クトゥルフ神話TRPG・リプレイ
■ 『 劇場版 同居人 』 2ページ ■
2021年12月11日




 ●住宅地

 周りからは子供の遊び声、大人の世間話、誰それの足音。何の変哲もない住宅街の風景だ。
 景観も一般な中流階級のそれで、アパートや一軒家などが立ち並んでいる。ここらであれば、噂話、目撃情報などを聞くに相応しいだろう。


実散/普通にシーンを強制移行されて大草原だよ。
KP/草原じゃないです、ここは住宅地です。<幸運>か<APP>でロールできます。
実散/<幸運>にしよっかな。(ころころ)58、成功。
百合人/オレも<幸運>で。(ころころ)27、成功してる。

 <幸運>→実散、百合人が成功。
 以下の聞き込みに成功する
 「車は銀色のワンボックスカーか、バンでした。けたたましい音で発進して行ったのを覚えています」
 「ナンバープレートは流石に一瞬で、覚えられていません。そういえば車なんですが、何か日焼けしたような跡がありましたよ。」
 「銀色にやたら明るい所と、暗い部分があって、その明暗の差が何かの輪郭を形作っていたというか……よくわかりませんでした。」
 「そういえば、男性が車に乗り込んで発進する直前に、何かを落としていきました。小さな巾着袋の中にビニールで包まれていた粉のような物です。一体何に使うのでしょうか。怪しいので、この後に警察に渡そうと考えていたのですが、よければお願いします」

実散/俺は警察です、持っていきます〜! ……巾着の中身、見られます?
KP/中身を調べるのであれば、白い粉末の様な物と小さなメモ紙が一枚あるだろう。「念の為、不可視化したものはこれを振りかけ、確認する事。まさしく置いたその場所に」 そう書いてある。
実散/白い粉とかヤバイと思ったけど……違う意味でヤバそう
百合人/そういうのよく店に来るやつ見るけどなんか違うっぽいね。
実散/いま聞き捨てならないこと言いました? アイアムポリスメンなんですけど俺?
百合人/許して♪
実散/……お休み中なので許します。KP、これ<オカルト>で振ったら何か判りません? 親から貰った<オカルト>があります。
KP/OKです。振ってみて。分かったら何なのか名前が判る。
実散/<オカルト>で(ころころ)19、成功。ギャグで振ったのに判っちゃった!?(笑) やっぱり俺の実家の蔵書、やばすぎ……。
KP/みちるはこれが「イブン=グハジの粉」という名前だと思い出す。ふり掛けると、なんか色々判るやつです。不可視を解除するやつ。
百合人/オカルトこわ……判っちゃうミチルちゃんの実家の蔵書こわっ(笑)

    ◆

KP/これで1日目が終了です。夜は行動ができないので家に帰ってください。
百合人/はーい。ただいまー。
実散/兄ちゃんは帰宅してない?
KP/草摩は超仕事していて超残業もするので「今夜は日付が変わる頃に帰る」と連絡があります。
百合人/兄ちゃんの仕事は大変だなー。
実散/俺達にとっては遅い帰りも日常茶飯事だけどね。むしろ詰めてるときは職場に泊まることもあるし。……兄ちゃんが用意していてくれたお夕飯、食べちゃいましょうか。
百合人/兄ちゃん、何を作っておいてくれたの〜?
KP/冷蔵庫にはみちるの好物の苺タルト。あと中華炒めが大皿にラップがかけてある。米は夜に時間予約してあるので炊き立てだ。
百合人/兄ちゃん、なんで刑事とかやってるの?(笑) 手作り料理とかオレ冷食ばっかの生活だから嬉しいわ! ……ところで、夜にしたいことあるんだけどいい?
KP/夜に探索はできないですけど、何をしますか?
百合人/兄ちゃんが帰ってくる前にミチルちゃんとエッチする。
実散/えっ!?
草摩/天鴻! 俺は帰らなきゃ!(一同爆笑)
百合人/兄ちゃんは残業があるって言ったろ(笑)
実散/…………。時刻は……夜の11時ぐらい。いつもより早く夕飯を食べて、風呂に入って寝ようとする。
KP/こんなに早くに休むなんて久しぶり。そう実散は思うだろう。
実散/刑事になってから、こんなのびのび生活するなんて無かったし……ここ3年はずっと気の休まるときなんて無かったしな。
百合人/そんなミチルちゃんの背中を抱いている。
実散/……いきなりですね?
百合人/オレの膝の上にミチルちゃんを乗せて、肩に顎を乗せながらミチルちゃんの頭いいこいいこしてる。
実散/な、なんなんですかこの状況……? 身長190cmのでかい人が、172cmの俺をぎゅうって抱きついてるんですか?
百合人/元々、ミチルちゃんがオレに再会した理由はー……同性同士のセックス指南のためだったよねえ? 抱きついた耳元で言う。
実散/……うっ。ぎゅうって抱き着かれて、耳元で言われて囁くように言われて、震えながら……うん、って息を呑む。
百合人/かわいいなあ。
草摩/みちるはかわいい。中学の国語便覧にもそう書いてある。
実散/義務教育の一貫にしないで(一同笑)
百合人/ミチルちゃん、オシャレさんだけあって……大きい姿見を使って全身チェックできるようにしてるんだね? えらいえらい!
実散/自室に鏡を置くことぐらい、普通ですよ……。耳元にかかるセンパイの吐息がこそばゆい……。
百合人/兄ちゃんを悦ばせる体になりたいんだっけ? 早速レッスン始めようか!
実散/……ぅ、っ……うー。
百合人/あはは、「やめてください」って嫌がったり暴れたりもしないんだ! もう風呂に入った後の寝間着を、後ろから体をまさぐっていく。
実散/レクチャーは、言葉だけでいいんですよ……実践は必要ないですっ。
百合人/そんなんでオレが満足すると思う? オレを誘ったんだから、オレが満足できる指導をさせてもらうに決まってるじゃん? 下を脱いだ脱いだ!
実散/うわ……うわあ……うわあああ。
百合人/脱いだね。ほら、目の前の鏡を見て。エッチなこと教えるんだから、エッチな自分を目で見て。
実散/……ぅうー。見ないでいいですよ、そんなの……。
百合人/こちょこちょ さすさす
実散/ひゃっ!? ど、どこさすさすしたんですか!?
百合人/ミチルちゃんの大事なところ 無造作にイジっちゃった ここグリグリうねうねされると気持ち良いよね ちょんちょん しゅっしゅっ
実散/ま、待って……それ、ヤバイやつじゃ……。
百合人/ごしごしっ きゅっきゅっ
実散/せ、センパイ、やめて、その、そこ、やめて……。
百合人/おー、ピクピクしちゃったか ちょんちょん つぅーっ わー、硬くなった ほらぐりぐり ぴーんってしてみよっか
実散/……ぁぁぁぁぁ……。
百合人/念入りに裏側と付け根もゴシゴシ かりかりっ くりっ
実散/ぁ、ぁぁぁぁぁあああ……っ!
KP/ところで<聞き耳>ロールしてください。成功したら草摩が帰ってきたのが判ります。
実散/ふえっ!? ちょっ……<聞き耳>します。(ころころ)67、成功!
草摩/ただいまー。
実散/ううううううう!? せ、センパイ! 酷いことしないで……もう、帰ってきてますから……。
百合人/ふーっ 先走りびしょびしょだ ほら、イこっか
実散/終わりです! 兄ちゃんが帰ってきてるんだから! 終わり! さっさと寝てください!
百合人/中途半端だな〜。でもごちそうさまでした
KP/草摩はそのまま寝室へ寝に行きます。
実散/…………。兄ちゃんが気づいてないことを祈る……俺もトイレ行って、寝ます。


