃない? でもちょっとは気を付けようかな……心配してくれてアリガト
実散/……明日、大変な姿で発見されないでくださいね?
百合人/大丈夫大丈夫! 何かあったらすぐミチルちゃんに連絡するし、あとタカちゃんに助け呼ぶから! キャータカちゃんかよわいアタシを助けてー(^ε^)-☆Chu!!
天鴻/ミッ。
KP/ミッ言われた(笑) という訳で、百合人は潮田のもとへ戻っていきます。実散はお帰りください。
実散/はーい。では自分もお酒を楽しんで、本当にセンパイ大丈夫かな……と心配しながら今夜は帰りますよ。
百合人/アタシってば心配されてる 嬉しいわ
実散/そりゃ心配しますよー!
KP/実散は百合人の店を一人去る。自宅であるマンションへ戻る。その戻る道の先で、意識を失った。
実散/……え?
KP/シーン2、ここで切ります。


 ●シーン3

KP/実散は目を覚ます。目を覚ましても真っ暗だった。<目星>ロールをお願いします。
実散/こわ……いきなり怖い。(ころころ)<目星>、25で成功です。
KP/自分が目隠しをされており、両腕が頭の上で拘束され、寝かされていることに気づく。
実散/え!? なに、えっ……? どこだ、ここ。どうした、俺……?
KP/一瞬だけ、目隠しが取れる。一瞬見えた光景は、ここは……車内だと思った。
実散/車内!?
KP/だけど、すぐ目隠し再びされる。誰かがいる。誰かが動く音がする。
実散/……だ、誰? 誰、なの?
草摩/誘拐か……?
天鴻/もしもし、おまわりさん……。
KP/その誰かが、実散の体に触る。そのまま実散をレイプします。
実散/えっ……。あ!? ちょ、待っ……!
KP/体をまさぐられます。乱暴にされます。
実散/まっ、待て! 何をして……って、おい!?
KP/暴れますか?
実散/暴れます!
KP/じゃあ暴力を振るいます。
実散/がっ!? 痛っ……ぐ……。
KP/実散は拘束されているので、一方的な暴力を受けます。殴るなどの暴力です。それでも抵抗しますか? したら暴力を振るいますが。
実散/ぐうっ!? ……無抵抗になります。目隠しだけでも取れないかな……。
KP/取るどころかさっき緩んだのでしっかり結ばれました。なので、レイプは続行です。
実散/くそっ……!
KP/犯されている実散はどんな反応ですか?
実散/クソッ、クソォッ……って口をずっとへの字で唇を噛んでるかな。連絡したくても拘束されて暴力を振るわれているからできない……!
KP/拘束されてレイプの真っ最中なので連絡できそうにないですね。一方的に実散は犯されます。
実散/ぐうっ……うううう、ううううう。
KP/嫌ですか?
実散/……そりゃ、嫌だよ! こんなの嫌に決まってる……ずっと口を噤んで、抵抗はしようとします。何か、手掛かりとか、くそ……。
KP/楽しんではくれませんか? ずっと抵抗の様子ですか?
実散/……楽しめないよ!
KP/CON×3ロールをお願いします。失敗したら、イってください。
実散/……やだあ、振りたくない……。
KP/ロールしてください。イかせます。
実散/やだ……やだ……誰かも判らない奴にイかされたくない……。
天鴻/本気のヤダヤダだ……。
実散/やめろって体を捩って、逃げようとして……体を固くしながら(ころころ)60、失敗……だ、だめ……。
KP/イった。
実散/ふああぁっ!? やっ、やだ、やだ……兄ちゃん……センパイ……助け……。ビクビクっとイく。
KP/犯されてイかされます。その瞬間、ゾワッと背筋が凍る。ぞわぞわぞわぞわと体中に何か駆け巡る。
実散/……う!?
KP/体が何者かに纏わりつかれる感覚。恐ろしい、決して味わったことのない恐怖が全身を襲う。SANチェックをお願いします。
実散/あ……あ? あっ、ああああ!?(ころころ)37、成功。(ころころ)アイデアも、成功。
KP/1d3+4の、確定発狂をしてください。なお、この時点ではロストもしません。
実散/確定発狂!?(ころころ)7減少……って最大値じゃん!?
KP/ここでは独自の発狂表を振ります。「奇数:極度の恐怖症、偶数:自殺癖」になってください。
実散/(ころころ)2、自殺。死わよ!?
KP/実散は自殺癖の発狂になります。
実散/あ……あああああっ!?
草摩/ひ、一人でいるときに自殺癖って……。
KP/レイプされた実散は公園に捨て置かれます。自殺癖を引いた状態で、自由に行動をどうぞ。
実散/自殺癖の発狂を引いた状態で放置されるの!?
KP/はい、自殺癖の状態で1人です。どうぞ。
実散/うわあ、ヤバイなこれヒドイな?(笑) ……ぁ、あああぁ、俺……ごめん、なさ……い、ごめんなさい、兄ちゃん……センパイ……。
天鴻/だ、誰かに連絡して!?
実散/夜の公園にボロボロの状態で捨てられて、蹲って……立ち上がる。兄ちゃん……センパイ……ごめん、俺、こんなの……生きて、いけない……。どこか死ねる場所を探しに行く。
草摩/助けに行きたい!
実散/生きていけないよ、あんなの……されたら……。どこが死ねるかな……車道か、首を吊れるとこ探すか、高所から落ちれば……歩道橋とか……?
草摩/現れたい! 天鴻も現れてくれ!
KP/……実散は誰かが<精神分析>するまで自殺癖のままです。<幸運>ロールしたい人、シーンに登場していいよ!
