クトゥルフ神話TRPG・リプレイ
■ 『 庭師は何を口遊む 』 4ページ ■
2021年11月6日




 ◆教会跡地

 教会の現場は変わらない。3年前と面影は変わっていない。
 この場所に立ち入るのは、果たして何回目なのだろうか。


KP/名坂さん、あなたは……。

 ふと白南に目が行く。
 拳銃を所持して立っているその姿に激しい既視感と恐怖、そして、憎悪が襲ってくる。

 この教会で、あの祭壇の付近で、白南は銃を何度も放っていた。
 自分は叫びながら「やめてくれ」「撃たないでくれ」と言っていた。
 それでも白南は撃ち続けた。白南が撃ち続けた対象は、他でもない自分の妹だった。

 その体の腹部の切り傷から大量の血を流しながら、それでも植物に抱かれて立っている妹は、既に人間のそれではなかった。
 駆け付けたときから、そんなことは分かり切っていたが、あなたはどうしても彼女を抱き締めてやりたかった。
 けれど、その望みは消え失せる。
 あなたは目の前で探していた妹を殺された。

 あなたが探していた妹はすでにこの世に居ない。
 SANc(1d3/1d6)


格/…………ああ、やっぱりか。(ころころ)SANチェック、成功

【現在SAN値】
 格:52→50(2点減少)


格/湧き上がる恐怖と憎悪、それをどこか冷静に受けとめる。白南さんを自分がこんなに嫌うとしたら、そういうことではないかと思っていた
KP/よしよし……
格/諦めたように、憎悪ごと受けとめている。……やっぱりか
KP/なでなで……

KP/草摩さん。あなたは……。

 実散が拳銃を持っている。それだけで途轍もない罪悪感を抱く。
 何故、実散に抵抗感を抱いていたのか、あなたは思い出す。
 あの日、相模原 涼はもっと暗い場所で死んだ。少なくともあの教会で吊るされて死んだ訳ではないのだ。

 誰かを追って自分と相模原は何処かを走っていた。
 懐から出されるナイフに自分は気付けず、足を止めることが出来なかった。
 動けずにいた自分の前に何かが躍り出す。
 相模原だった。彼女は自分を庇って腹部と胸を刺され死んでしまった。
 そしてあとから来た実散が自分達以外の誰かに向かって吼える。
 自分は未だに動けない。

 しかし隣にいた彼女から急に花や蔦が生い茂った。
 傀儡人形のように動かされる死体。
 その花々の間であの種が目に入る。あの種の所為で、彼女は人としての死を奪われた。怪物となったのだ。

 そんなつもりはなかった。けれど結果を前にそんな言葉は無意味だ。
 SANc(1d3/1d6)


草摩/(ころころ)SANチェック、79、失敗……

【現在SAN値】
 草摩:54→49(5点減少)


実散/あ!? 一気にSAN値が5点も減少してる!?
草摩/(ころころ)<アイデア>85のところ、85でぴったり成功しました。なんでだ?
KP/ありがとうございます。さて、このシナリオでは独自の発狂表があります。草摩さん、1d3をどうぞ。
草摩/(ころころ)3。出目ヨシ!
天鴻/いいのかな、それ!?(笑)

 ▼3:【異常性癖】 植物愛好
 あなたは植物を過度に愛し、そしてそうしたものを見た時に酷い興奮を覚える。知的好奇心からか、単なる愛故かあなたには解らない。
 あなたは植物を傷つけられる事が耐えられない。植物を手放すことが出来ない。

格/わはははは!(笑)
草摩/わあ、植物好きが戻ってきてしまった。
天鴻/戻ってきたどころか拗れてるじゃねえですか!?(笑)
実散/これ絶対ヤバイやつでは!?(笑)
格/このシナリオでこの発狂はヤバじゃないですか!? 笑いごとではない!(笑)
KP/どれくらい狂気が続くか時間を決めます。1d20分とします。どうぞ。
草摩/(ころころ)4分間、異常性癖です!
格/少ない! 移動時間で終わりそうな勢い!(笑)
実散/偉いぞ! 4分間ならラジオ体操1回分ちょいで終わるよ!(笑)
天鴻/草摩さん、そこのコンクリだけずっと見ていて。
草摩/コンクリに生えた苔を愛でていますよ、白南ひまわりブラボー天鴻。
天鴻/売れない芸人みたいに呼ぶのやめーや。
草摩/うーん花園草摩、なんてクサクサしい素晴らしい名前なんだ。
実散/くさポケモンぽいね!
格/自分の名前を愛した!(笑)
天鴻/……移動中に確認したいんですけど、拳銃の譲渡って可能です?
KP/拳銃の譲渡、可能です。
天鴻/おっす。この中で一番<拳銃>が得意な人って誰ー?
実散/<拳銃>技能は80です!
格/自分は<拳銃>70でーす。
草摩/<拳銃>80です植物ラブ。
格/変な語尾状態になっちゃってる……(笑)
天鴻/植物ラブ現在進行形の人には渡せん(笑) いえね、自分はあんまり<拳銃>得意じゃないんで、だったら得意な人に渡しておきたい。
格/あー。そういうことなら預かりますよ。
天鴻/じゃあ、格に自分の拳銃を渡します。ちょっとだけ震えた、冷たい手で。
格/はーい。預かります。
天鴻/俺の代わりに使ってくれよな。
格/ええ、お任せください! 白南さんはそのSTR18を生かして別の場面で活躍してくださいね! 敢えて明るく言って、震える手をぎゅーっとしておきます。