 ●夢

KP/2日目……の前に、ちょっとマスターシーン的なシーンを挟ませてください。……実散は目を開けると、ベッドの上だ。
実散/ヌイた後、ぐっすり寝ちゃったか〜。
KP/体が動かない。全身怠くて動かせない。
実散/……え?
KP/でも耳は傾けることができる。ベッドの横に座っている少年の話を聞くことができる。
実散/……誰か居る?
KP/「みちるは、どれがいい? どれが好き?」 少年は、ベッドに横たわる実散に本を見せている。
百合人/……子供の頃の兄ちゃんかな?
KP/何かの図鑑だ。そこには幻想的な花の絵、未来的な宇宙人のような格好の人達、人を食べてしまいそうな怪獣など、この世にはいないとされている神話的な生き物が並べられている。
実散/ひえ!?
KP/少年はその本を弟に読み聞かせながら、「どれが好きだ?」と質問していた。
実散/これ……幼い頃の、俺達……?
KP/見渡せば、そこは見覚えのある自宅。実散が長く過ごしていたベッドの上だ。少年は身動きができない弟と話がしたくて、家の地下から引っ張り出してきた図鑑の話をずっとしている。
百合人/実家には地下があるのか……。
KP/話題は盛り上がってもいい。嫌がってもいい。兄はただ、弟と一緒の時間が過ごしたくてどうでもいい話をずっと続けていた。「みちるは、どれがいい? どれが好き?」
実散/え、と。じゃあ……お花。未来人とか怪獣より、綺麗なお花がいい……かな。
KP/「これはな! ヴルトゥームっていうんだ!」
実散/なん!?(笑)
KP/「火星の地下世界ラヴォルモスに潜む存在で、遥か昔執念深い敵に追われて外宇宙から太陽系宇宙に逃げのびてきたんだって! 幹から無数に枝分かれした根を持つ青白い巨大な球根植物で、朱色の萼と真珠色の妖精のようなものが生えた花のような器官をその頂点に持つ……」
実散/親から貰ったオカルトの正体ってこれー!?(笑)
KP/「綺麗だな。青くて、赤くて、真珠色の花。これ栽培できたら、みちるにあげるよ! みちるは花が好きなら、いつか俺が……綺麗な花の種、プレゼントしてみせる
実散/…………。
KP/いっぱい研究して、一番良いの、持っていくから。みちるはずっと待っててくれよ」 そうして実散は目を覚ます。探索2日目の朝です。
百合人/おっはよー。
実散/……おはようございます。
KP/草摩は、早々に出勤していきました。実散はゆっくり起床します。
百合人/ミチルちゃん、朝弱いんだね。
実散/……そうですね。兄ちゃんが作ってくれた朝食を食べます。
百合人/スッキリしてない? ちゃんとヌイた? 朝からオレが相手してあげよっか?
実散/しーまーせん!(笑) ……真面目な話をしますけど、今日は警察署に行ってみようと思います。
百合人/いいんじゃない? 兄ちゃんがいるし補正もかかりそうだよね。それよりさ……ミチルちゃん、なんか疲れてない?
実散/……昔の夢を見ただけです。
百合人/それ、疲れる夢だったの? ……昔のこと思い出すの、ミチルちゃんにとっては疲れるの?
実散/そんなことはない、つもり、なんですけどね。そうだ……読めない紙に変化はありませんか?
KP/変わってないです。読めないです。
実散/変わってないか。……センパイは今日どうします? どっか行きたいですか?
百合人/うーん、今日は警察署に行った方がいいんじゃないかな。あ、ミチルちゃんの邪魔はしたくないから部外者のオレはランチでも買いに行くよ! ミチルちゃんはお昼に何が食べたい?
実散/じゃあ……サブウェイのサンドイッチでいいです。アボガドベジーで。
百合人/ミチルちゃんって肉はダメなの?
実散/肉は肉で好きですよ。でも調子が良くないと食べられないんです。
百合人/じゃあオレもオソロにしちゃお! という訳で、2日目の1シーン目は警察署に行きたいです!


 ●警察署

 署内は人で溢れかえり、仕事に追われているのか、誰もが焦燥と疲れをその顔に浮かべて歩き回っていた。
 最近何かと世間を騒がせている事件の対処に追われているのだろう。


KP/警察署で出てきた資料をまとめて情報をゲットできるか判定してもらいます。<知識>でどうぞ。
実散/(ころころ)29、成功。

 <知識>→実散が成功。
 プロファイリングした犯罪者表だ。
 貴方が表を一瞥すると、如何にも悪人面な凶悪犯の正面の写真が並べられている。そこには金髪のウェーブロングに帽子を被った、非常に背丈の大きい男性がいた。
 生えそろわない歯をにたりと見せつけ、清潔さを微塵も感じることができない。名前は牛山 充邦というらしい。前科は強姦未遂罪、窃盗罪、殺人未遂罪。

