クトゥルフ神話TRPG・リプレイ
■ 『 庭師は何を口遊む 』 3ページ ■
2021年11月6日




 ◆事件現場:教会跡地

 早朝に現場を見た時と殆ど同様の状態だった。
 異なることとすれば、見張りをしている警察官だけが立っているという状態であること、またその分見晴らしがよくなっているということだ。


実散/見張り、お疲れ様でーす。ちょっと見させてもらいますね〜!
KP/(見張りになって)「お疲れ様です、どうぞ」
格/お疲れ様です!
実散/格くん、体調はもう大丈夫だよね?
格/ええ、もうすっかり!
実散/んじゃ、いつも通りシャッキリした目で頼むよ〜。色んなとこを見ます!

 ▼泉 立夏 遺体発見現場
 植物の蔦や、花弁が未だ残っている。
 天井や壁からそれらが伸びていた訳ではなく、本当に彼女の遺体から植物が生い茂っていたようで、建物などには苔程度しかこびりついていない。

KP/ここでは<聞き耳>、もしくは<幸運>を振ることができます。どうぞ。
実散/聞き耳やりますね。(ころころ)2で決定的成功! てってれー! 早速クリチケゲットかな!
KP/クリチケゲットか、もしくは次の判定を自動成功のどちらかを選んでいいですよ。
実散/あ、それなら判定免除の方でお願いします! クリチケお返し〜。
格/自分は幸運でいきます(ころころ)95で失敗。

 <聞き耳>、もしくは<幸運>→実散が成功。
 早朝の雑踏がなくなったおかげか、何処からか妙な風の音が聞こえてくる。
 窓や扉などからではなく、どうやら足元からのようだ。

実散/いやーんまいっちんぐ! スカートがぶわーってなるね!
KP/スカート履いてないでしょ(笑)
格/何をふざけていらっしゃるんです。……地下から風? 隠し通路? 調べましょう!

 ▼床
 一見すれば、誰も気が付かない様な些細な変化のように思う。教会の床に描かれた模様の一部と思えば確かにそうだろう。
 しかし、それは模様では無く窪みだった。指先で軽く土埃を払えば小さな鍵穴が見付かる。

格/実散さん、これ……!?
実散/小さな鍵穴だね。……持っていたアパート回収品を取り出す。
KP/<アイデア>が振れます。実散さんは自動成功です!
格/実散さんが鍵を持っていて良かった。(ころころ)83、成功。格もひらめきました。

 <アイデア>→実散、格が成功。
 この床の奥を知っているような奇妙な既視感を覚える。

格/んんー?
KP/<目星>を振ることもできますよ。どうぞ。
実散/(ころころ)35で成功。
格/(ころころ)38、失敗。

 <目星>→実散が成功。
 何かきらりと光るものが見付かる。泉が吊るされていた壁のひびの間にそれがあるようだ。
 手に取ってみれば、半透明の欠片のようだ。

実散/……またアレか。半透明な欠片を、格くんが分かるように指さした後、回収用の装備で気を付けながら回収します。

 ▼半透明の欠片
 半透明の欠片で、米粒程度の大きさしかない。
 中から何かが割れて出てきたように、真ん中で真っ二つに分かれている。

実散/まただよ。第六感で「中から何かが割れて出てきたよう」って考えちゃうのが、とても怖い。
格/……よし、鍵を差してみませんか。
実散/うん。床に差してみます。ガチャリンコ!