格/ラッキー! 「銃を持っている姿」が恐怖で憎悪だったのでマシになったぞー
KP/おめでとう、おめでとう

実散/いたるくん、いい笑顔だねー。
KP/猪狩が草摩さんを<精神分析>しますね!(ころころ)72で成功。草摩さんは正気に戻れる!
格/ありがとう猪狩さん! 来てもらって良かった!(笑)
草摩/猪狩プリティーパンジー幸太郎、ありがとう。
実散/プリパンGJ。あには しょうきに もどった!
KP/なおシナリオを進めるのならば、一気に進んでいきます。情報共有できる時間は今だけです。どうしますか?
実散/おー、今だけですか。なら実散が話をしたいです。……みんな、さっきはごめんね。追加で思い出したこと、言っちゃってもいいかな?
格/ええ、どうぞ。
草摩/……思い出したことはすぐ言うべきだと思うぞ。
実散/涼ちゃんを殺した犯人は兄ちゃんじゃなかったよ。涼ちゃんを殺したの、俺だった。
草摩/……え……。
格/ほう。
天鴻/……なんで、実散さんが相模原さんを?
実散/涼ちゃんが花の化け物になったとき、兄ちゃんを襲おうとしたのかな? だから俺は涼ちゃんを撃ったらしい。
草摩/は……?
格/それは……変では? 花は死んでから芽吹くもののはずでは……。
天鴻/あ、ああ……。
実散/あはははー、そうだったね。でも俺が涼ちゃんを撃って殺したのは確かで……。
草摩/みちる! 相模原を殺したのはお前じゃない! 俺の方だ!
実散/ほへ?
草摩/俺も思い出したことがあるから話す! ……犯人を追いかけていて、ナイフを目の前にした俺は動けなくて、相模原は俺を庇ったんだ! だから死んだ!
実散/…………。
草摩/彼女は、俺を庇って腹部と胸を刺され死んでしまったんだ。だから、お前が殺したんじゃなくて、俺が殺したんだよ! 泣きながら言います。
天鴻/それ、は……。
格/……いや、それは違うでしょ。
実散/……ナイフを持った犯人が、涼ちゃんを、殺したんだねー。
草摩/でも、あの種の所為で、彼女は怪物となった。人としての死を奪われた。種を渡したのも俺で、庇わせたのも俺で、だから……俺が殺したんだ。
天鴻/実散さんが撃ったのは……花になってしまった相模原さん。
格/ナイフに刺されて死んで、花が芽吹き、死体が動いた。……なるほど。
天鴻/二人はどちらも、相模原さんを殺してない。草摩さんは相模原さんに助けてもらって、実散さんは怪物になった相模原さんを止めた、ってことだろ。
格/殺してないですよ。……そっか、良かった。
実散/……えへへ、良かった。最初は「兄ちゃんが涼ちゃんと一緒に駆け落ちした犯人説」とか考えちゃったよ。なるほど、兄ちゃんと涼ちゃんは2人で犯人を追跡中だったんだね。……「殺してない」って慰めてくれてありがとう、たかひろくん、いたるくん。
天鴻/いえ……。
草摩/…………。うん、ありがとう……。
実散/兄ちゃんよしよし。先を行こうか。行くよ?
草摩/よしよし受ける。……行く。すまない、声を荒げた。
天鴻/……行こう。
格/ええ、進みましょうか。


 ◆教会地下道

 床下の扉に小さな鍵を使うと、カチャリと鍵の開く音が聞こえた。
 開ければ奥は暗く、冷え切っていた。地下道になっているらしい。


KP/自分達は覚えている。この道を覚えている。

 そこで一人は大切な人を殺した。
 そこで一人は大切な人を見つけた。
 そこで一人は大切な人を守る為に撃った。
 そこで一人は大切な人を苦しめてしまった。

 光のない深い深いその地下道を歩みながら、自分達の吐く息は霧のように宙を舞い続ける。
 吸い込む空気はどれも冷たく肺を満たしていく。
 聞こえてくるのは自分達の息遣いと、靴の音だけだった。

 地下道を進んでいけば、重々しい扉が目の前に現れる。チェーンは、外されていた。


KP/誰かが言い争っているようで、声が聞こえてくるだろう。<聞き耳>を振ることができます。どうぞ。
格/拳銃の準備します。(ころころ)63で失敗。
実散/(ころころ)32で成功。
天鴻/(ころころ)39、成功。
草摩/(ころころ)91、失敗。

 <聞き耳>→実散、天鴻が成功。
 神童と的場の声のように聞こえる。

 そこは草木が生い茂る地下庭園のように思えた。
 その部屋を敷き詰める様に緑の絨毯が敷かれ、色とりどりの花が咲き乱れている。それは床だけに留まらず、天井にまで続き、とても美しい光景だと思えた。
 部屋の中心では的場と神童が拳銃を手に対峙している。こちらには気が付いていないようで、何か怒鳴り合っているように思えた。


天鴻/何を、言い合って……?