草摩/草摩が<幸運>ロールします!(ころころ)76、失敗。なんで!? なんで行けない!?
実散/……兄ちゃんには会いたくない……。
草摩/俺は行きたい!
実散/でも……兄ちゃんに会ったら、俺……。
草摩/み、みちる……!
天鴻/(ころころ)38、成功! 天鴻は<幸運>ロール成功しました!
KP/天鴻、成功ですか? シーン登場してもいいですよ!
実散/……ふらふらと、あらぬ所に向かってます。涙はもう流していない状態で、でもおぼつかない足取りで……。
草摩/た、天鴻、頼む……!
天鴻/颯爽登場! 仕事帰りの天鴻です! ……あれ、実散さんじゃん?
実散/………………。
天鴻/何か様子が変だな? ちょっと駆け寄って、近付く。
実散/……あっ、ああ……!? に、逃げようとする!
天鴻/み、実散さん!? 待て待て!
実散/ごっ……ごめんなさい! 乱れた服のまま逃げます。でも足がもつれてすぐコケる。
天鴻/駆け込んで、実散さんから自分の顔が分かる位置に行く。落ち着け! 俺! 白南 天鴻!
実散/ご、ごめん! 俺は! し、死ななきゃ……死ぬ、死なないと、ダメ……。支離滅裂なことを言います。
草摩/頼む……みちるを助けてくれ、頼む……。
天鴻/服装の乱れや怪我の具合は分かるかな……。とりあえず落ち着かせよう、<精神分析>します。(ころころ)7で成功! っしゃ!
草摩/ありがとう天鴻!
実散/やだぁ……やだやだぁ! 首を振って逃げようとして……るけど、成功された。
天鴻/腕を掴もうとするけど、きっと嫌がるだろうから触れない。けど、車道に飛び出したりしないようにディフェンスする。
KP/優しい……。
天鴻/実散さん。落ち着いて。俺のこと分かる?
実散/…………。たかひろ、くん……。ぼろぼろと泣き出す。
天鴻/うん。少し歩ける? そのままじゃ危ないから、落ち着くまで少し休もう?
実散/……ん……。KP、自殺癖から治っていいですか?
KP/治っていいです。
天鴻/近くのベンチまで誘導する。自分は車道側に立って……実散さん。言いたくないなら言わなくて良いよ、と言ってやりたいとこだけど、職業上必要だから聞くしかない。何があったか話せます?
KP/タカちゃん、大人……。
実散/…………。ふふ、笑わないでね。……暴行された。
天鴻/……それ聞いて笑うと思います? ばか。俺がそんなことする人間だと思ってたんすか?
実散/たかひろくん、優しいね。はは……気が動転しちゃった。……みんなに会わせる顔ないなって、本気で死のうと思っちゃった。
天鴻/俺がたまたま居合わせて良かった……。実散さんも無理して冗談めかさなくて良いですよ。
実散/……こんなの、若い女の子がされたら、気が狂っちゃっても仕方ないね。潮田くんの話を思い出して、ぽつっと言います
天鴻/とりあえず、近隣の警察署に行って被害届を出しますか? 嫌かもですけど、検査を受ければDNA鑑定で犯人を特定できるかもしれませんよ。
実散/えへへ、模範解答ありがとう。受けるべき……なんだよね。
天鴻/……どうしても調書を取ったりするんで、実散さんが嫌な思いをまたするかもしれないです。
実散/うん、正直嫌だね。思い出して、また体をガタガタと震わせる。……理性では被害を名乗り出た方が良いって判るけど、自分からレイプされましたって言うの、つらいや。……こんなの若い女の子は耐えられない。
天鴻/……強姦とか、誰だって自分の身に起こったら怖いですよ。今日すぐ行くのは無理なら、一晩休んでも良いと思います。
実散/「偶数:冷静に今日全ての処置をする。奇数:嫌だ、何もしたくない」。(ころころ)2。
天鴻/れ、冷静〜!
KP/凄い……警察に行くんだ?
実散/……ねえ。届け出、どこにどうやってするか覚えてる? 俺、頭がバカになってるから、ちょっと付き合ってくれる?
天鴻/はい。近くの警察署を調べて、連絡しておこう。
実散/本当にありがとう。たかひろくんが居てくれて良かった。……今の俺は、兄ちゃんとセンパイには会えないから。
草摩/え。
百合人/え。
草摩/えっ?
百合人/えっ?
天鴻/困惑の2人!(笑) 実散さんに自分の上着を掛けておこう。
実散/上着、ちょっと借りるね。……たかひろくんに甘える。俺、2人には……会える気がしない。
草摩/会いたい!
百合人/駆けつけたい!
実散/会えないですね。
天鴻/そりゃ、「2人に合わす顔が無い」って言って自殺しようとしてた人だから……会いたくないと思っちゃうよね。
百合人/会いたいよ!?
天鴻/タクシーを呼んで警察署に向かう間に2人にはメッセージを送りますよ。実散さんには言わずに。言ったら「絶対知らせないで!」って言われちゃうからね!
実散/そうだね……。という訳で、実散は警察署に行っ確実な処置を行ないます。そして怪我をしているから病院行きかな。
百合人/タカちゃん! オレも病院に行っていい!?
草摩/行く。病院行くぞ。
百合人/行くわよ! 行くわよ兄ちゃん!
KP/お好きなタイミングで登場してください。
実散/KPが譲渡された!(一同爆笑) では……夜間の病院に実散は行きました。打撲とか裂傷はあるけど、骨折とか大怪我はさせられてない状態で。
KP/今夜は検査入院ですね。
実散/実散は検査を受けます。という訳でシーン退場する〜。
KP/百合人さんと草摩さん、シーン登場していいですよ。
