クトゥルフ神話TRPG・リプレイ
■ 『 花園アフター 』 3ページ ■
2021年11月23日




 ※このリプレイには、性的表現を含んだ18禁要素・同性愛描写が含まれております。ご留意ください。


 ●プリプレイ

実散/今回で庭師アフターこと「花園アフター」は最終回にします! 最終回と銘打たないと何度でもやっちゃうからです!(笑)
KP/最終回ですか! お疲れ様です!
草摩/こんばんは。本日はボジョレーヌーボー試飲会にお集まりいただきありがとうございます。
実散/ワイン飲んでるー!(一同笑) ところでいきなりですが質問です。兄ちゃんって好きな食べ物ある?
草摩/ダブチ。
天鴻/ダブルチーズバーガー!?(笑)
草摩/グラコロも好きだよ。コーラも頼むよ、氷抜きで。……いや、今なんか食べたいものを言っただけ。ほら、いつも自炊してると突然マックが食べたくなるやつ。
実散/自炊がちゃんとできる人の考えだ……。
草摩/みちるの好きな食べ物は?
実散/煮穴子。うな重。しめ鯖。イクラの軍艦。
KP/お、大人!(笑)
天鴻/渋いチョイスだな(笑) お寿司が好きか?
実散/この様子だときっと和食派ですね。でも実散は自炊しないで朝食はベースブレッド、サラダチキン、野菜ジュース、あとはプロテイン中心だよ。
草摩/健康食だ……。
実散/健康意識もあるけど、根底にあるのは「メニューを考えるの面倒」精神だよ。
KP/カルディで人気がありそうなスパイスを差し入れたい。
草摩/俺はカルディで無駄に買い物をするのに……。みちるに海外の謎のお菓子か買ってあげたい。
天鴻/草摩さんはドンキとかヴィレヴァンとかカルディとか、なんかごちゃっとした陳列のお店好きなんですね(笑)
草摩/はい、草摩はカルディ大好きですね。無駄に変な葉っぱのお茶とか飲む。
KP/零課のオフィスを不思議な匂いにしてくれ〜!
天鴻/「これどうやって飲むんですか!?」ってお茶を職場に持ってきそう(笑)
草摩/口を開けるとな、飲める。
実散/説明を省くな!(一同笑)
草摩/知っているか、ここ。喉って言うんだ。喉で、ごくんとする。すると飲める。おいしい!
天鴻/お茶の淹れ方を教えろよ!(笑)
草摩/こうして零課のオフィスに葉っぱを届ける日々が始まる。
実散/毎日お茶が日替わりで届くの? そういうコース?(笑)
KP/いいオフィスだ……。
天鴻/お茶のサブスクでもやってるの?(笑)
草摩/良くないですか? 植物に詳しい花園草摩がチョイスする謎茶ルーレット。これ俺のオススメ。俺もどう調合したんだか分かんない。
天鴻/何の茶を飲まされてるのか分かんないけど美味いんだよなあ! 何の茶か分かんないけど!(笑)
実散/何故か実散といたるくんが<オカルト>ロールを要求される毎日(笑)
草摩/2ヶ月ぐらい続けて、神童さんあたりが顔を青くしたあたりで「……どうして誰も体調を崩さないんだ?」と懺悔してからやめる。
実散/同僚を実験台にすんな!?(一同爆笑)
草摩/やめます。大人なので。
天鴻/大人はもっと前にやめるんだよなあ!?(笑)
草摩/今日は11月23日! 「いい兄さんの日」なので! 仲間で人体実験するのやめます!
実散/兄ちゃん、今でも植物の研究してるんだね。頭いいね。えらいね〜。
天鴻/実散さん、ツッコミを放棄しないで!?(一同笑)
草摩/そんないい兄さんの日だから弟を抱きます。
実散/待って。
草摩/前回からずっと俺はみちるを抱きたかった。なのに次のセッション日が23日だったから長らくおあずけだった。今日はおあずけ解禁日!
実散/このメンバーが集まれる日が23日しかなかったんだから仕方ないでしょ!? ずっとおあずけ我慢できた兄ちゃんかわいいね!
KP/突然のノロケ。
草摩/きっと俺とみちるの休みが重なる日が24日しかなかったんだ……だから23日の夜が解禁日なんだ。めっちゃ仕事頑張った。今夜は犯る。それまで擦れ違っても触ったりもしなかった。触ったらペシンされるから。
実散/ヤル気満々じゃんかよ……(笑)
天鴻/天鴻は2人がいっしょの休日になってるのを知って「あれ、2人でどっか行くんすか?」って訊きますよ。
草摩/25時間ヤる。
KP/1日以上ヤるの!?(笑)
天鴻/それ25日に実散さんは出勤できるの!?(笑)
実散/俺が兄ちゃん抱いたとき、翌日響くような抱き方はしなかったよね……?(笑) なんで俺のときはそんな酷い目に遭うような前提なんです?
草摩/みちる、怯えてるのか? 凄く良い顔してる。
天鴻/いい笑顔をするな。
実散/兄ちゃんはSなの!?(笑)
草摩/俺はみちるのそういう顔が好きなだけだ。
実散/ううううー!?(笑) ……という訳で、そんないい兄さんの日ですよ。やりますか……やりますよ……なんでやるんだ俺は……?
草摩/好きだからだろ。
実散/……うー。