 呆然とし、困惑し、つい視線が部屋へと戻ってしまう。
 それによりあなた達はこの部屋の全貌を改めてみることが出来た。
 その草木は未だに増殖と成長を続けている。床の草木もよく見れば異様な盛り上がりがあるだろう。人の形をしているようにも思う。
 そして二人の刑事が対峙している先の壁に十字架が掛かっている事にも気が付く。

 そこに恭しく飾られている花と女性にも目が留まる。
 うっすらと輝く冷たい光は、彼女の体に巻きつく花と蔦から発せられている。
 一際美しく輝く銀色の花は、左胸で大きく咲き誇り、息を吸うように時折波打っていた。
 その脈動に呼応するように、周りの植物達はゆっくりと成長し続けているようだった。

 彼女の顔を、忘れたことは無い。
 彼女、相模原涼の遺体は未だ生きているかのように美しくそこに吊るされていた。
 SANc(1/1d3)。


実散/涼、ちゃ……。(ころころ)16、成功。
天鴻/(ころころ)74、失敗。
格/(ころころ)26、成功。
草摩/(ころころ)4でクリティカル。

【現在SAN値】
 実散:87→86(1点減少)
 格:50→49(1点減少)
 天鴻:50→47(3点減少)
 草摩:49→48(1点減少)


天鴻/みんなメンタル強くない!?(笑)
格/あ、なるほど、あー……これは、はは。
実散/覚悟していたけど、くるねー。
KP/さて、皆さんが相模原さんの遺体を見てショックを受けているとき……。

 神童「あんたがやったんだろ、これも、3年前も! どうなんだ!?」
 的場「落ち着け神童……! そもそも拳銃を持ったまま出て行ったのはお前のほうだろう! 理由が何だか知らないが、銃を下ろせ」
 神童「な、何を言っているんだ……あんたが警備員を殴って……」

 神童が狼狽えるような表情を浮かべ、数歩的場から距離を取る。
 その刹那、床全体が大きく脈打った。
 何事かと辺りを見回せば、部屋全体に蔓延っていた植物や蔦が自分達を飲込むように大きな壁を作り始めている。


天鴻/地震、じゃない!?
格/なっ……なんだこれは!
実散/……生きてる……?
KP/ここで、皆さん、<DEX*5>を振ってください。
天鴻/(ころころ)81、失敗しました!
実散/(ころころ)60、成功。
格/(ころころ)49、成功。
草摩/(ころころ)85、成功。
KP/成功者は、失敗した人を助けることができます。
実散/たかひろくん! たしっと助けます。
天鴻/悪い! 猪狩は!?
KP/猪狩は(ころころ)64で失敗しました。
格/猪狩さん! たしっ!
KP/(猪狩になって)「ご、ごめっ、あんがとっ」 的場も神童も動くことが出来ないのか、その場から駆けるような真似をしていない。

 どちらかの手を引くことだけは間に合うだろう。
 時間は限りなく少ない。制限時間の間にどちらかを選ばない場合は動けなかったという判定となる。


KP/的場と神童。どちらを助けますか?
実散/ここで選択をさせるのかー。実散は率直に神童を助けようと思ってました。
格/神童さんに一票。
天鴻/同じく。
草摩/異論は無い。
実散/じゃあ、兄ちゃん頼んだ。
草摩/……神童を助ける。その言動を信じる。……神童さん! こちらへ!
KP/了解しました。……草摩さんは神童になんとか駆け寄り、彼をこちら側へと引き込んだ。草木達が的場の近くまで伸びようとしたとき、それはぴたりと止まる。
実散/ぴたっ。
天鴻/動きを止めた……!?
KP/(的場なって)「はは……酷いもんだ。俺を見捨てるなんて」 的場はうっすらと微笑み、何処か寂しそうに言った。
草摩/……すみません。睨みながら言います。
KP/「お前達は大事な部下だったんだが、また性懲りもなく昔のことを思い出してしまったんだな」
実散/昔のこと、ですか。
KP/「大変だったよ……何度も思い出そうとするものだから、何度も記憶を奪うことになって手間だった」
天鴻/やっぱり、あのメモの持ち主は……。
KP/的場は相模原の死体を見上げてから、再度こちらを見詰めるだろう。「別に泉を殺す気は無かった……また記憶を奪えばいいと思っていたからな。でも、この種が3年越しに手に入った……相模原を媒介として、ようやく……そうしたらもう止められなかった」
実散/つい、やっちゃいましたって?
KP/「泉の死体を見て思ったよ。見知った顔が、花に囲まれ死ぬ姿は……他のどれよりも美しくて、……興奮する」 彼はパチンと指を鳴らす。草木の塊が現れゆらゆらとあなた達を囲むだろう。
草摩/その言動、吐き気を催す。
天鴻/死体愛好家はアンタだったのか……金庫の中にあった書類、そこにあった被疑者Xは的場さんアンタだったんだな。
KP/「ああ、そうだよ」
実散/そして3年前から俺達の頭の中を……あれやこれやしてくれたのも。
格/……家族写真は、やっぱりご遺体の写真だったということですかね。軽蔑します。
KP/「今回は3年前とは違う。丁寧に全員殺そうか」 的場はニヤリと笑みを浮かべ、ナイフを構える。
実散/わあ、素敵な笑顔。見たくなかったなあ。
天鴻/クソがッ! これ以上、あんたに仲間の命奪われてたまるかよ……!
実散/尊敬する上司だとしてもバリバリな殺意を向けられたら俺達も困るもんね、正当防衛させてもらいますよ。
格/冷たい目を向けて、拳銃を構えます。
草摩/……目元を拭って、拳銃を握り締める。対峙する3人を見て、深呼吸。……いくぞ。

【防弾チョッキ】
 技能値補正なしで、装甲4として扱う。

【攻撃対象】
 『的場元』、『相模原涼』、『地獄の植物』×4。

【特別ルール】
 <戦闘技能>の他に、以下の<探索技能>も戦闘中に振ることが可能。その場合は1Rの消費となる。
 HO1実散<POW*5>、HO2格<オカルト>、HO3天鴻<挑発>、HO4草摩<博物学>。