 ▼教会地下道
 床下の扉に小さな鍵を使うと、カチャリと鍵の開く音が聞こえた。
 開ければ奥は暗く、冷え切っていた。地下道になっているらしい。

KP/中はとても暗いです。技能補正でいうなら−30%くらいの真っ暗。
格/スマホのライトで照らして進むか。あ、その前に見張りの警官に声を掛けておきますね。地下道が見つかったので行ってきます! 2時間経っても戻らなければ応援呼んでくださーい!
KP/(見張りになって)「了解です」
実散/いたるくん、報告しておくの偉い! 偉すぎるからきのこの山の小分けパックあげる〜!
格/小分けパックなんてあるんですね、ありがとうございます。敬礼して地下にゴー!
KP/では光のない深い深い地下道を進んでいきます。<目星>−20%で振ることができます。
実散/(ころころ)72で失敗……暗闇のマイナス補正が泣ければ成功できたのに!
格/(ころころ)96で致命的失敗、わはははは!
KP/名坂さんは暗闇ということもあり、躓いて転んでしまう。HP−1。

【現在HP】
 格:11→10(1点減少)


格/いでっずべしゃああああぁぁ! なんてことだ、スマホの画面が!?
実散/なんか痛い音がしたねー!?(笑) 平気かー!? iPhoneが割れたかー!?
格/画面保護シートがバッキバキに……これ、ファンブルだし本体も割れてるかもですね(笑)
実散/でもいたるくんはしっかり者だしバックアップ取ってるだろ?
格/バックアップはしてありますし、なんなら所持品にもタブレットもあります。
実散/とてもえらい! いいこいいこ〜! 痛いの痛いの飛んでけ〜!
格/心の痛い痛いが飛んでいきました。
実散/……そんな会話してたら、なーんも気付かなかった!
KP/<目星>に失敗した二人は、突き当たりに両開きタイプの扉を見つけることはできた。二つのノブが頑丈なチェーンでぐるぐる巻きにされていると分かる。
実散/なんじゃこりゃあ? チェーンは取れるやつかな?
KP/チェーンは大型のチェーンカッターではないと切断できない。
格/STR8では鍵開け(物理)なんて出来そうにありませんね! 道具を持ってこないと。
実散/POWとAPPしか取り柄のない俺には無理な話だったか〜。
格/INTとAPPが取り柄の自分にも難しいですね〜!
天鴻/このチーム、顔が良い(笑)
実散/せっかくだから扉をスマホで撮っておきます、パシャリ! このチェーンを斬れるチェーンカッターを用意してもらお! 写真を撮って確認して終わり!


 ◆捜査本部

 殆どの刑事達が外に出てしまっているようだ。
 しかし的場はホワイトボードの前で静かに情報を整理している。彼の部下である神童の姿はない。


KP/<目星>振れます! どうぞ。
天鴻/(ころころ)24、成功。
草摩/(ころころ)96で致命的失敗。天鴻、俺が逝ってもたけのこの里を賞味期限までに食ってくれよな。
天鴻/よそ見しながらたけのこの里を食いつつ本部に入ったりするから!?(笑)
KP/草摩さんは、きょろきょろしながら歩いていたのかもしれない。デスクに躓いて転んでしまうだろう。HP−1。

【現在HP】
 草摩:12→11(1点減少)