百合人/タカちゃんに教えてもらった病院に駆け込みます! ……そのっ! タカちゃんっ!
KP/百合人さんが駆け込んで来た。
百合人/大丈夫だって聞いたけど! 居ても立っても居られなくって! 兄ちゃんの車で一緒に来たわよ!
天鴻/……実散さんは今、怪我の処置中です。
百合人/だ、大丈夫なんだよね? タカちゃんが連絡くれた通りなんだよね? 焦ってます。
天鴻/命に関わるような大怪我はしてないです。俺が発見したときは冷静さを欠いてましたけど、今は落ち着きを取り戻してます。俺が判る範囲で……実散さんが拉致されて暴行を受けたことを説明しますね。
草摩/殺す。
実散/ひえ。
百合人/うわ。
草摩/殺す。……天鴻、説明ありがとう。
天鴻/いえ……。
実散/に、兄ちゃん……怖っ。実際兄ちゃんに会ったら逃げる殺意の塊じゃん……。
百合人/えっと……兄ちゃん、もうちょい人前で出られる顔にしな? タカちゃんは大丈夫だって言ってるし……。
草摩/天鴻。天鴻の目から見たみちるは「ダメ」だったか?
百合人/ダメ?
天鴻/俺が見つけたときは、その、だいぶ取り乱してて……俺が居合わせてなかったら自死してたかも……。
草摩/殺す。
百合人/兄ちゃん。
草摩/ありがとう。天鴻。助けてくれて。ありがとう。殺す。
天鴻/草摩さん、あんたも落ち着け。
百合人/そうよ兄ちゃん、落ち着いて。
実散/兄ちゃん……言語がおかしくなってるよ?(笑)
天鴻/あんたがその顔のままここから出ようとするなら、俺は草摩さんの足を折ってでも止めなきゃなんねえ。その顔のまま実散さんの前に現れたら、実散さんは怯えるぞ。
草摩/顔? いつも通りだが。
天鴻/百合人さん、あれいつも通りの顔だと思います?
百合人/やーね、早くやめてほしいよ! ……なんか兄ちゃんのアレなの見てたら、アタシ慌てるのやめーた!
実散/より酷い状態の人を見て落ち着いちゃう現象ですね(笑)
百合人/タカちゃん、とりあえず諸々ありがとね。大事がないって聞いてほっとしてる。後は……各方がどうにかしてくれることを祈るわ。
天鴻/いや、俺は何も……。被害届は出してありますから、犯人が何かしら前歴のある相手ならデータベース照合から追えます。そうでないなら、少し時間が掛かるかもですね。努めて冷静に言います。
百合人/そうね。……レイプされた云々なんて、1日に続けて何回も聞きたくなかったわぁ。
草摩/みちる。みちるには、会えないのか。
天鴻/今は手当て中なんで……あと、本人はあまり2人には会いたがってなかった。
草摩/俺は、みちるに会いたくても?
実散/……実散は、会いたくない、かな。
草摩/俺は会いたくても?
実散/……無理矢理、誰かも判らぬ相手に犯されて、その……感じちゃった、から。……なんかそれが、2人に対して……裏切りみたいに思えて。会いたくないな。
草摩/そんなの……。
百合人/そんなのバカ。
実散/……馬鹿な考えだって判っている。けど、2人は俺を責めるんだろうな、会いたいけど会いたくないな……って拒絶しますね。
天鴻/おそらく実散さんは「2人に責められる」って思っているかもしれない。あの人、ずっと「2人に合わす顔が無い、死にたい」って言ってたんですよ。草摩さんの気持ちは判りますけど、実散さんにも整理する時間が必要なんです。
草摩/ここは……俺達が引くしかないのか?
天鴻/会ったら、せっかく持ち直したメンタルがまた落ち込んじまうので……悪いですけど、暫く休ませてあげてもらえませんか。
百合人/よし。帰るよ、兄ちゃん。ありがとタカちゃん、オレ達うちに戻るね。
天鴻/すいません、2人が実散さんのこと心配してるのは判ってますけど……何かあったらすぐ連絡しますんで。
百合人/うん、アタシは判ったわ。……帰るよ、兄ちゃん! 「みちるのお兄ちゃんだろ」? 判ってあげなよ、「お兄ちゃんなんだから」!
草摩/…………。うん、お兄ちゃんだから……。
実散/うううううう……。
草摩/……みちる。みちる……顔を見るだけでも、ダメなのか……?
百合人/兄ちゃん。帰ろ?
草摩/…………帰る。天鴻。頼む……。お前も帰れるようなら、帰れ。
天鴻/……百合人さん。草摩さんが無茶しないよう、見といてもらえます?
百合人/了解。
天鴻/あと……百合人さんも無茶したらダメだからな? 2人が無茶すると、実散さん余計落ち込むんだから。
百合人/判ってるって。……オレだって、取り乱したいぐらいなのよ? もうっ……。
実散/センパイ……。
百合人/そういや、『あの汐月真由』って女の子も、この病院に入院してたな。ボソッと独り言を呟く。
天鴻/汐月?
百合人/うん、似たような事件の被害者の子もこの病院に搬送されていてね……。で、タカちゃんも帰るの?
天鴻/天鴻は一晩付き添うかな。実散さんが翌朝退院するまでご一緒します。
実散/ううう、3人が3人とも良い男すぎる〜……!
KP/この辺りでシーン終わりにしよう。……実はこのシナリオ、「PCはレイプされたことがあります」の自己紹介説明1文で終わってここからセッションスタートするんですよね!
草摩/今からセッション開始か。
実散/これだけでめちゃくちゃ時間を使ってるんだが? めっちゃ心身にダメージを受けてるんだが?(笑)
KP/正直なこと言っていい? 百合人が想像以上につらい。KPは想像以上に性癖にきて楽しい。
実散/素直か?(一同爆笑)