実散/金髪ウェーブロングの……牛山。
百合人/いかにもって犯人が挙がってきたよ。

 精神科医の鬼嶋氏の心理的分析によると、異性に対する執着異常であるという事らしい。
 しかし事件当時の彼の状態を鑑みて、心神喪失のために仮釈放となっている。

実散/あっ、鬼嶋……礼二さん! 担当した精神科医って……!
百合人/兄ちゃんの言ってた人じゃん。
草摩/礼二さんは警察にコネクションを持っている。彼は凶悪犯のカウンセリングをしていた人だだ。……そう言いながら、仕事休憩中の草摩が現れる。
実散/兄ちゃんっ! お勤めご苦労様〜、これ差し入れ。みんなで食べてってサブウェイのポテトを人数分プレゼントします。
百合人/オレが買ってきました〜!
実散/被害者の礼二さんは……犯人と面識があったんだね。
草摩/そのようだ。……みちる。俺は今から、この事件を直接担当している刑事に詳しい話を聞いてくる。俺の代わりに<交渉系技能>を振ってくれ。成功したらみちるに情報を流せたことにする。
実散/代理判定だ! マイナス補正を入れた方がいい?
KP/普通にここは<交渉系技能>で情報が出てくるシナリオだから、PCはプラマイゼロで振ってくれて構わない。
実散/兄ちゃん頑張って!(ころころ)<説得>で60、成功しました。
草摩/俺の天才罪が炸裂する。

 <交渉系技能>→実散が成功。
 女性連続生皮剥がし死体遺棄事件の場所を教えてもらう。
 生皮剥し事件の現場は道路、狭い道路、駅、森である。

草摩/みちる。監視カメラの情報も貰ってきたぞ。
実散/兄ちゃん仕事しすぎ!(笑) 後でサブウェイのサンドイッチをお裾分けするね。
草摩/俺はBLTがいい。
百合人/めっちゃ肉を食いそうだな(笑)

 ▼監視カメラの情報
 現場周囲の監視カメラの映像を見る。
 映っていたのは話に聞く通りの誘拐事件、その瞬間であった。道路を歩んでいた鬼嶋親子の下に車が走り込む。
 そうして父親を跳ね飛ばし一時停止。運転席から出てきたがたいのよい深々と帽子を被った男性は、娘を車に押込み走り去った。
 映像による犯人の足取りは途中までしか追えていない。何とも言えない、胸糞の悪い映像を見た。SANC(0/1)

百合人/決定的瞬間だ。(ころころ)SANチェック、成功。
実散/うわあ(ころころ)またクリティカル! サブウェイでクリチケをサービスしてもらっちゃったー(笑)
KP/では、<目星>を振ってください。
実散/(ころころ)6で成功。
百合人/(ころころ)22で成功。

 <目星>→実散、百合人が成功。
 車のナンバープレートを見ることができる。「○○300あ45-86」であると判明するだろう。
 ○○とはここら一帯の地区を指し示す言葉であり、下手をすれば犯人は比較的現場近くにいるのかもしれないと考える。
 また、車の側面を見たところ何か日焼けを連想させるような明暗の差があることがわかる。
 それが何かの輪郭を形作っているような気がする。なお、ナンバープレートによる車の追跡は失敗している。

KP/<アイデア>どうぞ。
実散/(ころころ)13、成功。
百合人/(ころころ)13、成功。

 <アイデア>→実散、百合人が成功。
 その明暗の差がシールを剥がした跡だと理解するだろう。輪郭はまるで牛を思わせるようなキャラクターだ。

実散/牛のキャラ?
KP/なんかのマスコットくさいと思った。クロネコヤマトとかスーモとかみたいな企業キャラだ。……警察で出てくる情報は以上です。
実散/……示されたマップの中で警察署から一番近いのは、駅かな?
百合人/近いなら、ランチを食べてから駅に行くといいんじゃない?
KP/では……草摩は実散に貰ったサンドイッチを食べていると、天鴻に発見されて「草摩さん、新しい仕事があるんですけど?」と拉致されます。
実散/ありがとうね兄ちゃん、たかひろくんもお仕事頑張って〜!(笑)
KP/実散。天鴻に対して<目星>をお願いします。
実散/えっ、たかひろくんに対して<目星>!?(ころころ)67、成功

 天鴻が休暇中の実散を見て、口を開く。
 「実散さん。有給の間、お大事にしてください」
 そう言って天鴻は去った。


実散/え。……そんだけ?
KP/以上です。
実散/何か気遣われた。……思い当たることはありますか?
KP/無いです。普通に挨拶だなと思います。有給消化中に職場にわざわざ来たから、そういうことを言ったんでしょう。
実散/…………。
KP/ちなみに、ここで<心理学>を成功させても、堂島のときと同じような結果しか出ません。
実散/……それなのに、<目星>をわざわざ振らせる?
KP/この時点では「わざわざ目星を振らせるような挨拶をさせた」ぐらいしかKPは言えません。
百合人/……そう言われちゃ、何かのフラグだなって思っておくしかないね。
実散/たかひろくん……なんだったんだろ。変な感じするな……。


 ●駅

百合人/2日目の2シーン目は駅に行こう。森も警察署から近いけど怖くて行きたくないしなー。
実散/わかる、森に行くはちょっと嫌だ(笑)
KP/森は自然があっていいぞ。
実散/自然以外のものが何かあったら怖いんだよ。確実に成功率を高めるためにも、2人で駅に行きます!

 遺棄現場は駅内の何の変哲もない男子トイレだ。
 綺麗に清掃が施されているが、一番奥側の個室は使用不可能になって鍵が掛かっている。
 そこで段ボールに詰められた女性が、生皮を剥がされて発見されたらしい。まさしく死体が置かれた場所なのだろう。


実散/男子トイレで女性の遺体が発見されたんだ……。
KP/<目星>をお願いします。
実散/(ころころ)7で成功。調子良いね?
百合人/(ころころ)38、成功。やったー。

 <目星>→実散、百合人が成功。
 一枚の広告が、洗面台近くの壁に貼られているのを発見する。
 それは「おうしさんのなんでもセンター」という代行業者の宣伝チラシのようだ。
 可愛らしいデフォルメされた牛のマスコットキャラが描かれていて、宣伝文句は「3000円で荷物運びからお掃除まで。色んな雑用何でもやります!」と言った具合だ。
 奇妙な事に電話番号の記載はあれども、住所などの記載は全くない。試しに連絡をかけたとしても「この電話番号は現在使われておりません」となっている。ネットで調べたとしても、町の掲示板で偶に見かける程度の話題に上がるだけで、本拠地を把握することはできない。

実散/牛さんの業者だ!
KP/<幸運>か<APP>で色々情報収集できるよ。
実散/<幸運>で(ころころ)3でクリティカル成功。ポスターの名刺が入れてあるところにクリチケが入ってました!(笑)
百合人/(ころころ)77で失敗。

 <幸運>→実散が成功。
 詳細を近くの人に話を聞けた。
 「ああ、それか。よく、『何でも回収します』ってメガホンで宣伝しながら車を運転している業者いるだろ?
 あれと同じで、『何でも代行します』って音鳴らして、かわいいマスコット貼り付けた車でこの町巡回している業者さんだよ。ここ2週間くらい全然見かけないけれどね。」

実散/2週間ぐらい見かけないんですか。
KP/<目星>どうぞ。
実散/(ころころ)51、成功。冴えてる〜!
百合人/(ころころ)26、成功。えらいえらい!