草摩/ガッシャーン失礼しました。続けてくださいキリッ。
天鴻/お、お疲れ様です、的場さん……。

 <目星>→天鴻が成功。
 的場は、何か紙のようなものを懐に仕舞ったように思う。

天鴻/ん? 的場さん、なんかめぼしいものでも見つけました? ひょいと背中から覗き込む。
KP/(的場になって)「お、白南か。家族の写真だ……すまないが照れ臭くて見せられないぞ。別れた家族だからな」 てれてれしてる的場さんです。
天鴻/えっ、的場さん、バツイチなんすか!? ……別れても大事な家族なんだなあ。
KP/「神童は別行動中だ。調べたいことがあるらしい。俺はもう少し状況を整理してから神童と共に調査しようと思っている。あいつも何を一人で調べているんだろうな。何か知っているか?」
天鴻/あー、資料室で3年前の事件のこと確認してましたよ
KP/「資料室で? そうか、ありがとう。まあしかし、今日はもう遅いし……調査は明日かな」
天鴻/そうですね、鑑識からの結果が上がってこないと何とも……。3年前に続き、また知り合いが殺られた。是が非でも捕まえたいですね。
KP/「そうだな。『庭師』のやっていることは許せない。何としても掴まえなければならないが、まずは足取りから洗う必要があるだろうな」
天鴻/俺達と別れた後の泉さんの動向が分かれば良いですね。……もう少し、泉さんと一緒に居れば……宿泊先まで送っていればこんな事には……。ぎり、と拳を強く握る。
KP/「それはそうだが、起こってしまったことは変えられない。後悔よりも捜査を優先するべきだ」
天鴻/……はい、すいません。冷静になります
草摩/的場さん。的場さんは、帰るまでのアリバイ、立証できますか? あの飲み会にいた全員のアリバイを立証できると思いますか。
KP/「……それは、あの場にいたメンバーを疑っている、ということか?」
草摩/通り魔的犯行で偶然狙われたならともかく、仕事の中身を奪われたとなったら、どうしても直前まで一緒にいる人間を疑います。俺自身のアリバイ証明はできないのですが。……自分の行動に自信が無いので。
KP/「何を言っているんだ? 自分が犯人ではないと、他でもない自分が一番知っているだろう?」
草摩/自分達は容疑者です。そう扱っていいし、扱われて仕方ない。そしてそれは的場さん、貴方もです。容疑者の一人であるということで、すぐに結果を出した方がいい。
KP/「……そうか、分かった。解析班には早急に結果を出すよう言っておこう」 他に聞きたいことはありますか?
草摩/……写真を持ってたからって、「貴方は写真を抜き取る悪癖はありませんか?」なんて訊けないしな。
天鴻/あ、そうだ。前の庭師の事件の前後ぐらいに、死体安置所に出入りしてた人間に心当たりありません?
KP/「みんな刑事なんだから殺人事件があれば死体安置所に行くだろう。俺だって行くさ。事件があれば、死体から得られる情報を取りに死体安置所へ行く」
草摩/無難な回答だな……。
天鴻/事件資料を見直してたら、そういう記録を見付けたんですけど、ちょっと俺達には覚えがなくって。的場さんなら何か知ってるかなって思ったんですけど。
KP/「覚えがない? なんだ、働きづめだからか? あまり根を詰めるなよ。……死体安置所に出入りしてた人間、というと、そこの職員と一課や零課の刑事だろうな」 では、<目星>を振ることができます。
草摩/(ころころ)32。今度は成功できた。
天鴻/(ころころ)87、失敗。アイタッ、机に脚を引っかけた!(笑)

 <目星>→草摩が成功。
 帰り際、的場がタブレットケースを見詰めている姿が見える。
 中身は錠剤なのか何なのか解らないが、遠巻きに見て色が無い透明に近いもののように思える。

草摩/天鴻。……透明のアレ、目配せで伝えます。
天鴻/……的場さんも持ってる?
草摩/神童さんが押収したものと同じか。……鑑識で調べてもらっていたよな? 鑑識に行ってあれが何なのか訊きに行きます!
KP/二人は猪狩を探すが、彼の姿は見えない。
草摩/おや? 出かけてるのか。
天鴻/ちぇー、たけのこの里でも置いて帰りましょ。
草摩/ラブレターでも猪狩のデスクに置いて期待を膨らませてやるか。
天鴻/「猪狩くんへ♪ お話したい事があるので、あとで連絡ください♪」
草摩/「 イ ツ モ オ マ エ ヲ ミ テ イ ル ゾ 」 よし。
天鴻/急にホラーになるじゃん!?(笑)
KP/怖すぎんでしょ(笑)
実散/たけのこの里が置かれてなかったら誰か判らなくて泣いちゃうよ(笑)