 ●シーン4

KP/夜が明ける。実散の精神は落ち着いているし、退院はすぐできる。しかも今日は仕事が無い、休みの日だ。実散は自由に過ごすことができる。
実散/そっか、今日は仕事が無いんだ……。
KP/翌日休みだったから百合人の店に来てたのかも。という訳で、実散は午前中には退院する。一晩だけお世話になった病室から退去しよう。
天鴻/実散さんの手荷物を持って現れます。
実散/……あ、たかひろくん。……なんか、昨日今日ずっとごめんね。
天鴻/気にしないで良いですよ。こういうときは助け合いでしょ。
実散/えへ、いつも以上に甘えちゃうな。何かたかひろくんが困ったときは俺を頼りなよ。何でもしてあげちゃう!
天鴻/あはは、そのときは頼りにしますね。実散さん、今日はお休みでしたよね。ゆっくり休んでください。……ご自宅に向かうで良いですか?
実散/……ううん。1人で歩いて帰る。たかひろくんはお仕事に行きなよ。もうこれ以上、迷惑は掛けられない。
天鴻/……家ぐらい送るぐらい、大したことじゃねえのに。変なとこで遠慮しいだよなあ。
実散/もう……死んだりしないよ。兄ちゃんとセンパイにも会わないと、だし。2人に心配掛けちゃったから……。
天鴻/……俺が心配だから送らせて、っていうのはダメ?
実散/……ダメ。でも、ありがと。その言葉、死ぬほど嬉しい。
天鴻/実散さん一人で帰したら、草摩さんと百合人さんに怒られちゃう……っていう理由じゃダメ? くぅ〜ん。
実散/大きいわんこだ、かわいいー(笑) ……だめっ。お仕事に行きなさい!
天鴻/KPC、早く出てきなさいよ! このままだと天鴻がNTRしてしまうから早く!(一同笑)
KP/思わずかわいいものに見入っていた。……そんなやり取りを2人が廊下を歩きながらしていると、あっちから来た大学生が実散とぶつかります。
実散/あいたっ! わっ、ごめんね。
咲空/あっ、ごめん。……おっ?
実散/あ……。
咲空/あれ!? あの飲み会のときのお兄さんだ! 前はありがとー! 田中……飲み会で潰れた奴、お兄さんにすっげー感謝してた!
実散/人前に立ったから笑顔になります。演技スイッチオン! 先月の飲み屋に居た子だよね? あのときの田中くん、大丈夫だった?
咲空/元気元気! というかあの後すぐ復活してコーラ爆飲みしてた!
実散/炭酸を飲むな、胃を休めろよ(笑)
咲空/田中の奴、お兄さんが看病してくれたこと話したら「マジ感謝〜」ってずっと言ってたんで! 言えて良かった! お礼言えて嬉しいー!
天鴻/……あー、そういえば忘年会のときに何かあったって言ってたっけ。
実散/そう、そのときの子だよ。……幹事さん、良い経験になったでしょ?
咲空/うん! こんな所で会えるなんて奇跡……ていうかなんで病院!? 怪我でもしたの!?
天鴻/グイグイ来るな、コイツ(笑)
実散/元気だなー(笑) あはは、俺は検査入院からの今日退院だよ。……たかひろくんも安心できる笑顔で言うので、安心してお仕事に行っていいよ。
天鴻/うー……。そっちは見舞いか?
咲空/あ、はい。……そちらは、33歳らしい外見ですか?
天鴻/まあ、少なくとも社会人っぽい外見はしてますかね。
実散/……実散が32歳らしくないということですか?(笑)
KP/はい。咲空は実散のことを23歳ぐらいの1〜2歳年上の新社会人だと思ってます。だから呼び方が「お兄さん」。
天鴻/ああ、俺はこの人の同僚だよ。
実散/なんで俺、そんな子供っぽい感じに見られてる訳?(笑) たかひろくんだって童顔気味で俺より子供っぽいもん!
天鴻/心外。
咲空/え、お兄さん32歳? オレより11歳も年上? ウッソだあー!? ……って、あれえ!?
実散/あれえ?
咲空/話してたらどこに行くんだか忘れちまった! もぉー! お兄さん達のせい!
実散/なんで!? この子カワイイー!(笑)
天鴻/お前、面白い奴だなー!(笑) ダメだ、天鴻も好感度を上げてしまう……!