 <目星>→実散、百合人が成功。
 監視カメラや伝聞で判明した車の日焼けのような明暗の差は、マスコットの牛のシールを剥がした事によって出来た跡だろう。
 チラシのマスコットと車の影の輪郭が一致する。
 また、聞き込みも成功する。
 「あぁ、その業者さんなら頻繁ににここら辺を通っているよ。方角的には……この場所からよく『北』を進み巡回しているらしい」

実散/確定じゃん! 牛さん業者は犯人!
百合人/牛さん業者を探せ! ……北って、具体的にはどこ?
KP/具体的には「(6)田畑」です。
百合人/畑的なところですか。晴らしは良さげなところですか
KP/見晴らしは良さげなところに思われがちですが、行ってみないことには判りません。
実散/せやな。森よりは良いんじゃない? ……明日行くところの目安は決まったね、センパイ! ところでウッシーくんって何歳?
KP/このシナリオのNPC、鬼嶋 凛以外に年齢は書いてないです。
百合人/ミチルちゃん、犯人候補に思いっきりフレンドリーに「くん」付けしてるね(笑)
実散/俺、基本的に誰でも「くん」付けだから。明確に年上とか上司でない限りはね。
KP/でも天鴻には「たかひろくん」って呼んでる。
実散/あ、そういやたかひろくんって年上だった。……体が大きくて頼りになる優しい見た目だけど、どっか幼い感じがするんだよね、天鴻くんってさ。
KP/確かに。草摩も同い年だと思って「天鴻」って呼び捨てで呼んでた。
百合人/へー、そんな子が同僚にいるんだ! 紹介してよ!
実散/ユリちゃんセンパイは……ガチムチタイプと眼鏡系男子はお好きです?
百合人/アタシに苦手なタイプなんていないよ 大歓迎 どっちも紹介して〜
KP/という訳で、2つ目のシーンが終わったので2日目は終わりです。夜なんで帰って寝てください。

    ◆

百合人/ねえミチルちゃん、今夜は外食しない?
実散/外食ですか?
百合人/兄ちゃんは昨日、日付変更線で帰ってきたから夕食の支度とかしてないでしょ?
実散/た、確かに。それなら……昨日も今日もいっぱい仕事してた兄ちゃんを労うために外食に行きましょう!
百合人/やったー。どこ行く? ミチルちゃんは何が好き?
実散/寿司。
百合人/寿司! さすがに兄ちゃんも寿司は自炊で作らないし、いいんじゃない?
実散/兄ちゃんと合流できるように連絡を取りまーす! 兄ちゃん兄ちゃん、お仕事が終わったら寿司屋に行こうよ〜! なんなら兄ちゃんはお酒飲んでゆったりしていいよ〜!
草摩/はしゃぐみちるがかわいい……(笑) 判った、行く。
百合人/こっちは人探しをしてたとはいえ、働いてた訳じゃなしね。せっかくならガチムチくん達も来たらいいのに。ヨダレが出る。
実散/それ、「お寿司食べたい」のヨダレですよね?(笑)
草摩/天鴻達は仕事です。……俺、行くならガッテン寿司がいい。回転寿司のボックス席に座ろう。
実散/いいね! 俺、穴子が好き。あとイクラ軍艦。
百合人/サーモンとウニ!
草摩/俺、マグロと中トロ。回転寿司だから取っていく。
実散/ハマチ、鰤。
百合人/ホタテも好き〜!
実散/あら汁も飲みたい。
百合人/サーモン! また食べちゃお。
草摩/…………。
実散/……どうしたの? もうお寿司食べないの? 兄ちゃん、かんぴょう巻、食べる?
草摩/食べる。1個くれ。
実散/あーん。
草摩/みちる。外食は好きか?
実散/好きだけど? 兄ちゃんとまた一緒に住むまで外食かウーバーイーツで済ませてたし。朝ご飯もだいたいオートミールかプロテインだったし。
百合人/体が強くないのに完全栄養食だけで平気?
実散/むしろ完全栄養食だからこそ栄養は足りてるから平気だと思う。
草摩/俺の料理は嫌か?
実散/……なんでそんな質問するの? どういう意図? でもって兄ちゃんは俺にどんな答えを求めてる?
草摩/訊きたかったから質問しただけだ。
実散/……まずは、兄ちゃんの質問に答えるね。俺は兄ちゃんが作った料理、好きだよ。理由も説明した方がいい?
草摩/うん。
実散/……兄ちゃんは俺の好きな物を理解してるから味に外れが無い。栄養も考えているから食べて損は無い。兄ちゃんの趣味も兼ねているし趣味をこなしながら毎日健康になれるって両得だよね〜。
百合人/ミチルちゃんぽい判りやすい回答だ。
実散/でも、全てが兄ちゃんの負担になることならヤメてほしいよ。……今度は俺の質問に答えて。なんでそんな質問したの?
草摩/俺は……俺のしたことで、誰かを喜ばせたい。
百合人/へえ。
草摩/俺がしたことで、誰かに影響を及ぼしたい。俺の中ではそれがとても大事なことなんだ。
実散/…………。
草摩/俺の料理でみちるの身体が良くなってみちるが喜んでくれたなら、凄く嬉しい。俺は『生きていていいんだ』って実感すら覚える。料理だけじゃない。料理は……毎日みちるに触れ合えるから、してしまうこと、だけど。
実散/……大袈裟すぎない?
草摩/俺が作った料理で生きられるみちるが見たい。俺が言った台詞で一喜一憂する天鴻が見たい。俺が歌った歌で表情を変える格が見たい。俺が出した成果を見守ってくれる醒ヶ井さんが見たい。
実散/…………。
百合人/兄ちゃんって、優しいね。
実散/そして兄ちゃんって、自己中心的だよね。
サブKP・ピロ/お兄ちゃん……自己肯定感バリ高だけど、その自己肯定感の判定を他者に依存してますよね。
サブKP・きりあき/確かに。
草摩/ダメか?
実散/ダメじゃない。自己中心的は悪いことじゃない。
草摩/みちるは、いつも俺を認めてくれる。俺が暴走すること、止めたりするけど、必ず許してくれる。……人を殺しかけたことすら、許してくれた。許容してもらえて凄く嬉しい。
実散/……それは、許容できる程度だったから認めているだけだよ。『庭師』を追いかけた俺達は……本気の悪に立ち向かった。あの人は殺さなきゃと思った結果の兄ちゃんの行動だったんだから。……天鴻くんたちは叱ったけど、「的場さんを野放しにしちゃいけない」という心は、俺は認めてあげたかったんだよ。
草摩/……うん。人間、もう殺さない。しない。
実散/あらためて言おうか。……兄ちゃんの料理、好きだよ。料理だけじゃない、料理はあくまで一例。兄ちゃんのやること為すこと、全部一生懸命で、俺は好き。
草摩/みちる……。
実散/キスはしないよ。
草摩/先に言われた!(一同笑) ……俺が抱えている仕事がひと段落して、凛も帰ってきて一息つける日が来たら、目一杯ご馳走を作る。食べてほしい
百合人/全部終わったら、祝勝会でもする?
実散/いいね! みんな終わったら兄ちゃんのご馳走食べる会をしよう
草摩/俺、いっぱい作る。みちるが好きな味、全部研究して一番のやつ出すから。退院した礼二さんと……凛も呼んで。
実散/もちろん! ユリちゃんセンパイはご馳走っていったら何を食べたいですか?
百合人/美味しい肉が食べられたらいいな〜、ローストビーフとか?
実散/俺もさっぱり食べられるからローストビーフ好き!
草摩/じゃあローストビーフは絶対出す。
実散/ビーフシチューとかでもいいよ!
草摩/ビーフシチューも作る。
実散/タルトも……とびっきりの用意してくれると、俺が嬉しいな。
草摩/タルト、ホールで出す。
百合人/ただ寿司食べにきただけなのに良い話を聞いちゃったな〜! でも悪いけど……寿司を食べながら別のご馳走の話するの、なんかもったいなくね?(一同笑)
KP/そうやって寿司の時間は終わります。という訳で、2日目は終了です。
実散/めちゃくちゃ良い話しちゃった……。
百合人/エンディングにすること決まったね!
実散/うん、兄ちゃんのご馳走を食べよ! 約束できた!