 ■夜

 白い息を吐きながら捜査を続けていた面々。
 明日も早いとのことで、今晩は零課の仮眠室やソファを使って泊まることになった。


実散/みんなでお泊りだ〜♪
KP/夜では、一カ所だけ零課のオフィス以外の場所に行くことが出来る。夜の警察署内のみ単独行動が可能だ。KPはとても甘々なので、これまでのデータをあげちゃうよ。
実散/夜の警察署で捜査なんてドキドキだね! みんな1人でトイレに行けるのかな? えらい子〜。
格/実散さんは自分達のことを5歳児だと思っているのでは? 格はいぶかしんだ。
実散/実散は5歳と324ヶ月だからね!
格/永遠の5歳だったか……(笑) そうだ、失敗した鑑識課に行きたいです! セキュリティ班の応援に気を取られて失敗してましたからね。
実散/あと失敗した所と言えば……捜査資料室やオカルトかな?

 相談の結果、夜のパートの内訳は以下の通りとなった。
 捜査資料室→実散。
 鑑識課→天鴻。
 捜査本部→格、草摩。


KP/ではまず、捜査資料室から行きましょう。実散さ〜ん! <オカルト>でどうぞ!
実散/実散だよ〜♪ いくぞー! 唸れ親から貰ったオカルト辞典! お花のこと思い出そ〜!(ころころ)39…… 失敗おっしい!
天鴻/そこに載ってなければないですね(笑)
実散/残念。雑魚寝でゴロンします。
KP/では、続いて鑑識へ行きましょう! 白南さ〜ん!
天鴻/はいよー。猪狩、いるー? 居たら鷹の爪団のポーズしてー。
KP/相変わらず猪狩の姿はありません。他の職員も帰宅した様子。<目星>をどうぞ。
天鴻/あら、ご帰宅の早いことで。(ころころ)……84、失敗。
KP/惜しいね……。
天鴻/猪狩のデスクの上に置きっぱになってる、たけのこの里を食べて帰ります。
草摩/そして残されるラブレター。
実散/誰のものか判らなくなった「オマエヲミテイルゾ」。
天鴻/怖いからそれも処分して行こうね(笑) 猪狩のラインに「明日、暇ができたら話したいことあるから時間くれ」ってメッセージ送っておこ。
KP/最後に捜査本部。名坂さ〜ん、草摩さ〜ん!

 ▼捜査本部:夜
 未だ、数名の警察官が夜通し作業をしているようだ。
 これといって進捗は無いらしい。

KP/ここでは、<目星>を振ることができます。どうぞ。
草摩/(ころころ)93、失敗。
格/(ころころ)50、失敗。
KP/まじで?
草摩/自分、クリチケ1つを使って振り直したいです。
KP/了解です。消費して、振り直しをどうぞ!
草摩/いざとなったら誰か俺にクリチケを譲渡してください。(ころころ)42で成功。
KP/良かったー!

 <目星>→草摩が成功。
 報告書などの書類とは別に、床に何か古い紙が落ちているのに気が付く。
 『CLOUD MEMORY』と書かれたメモだ。全て英語で書かれている。

格/お、なんか見つかりました?
草摩/キャンユースピークイングリッシュ? 格尋ねながら拾い上げた紙を見せます。
格/イエスイエス! 強気に紙を見ました。
KP/<英語>か<知識1/2>を振ることができます。頑張れ!
格/(ころころ)47で失敗。自分の知らない英語でしたね。
草摩/(ころころ)22で成功。アイキャンリードイングリッシュ。