咲空/えっと、潮田のラインを見ればこれだ! 汐月 真由の部屋は……●●●号室!
実散/……ん? 潮田って、昨夜アルカディアに来てた……?
咲空/なになに、「剛力さんが教えてくれた探偵は」……えええ、「1週間先じゃないと会えない」って返事来たのかよ……。
実散/剛力さん……。
天鴻/汐月? 汐月って確か、百合人さんが言ってたレイプの被害者……?
咲空/……あ? なになに、知ってるやつ!?
天鴻/あ、いや、俺は……。
咲空/潮田の知り合い!? 汐月の知り合い!? もしくは剛力さんの知り合い!?
実散/……剛力さんの知り合い、かな。
咲空/そうなん!? ってことは、事情は判ってるよね!? そうはならんだろ。
実散/KP! 本音出てる!(一同笑)
咲空/ちょっとぉ、知ってるなら助けてよ〜! あ、オレの名前は榎都 咲空! その被害者の子に会いに来たんだ! だって……助けてあげたいじゃん!? すっげー苦しんでるみたいだから、助けてあげたいじゃん!
実散/…………。そうだね。ねえ……お話、聞いていい? 何かあったの?
咲空/いいよ。お兄さんの名前は?
実散/花園 実散だよ。32歳。
咲空/ウッソだあー!?
天鴻/うーん、これは実散さんが厄介ごとに首を突っ込む予感。……実散さん。
実散/たかひろくん。お仕事そろそろお時間だよ? ……そんなかわいい顔、しないで?
天鴻/むう。……話を聞くだけにしといてくださいよ。あんた、今日は非番なんですからね。
実散/俺はこんな元気な子とおしゃべりしたいだけ。元気をちょっと貰いたいだけだよ。
天鴻/話を聞いたら真っすぐ家に帰って。何かあったら俺でも草摩さんでも百合人さんでも誰かに連絡してくださいね?
咲空/あの、そっちのお兄さんの名前は!? まだ名前聞いてない!
天鴻/ああ、悪い。俺は白南 天鴻だよ。えっと、榎都くんだっけ? 実散さん、検査入院で帰るとこだからあんまり無理させないでくれよ。何か困った事あったらここに連絡してくれて良いから。スマホの番号を渡しておく。
咲空/うっす。あざっす! すぐ登録します!
天鴻/お友達の件、良かったら俺にも教えてくれると助かるな。何か手伝えるかもしれないし。
咲空/マジすか? 助かる〜!
天鴻/おう。じゃあ、そろそろ行きますね。あんまり遅れると格に怒られちまう。
実散/…………。ねえ。たかひろくんが……嫌じゃ、なかったら。
天鴻/ん?
実散/腕、ぎゅっと掴む。顔は嫌がるだろうから、たかひろくんの肩にキスします。……嫌だったら、その直前で止めて。
天鴻/……ビックリした。
実散/ちゅ。……ごめんね、ありがと。上目遣いの目だけで伝える。
天鴻/……ったく、この人は。実散さんも無理しないで、気分転換したらちゃんと帰るんですよ。頭をぽんと軽く撫でて、去ります。
実散/優しい掌、好きだなあ……。
咲空/わあ。凄いの見ちゃった。ま、いっか!(一同笑) で、剛力さんの知り合いなんですよね? その……花園さん?
実散/うん、知り合い。仲良しさんだよ。昨日も会ってた。というか……君達の事情は剛力さんと一緒に居たとき潮田くんから聞いているから大体知ってる。
咲空/そこまでぇ!? じゃあ、汐月の様子も知ってる? オレ、実際会いに行くのは今日が初めてなんですけど。……汐月は嫌な奴にかまわれて頭がおかしくなっちまったんです。
実散/……だからここに入院しているんだね。
咲空/汐月をそんな目に遭わせた奴、まだ逃げてるらしくって。潮田は探していて。でも潮田だけには荷が重いから……オレも助けてやりたいなって!
実散/確か潮田くんは探偵を雇おうとしているらしいけど?
咲空/その探偵さん、1週間後じゃないと会えないらしいんですよ! やっぱオレが動いてあげなきゃだなー!
実散/そっか。……この子、正義感が強い良い子だな。
KP/そう話していると、とある病室に到着します。面会は30分だけという条件付きですることができました。