    ◆

百合人/さて。夜だけど、エロしないの?
実散/俺すっげえいっぱい喋っちゃったからやるなら兄ちゃんとユリちゃんセンパイがしてください。
草摩/なんでさ。
百合人/ミチルちゃんは混ざったりしないのー?
実散/いっぱいお寿司を食べて眠くなっちゃったから俺は先に寝ます〜! 兄ちゃんとしてくださーい!
草摩/……するのか? 俺と?
百合人/オレ、ネコは無理のガンタチなんで。兄ちゃん、酒飲んでたよね? ってことは帰宅したらすぐ寝るよね? じゃあ襲いに行きまーす。
草摩/…………。すや……寝てます
百合人/深夜にお邪魔しまーす。
草摩/寝てます。寝ますので相手にしませんよ。
百合人/大丈夫です、寝ているところを犯しますので。
草摩/起きませんよ……。
百合人/大丈夫です、寝たまま犯しますので。はーい兄ちゃん、ぬぎぬぎしましょうねー
草摩/寝てます……(笑)
百合人/起きないね、いっぱいお酒いっぱい飲んだのかなー? わあ、わりとしっかりした体つきだな、兄ちゃん! すべすべ 脱がしてもバレないとかどんだけ泥酔してるかな〜?
草摩/……ん……。
百合人/くにっ こりこりっ こりこりっ こりこりこりこりっっ
草摩/……っ……。
百合人/息が荒くなってきた? はーい腰浮かせてね、ずり降ろすから。すちゃっとな ほらほら夢の中で集中しなよ、くりくりっ こりこり〜
草摩/っ……。み、みちる……。
百合人/ウケる〜。オレとは知らずにいっぱいオマンコしてあげたくなるね〜
草摩/みちる……みちる……。
百合人/かわいい喘ぎ声だなあ 寝ながらそれって、さすがだよ兄ちゃん くにくにっ くちゅっ
草摩/……んっ……みちる……んん……。
百合人/兄ちゃん、舌出して。キスハメしよ
草摩/んんっ……ん……んんん……。
百合人/はい兄ちゃん舌出してー。はい お上手 ちゅううう キスしたままクリクリしよっか
草摩/ぁ……みちる……もっと……。
百合人/うんうん、かわいいおねだりだ。いつも弟にそうやってるの? よし、キスハメうまくできたね、次はお尻イこっか つぷっ つぷつぷっ
草摩/あっ! ……ぁあ、みちる……うううう。
百合人/ほら足開いて兄ちゃん お酒飲んで泥酔して 気持ち良く夢の中で大好きな弟にいいこいいこされながらイこ
草摩/みちる……みちる、みちる……
百合人/そーそー、ワケわかんないままお尻ゴリゴリされて気持ち良くなっちゃえ おっ 舌出すの上手だね兄ちゃん 散々な目あわせられるの、弟相手だったら好きだろ
草摩/……う……ううううう……
百合人/それそれ! みっともなく舌出して 弄ばれて キスハメされてイけ
草摩/……んんん、みちる、んっ……!!
百合人/ケツで突かれてどぴゅ〜ってな どぷぷどくどくびゅるるるって ハイ、よく出せました ぎゅっ
草摩/ん……ぅう……。
百合人/全身イジメられてフワフワしてる兄ちゃんの顔見せられないのが残念だなあ ごちそうさま
KP/…………。ハートマークのエロは、羞恥心がある(笑)
実散/職人技のエロールを見た。さすがだ、お疲れ兄ちゃん(笑)
KP/2日目を終わりにします……草摩はぐったりだよ(笑)