 <英語> or <知識1/2>→草摩が成功。
 『記憶を曇らせる』という何か呪文のようだとわかる。

天鴻/他人を曖昧モードにする呪文だ!?
格/これ、自分達にかけられてそうなやつですね!
草摩/……こんなものがどうしてここにあると思う?
格/使ったのでは?
草摩/……ここにいる人物が? 俺が世紀の大魔法使いなら思い出す魔法を自分達に使ってみせるのに。
格/自分も世紀の大魔法使いじゃないので残念です……。
KP/これで夜の情報収集は以上です。全員、零課に集合ですね。
実散/はーい! ごめーん、何の成果も得られませんでしたー!
天鴻/鑑識さん方、お帰り早くてなんも聞けなかったしなんも分かりませんでしたー。
格/こちらは見つけましたよ! 草摩さんが!
草摩/調査兵団、戻りました、英語の紙を見せてかくかくしかじかします。
実散/わあ、とってもふしぎ!
天鴻/記憶を曇らせる呪文……。まさに今の俺達の状態じゃないっすか。
実散/こんなのってあるんだね〜! 本部にあったってことは的場さんが使ったのかな? でも色んな人が出入りするから一概に言い切れないな〜。
格/でも……これのおかげで「身内が何かやらかしてる確定的証拠」を得たと思います。
天鴻/……ちょいちょい今日の発言を思い返してたんすけど、神童さんとかちょっと記憶が曖昧な発言してるんすよね。
格/そうなんですか?
実散/うん、そうだね。勘だけど、神童さんは大丈夫じゃないかな〜。
KP/ここで、<聞き耳>を振ってください。どうぞ。
天鴻/(ころころ)34で成功。
草摩/(ころころ)54で成功。
格/(ころころ)81、失敗。安眠のために耳栓をしたところでした。
実散/耳栓で睡眠をしっかり取ろうとしてるの偉い!(ころころ)51、成功。おーやすみー……おや?

 <聞き耳>→実散、天鴻、草摩が成功。
 外から言い争うような声が聞こえる。窓から外を確認できる。

天鴻/おや……?
草摩/そっと窓の外を覗く。
実散/なになに? ちょっといたるくん起きて〜! ……あれ、聞こえる?
格/みんなが窓を見たので耳栓を外しました。おやおや……?
KP/窓の下を見てみれば、署の出入り口で猪狩、的場、神童の3人が何か言い争っている姿が見える。
草摩/あの3人が?

 的場「神童……疲れているのなら、もう帰って休め。何を興奮しているんだ」
 神童「……ッ、的場さん……さっきの質問の答えを教えてください……それだけでいい」
 的場「俺が家族写真を持っていたらそんなに可笑しいか?」
 神童「……家族写真? 貴方、家族なんて……」


天鴻/んん?
草摩/……あのときの写真?

 猪狩「ど、どーしたの、神童ちゃんも的場ちゃんも〜! 神童ちゃん一緒に的場ちゃんの家族に会ったことあるじゃんー?」
 神童「……? な、んだ……?」
 的場「……はあ、やはり疲れているんだ神童。ゆっくり休め、な?」
 神童「……、……そう、でした……何で忘れて……? いや、……すみま、せんでした」


実散/…………。はあ。
格/うーん……?
天鴻/的場さんは……別れた家族の写真を持ってる、と昼間言っていたが……。

 神童も的場も、猪狩も酷く動揺している様子だったが、的場は気を取り直したかのように僅かに微笑み、神童の背を叩く。そして労うような言葉を伝えて、そのままその場を去っていってしまうだろう。
 神童と猪狩も一言二言何か話してから、各々その場を後にしたようだった。


KP/<アイデア>を振ることができます。どうぞ。
格/(ころころ)20、成功。
実散/(ころころ)95、失敗。
天鴻/(ころころ)11、成功。
草摩/(ころころ)39、成功。