KP/その部屋に何かの粉が撒かれていく。何の粉かは解らないが、花から吹かれているようだ。くらつき、眩暈を感じる。皆さん、SANチェックをどうぞ。SANc(0/1d3)。
実散/(ころころ)20、成功。
格/(ころころ)80、失敗。
草摩/(ころころ)100、致命的失敗。ここでファンブルはやめろ(笑)
天鴻/(ころころ)89、失敗。

【現在SAN値】
 格:49→47(2点減少)
 天鴻:47→46(1点減少)
 草摩:48→45(3点減少)


KP/射撃を行なうのであれば、先制射撃が行なえます。技能を振るつもりであればできません。どうしますか?
草摩/先制射撃派です。
格/とりあえず撃つかな。
KP/では草摩さんと名坂さんが先制射撃かな? まず草摩さんから<拳銃>をどうぞ。
草摩/(ころころ)97、致命的失敗。なんで?(笑)
天鴻/これファンブルはヤバくないか?(笑)
格/クリチケを温存しておいて良かったですね!(笑)
実散/うんうん振り直していいんじゃないかな〜!
草摩/このファンブルこそ振り直します!(ころころ)的場に向けて射撃、47で成功です!
KP/地獄の植物が的場を庇う。(ころころ)76で成功。地獄の植物1が、庇うことに成功しました。
天鴻/カバーリング持ちだ!
実散/触手ちゃんいい子ね〜!
草摩/(ころころ)ダメージは、5点です!

【現在HP】
 地獄の植物1:20→15(5点減少)


天鴻/触手のHP、そこそこあるな?
KP/では続いて名坂さん、<拳銃>をどうぞ。
格/(ころころ)81、失敗。うーん外した。
実散/銃を持ってるなら神童さん達も撃っちゃいなよー!
KP/神童にも撃たせるのかい?(ころころ)……残念。神童に的場さんを殺す気はないようだ。
天鴻/動揺してるんじゃないかな。やる気ないなら無いで、万が一に備えて回避専念とかしてほしい。もしくは猪狩を連れて逃げて……。
KP/植物を撃つことはできるかもしれないよ。
格/植物でいいから撃ってもらえるなら撃ってほしいですね。
実散/じゃあ神童さん、植物を撃って〜!

 神童が<拳銃>で発砲したところ、無事に命中し……。

【現在HP】
 地獄の植物2:20→15(5点減少)


KP/では、先制射撃が終わったので、1R目を開始していきましょう。草摩さん、<拳銃>をどうぞ。
草摩/的場に(ころころ)56で成功!
KP/地獄の植物2が的場を庇う(ころころ)95で失敗。
格/よし!
KP/地獄の植物3が庇う。(ころころ)96、致命的失敗。
実散/らっきー!
KP/地獄の植物4が……(ころころ)98、致命的失敗。どういうことなの?
格/植物ちゃん!?(笑)
実散/触手ちゃんいっぱい居たからでは!? 「ちょっと押さないでよね!」「誰よあたしのお尻触ったの!?」
草摩/触手のケツとは。
KP/地獄の植物3と4は転倒し、このターンは動けない。次のターンで転倒解除します。
天鴻/的場狙い放題!
格/今のうちだ!
草摩/頼む当たってくれ!(ころころ)ダメージ10点!
KP/でもいいのかな? 君達、警察官じゃないの? 人を殺して良いの?
草摩/いい! 撃つ! ……相手は俺達にナイフを向けている!
天鴻/草摩さん! 気持ちは分かるが、被疑者は原則確保だ! こんな奴のためにあんたの手を汚す必要は無い!
格/うん、そうですね。
草摩/……そうは、言ってられない……!
KP/的場のショックロールは(ころころ)57で成功。草摩さんの放った銃撃により、的場は血を吐く。だが、気を失うことは無い。その場に立ち続ける。

 「ああ、草摩。本当にお前は凄いよ……お前が作った種は傑作だ。
 その種が魅せる花に俺は魅了された。感動した! 興奮した……! お前は天才だ!」


草摩/言うな……言うな! うるさい! 俺は……こんなつもりはなかったんだ!
天鴻/草摩さん! 異常者の戯言に耳を貸すな……!
草摩/黙れ! と言いながら撃ちます!
格/後悔があるなら猶更、殺さないでください。
実散/……俺は、赦すよ。兄ちゃんの行動、応援するよ……。
KP/続いて、実散さんの番です。何をしますか?
実散/……兄ちゃんの言動を見ていたら、俺まで的場さんを撃ちたくなっちゃった。
格/……実散さん、あなたまで……。
天鴻/この双子はもう!? ばか、やめろ、撃つな!
実散/ちょっとどころじゃなく俺も馬鹿だね。……俺は、探索判定しますよ。
KP/了解です。HO1は<POW*5>をどうぞ。
実散/(ころころ)97の致命的失敗。ちょっと待ってよ〜!?(笑)
草摩/お前もファンブルか(笑)
天鴻/こんなとこでシンクロしないで双子!(笑)
実散/クリチケ2つあるから使わせて〜! 振り直させて〜。(ころころ)39で成功!