 ●夢

KP/実散は夢を見る。ベッドに寝ている子供の実散の夢を。
実散/また俺だ。子供の頃の夢……?
KP/視界の片隅には実散の両親がいた。共働きの両親は、実散ではなく隣の兄に話しかけている。
実散/……お父さん、お母さん……。
KP/「弟の世話を頼むぞ」「お兄ちゃんだからお願いね」「うん、分かった! 俺がみちるのお夕食を作る! みちるは俺が元気にするから!」 自信満々で、満ち足りた笑みで少年は答える。
実散/…………。
KP/以上です。起きてください。
実散/…………。朝、起きて、ぼんやりと洗面台に行って、ユリちゃんセンパイに鉢合わせします。
百合人/やあ、おはよー。今日あんたらの夢を見たわ。なんか小さい頃の花園兄弟って感じの映像を見ちゃったんだよねー。
実散/……俺も見ました。……そういや、最初に読めなかった変な紙、まだあるの?
KP/PCが捨ててなければありますよ。まだフラグが足りないのかオープニングから全然変わってません。
実散/……なんだろ、あの夢……。
KP/草摩は普通に出勤していきますので、何も無ければ3日目の1シーン目に行ってください。


 ●田畑

 何の変哲もない田畑となっており、農作物が育てられているようだった。
 この季節も相まって、緑というよりか、枯葉の目立つ薄黄色い景色が広がっている。


KP/では、<目星>をお願いします。
実散/目星(ころころ)35、成功。今日もよし!
百合人/3日目も偉い!(ころころ)46、成功。

 <目星>→実散、百合人が成功。
 周辺を事細かに観察するのであれば、違和感に気づくことができる。
 それは田畑の一箇所が不自然に手入れされておらず、生い茂った植物が景観を塞いでいるという事である。
 掻き分けて覗いてみるのであれば、その周囲の植物を隠れ蓑にするように、ぽつんと一軒の家があることだ。
 大きいというわけでもなく、古びた外装は見事な程景観に溶け込んでいるように思える。
 また周辺には、景観に合わせた色のシートで覆われた大型の機械がある。
 カバーを外すのなら、これが大型のバンであると一目瞭然だ。色は銀色にコーティングされ、側面は何か日焼けのように明暗がくっきりと残されている。
 なおかつフロントの一部が衝撃で吹き飛んだかの様に欠けている。PLが現場や様々なエリアで集めた車に関する証拠と照らし合わせるのなら、何もかも全て一致するだろう。
 車の溝の模様も、側面のシール跡と広告マスコットの輪郭も、鉄片もナンバープレートも全てだ。

実散/家だ! 隠されたスポット発見! しかも犯人の車まであるじゃん。すぐに警察に……兄ちゃんと堂島くんに連絡しよう!
KP/了解、通報しました。家に近づくのであれば<聞き耳>をどうぞ。
実散/(ころころ)19、成功。
百合人/(ころころ)44、成功。

 <聞き耳>→実散、百合人が成功。
 貴方達の鼻をつく何かが香る。その匂いを嗅いだことが無いのであれば平穏な人生だ。あるのならば、貴方の人生は悪い意味で波瀾万丈であると言っていい。
 想像したくもない何かが腐り落ちる様な匂いだ。貴方達の鼻腔を掻きむしり、不快感を叩き込む様なそれは、どうやらあの家から来ているらしい。
 隠れ家のドアは開いており、いとも簡単に入る事ができる。

実散/入れるってさ、センパイ。
百合人/入るかい、後輩。
実散/今日は3日目。凛ちゃんのことを思えば、早めに救出に向かった方がいいとは思います。
百合人/そうだね。怖いけどね。
KP/ぶっちゃけ警察を呼んでもPCが動いてくれないと事態が良くならないので、KP的にはPCが突入してくれると助かります。
百合人/KPが助かるなら突入します!
実散/通報はしてからお邪魔しまーす!

 室内は雑多な物で溢れかえり、雑然と散らかっていた。
 机といった家具の殆どが倒れていたり、本棚は木の板をまるで手で割いたかの様に節々が割れている。ゴミ袋は溜めこまれ、この室内に漂う悪臭の一要因になっていた。


KP/調べられそうな場所は、机と本棚だ。
百合人/まずは机を調べてみるかな?
KP/<心理学>ないし<精神分析>どうぞ。
百合人/<精神分析>で(ころころ)48、成功。良かったよミチルちゃん〜!
実散/センパイすごーい!

 <精神分析>→百合人が成功。
 机はまるで投げ倒されているようであり、その周辺にも家具が寄せ集まっていた。
 しかし違和感を覚えるのは、その家具の集まり方がまるで何かを意図的に隠すかのような配置であるという事だろう。
 机をどけた場合、床に地下へと続く扉を発見する。

百合人/いきなり地下突入フラグ発見!
実散/凄い〜! でも突入前に、本棚を調べます!
KP/割れた本棚の上段に一冊の本だけが置かれている。皮の装丁がなされた色褪せた本だ。英語で本の題名が書かれている。<英語>、<EDU×2>をどうぞ。
実散/26以下か……。(ころころ)31、失敗。
百合人/百合人も26以下だ。(ころころ)37、失敗。さすがに無理か……。
実散/こういうのはね、零課の天才に渡そう。いたるくん達に渡そう!
KP/中を開くとページが何十何百もという訳では無い。ごっそりと全てのページは抜き取られ、その本は表紙だけとなっていた。おそらく中身は犯人が持っているんだと思われる。
実散/おや? 表紙が読めなかっただけか。中身を読む判定じゃなかっただけ良かったと言うべきかな。……センパイ、地下に行きますか?
百合人/うん、わくわくしてきたー!

 地下への扉を開いた。
 するとまるで可視化されたかの様な濃厚な腐臭がむわりと沸き上がり、貴方達の鼻を塞ぐが如く醜悪さをもたらした。
 訳の分からない甘酸っぱさに汚泥を混ぜたような香りだ。不愉快を通り越すに十分だろう。
 そして眼前に現れたのは蚊柱のように群飛する蠅どもである。耳元で囁く彼奴らの羽音は、ゾクゾクと鳥肌をもたらすかもしれない。
 加えて、地下へと続く階段を崖のように見立てて登り迫るのは、大量の産み落とされた蛆虫である。貴方達の足元で放射状に散っていくうす黄色いうねりとした子供たちは、餌を求めて伸び縮みし、這いずり回っているようだ。
 先の暗闇にこの臭いや虫どもの元凶があるに違いない。しかし見ている光景は極めて不快だろう。SANC(0/1d3)。

実散/……う。(ころころ)22で成功。
百合人/うわ……。(ころころ)62で失敗! やっべ、SANチェック失敗したら1d3減少だ!