 真っ白な病室、ベッドの上で彼女……汐月は窓を見つめていた。
 彼女は男性の気配に気がつくと、表情を強張らせて怯え始める。「ごめんなさい」と、うわ言のように何度も呟く。
 彼女の瞳孔は開き、誰とも視線は合わない。マトモな話ができる状態ではなさそうだ。

KP/<心理学>、オープンで振れます。どうぞ。
実散/実散は<心理学>なら90あるぞ!(ころころ)えっ、94で失敗!? まさかの実散が<心理学>で失敗!?
KP/……昨日のこと、引き摺ってるかな。
実散/彼女の様子が、まるで昨日の自分を思い出してしまう。……顔色が悪くなったことを、さくくんの後ろに隠れてバレないようにしながら、深呼吸しよ……。
咲空/汐月、深呼吸だ。花園さんも深呼吸しよって言ってくれてる!
実散/……うん。
KP/汐月との会話は諦める他なさそうだ。続いて、<目星>ロールをどうぞ。
実散/80以下で成功できる。(ころころ)ええええ!? 89で失敗! 全然ダメじゃん!
咲空/本調子じゃないな?(笑) 咲空が<目星>を振ります。(ころころ)9で成功。
実散/さすが! 偉いぞ〜! ……実散はまだ昨晩のこと引き摺っていてダメだな。

 <目星>→咲空が成功。
 ベッドの脇には開きっぱなしのスマートフォンが置いてあることに気づく。
 ロックもかかっていない。中を確認すると、誰かと何度かメッセージのやり取りをした形跡が見られる。
 メッセージのやり取りは『食事のお礼』や『デートの服』といった相談ごとのようだ。相手は『香澄 八雲(かすみ・やくも)』と書かれている。

実散/香澄 八雲……?
咲空/これ……なんか聞いたことあるな? 確か、剛力さんのこと調べていたときに……。そう言いながら<アイデア>を振ります。(ころころ)34、成功!
実散/頑張ったー!