 <HO1:POW*5>→実散限定。
 奥にある相模原の姿にどうしても目がいってしまう。そうして見ていると、微かに彼女の視線が動いたように思えた。
 呼んでいるのだ。終わらせたいと。あなたに願っているように思う。
 その心臓から大きく花開く銀色の美しい花はアイビー。『永遠の愛』を指す。
 ここからならなんとか拳銃が届くだろう


実散/……涼ちゃん……。
KP/ターン消費をせず、この場で共有することが可能です。
実散/……「あること」が判って、みんなで共有して、自分自身の行動は終わりになりますかね?
KP/はい。
実散/では実散は呟きます。……涼ちゃん、生きてるんだね。
格/……は? どういうことですか。はっきり言ってください。
実散/あそこ見て。心臓から大きく花開く、銀色のアイビー。綺麗だろ? ……ここからならなんとか拳銃が届くだろう。格くんに言います。
草摩/心臓を……撃てと?
格/はっきり言ってください。事実関係を明らかにしないなら、自分は動きません。今のあなたは警察官であることを捨てて人を殺してもいいと思っている。私刑を行なっても構わないと思っている。そう取れる言動がありました。無条件に上司命令として従うことはできません。
実散/勘だ。
格/話にならねぇが!?
実散/なんとなく思った! そんだけ!
天鴻/……相模原さんのあの胸の花を撃てば、彼女は本当の意味で死ねるって解釈で良いのか?
格/でかめの溜息をつきます。自分でおやりなさい。後悔しますよ。
KP/い、いいのかい? 一応成功した情報だよ、と注釈を入れておくよ?
格/実散さんが自分で撃たずに他の男に任せて後悔しない?
実散/長期戦は回避した方がいい。
格/実散さんは、後悔、しないんですね?
実散/後悔しないよ。格くんが後悔するなら、しなくていいけど。
格/……分かりました。それなら。撃ちます。
実散/アレなこと命令するチーフでごめんね。好感度を下げて嫌いになっといて。
格/被疑者を殺していいと言い始めた時点で好感度は二人まとめて30点は下がってます。
実散/悲しいな〜。でも仕方ないね。
KP/その前に、神童の拳銃のターンです。植物を攻撃します。(ころころ)

【現在HP】
 地獄の植物1:15→13(2点減少)


実散/神童さん、どんどん当てていく〜!
KP/続いて、的場の番です。ナイフを、 白南さんに。(ころころ)41で成功。白南さんは回避をどうぞ。
天鴻/OK。(ころころ)97、致命的失敗。
格/ちょっとぉ!?(笑)
実散/みんな好調ね〜(笑)
草摩/みんなファンブルやってるなあ(笑)
天鴻/クリチケ使っていい?(ころころ)回避61、成功! コケたらこのあと何も出来ん! あぶねえ!

 「白南、お前は勇敢な奴だ。その優しさ、正義心で人を助けてきたのだろう。
 だが、それでお前はよりにもよって名坂の妹を殺すことになった。残念だよ」
 的場はそう言いながら、白南を狙う。しかし白南が回避したことによって、その切っ先は空を切った。


天鴻/っ、言うな……。それを、俺に言って良いのは格だけだ!
格/殺してないですよ。殺してないです。
天鴻/……って、は?
格/殺してない。
天鴻/いや、だって、俺は、お前の目の前で彼女を……。
格/殺してないです。
天鴻/止めろと言われたのに、俺は……。
格/「正しい判断」ですよ。
天鴻/……ッ、でも!
格/あれは殺したのではなくて「死体損壊」です。俺の中ではそういうことになってます。ま、そういう話は後で、ね。
KP/……それでは、続いて白南さんのターンです。
天鴻/挑発しますね…(ころころ)80、失敗。うーん!?
KP/的場の言葉に動揺し、あなたは地獄の植物達を引きつけることができない。続いて、名坂さんのターンです
格/はい、相模原さんの胸を撃ちます。当たれ。(ころころ)69、成功! 良かったあー!
KP/回避はしません。ダメージロールをどうぞ。
格/(ころころ)ダメージ5点です!
KP/名坂さんは、相模原の心臓めがけて銃を放つ。その弾丸は、彼女の手前で、何かに当たった。彼女の周りで何かパキパキと崩れる音が聞こえる。
天鴻/……バリア的な?
格/なんだと……ダメージが足りませんでしたかね? もう1発撃ってみないことには。……すみません実散さん、偉そうなことを言っておいて。
実散/ううん、こっちこそごめんよー。これからも非道なこと言うけどよろしくね。
格/はは。この名坂格におまかせあれ! ですよ。
実散/えへへ、好感度上げておく〜!
格/自分も好感度を戻しておきますね〜!

 「名坂、妹さんは残念だったな。
 けれど彼女も美しく咲いただろう! 最期の死にかたとしてあれほど素晴らしいものは無い!」
 相模原を撃った名坂さんへ、的場がそう、声を上げた。


天鴻/格……聞くな、挑発に乗るな!
格/あ゛? 自分の性的嗜好を他人に押し付けるなクソ変態野郎、牢屋で死ね。クソが、けっ!
実散/ひゅー(笑)

 猪狩は回避専念のため、何も行動せず。
 続いて地獄の植物のターンだったが、的場を庇うダイスロールしたりファンブルしたりで一切動かず、ラウンドが終了した。


格/やった〜(^_-)-☆
草摩/そのまま大人しくしてて(^_-)-☆
実散/大好き(^_-)-☆
天鴻/ずっと絡まってて(^_-)

【現在HP】
 地獄の植物1のHP成長:9点上昇
 地獄の植物2のHP成長:10点上昇
 地獄の植物3のHP成長:9点上昇
 地獄の植物4のHP成長:9点上昇
 それにより、一部減っていたHPも回復した。