    ◆

実散/俺は1週間前、兄ちゃんに「23日までエッチはおあずけね!」と約束させた。それからおあずけされる兄ちゃんが面白くて「おあずけでーす(笑)」と笑っていたけど……昨日あたりから「やべ、犯される!?」の危機感でドキドキだった。
草摩/いい兄さんの日だからな。いい兄さんとして抱くぞ。
実散/自分が男に抱かれる宣言をされながら暮らす羽目になった俺!(笑) 自分犯される日が近づくたびニッコニコになっていく兄が怖いよ!
草摩/しっかり仕事はしてたぞ? みんなにお茶を飲ませてた。新曲だって披露した。
実散/ポリスメンの仕事をしてくださーい!(笑)
草摩/俺は……シンガーソングポリスメン……?
実散/「俺は……シンガーソングポリスメン……?」じゃねーよ! ユーアーおまわりさんだよ!(一同爆笑) もうちょっと芸あるツッコミされたくはないの!? 兄ちゃんはボケとして甘えてるんじゃない!?
草摩/みちるはよく口が回るなあ。
実散/もおー!(笑) いたるくんが天才的頭脳で仕事してくれるからいいけどね!? いたるくんに笑顔で「いいかげんにしてください」ってガチ怒られたら兄ちゃん泣くでしょ!? ギャン泣きするでしょ!? 号泣する前におふざけはヤメなさい!
草摩/嫌われたらギャン泣きする。でもみちるの泣き顔はそそる。
実散/俺に関する謝罪が無いから怒るよ?