 <アイデア>→咲空が成功。
 ネットで香澄について調べることを思いつく。
 調べてみると何件かヒットする。どうやらここから電車で2駅ほどの距離にあるバーの店主のようだ。バー『夜久毛(やくも)』の住所を手に入れる。

実散/バーの名前? ……そっか、ユリちゃんセンパイの同業者だ。剛力さんを調べていてそっちも出てきたんだね!
咲空/……汐月。この人と仲良かったのか? よし……オレ、この人に会ってくるな! 早く元気になれよ!
実散/では、彼女の病室を後にしよう。
咲空/花園さん、ついて来てくれてありがとう! オレ、今からこのバーに行って……。
実散/実散の顔は笑っているけど、よく見るとガタガタと震えている。
咲空/……あ、あの? 花園さん、大丈夫ですか?
実散/あはは。本当に俺、ついて行くだけだったね。1月だからかな、寒いや〜。
咲空/その……オレはこれからバー夜久毛に行って何か知ってるか聞いてきます。花園さんはどうします? 帰ります……?
実散/…………。君、人手は欲しくない?
咲空/欲しい。
実散/素直〜(笑) ……俺も興味が湧いたというか。ついて行っちゃダメかな?
咲空/え、大歓迎。
実散/一人になった途端、ずっと震えてしまった。たかひろくんに「一人で帰れる」と言ったのに、きっとダメになる。俺が笑顔の演技を続けられるために、この子を利用させてもらおう……俺、最低だな。そう思いながら、さくくんに笑いかけます。
咲空/オレ、嬉しいです! バーとかシャレたとこ、あんま行ったことないから! 大人に案内してもらえると助かります!
実散/そういうお店、行くの大好きでさ。一人で行くのは不安だろうから俺と一緒に行こうよ。
咲空/マジすかありがとです! じゃあ駅に行きますか!
実散/うん、行こう。あ、そうだ。俺の呼び方、実散って名前で呼んでいいよ。
咲空/えっ、名前で?
実散/俺ね、名前で呼ばれる方が好きなの。訳あって仕事場でも名前で呼ばれてるから。「みちる」って良い音でしょ? そっちで呼んでくれると嬉しいな。
咲空/みちる。かわいい名前っすもんね。
実散/かわいいかどうかはともかく〜(笑)
咲空/実散サン……で、いい?
実散/榎都くん。いや……さくくん? 君の名前、可愛くて綺麗な音だね。
咲空/なんか……すっげー、マンガみたいなやり取り。呼び捨てでいいですよ。その……信じられないけどオレより10歳も年上なんだし?
実散/ふふ、さくくんって呼ぶね。じゃ、さくくん、駅に向かおうか。
咲空/ハイ、実散サン!


 ●シーン5

 バー夜久毛
 小さいビルの端に階段があり、そこから地下へ入ったところに入り口がある。昼間のためか『CLOSET』の看板が出ていた。


咲空/わあ、こういう店初めてだ!
草摩/反応が若いな。
実散/さくくんの反応がかわいい(笑) 夜のお店に昼間行くって、ちょっとわくわくするよね〜。

 入ってみると薄暗く、とても広いわけではないが隠れ家的でおしゃれなバーだ。
 店内には男性が一人で掃き掃除をしている。入って来た……咲空と実散を見ると、驚いた表情をした。
 「店はまだだよ。今、掃除中」