天鴻/あ。もしかしてこれ……HPが増えていくのか?
草摩/うわー。
実散/つよつよかよ。ヤバたにえん。
格/あー、うん、なるほど。そういう感じかなとは思ってましたが数値がでかい……。
天鴻/実質、あの植物を倒すのは無理だな。ダメージ量が足りねえ!
KP/では2Rになります。全員SANチェックをお願いします。「くらつき、眩暈を感じる」です。SANc(0/1d3)。
格/(ころころ)62、失敗。
草摩/(ころころ)68、失敗。
天鴻/(ころころ)73、失敗。
実散/(ころころ)86、ぴったり成功。

【現在SAN値】
 格:47→46(1点減少)
 天鴻:46→44(2点減少)
 草摩:45→42(3点減少)


草摩/花粉症に目覚めそう。
天鴻/目覚めたくねえ〜。
実散/みんな〜! 毎ラウンドSANチェックガンバレ〜!

 「実散、お前は本当にいいチーフだ。見込みがあったよ。3年前からずっと、お前は優秀だった。俺を追い詰めるほどに」

実散/えへへ、頼れる上司にそんなこと言ってもらえるなんて嬉しいですね〜。ところでさっきのいたるくんの台詞、覚えてます?
草摩/先制射撃をします! ……撃ちますが、どこを撃とう?
格/心臓を撃ってください。
天鴻/的場を撃っても、また庇われる。あの植物は倒し切れなさそうだから、心臓の方が撃とう!
実散/俺も心臓を撃つ派です。
KP/では草摩さん。標的を宣言後、<拳銃>をどうぞ。
草摩/ご注文を繰り返します。心臓を撃つ、3つでよろしいでしょうか? ありがとうございます、暫くお待ちください(一同爆笑) ……みちる、俺がファンブったらクリチケをくれ。
実散/うん、いつでもあげる!
草摩/心臓を撃ちます。(ころころ)22、成功。(ころころ)ダメージは、12点!
格/出目が良い……!

 最後の一発を相模原涼に撃ち込んだ瞬間、びくり、とその体は波打ち、
 壊れた玩具のように全く動かなくなった。

 同時に周囲に伸びていた植物も、彼女の体を吊るしていた蔦も全てみるみるうちに枯れていく。
 的場は唖然とし、相模原を見詰めながら「何ということを」と口にする。


実散/銃口を向けておく。ステイステイ。

 そして胸元から再びタブレットケースのようなものを取り出すのを、あなたは見逃さなかった。
 そうはさせまいと彼の身柄を拘束し、手錠を掛ければ、ハッとしたように彼は顔を上げる。

 けれど的場はうっすらと微笑み、「なあ、これを外してくれ。お前達も見ただろう? とても美しいと思わなかったか?」というような言葉を告げてくる。
 彼はしきりに、その美しさを、彼女達の死に様を語り出すだろう。
 きっと、理解してもらえるだろうと。そう信じて疑わないような素振りで話し続けている。

 床に降ろされた相模原涼の遺体に触れてみれば、氷のように冷たかった。
 勿論目を覚ますようなことは無い。彼女は3年前にとっくに死んでいるのだ。
 けれど、その表情は何処となく穏やかなもののように思える。
 終わったのだと、そう安堵するような声が今にも聞こえてきそうだった。

 やがて、神童と猪狩が応援の刑事を呼び、あなた方はともかくもその場を後にすることとなった。

 的場は連行される間際まで、花のことを口にし、そして悪びれも無く自白もした。
 尋問などする必要もなく、彼は事細かにこれまでのことを語り、微笑んでいたということだった。
 諦め故か、それとも興奮しているだけか。
 とにかく彼は狂気すらも受け入れて、全てを話した。
 しかし彼の語るオカルトの類は中々に信用はされず、調書を取るのにも難航したようだ。

 『ゼロ』の面々も的場同様、何かカルト的なものに染まっていたのではないか。
 などという噂すら流れたが、神童と猪狩の証言もあり、その噂が大きく広がることは無かった。

 調書を取る中で的場はこう言ったらしい。

 「3年前の庭師が俺だったか、だって? 何を言っているんだ。
 そもそも庭師なんて犯人は存在しないんだよ。
 もし『庭師』などという犯人が居たのならば、それは罪から逃れる為に生まれた罪悪の表れだろう。俺は、ただそれを利用しただけだ」

 そうして自分の喉元に埋められた透明な種を見せてきたという。



 ■エピローグ

KP/あなた方は神童達の助力を受けながらも、二ヶ月の謹慎処分を受けることとなった。
実散/ありゃまー。
天鴻/二ヶ月で済んだのか……。
KP/その謹慎の間に、改めて相模原 涼の葬式をあげることとなった。相模原 涼の墓から南 玲子の遺骨を取り出し、そこに彼女を埋葬する為にと神童が手を打ってくれたらしい。
実散/ああ、やっぱ玲子さんが入れ替わってたんですねー。
草摩/覚悟はしてた。
格/……はい。神童さん、ありがとうございます。

 火葬場にて、あなた方は骨だけとなった相模原 涼を静かに骨壺の中へと入れていく。
 あらゆる花の色を纏ったその小さな欠片達を、ただ静かに運ばせた。

 最後にその蓋が閉められる時、陶器が重なり合う音がその場に響く。
 それでようやっとあなた方はまともに息を吐く事が出来た。
 『庭師』はこれをもって、確かに終わったのだ。