草摩/そんな今日は23日の夜だ。やったー。
実散/この人は強いな……後ろから弟の首を絞めるだけあるな……。俺を殺した責任、取ってもらうんだからね!?(笑)
草摩/取る。抱く。……みちるの部屋、行っていいか? 行く。
実散/……もう、行く気満々じゃん。いいよ……約束したし……。
草摩/という訳で、仕事が終わった23日の夜、みちるの家に行く。俺が運転して、みちるを助手席に載せて、最近よく行くようになったみちるのマンションへ向かう。
実散/……おあずけ解禁されて、そんなに嬉しいの?
草摩/夜。……駐車して、シートベルトを外す。助手席のみちるの髪にようやっと触れて、撫でる。
実散/なでなでしたくなるほど、嬉しい?
草摩/嬉しい。抱けるから。この前、みちるに抱いてもらって嬉しかった。いっぱい求めてくれたから。
実散/……あっそう……。
草摩/いっぱいみちるをつぎ込んでくれて、凄く満足した。良かった。俺もお前に同じことしてやる。お揃いがいいもんな。いっぱい注ぎ込んでやる。
実散/……うー……。
草摩/みちる、シートベルト外さないのか? 俺はマンションに入るぞ。
実散/はああ〜……クソデカ溜息を吐きながら鍵を開ける。明日ゆっくりできるならちょっと話したいことあるしね……先にお風呂ゆっくり入ろうかな〜。
草摩/鍵を開けて部屋に入った瞬間、閉じた扉に押し付けてキスする。
実散/んんんん!?
草摩/したかったから。する。
実散/強引! ケダモノ! 警察呼ぶよ!?(笑)
草摩/そういう日だから。キスは、やめない。
実散/う〜……!? 
草摩/……かわいい。本当、かわいすぎる。おあずけ食らっていたから、今日はいっぱいしていいか。する。
実散/確認じゃなくて決定事項なんだよなあ! いいけど、お風呂ぐらいはしっかり入らせて……あと俺の話も聞いて……。
草摩/俺も入る。
実散/いや、一緒に入れるほど俺のマンションの風呂は大きくないよ? こっちだって準備が……。
草摩/手伝ってやる。綺麗にしないとだし、馴らさないと大変だし、一緒に風呂入ろう?
実散/…………。もしかして、兄ちゃんがご準備をするつもりですか?
草摩/うん。した方がいいだろ? しないとみちるがつらいだろ? するよ。
実散/構わないけどさ……2人でお風呂に入った方が時間短縮にはなるだろうし。
草摩/手錠を掛けます。
実散/はい?
草摩/偶数で前に、奇数で後ろ手に。(ころころ)1なので後ろだ。
実散/はい?
草摩/安心しろ。備品持ち出しじゃない。ドンキで買った手錠だ。
実散/はい?
草摩/みちるがバスルームに行きながら上着を脱いでってときに後ろ手に手錠で拘束した。
実散/はい?
草摩/手錠で拘束しました。はい。
実散/はい?
草摩/風呂、行こうか。
実散/はい?
草摩/ダメか?
実散/兄ちゃん? 何が? ちょっと? 兄ちゃん? 兄ちゃんの思考が速すぎて何が何だか全世界が戸惑ってるよ!? DEX19ってそういう意味なの!? 世界をもっと大切にして!(一同笑)
草摩/ただ俺はみちるを拘束しただけなんだが?
実散/今から風呂に入る人に!? 何故手錠を!? 解説無しなの!? なんで拘束したのか訊きたいんですけど!?
草摩/拘束した理由? ……みちるが逃げそうだなと思ったから逃げないように捕まえた。
実散/はあ。
草摩/俺が一緒にお風呂に入るから俺が洗ってやるし、中も馴らしてやる。拘束して動けない弟のシモの世話する。いい兄ちゃんだろ。いい兄さんの日らしくていい。
実散/兄ちゃんそういうとこサイコパス〜!(笑)
草摩/ほら、俺は脱いだ。みちるも脱がした。まず綺麗にするか。全部見ててやるぞ。
実散/もしや、トイレとか……そういうのも、管理されるプレイなのですか?
草摩/大丈夫だぞ?
実散/偶数が出たら諦めて全部してもらう、奇数で抵抗する。(ころころ)……2。諦めました。
草摩/やったー(笑)
実散/……兄ちゃん、優しく、お願いします。ほんと……優しくしてくれなきゃ、怒るからね?
草摩/する。大事な弟だから。いい兄さんの日だし。
実散/いい兄さんは手錠で拘束もしないし浣腸を持ってニコニコしないしスカトロもしないよ?
草摩/真面目にする。みちるが気持ち良くなるように、するからな?
実散/…………もぉー! 諦めてるからさっさと始めようか!