 <アイデア>→格、天鴻、草摩が成功。
 そもそもあまり、そういった話をしたことが無いように思う。だが確か、恐らく、居たはずだ。よく思い出せない。

格/……あっ……。
草摩/格と天鴻に、あの紙を見せる。……あのとき的場さんは懐に入れた写真を、家族写真と言っていた。
天鴻/でもそれは、何かを誤魔化すためだったってことか……? そしてそれを誤魔化すために、例の呪文を使っている……?
実散/なんで? 家族写真なんて誤魔化すほどのこと?
格/自分達に見せてはまずい家族写真とは……?
天鴻/家族写真じゃない、ってことじゃね。
草摩/ペド写真や死体写真を持ち歩いている愛好家だったらたまらんな。
実散/ねえ。今から俺、的場さんに会ってきていい? 直接「写真見せて〜!」って言いに行けばいいよ。だって今のやり取り、怪しくて気になるじゃん。突撃して俺が記憶改竄されたら犯人って判明するし!
格/自分を実験体にしないでくださいよ!?
実散/「実散が犠牲になった! あいつが犯人だ!」って手っ取り早く分かってラクになるよ〜。
格/しんどくなるんですよ、ラクにはならないんです。
天鴻/そういう犠牲はいらねえんですよー!
草摩/…………。俺は、止めない。俺も「的場に突撃するか」って同じことを考えてたから。
KP/この双子は……(笑)
天鴻/アンタね、逆に俺が「ちょっと突撃隣の的場さんしてきますね! なんかあったらヨロシク!」って言ったらどうすんのよ?
実散/「いってらっしゃい。合言葉を決めておく?」って言うに決まってるだろ。チーフとして君の判断を尊重するさ。
天鴻/犠牲になろうって人はみんなそう言うんですー! 記憶の改竄で済めばいいけど、万が一……的場さんが庭師かあるいは犯人と繋がりのある人物で、帰ってこなかったらって、ちょっと想像してみ!?
格/「種」を植えられて帰ってくる可能性もありますよ!
実散/む〜。そしたらそれこそ犯人確定で進展するのに〜。夜なのにたかひろくんといたるくんは元気だな〜。
天鴻/はい、早くベッドに行きなさいよ! 実散さんとぎゃあぎゃあ言いながら減ったHPの手当をします!

 天鴻と草摩が<応急手当>をした結果、判定に成功した天鴻が格の回復を行なった。

【現在HP】
 格:10→11(1点増加)


格/あの。自分、皆さんに言いそびれてたことがあって。
実散/なーにー?
格/自分のデスクから写真出します。
草摩/笑ってはいけないデスク写真か。
天鴻/出川の写真とか出てきたらどうしよう。
格/南 玲子の写真です。俺の妹を出川扱いするな。
天鴻/ごめん。
格/きらい。
実散/率直!(笑) いたるくん、この写真を取った記憶は?
格/記憶は、無いです。これを見つけたとき、つい咄嗟に隠してしまって……。なんでしょうね、おれは。捜査資料からこんなもの取ったりりして。家族の写真が欲しかったのかな。
天鴻/お前、これ管理官とかに知られたらクッソ怒られるやつだぞ。
格/ナイショにしててください。
実散/後で俺がそれっぽいこと言っておくよ、やむを得ない事情を作るね〜。じゃ、とりあえずみんな今日は寝ようか。

実散/みんなに秘密で出て行って的場さんに会いに行くかなー

天鴻/一人で特攻かましたらSTR18で蹴り飛ばしますからね。
実散/……えへへ、本当に天鴻くんは夜まで元気だね〜。
天鴻/まったくもう。俺は出入り口の近くで寝る!
格/おやすみなさい。自分はソファで寝ます。
草摩/みんなが言い争っているうちに俺はベッドを取った。……おやすみ。

KP/秘密の行動をしたら蹴られそうだけど……
実散/は〜い、たかひろくんに釘刺されたので秘密裏に動かないことにしま〜す


 ■深夜

 本当に僅かな睡眠時間であったが、こうした生活を続けているあなた方にとってはまあまあ深い眠りが出来たというところだろう。
 もう少し眠ろうか、というところで、激しく零課の扉が開かれる。