 四人の庭師は、色とりどりの花々と、自身の望んだ緑を添え、虚構の庭園を作り上げる。
 この世界が存在しているから人間が存在しているのではなく、また人間が存在しているから世界が存在しているのではない。
 両者に前後関係はなく、ただあるのは【気遣い】だけだ。



 クトゥルフ神話TRPG
    『 庭師は何を口遊む 』   END A





KP/END A、シナリオクリアです。お疲れ様でした。
一同/お疲れ様でしたー!
KP/良かったよおおお! 的場を殺したらどうしようかと思っていたよおおおお!
草摩/え、殺すつもりだったんですが……?
KP/的場を殺すとEND Cです。全員犯罪者END。
草摩/え。
実散/まじかー!(笑) KP、ありがとうございます! Aに導いてくれて!
草摩/……ずっと「ラスボス殺さなきゃ!」って思っていて、すみません……。
格/はー、草摩さんに殺させないように必死なとこありましたね……。
草摩/……猛省します……。
天鴻/結果的にとは言え、捜査攪乱してた奴らが謹慎二ヶ月で済んだなら軽い方では? 植物ちゃん、頑張れなかったな(笑)
格/植物ちゃん、愛おしくなってしまった(笑)
KP/植物ちゃんには後でちょっと体育館裏に来てもらいます。
実散/これでセッションおしまいなんですね。……凄く凄く欲なことを言えば! エンディングフェイズがやりたかったな〜!
KP/ああ、エンディングフェイズ?
格/うん、エンディングやりたいです。
天鴻/お時間が許すならちょっとロールします? 個人的には、格くんにケジメを付けなければならぬ。
実散/いたるくんにケジメを付けなければならぬ? 何か事情でもあるの? ……やりたいシーンがあるならたかひろくんからする?
天鴻/どっから話そうかな……。というか、まずは全員に謝らないといけないんだよな、俺は……。
実散/え? まだみんな何か話してないことあったの?
KP/シナリオを読めば分かることだからね、全部話す必要が無いんだよ。
格/とりあえず、シーンを始めますか。……相模原さんのお墓の前で集まります?
KP/南さんのお墓でも良いよ。
天鴻/ああ、俺の話は玲子さんの墓の前が良いかな。
実散/じゃあ、玲子さんのお墓にとりま全員なう!
格/え、墓、来るんですか……?
草摩/自分は南の墓に行きます。サークル仲間でしたから。
格/高いお花を用意してきてくださいね……? ねっ、白南さん!
天鴻/ああ、一番いいやつを頼む。
実散/という訳で、南 玲子さんのお墓に俺達は来ました〜! もちろん出しゃばったり騒いだりはしないよ〜! でも兄ちゃんの付き添いとお線香ぐらいはあげさせて!
草摩/同じく、騒いだりはしない。格が「帰れ」と言うなら線香をあげたらすぐ帰る。
天鴻/というか、玲子さんの葬式代は全部出したい気持ちなんだが。
格/それはダメです。葬式代を出すのは身内の特権なので。
天鴻/……分かった。でも香典はちゃんと受け取ってくれよな。
格/ええ。もちろん。
KP/皆さんは玲子さんの墓の前にいます。
草摩/黙って線香をあげて、手を合わせて、下がります。
実散/兄ちゃんと同じく。
天鴻/とまあ、なんだ、まずは皆に秘密にしてたことがある。言いたくなかったんだ。
実散/うん〜?
天鴻/みんな、自分の記憶と向き合って、それをちゃんと相談してくれてたのに、俺だけ何も言わなかった。
草摩/…………。
格/笑顔で聞いてます。
天鴻/……3年前、南 玲子を、格の妹を撃ったのは俺だよ。
実散/……そうなんだー?
天鴻/うん。格が止めるのも聞かずに。動かなくなるまで。そのことを忘れていたくせに、銃だけは撃てなくなってた。
格/なるほど。
天鴻/銃が撃てなくなっていたことも、その原因を思い出したのに何も告げなかったことも、不誠実だったと思ってる。特に格には……正直、撃たれても構わないと思ってるよ。それだけのことをしたし、そのつもりであのときお前に銃を預けたしな。
草摩/……天鴻……。
実散/だそうで。どうなの、いたるくん?
格/あはは。最悪あなたを撃つことになるかもしれないな、とは、あの日ずっと考えていました。
天鴻/…………。
格/おれはですね。記憶も無いのに何故かずっとあなたを見ると不快でした。あなたいい人なのにね。何故だろうとずっと考えてました。……思い出したのは、教会突入の少し前です。
天鴻/……直前だったんだな。
格/花まみれの玲子を、おれが止めるのも聞かずにあなたは撃ち続けた。殺してやりたいと思いました。
天鴻/笑顔で怖いこと言うなよ……。
格/……まあでも。何か理由があってそうしたのだろうということは分かってましたから。それくらいの信頼はありましたし。原因が分かるまでは置いておこうかなと思って、おれも黙ってました。思い出した直後は混乱してたのもありますけどね。
天鴻/俺はいつお前に追及されるのか待ってたよ。……自分から言う勇気は、無かったんだ。言えば、妹の死を知る。その死に、自分の同僚が関わってるなんて知ったら。そう思ったら、言えなかった。卑怯だって分かってても、言えなかったんだ。すまん。
格/……そもそもですね、おれは法治国家日本の警察官であることに誇りを持ってるんですよ。最初は生き別れた妹を探すためにスキルを身に着けて、警察に入って……。犯罪者は法で裁かせるものだし、復讐も司法に委ねるべきだと思っています。そう思っている自分を裏切ってまで復讐を為そうとは思いません。
天鴻/……そうか。
格/なんというか。俺が誇り高い人間だったことに感謝してくださいね!
天鴻/……ありがとう。はらはらと涙を零しながら、それでも笑って言う。
格/感謝は結構です。必要な、正しい判断でした。3年前の俺は感情的になりすぎて、判断を見誤りました。……かといって、当てのない憎しみが消えてくれる訳でもない。簡単に許すとは言えません。……でも、水に流しましょう。
天鴻/いいよ、好きなだけ俺に復讐しろよ。
格/話、聞いてました? 嫌ですよ。
天鴻/法に触れない範囲でさ。
格/司法はこの件であなたを裁けませんよ。私刑はしません。誇りに掛けて。
天鴻/別にボコれとかそういうんじゃなくて。毎日些細な嫌がらせするとか、そういうの。お前の気が済むまで、やってくれ。
格/なるほど、本人の許可が出たのでそれは継続しましょう。
天鴻/でもサラダにブロッコリー入れるのだけは勘弁してくれ。あれは私刑だ。
格/分かりました、ブロッコリーの大盛りを出します。食育です。
草摩/それは死刑だ(一同笑)
格/楽しみですね! 次いつ飲みにいきます? 今日ですか? 今夜ですか?
実散/どっちも同じじゃん(笑)
天鴻/いつでも良いよ。好きな店を選べ、奢ってやるから。
格/はい! 高いお店を奢らせて差し上げますね……!