 【現在SAN値】
 百合人:58→55(3点減少)


百合人/えーん! ミチルちゃん怖いわよー! 泣いちゃう〜!
実散/かわいい(笑) まだまだ先があるみたいですから注意してくださいね。

 階段を一歩一歩下がっていく。
 臭いは進めば進むほどより濃厚になり、じめりとした陰湿な空気が貴方達を撫でて、服がピタリと肌に張り付いた。
 湿気が非常につよい。下がるごとに薄暗さを増し、光源は手元のライト類だけが頼りだ。


実散/スマホのライトを点けて行きますよ。

 かつん、かつん、と貴方達の足音が、この狭苦しい通路内で反響し、鼓膜に届き、脳を犯し、精神に直接揺さぶりをかけるような不安と恐怖を、貴方達は自ら味わわなければいけなかった。
 暫く不安に苛まれていれば、重厚な鉄扉の前にたどり着くだろう。


KP/開けますか?
百合人/み、ミチルちゃん〜。
実散/センパイ、怖いなら俺の後ろにいて。開けます。

 厚い鉄扉を開いた。扉の先の光景に、貴方達は愕然と膝を落とすかもしれない。
 そこには死体があったのだ。
 腐乱し、黄色と白の混濁した脂肪やタンパク質が、ぶくりぶくりと斑点を浮かべまる見えになっている。


百合人/うえっ……おえー!?
実散/……酷い姿ですね。

 この場の強い湿気にしばしば当てられていたからだろうか、肌の一部は紫色に変化しどろどろと液体のように溶解を始めているのだった。
 白骨化した顔面の、眼球のない落ちくぼんだそこからぼとり、と落ちたのはうどん玉のような塊になった蛆虫である。
 どうやら死体が苗床になっているようだ。数十匹の青蠅が旋回し、自身の子供を死体に孕ませている。
 植え付けられたその皮膚から肉を食い出てくる子供達。それだけでは、なかった。何とか残っている舌は本来出るべきでない場所から飛び出していた。
 一瞬、それはネクタイのように見えた。間違いではない。舌をネクタイのように見立てているのだった。のどと顎の中間、そこから無理やり穴をこじあけ、舌をひねり出しているのだった。『コロンビアネクタイ』という古来の拷問方法である。


百合人/コロンビアネクタイ。あんまり好きじゃないですね。
実散/「あんまり好きじゃないですね」って、知ってる前提の話をした?(笑)
百合人/あ、百合人は嫌い設定にしますよ! 好きなのは中の人です。
実散/中の人が初耳の拷問方法を「好き」とおっしゃられた(一同笑)
サブKP・ピロ/だから『同居人』はイガさん向きのシナリオですって言ったじゃないですか。
サブKP・きりあき/PCとプレイヤーに乖離が起きてる(笑)
KP/中の人は好きだと思ったよ、ここ。では<医学>ないし<目星>をどうぞ。
実散/<目星>で(ころころ)64、成功。
百合人/<目星>!(ころころ)83、失敗。おろろ〜、オレ無理〜!

 <目星>→実散が成功。
 死体は男性のようである。死後おおよそ一ヶ月は経過しているのがわかるだろう。

百合人/あれ? 死んでいるのって女の子ばっかの事件じゃなかった?
KP/そうだった筈だ。……鉄タイルが敷かれたその部屋は、上に比べて整理整頓がなされているように思える。机、作業机、本棚が置かれているけど、どうする?
実散/まずは机から探索ですかね。

 ▼机
 机の上にはルーズリーフや紙などが大量に山積している。
 どれにも計算式や図形のような物が描かれている。犯人が思惑を計画立てていたのかもしれない。

KP/<目星>をどうぞ。
百合人/(ころころ)42、成功。やったー!

 <目星>→百合人が成功。
 その中で半分におられた一枚の紙片を発見する。
 開いて見てみれば、「星形の中心に目のマーク」が描かれていた。何かの紋章かもしれない。

実散/クトゥルフでよくある感じのマークですか?
KP/クトゥルフでよくある感じのマークです。
百合人/クトゥルフでよくある感じのマークか〜(笑)

 ▼作業机
 女性だと思い込んでいたそれは、女性ではなかった。
 なぜなら顔を覗き込んだ時、見えたものは眼球ではなく作業机の表面であったからだ。
 皮だ。横たえられたのは女性の皮をつなぎ合わせて作られた、女性のドレスだったのだ。
 髪、顔、胸、腹部、四肢、全ての部位、皮が糸によって丁寧に裁縫され、ひとりの女性を作り上げている。目も当てられぬ程におぞましい。気持ちが悪い。恐ろしい。貴方はそう思う事だろう。
 犯人は如何なる思考をもってしてこれを作ったのだろうか。それは、常人が図れるものなどではないのだ。SANC(1d3/1d6)

実散/……本当に、なんでこんなことを。(ころころ)64、成功。俺はまだまだいける。
百合人/(ころころ)43、成功。でも百合人は怖がりで震えてます(笑)

 【現在SAN値】
 実散→90→87(3点減少)
 百合人:55→52(3点減少)


KP/机には、恐らく死体を解体する為の道具一式が揃えられている。隅には白い粉のような物。恐らく住宅街で見かけた粉(イブン=グハジの粉)を精製していたのだろう。

 ▼本棚
 本棚には様々な本は置かれている。
 主なジャンルは高校生でも理解できる簡易な医学書であったり、家庭科の裁縫の仕方を手解きした本などだ。

KP/<図書館>どうぞ。
百合人/(ころころ)31、成功

 <図書館>→百合人が成功。
 貴方はその中で『diary』と書かれた本を見つける。恐らく犯人の直筆だろうか。

百合人/やったー、犯人の日記だ!
実散/読みます、どきどき!

・7月10日
 偶然通りかかった古本屋がどうにも気になった。
 本なんてめったに読まない俺が珍しいと自嘲しながら足を運んだ。店主は腰の折れたしみったれたばあさんだった。
 隣には大柄の黒人がいたが、それがまた奇怪だった。ばあさんは俺が店に入ってくるや否や、俺の口外できぬ趣味を的確に当ててきやがった。
 あまりに驚いたもんで、どうしてやろうかと考えたが、その前にばあさんは俺に一冊の本を渡してきた。
 触れた瞬間、ゾクリと総毛立つ恐ろしさを感じた。気がつくと俺は路上で倒れて寝ていた。店は穴倉と化していた。

実散/大柄の黒人だ〜。
百合人/AV男優だったら良かったのに。
実散/何が良いの?(笑)

・7月15日
 俺はこの本にとりつかれたのかもしれない。この本なら、きっと俺の願いをかなえてくれる。俺は味わいたいんだ。女すべてを。。

・7月28日
 あぁ、無貌の神。あんたは俺の前に現れてくれるのだろうか。俺の願いをかなえてくれるのは、きっとあんたみたいな神様しかいねぇんだ。

百合人/大御所じゃん。
実散/む、無貌の神だ〜!? これって、願いを叶えてくれるものなの……?