    ◆

実散/……綺麗にされました。げっそり。
草摩/後ろ手に拘束されて浣腸プレイされて照れるみちるが凄くかわいい風呂シーンだった。
実散/ほんとポジティブな男ですね!?(笑)
草摩/じゃあ、ヤるか。
実散/……俺、ずっと手錠はされっぱなしなの?
草摩/うん。それでいいと思う。
実散/良くないんだよなあ……普通に手が痛いし、ちょっと怖いんだよなあ……。
草摩/そっか。怖いならやめようか。手錠を外します。
実散/良かった……。そして残ったのは、手錠を外されて全裸になった俺である。
草摩/俺、みちると一緒に居たい。だから拘束した。逃げられたくないから。
実散/……うん、その理由は聞いたよ。
草摩/みちる、もっと俺のこと求めてほしい。そのためには……。
実散/そのためには?
草摩/俺のことしか考えられないぐらい俺で満たす。
実散/……ぅ……。
草摩/いっぱいセックスしてやる。気持ち良くしてやる。何度でもイかせてやる。
実散/…………。
草摩/前にみちるにいっぱいにされて、凄く嬉しかった。幸せだった。同じことをしよう。してあげるよ。
実散/……ぅぅ……。
草摩/みちるは俺よりずっと素直じゃないから……俺のときよりずっと長く、強く、いっぱい、してあげなきゃだと思うんだ。意識が全部俺になるまで犯してやる。今日はそういう日だ。
実散/ひえっ、オスの目だ!?(笑) ……ぁ……う……。
草摩/嫌か?
実散/……ぅ……うう、その……怖い。
草摩/怖いか。
実散/けど……ちょっと、ゾクッてしちゃった。
草摩/つまり、いいってことか?
実散/……興奮しちゃったんだよ。ちくしょう……悪くないなって、思っちゃったよ……。
草摩/1日中ヤるでいいな? する。
実散/尋ねているようで断言するな!(笑) ……1日中セックスしたら……俺の話、聞いてくれないじゃん。ずっと俺をめっちゃくちゃにするつもりなんだろ、兄ちゃんは……。
草摩/「俺の話」?
実散/……そりゃ、おあずけされた今日を待ち遠しくて、やりたくてたまんないんだろうけど……俺だって、予定していたことがあった……のに。ぐずぐず泣いて言う。
草摩/さっきから「俺の話」って、何かあったのか?
実散/…………。
草摩/何だ?
実散/……話、先にしていい?
草摩/いいよ。
実散/…………。この部屋も、兄ちゃんの部屋も、さよならしてさ……。
草摩/「さよなら」?
実散/……一緒に、ちょっと広いマンション、借りないか……って話、したかったの。
草摩/え。……引っ越しの話?
実散/もうずっと兄ちゃん、こっちに泊まりたがっていたし、現に泊まること多かったし……。じゃあさ、もう……昔みたいに一緒に住めたら経済的だし、効率的だし、何も問題ないじゃんって……。
草摩/……うん。
実散/3年間ずっと壁作って……全然部屋に来ることもなかったから。それが、なんか……最近、普通になれて……いいかなって思えたから。悪くないでしょ。実は、もう物件、既に何件か選んでいる。
草摩/既に選んでる!?
実散/だって条件を絞って見せた方が早いじゃん。絶対兄ちゃんはこういうの悩むし!(笑)
草摩/うん……まず俺の部屋のもの、断捨離しなきゃだ。タコ焼き器1D6個は零課のみんなにあげます。
実散/1D6個になってる!?(笑) ……明日、暇なら、いくつか2人で住む物件を見に行くのもいいと思った。
草摩/……真剣に同棲、考えてくれてたのか。
実散/「同居」ね?(笑) ……元の鞘に収まるだけだよ。普通に兄弟で住まうだけ。
草摩/……みちるは、俺と住みたいって思ってくれたのか?
実散/今の話、ちゃんと聞いてた? 物件も選んで絞ってるんだよ? 効率的で経済的って言ったじゃん。……兄ちゃんは、嫌だった?
草摩/嫌な訳あるか。俺の話も聞いてたか? みちると一緒にいたい。
実散/……うん。
草摩/みちると一緒になりたい。みちるとお揃いがいい。みちるがいい。ずっと俺はそう言ってる。
実散/……う、うん。
草摩/だから嬉しい。拘束しなくても、もうみちるは……俺のになる。こんなに嬉しいこと早々あるもんか。
実散/…………。はあ、良かった。話せた。
草摩/引っ越ししたら、良い花でも注文して飾らなきゃな?
実散/うん……。あのさ……もうちょっとだけ、話、していい?
草摩/先にキスする。
実散/わぷっ。
草摩/いいぞ。
実散/……ぅー。今の不意打ち、ずるい。
草摩/話すといい。
実散/…………。この部屋、俺には思い出がある。数年は過ごしたからね。
草摩/だろうな。俺の部屋にだって……かき氷器と別れを告げなきゃいけない思い出がある。
実散/兄ちゃんは縁日ごっこしたいの?
草摩/零課のみんなでホームパーティーしような。