    ◆

実散/南 玲子のお墓参りをしている途中で、真面目な話をしているたかひろくんといたるくんから離れて、2人で墓地から出て行った感じですかね〜。
KP/そうですね。では双子組のシーンはどうしますか?
草摩/胃がキリキリしてきた。
実散/なんで!? ハッピーエンドなんだからこれからみんなで飲むんだよ!?
格/しっかりして(笑)
天鴻/双子、頑張って!
KP/シーンの場所はどこにしようか? 相模原さんのお墓の前? それとも飲み会?
草摩/絵になるから教会に行きたい。
実散/あ、いたるくん! 俺達も飲みに誘ってくれるなら今から行くよ〜!
格/今夜は銀座の高いお店に連れて行かせるので、白南さんのお財布次第ですね。
天鴻/今日は格とサシで飲みたいな〜。
実散/それなら俺、銀座の良いワインセラーを知ってるよ! 日本一のワインセラーってとこ!
格/そこに行きましょう!(笑)
実散/いたるくんのラインにお店の情報を共有しておくね! 教えるからたかひろくんと2人で行っておいで〜!
格/情報ありがたく活用します!
天鴻/入れ知恵された! 値段を見てヒュッとなる(笑)
草摩/教会に行きます。
実散/良いお店だから楽しんできてね〜! 兄ちゃんが車を運転して、助手席でいたるくんにラインしてます! ねえねえ兄ちゃん、いたるくん達はこれから銀座に飲み行くんだって〜!
草摩/…………。教会に、着いた。
実散/うん。教会、もう勝手に入れるんだねー。兄ちゃん、話があるみたいだけど、何〜?
草摩/端的に言う。俺、みちるのこと、嫌いだった。
実散/…………。ええええええ!? ショックでござる!(笑)
草摩/他の奴に好感度を上げてもみちるにだけ上げなかったの、そういうこと。
天鴻/いま明かされる好感度システムの謎!?(一同笑)
草摩/色々と記憶が蘇ってくる中で、その感情が偽物だと気付いた。凄くメタなことを言うと……秘匿HOの読み間違いしてた。本当は「嫌い」じゃなくて「抵抗感」だった。それ気付いたの、今日の朝。
実散/そうなの!?(一同爆笑)
草摩/この3年間、むやみやたらに突き放して、ごめん。家族なんだから、一番の……重要参考人で犯罪者で、怨敵で、兄弟なんだから、腹割っておかなきゃいけなかったのに。
実散/はあ。で?
草摩/天鴻が、色々腹割って話してたから。俺もしなきゃって、南の墓から出て行くとき思ったから……話した。
実散/あはは。俺は的場さんを殺そうとした兄ちゃんに対して「いいぞー! そのままゴールしちゃえー!」って思ってた男だよ。今更何を言われても、驚きはするけど嫌いにならないよ。何を話されるかと思ったけど、いつも通りの兄ちゃんですっごく安心した!
草摩/俺は気落ちした顔でいる。
実散/……兄ちゃんは、殺してないよ。もう一度言っておくね。兄ちゃんは殺してない。だから兄ちゃんも安心して。
草摩/じゃあ俺も言う。みちるは殺してない。
実散/そっか、なら気持ちを切り替えよう! 2ヶ月謹慎でまた零課で仕事できるんだしね〜!
草摩/それと、もう一つ。
実散/もう一つ?
草摩/いつまでも笑っているな。墓参りの日ぐらい、俺の前、2人きりのときぐらい、俺の記憶がまだ改竄されてなければ3年前から見せてない涙、見せたっていい。好きな人を失ったなら余計に。見せてほしい。
実散/…………。

実散/……………………。

実散/貼り付けていた笑顔のまま、ボロッと涙を零して、声を上げて泣く。……兄ちゃん、そういうの、卑怯じゃない?




『 庭師は何を口遊む 』

END


→庭師セッション後の雑談から始まった『花園アフター』に続く

TRPGリプレイページ・トップページへ戻る