天鴻/うっさ!?
実散/なんだなんだ〜?
KP/「ちょっとお! 聞いてよゼロ!」 猪狩があなた方を起こすように資料で顔や体を叩きながら、何かを喚いている。
天鴻/あっ、あれだけ探しても居なかった猪狩!
格/耳栓をしたまま寝てしまったな……(笑)
草摩/ハミガキをする時間をくれ。……猪狩、どうした?
KP/「『庭師』のこともあったし、白南ちゃんからラインもあったからさあ! 3年前のデータも引っ張り出して鑑識してみたんだよねえ!」
実散/お帰りになっても仕事してたの? 凄いね〜。
格/無賃労働、お疲れ様です!
草摩/ぼくにはとてもできない。
天鴻/サビ残やめろよ、人事が困っちゃうだろ(笑)
KP/「今回の遺伝子や細胞の変質も加味して調べ直してみたらさ、3年前の死体、なんかおかしいんだよなあ!」
実散/……なんかおかしい? 何が?
KP/「何がおかしいってさ、女性ってこと以外分からないってのは元々の見解なんだけど。あれ、涼ちゃんですらないかもなんだよね。というかほぼ90%別人でさぁ」
格/え。
天鴻/は?
実散/……あ?
草摩/…………。
KP/「でもさ、第一発見者はゼロじゃん? 見間違う訳ないし? 誰が涼ちゃんって言ったか知らないけど、これってどーいうことよ? とゆーか、何であそこで皆発見できたのさ? いー加減秘密はナシだぜ?」
格/…………。扉を閉めます。お茶を淹れます。
天鴻/え、いや、だってあれは相模原さんのって。
実散/間違いない。あれは、涼ちゃんだった。……と、俺は思った。あの死体を見て一番に「涼ちゃん」と名を呼んだのは俺だよ。それははっきりと覚えている。3年前のことで、ハッキリと。
KP/実散さん。

 一番初めに「相模原」と彼女を呼んだのは自分だ。それは間違いない。
 けれど何故そう呼んだのだろう。あれは彼女では無いと、そう告げられた瞬間に、あなたにある光景が蘇る。

 暗い場所を走っている。恋人と草摩を追って走っていた。
 その道の先で「相模原 涼」と草摩の悲痛な叫び声、そしてもう一人の影があった。
 草摩が泣き叫んでいる。謝っているようだ。その謝罪は相模原に向けられていた。
 暗がりで動き、かくりと首を傾けた彼女に無数の花や蔦が生い茂っていく。
 耳の端で「美しい」と言う興奮したような声が聞こえていた。

 そうだ。何故忘れていたのだろう。いや、何故思い出してしまったのだろう。
 ちらつく記憶の中で、彼女は吊るされていなかった。
 横たわっていたのだ。その額に穴を空けた状態で、ただ横たわっていた。
 ではあの吊るされた死体を見て、何故自分は彼女の名前を呼んだのだろう。
 SANc(1/1d3)


実散/(ころころ)53、成功

【現在SAN値】
 実散:90→89(1点減少)


天鴻/猪狩。実は……ここに居る全員、3年前の調査について覚えがねえんだわ。だからお前が持ってきた情報がかなり重要なの。
KP/「はあ!? 覚えてない!?」
格/あー、それ言っちゃいますかー。あはは。
天鴻/こいつは安全圏なの分かるし。こいつが犯人側だったら、わざわざ夜中に叩き起こしてこんな情報を持ってこないでしょ?
格/それはそう思います。白南さんの判断を信用しますよ。
草摩/信じる。
実散/実散は壁に頭をガンっと思いっきり強打します。
草摩/え!?
格/え……。
天鴻/実散さん!?
実散/「って、実散ちゃん?!」
草摩/おい、みちる……?
実散/あはは、俺、記憶が戻ったみたい。いや、これが本物なのか偽物なのか全然見当つかないんだけど。
格/……ふむ。分かりました。聞きます。
実散/ありのまま言うよ。……暗い場所で俺は涼ちゃんと兄ちゃんを追って、走ってるの。
草摩/え。
実散/涼ちゃんと兄ちゃんを追いかけた先に、もう一人誰かいて、兄ちゃんが泣いて謝ってて、涼ちゃんが花になって、誰のものか分かんないけど「美しい」って興奮した声が聞こえて、「額に穴を空けた状態で彼女が横たわっていた」。吊るされてない状態でね。以上。……なんで俺は吊るされた死体を見て「涼ちゃん」って思ったんだろうね?
天鴻/…………。
草摩/……俺、なんで追われてた?
実散/兄ちゃんも思い出してよ。俺が思い出せたんだし兄ちゃんもできるんじゃない?
草摩/え……?
KP/草摩さんは何も思い出せない。実散さんに何を言われても思い出せない。
天鴻/……吊るされた死体は、誰だったんだ? 最初の事件で吊るされていたのは、相模原 涼ではない……?
草摩/じゃあ、誰だ? ……南か?