実散/……あそこのデスクに飾ってあるハーバリウム、見える? あれ、俺の好きだった子との思い出の品。
草摩/……あっ、うん。
実散/飲み会のときも持ってきてたでしょ、涼ちゃんを見立てて使っていたハーバリウムだよ。常に恋人のハーバリウムを持ち歩いてるとか……気持ち悪いことしてたでしょ。
草摩/気持ち悪くない。凄く良いと思ってた。俺は……お前と相模原の関係知らなかったけど、ハーバリウムを大事にしてるのは良いと思った。
実散/……ありがと。とにかくさ、あれは俺と涼ちゃんの思い出の品なの。
草摩/そうか。
実散/ところでさ……。あはは、あのさ……ハーバリウムって……寿命3年なんだよね。
草摩/えっ……。
実散/ハーバリウムオイルの寿命は2〜3年。……そろそろ、お花が黒く死んできて、捨てなきゃなんだよね。
草摩/一生残るものじゃないのか?
実散/残らないよ。「お花をずっと綺麗なまま残せる」っていうのは嘘。普通より長く残せる方法ってだけ。……あはは! あの事件が全部終わって、そして丁度良く……思い出まで寿命が来るとは思わなかったよ!
草摩/……思い出の寿命……。
実散/事件解決で清算できたんだから、俺の思い出も清算すべき、片付けるべきなんだ。……花が黒ずんで死に始めてることに気付いて、そう思えた。
草摩/それは……それは、ちょっと違わないか。
実散/ハーバリウムを捨てなきゃ……この部屋に涼ちゃんを呼んで楽しんだ思い出も……いいかげん、捨てなきゃって思えた。兄ちゃんの私物も増えてきたし、マンションの更新もそろそろだったし、全部捨てて新しいとこ行くべきかなって。
草摩/みちる。
実散/…………。涙を溜めて、兄ちゃんを見る。
草摩/俺はお前を小さい頃から好きだった。
実散/……いきなり、何?
草摩/子供の頃、お前が泣いて俺に縋ってくるの、そそられた。
実散/言葉ぁ!(笑)
草摩/いや、ちょっと違うか? 泣き虫なお前が俺を頼ってくることに……なんか、気持ち良くなってた……?
実散/あのさあ?(笑)
草摩/えっと、とにかく、子供の頃からみちるが好きだったよ。ずっとその「好きだ」の衝撃は消えてない。忘れてない。もう20年以上前なのに覚えている。……寿命なんて無い。
実散/…………。
草摩/当時、病気のお前にあげた花なんて枯れて無い。欠片も粉も残っていない。でも、死んだか? 思い出は死んだか?
実散/……ぅ……。
草摩/生きてる。ずっと「好きだ」のまま、生きている。寿命なんて迎えてない!
実散/…………。
草摩/そういうもんだろ。相模原の思い出も、そういうもんでいい。
実散/……ぅ。
草摩/寿命とか言うな。清算とか言うな。ずっと生きたままにしていい。
実散/ぅぅぅ……。
草摩/……何度でも言う。俺の「好きだ」は、生まれたときから、生き続けている。お前の「相模原の好きだ」を生かしたまま……俺のものになってくれ。
実散/…………。卑怯……。ほんっと、兄ちゃんって……卑怯な人。
草摩/俺は思ったことを言っているだけだ。みちるみたいに取り繕うことなんてできないから。
実散/……致命的に語彙力が無いくせに。俺の胸に……そんな酷いことを言ってくるなんて、卑怯すぎるよぉ……。泣きます。
草摩/みちる。つらいなら、装うのをヤメたっていい。それこそ、そう、俺の前だけは……涙を見せてくれ。
実散/……泣いて、抱きついていいかな。
草摩/構わない。苦しんでくれ。素のみちるを見せてくれ。……大好きな俺はお前を全部貰うよ。
実散/……裸で、真っ赤になって、ぐしゃぐしゃに泣いてる見すぼらしい俺だけど……いいの?
草摩/断る理由が無い。抱く。
実散/……泣く。
草摩/撫でる。
実散/泣く。……兄ちゃん以外の好きな子を想っている俺は、心から兄ちゃんのものにならないかもしれないよ? 本当にそれでいいの?
草摩/本当はヤだ。
実散/ヤなんじゃん!
草摩/ヤだよ。でも、それでもいいよ。俺は変わらないから。
実散/…………。
草摩/…………。なあ、明日、マンションの下見に行くのも良いな。
実散/……でしょ。明日、良い天気ぽいし。
草摩/けど俺はセックスしたい。1日中したい。
実散/……話、聞いてた?(笑)
草摩/聞いてたよ。でも俺はしたい。みちるをもっと俺で満たして、俺のことを好きになった状態で、俺から離れなくなるみちるになってから……マンションを見に行く。
実散/なに、それ……。
草摩/それがいい。そうしないか? しよう。
実散/また決めつけるんだね。……もうっ、満足したら……行こうね。明日でも、明後日でも、いつでもいいから……。
草摩/うん。キスする。
実散/……うん。キス、されちゃった。