・8月10日
 今日、女を一人殺した。電話がぺちゃくちゃとうるさいもんだから、ひっとらえて殴り殺した。
 沈黙した死体を何度も犯してみた。俺は女の体についてまだ何もしらないようだ。だが顔だけはいいようだからもらった。
 折角だから仕事を隠れ蓑にやってみだが、ほとんど怪しまれねぇで功を奏したようだ。血はばら撒いて、呪文をかけておくんだったっけか。これで1つ目を終了した。

・9月10日
 また女を殺した。前回のは少し大胆すぎだったろうが、今回は変装とかして色々ごまかした。これで大丈夫だ。
 前から気になっていた黒髪のロングの女だが、殺してなでてみたら、やっぱりさらさらで気持ちよかった。この女からは髪ももらおう。二つ目を終了した。

・10月10日
 今日は少しコースを長く運転して、町中を観察していた。
 スタイルを見せびらかすようないけすかねぇ大学生がいたもんだから、お望みのとおり剥き出しにして殺してやった。こいつからは胸をもらおう。三つ目を終えた。順調だ。

・11月10日
 目の前でいちゃついてるカップルにむかついて、目の前で女をひったくった。
 道のはずれで女を殺して、追いついた男に見せ付けたら、心底絶望していた。それが面白くて、仲良く二人で逝かせてやった。男は自宅にもって帰った。
 これで四つ目。ついでに5つ。もうすぐ完成する。」

実散/犯人、『何か』を完成させようとしてる?

・12月6日
 今日も町を散策していたら、ずいぶんと前に警察で世話になった精神科医の先生が、娘引き連れて散歩していた。
 俺はあいつのすべてを見透かすような態度が気に食わなかった。俺の何がわかる、俺が異常だって? てめぇが正気かどうかもわからねぇくせに。
 お前らの言う正気はいったいどこの誰が保証してくれんだああクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソク明日娘をさらって殺すと決めた。儀式の最後はこいつをささげる。

実散/あっ、これって……。礼二さんが狙われた理由?
百合人/そうみたい。
実散/礼二さん、とんだ因縁をつけられたみたいだね……。
KP/では、2人は今日……今朝の日記を最後に発見します。

・12月9日
 すべての準備は整った。方角や距離を計算するのに馬鹿な俺の頭では苦労した。
 あとは目を描くだけだ。そしてささげるんだ。中心で。無貌のあいつに会うために。

実散/神様、呼び出す……召喚魔術?
KP/次のページを確認すると、茶色く褪せたページだけで文面は書かれていなかった。

 探索者が日記を読み終わったと思ったその瞬間、白紙であるはずのそのページに真っ赤な線で唐突に文字が浮かび上がったのだ。
 そして、とある宣告を貴方にする。
 「俺の日記を読むな」 SANC(1d3/1d6+1)。


実散/わーお。(ころころ)70、成功。
百合人/ワーオ。(ころころ)71、失敗!

 【現在SAN値】
 実散:87→85(2点減少)
 百合人:52→47(5点減少)


KP/百合人は<アイデア>どうぞ。
百合人/(ころころ)51、成功。わーい成功しました!
KP/百合人は発狂しました。1d10してください。
百合人/祈って!(ころころ)10です。

 ▼百合人の発狂結果→緊張病症候群
 主に統合失調症の症状型の一つとして発症する
 電池が切れたかのようにじっとして動かなかったり、同じ姿勢を取り続けたり、突如激しく目的のない運動を行ったりする。

百合人/ぴきーん! 返事がない、ただの動かないオカマのようだ。
実散/なんだ動かないオカマか、じゃないよ!(笑) センパイ、気を確かにー! でも生きてるからいっか。
百合人/うん、命に別状はないし生きてるからいいよ(笑)
実散/実散は<精神分析>無いんだよな……。センパイ、少し深呼吸して待ってて。
百合人/ぴきーん。
実散/どうやら今日、犯人にとって『何かの準備』が整っちゃったみたいだね。ここに牛くんがいないんだから……ここではないどこかで無貌さんっていうのに会うみたいかな?
百合人/ぴきーん。
KP/実散、<アイデア>をどうぞ。
実散/(ころころ)81、失敗ですね……。
KP/では暫く実散は放心している。百合人と同じように放心して、時間を過ごしてしまった。何も判らない。……今、見学席からアドバイスで「<心理学>と<交渉技能>の組み合わせロールを<精神分析>の代わりに使える」って教えてもらいました。
実散/ありがとうございます! どっちも持ってる実散がやっていいですか!?(ころころ)57で、<説得>と<心理学>成功です!
KP/じゃあ、実散は百合人を落ち着けさせた。
実散/センパイ! ……落ち着いて。お願いします。戻ってきて。
百合人/ぴきーん。……ハッ。えーん! ミチルちゃん怖かったよ〜!
実散/センパイ、早速だけど頭を働かせてください。俺が失敗した<アイデア>ロールをして。
百合人/スパルタ!(笑) もっと労わってよ後輩〜!(ころころ)13で成功!
実散/好きですセンパイ!
百合人/告白だけど嬉しくない〜!(笑)

 <アイデア>→百合人が成功。
 貴方は手に持っている折りたたまれた紙を、星形の中心に目のあるマークを、己の直感、気づきに従って地図と重ね合わせてみた。
 今迄の死体遺棄現場は4つ。そして隠れ家で見つけた死体は貴方達のいるこの場所。全てに意図を感じたのだ。
 重ね合わせた紙のマークと、体のあった現場は、見事なまでに一致したのだった。

(1)川 (2)田畑   (3)道路 (4)田畑
(5)事件現場 (6)田畑 (7)平たい山 (8)狭い道路
(9)住宅地 (10)駅 (11)警察署 (12)森

 この町に、星形の魔法陣(☆)が刻み込まれていた。
 貴方達は強大で冒涜的な、決して人が踏み入ってはいけない領域に、首を突っ込んでしまっていたのかもしれない。もう後戻りはできないのだ。SANC(1d3/1d6)

百合人/またSANチェックじゃーん!(ころころ)19、成功! やったわ後輩! 死ぬ!
実散/まだ死なないですよ!(笑・ころころ)68、成功。

 【現在SAN値】
 実散:85→83(2点減少)
 百合人:47→44(3点減少)


KP/では……3日目の2シーン目、どこいきますか?
百合人/(7)の平たい山に行きまーす!