咲空/あの、すみません! 汐月のことで! 話があるんですけど!
天鴻/元気いっぱいのわんこか?(笑)
実散/さくくん元気だな〜(笑)
KP/男性は手を止める。「……ワケありみたいだね。ちょっと話を聞こうか」 そして2人をカウンター席に座るように促した。
実散/さくくん、話してみようか。
咲空/…………。やべ、また何したらいいか吹っ飛んだ。実散サン、どうしよ?
実散/君はそういう本番に弱いキャラなの!?(一同笑) き、緊張で全部吹っ飛ぶタイプなんだね……いつもテストで良い点数が取れないでしょ(笑) マスターは汐月さんのお知り合いでお間違いないですか?
KP/「友人ってところかな。彼女と知り合ったのはライブハウスでね、その後も趣味の話をしたり相談事に乗ったりしたよ」
実散/だいぶ仲良しさんですね。
KP/「ただ、つい1週間くらい前からほぼ連絡が取れなくなってる。取れてもよく判らない文章だったりしてね。変な……その、自殺をほのめかすような内容で。彼女に何かあったのかい?」
実散/これだけ親しい人だ。さくくん、話してもいい?
咲空/いいと思います、実散サン!
実散/かわいいな、もうっ(笑) 事情をマスターに説明します。レイプをされて精神を病んじゃったこと。そのレイプ犯を探していることを。えっと……彼女をヤっちゃった子の名前はなんだっけ、さくくん?
咲空/久住 吾妻、です。
実散/久住 吾妻を探しているんです。悪い噂の人だと聞きましたが……。
KP/「久住 吾妻、か。彼、まあ、友人ってところかな」
実散/友人なんですか?
KP/「男友達としてみるなら面白い奴だけど、言っちゃうとクズ野郎さ……。女遊びを毎日してるし、僕が女だったら絶対に知り合いになりたくないね」
実散/でしょうね。
KP/「真由ちゃんが『久住と付き合い始めた』と聞いたときは止めたんだけど、その様子だとやっぱり何かあったみたいだね。……久住と付き合ったりするとその女性は何故か狂ってしまったり、自殺したりすることが続くんだ」
実散/…………。何故、でしょうね……。
KP/「『あの男は女を不幸にする』、そう言われてるのさ。普段は色んな女性の家を野良猫みたいに転々としてるからなかなか居場所が掴めないんだよね」
実散/そう、なんですか。
KP/一通り話すと香澄は一つの名刺を渡す。「この場所に『浪速神楽』というクラブがある。そこにもしかしたら来ているかもしれない」
実散/『浪速神楽』……?
KP/それを聞いた咲空が「ええっ、神楽に!?」と驚きます。
実散/さくくん、そのお店のこと知ってるの?
咲空/えっと……その店、クラブ自体にはオレとか田中とか友人も行くっつーか。1ヶ月前に田中が倒れてから、行く予定がなかなか無くて最近は全然行ってないですね。
実散/あらら、結構近場に犯人潜んでるじゃん? 良かったね、案外早く見つかるかもよ。
咲空/そっすね、オレもすぐ行ける店だ! ここまでは実散サンに連れてきてもらったけど、一度行ったことある店ならオレすぐ行ける! すぐ行ってみます!
実散/……その、大丈夫? すぐに行って……。
咲空/大丈夫ですよ、行ったことある店だし! オレすぐ行きます! ありがとうございますマスター! お礼を言って、咲空は浪速神楽に行こうとします。
天鴻/凄いフラグを立てていくじゃん(笑)
実散/…………。マスター、これ。お酒代です。2人分をお支払いします。
KP/「営業時間外だからお酒なんて出してないよ?」
実散/俺達、カウンターを挟んでおしゃべりしました。充分素敵なのを出してもらっちゃいましたし、お代は払うべきでしょ?
KP/「うちも最近厳しいからね、貰っちゃうよ?」
実散/1杯分ぐらいしか払えなくてごめんなさい。次は改めて1杯頂きに来ます。
KP/「まいどあり〜」
実散/……ってことで、さくくん。俺に奢られちゃったね?
咲空/あ、はい。
実散/奢られちゃったのにここで俺とバイバイするの?
咲空/あの、実散サン、行きたいんですか? それとも……オレと離れたくない、とか?
実散/……ふふっ、言うねえ。そうだね、このまま君を一人で行かせるのはなんか嫌だ。俺にもうちょっと奢らせて?
咲空/大人は金の遣い方が派手だなー! それに……なんか、ドキドキしちゃうな、その言い方。
実散/そう? 普通のことを言ったつもりだけど。さくくんが嫌がらない限り、俺はついて行くよ。
咲空/その……なんか、ドキドキする……。
実散/冒険って感じで?
咲空/いや、あの……なんか……なんて言えばいいんだか判んないけど……。
実散/あはは、言葉に表せない高揚感ってあるよね。判る判る。無理に言わなくていいよ〜。
天鴻/咲空くん……実散さんのリードに引っかかり始めてる(笑)
草摩/みちるかわいい。かわいい。
実散/別にかわいいことは言ってないやろ。
咲空/仕草がかわいいんだよ。メスお兄さんじゃん。好きです。
草摩/みちるは女の子だ。分かる。
天鴻/実散さん、童貞を殺すセーターを着て。
草摩/そのセーター買う。
実散/あざとい生き物になってきてないか、俺……?(笑) という訳で、俺も行くよー!
咲空/ありがとう、そう言ってくれるおかげで咲空の単独行動死亡は回避されます(笑) では、移動します。