    ◆

草摩/真正面から抱き締めて、ベッドに寝かせる。足を開かせて、バスルームで何度も挿入したみちるのに、指を入れる。
実散/ぁっ……。もう、何度も挿入されてる……。
草摩/話をしている間に萎えたか?
実散/……萎えてもまた盛り上がらせてくれるでしょ。
草摩/うん。みちるはこの辺、好きだよな? 指で中を擦る。
実散/ぅ……。
草摩/さっきバスルームでここ擦ると、いい声出した。さっきと角度は違うけど、好きだよな?
実散/ぅぅぅ……。唸り声が答えだよ……。
草摩/答えろ。
実散/目と閉じて指を受けていたけど、「答えろよ」と言われて……目を開ける。覆い重なっている兄の身体が見える。見下ろしている……じっくりと見られている。
草摩/答えないのか?
実散/ぅ……うん……好き……。毎日、それこそ生まれたときから見ていた目なのに、今日ばかりは、こんなに怖くて……ゾクゾクする。
草摩/もう一本指を入れる。
実散/ひっ、ぁ……!
草摩/ここ、ツンツンされるの、いいか? 中を圧迫する動きを変える。
実散/ぁ……! あああ……ぁあああ……その。気遣いは、いいから……。
草摩/いいのか。
実散/……ちょっと痛いぐらいがイイよ。散々なぐらい、やってよ。きっと俺……酷くされた方が燃えると思う。
草摩/自分のを擦る。自分のを反り立たせる。みちるの中をいじりながら、喘ぎ声を聞きながら、それをおかずに自分を慰める。
実散/ぅう、恥ずかしい……。
草摩/充分になったら、みちるに押し付ける。
実散/はあっ……。
草摩/少し苦しいかもしれないけど、呑み込ませる。……挿入する。
実散/や、ぁっ……!? バスルームでも散々弄ばれたそこは、嬉しそうに、ずぶりと受け入れる。
草摩/みちる……。
実散/押し広げられ、奥まで開かれる。太くて長くて固くなった兄を奥まで誘い込んで、散々に……喘ぐ。
草摩/凄い。吸い付いてるぞ……。
実散/あぁあっ……は、恥ずかしいこと、言うな……。
草摩/俺がいっぱいか?
実散/……う、うん……いっぱいだよ。
草摩/もっと俺のときは切羽詰まってたぞ?
実散/じゃあ……兄ちゃんは、俺より、ザコなんじゃないの?
草摩/このっ。笑って、突く。
実散/ぁあ、ん……! 煽った通りに突かれて、喘ぐ。
草摩/突く。
実散/兄ちゃん……もっと、いっぱいにしないと……俺、満足しないよ? まだ、ザコ、なんじゃ、ないの……?
草摩/この……。奥までいかせるために、両足を掴んで、一度引く。ずるっと亀頭を中で抉り出して、全身で肉を堪能させるようさせる。
実散/あぐ……!
草摩/ここ、好きだろ? 一番良い声出した。
実散/ぁ……あ……。
草摩/こうやってゴリゴリされるの、みちる、好きなんじゃないか?
実散/……ぁ、あ、ごめ、んな、あ……そこ……だめ……かも。
草摩/だめか。じゃあ、良いってことだな。俺でいっぱいになってる証だ。
実散/あああ……ああああ……。
草摩/突く。
実散/快感が……頭の中を白く染め始める。気持ち良くなるためにはどう喘げばいいとか、どう腰をよじればいいとか、そればかりを考えた。……セックスのことしか考えられなくなっちゃう。
草摩/かわいい……。
実散/兄ちゃんとすることだけを考えられない頭になる。……気持ち良い。腹の奥が切ない。凄く、良い。……ふしぎだね。
草摩/……何がだ? ピストンを繰り返しながら、尋ねる。
実散/……自分でちんこ触るより、兄ちゃんにお尻を犯されて気持ち良くなるって……それ、数時間まで怖くて震えていたことなんだよ?
草摩/みちる、怯えていたな。
実散/なのに……数時間前はあんなに嫌だなって思っていたのに……今、凄く……触れられて嬉しい。させてもらえて、嬉しい。満たしてもらえて、嬉しい……。
草摩/ああ、気持ち良い。
実散/変なの……変だよ……さっきから変なんだ……ゾクゾクが、止まらなくて……ずっと兄ちゃんのことしか、考えられなくなる……。
草摩/そんなこと言ってもらえるなんて、たまらないな。
実散/んあっ。……もう、だめかも……。
草摩/気持ち良い快感に全身が強張る。締め付けてくるみちるが、俺の形をハッキリと伝えてくる。
実散/……だめ……。
草摩/……呼んでくれないか。兄ちゃんって。
実散/兄ちゃん……。
草摩/うん。
実散/兄ちゃん……兄ちゃん。……兄ちゃん、もっと、して……?
草摩/うん。もっと、する。みちる。吐精する。
実散/……っっっ!
草摩/……はあ……。
実散/ぁ……あはは、メスイキ、しちゃった。
草摩/……しちゃったか?
実散/しちゃったよ。……兄ちゃんのことしか考えられなくなるぐらい、中ズボズボされて……自分でしないで、イっちゃった。
草摩/……俺のことしか考えられなかったか。
実散/うん。……でも、こんだけ流暢にしゃべることができる自分に驚いてるよ。
草摩/……俺はあんだけみちるみちるっていっぱいいっぱいだったのに、おかしいな?
実散/あれはただ兄ちゃんに語彙力が無かっただけだよ〜。……俺、こんなにもいっぱい貰ってる。もう兄ちゃんで満たされてるよ。
草摩/まだだ。もっとみちるが泣くまでやめない。
実散/わ、笑わせるな〜!(笑)
草摩/射精したけどまた角度を変えて、挿入する。
実散/ううううう〜……!
草摩/何度でもする。ずっとする。
実散/……それで、いいんじゃないかな。
草摩/するからな。やめないぞ。離す気も無い。するよ。
実散/いいよ。……俺も、兄ちゃんに抱かれることしか考えてないから。

    ◆

草摩/……起きたか。
実散/……うん。
草摩/ずっとみちるを抱き締めて、隣で寝てた。
実散/…………。あのさ、兄ちゃん。
草摩/なんだ。
実散/(ころころ)もう午後3時なんだけど?(一同笑) ……わりと長くしたね。
草摩/まだしたい。
実散/元気すぎない?
草摩/セックスしたいというか……このまま、ずっとみちると無駄なこと話していたい。
実散/……うん。兄ちゃんの話、楽しいから……ついつい3時までぐだぐだ過ごしちゃった。
草摩/いつも俺の話、聞いてくれてたもんな。
実散/子供の頃、何かあるとすぐ体調を崩してひきこもってたからね。兄ちゃんが隣で何か話をしてくれるのが日課だった。だから聞き上手になっちゃったんだよ。おかげで<心理学>がほぼカンストだよ!(笑)
草摩/みちるが聞き上手だからだよ。俺は途中で話が脱線する。さっき話したキャンプファイアー48時間事件の話もよくオチまで飽きずに聞いてくれた。
実散/なにその事件名?(笑)
草摩/高校2年時の先輩達の卒業式仮装事件の話だって、怒らずみちるは最後まで聞いてくれた……。
実散/うん? うん?
草摩/いや、あれは高校1年のときの話だったな。2年時はキャンプファイヤーの続きで、そのときのカキ氷器はまだ捨てられないから格達に見せてやろうって話だ。
実散/卒業式でキャンプファイヤーでカキ氷なの? そんなのたかひろくん達に話して大丈夫?(笑)
草摩/大丈夫だ。もう3時でマンション下見は大丈夫じゃないけどな。
実散/……あはは。そうだね。来週でいっか。
草摩/来週、マンション決めよう。引っ越そう。2人で住もう。
実散/……早め早めに有給を取って決めに行こうね。ついでに、引っ越し祝いでみんなを呼んでホームパーティーしよっか。
草摩/綿あめ器も買おう。あと、引っ越し祝いに花でも買おう。花器も新調しよう。また花に囲まれるみちるが見たい。
実散/……子供の頃、よく俺の寝床を花だらけにしたよね。
草摩/そう。それ、する。新しいお前の部屋で。昔みたいにしていいか。するぞ。
実散/そこに涼ちゃんが好きだった花を混ぜていいなら。……約束だよ。




 花園アフター・3 END


→弟が兄と電脳世界に行く『21`s gun』に続く

TRPGリプレイページ・トップページへ戻る