格/3年前に発見された吊るされた死体は、ほぼ玲子なのではと思っているが、えっ? それをおれの口から言わせるんですか? いけず……(笑)

実散/なんやかんやあって、誰かが吊るす細工をしたのかな? という訳で、情報がひっくり返っちゃったね。教えてくれてありがと、幸くん♪
KP/「どういたしまして……なあ、大丈夫か? ぶつけたところ」
実散/大丈夫大丈夫! 跡になってないから〜! これはこれで進展があって良かったね♪

 朝陽が僅かに零れ入るような時間。窓から外を見れば、うっすらと霧がかっている。今日も寒いのだろう。
 そこに一つの無線が入る。


天鴻/って、無線?

「各部隊に通達。各部隊に通達。警視庁捜査一課 神童大輔 刑事が拳銃を所持したまま消息不明。繰り返す、警視庁捜査一課 神童大輔 刑事が拳銃を所持したまま消息不明」
「止めようとした警備員を殴打し怪我を負わせたとのこと」
「総員、これは緊急事態である。拳銃の所持を許可。これより神童大輔 容疑者の捜索にあたる様に。容疑者は銃を所持している」


格/…………な。
草摩/……え。
実散/神童さんが?
KP/このような無線が繰り返し流れている。実散さん、あなたにも個別に連絡が入り、零課も神童の捜索にあたることとなった。
天鴻/嘘だろ、なんで……?
草摩/昨日のアレで……? そんな……!
実散/だ、そうだ。みんな、捜索。
天鴻/っ、はい!
格/了解。
KP/聞いていた猪狩もついて行こうとする。神童と最後に会ったのが自分なので、何かと心配なようだ。
天鴻/猪狩、お前は残ってた方が良いんじゃ……。
KP/「俺も今回は行くかんね! 絶対!」
格/猪狩さん、自衛手段は?
KP/「手当てだってできるし、俺だって役に立つよ!」
格/鑑識課から猪狩さんが抜けたら大打撃です。ですから万が一のときは何より自分の身を守ってくださいね。
実散/また教会で吊るされたりしないでくれよ〜。
天鴻/……実散さん、そういう冗談は今言うもんじゃないっすよ。流石にちょっと怒り気味に言う。
実散/ごめんごめん! 朝から混乱してるから冗談を言っていいタイミングを見誤ってきたな〜。
天鴻/……とりあえず、拳銃を受け取りに行かないと。
格/拳銃を取りに行きましょう。
KP/さて、「拳銃の所持を許可」のとおり、拳銃保管庫へ行くことができます。

 各々が各々の名前のある拳銃と防弾チョッキを装着する。
 確かに「神童大輔」の場所には拳銃が無い。


KP/<目星>を振ることができます。どうぞ。
実散/(ころころ)28、成功。
格/(ころころ)65、失敗。
草摩/(ころころ)24、成功。
天鴻/(ころころ)5、決定的成功! やった〜、クリチケだ〜!
KP/クリティカルえらいね!

 <目星>→実散、天鴻、草摩が成功。
 更に気が付くのは、もう一丁拳銃が持ち出されていることだ。
 そこに名前は無い。元々はネームが入っていたのだろうが、剥がされているようだ。

実散/なんだこれー?
KP/成功した三人は<アイデア>を振ることができます。どうぞ。
天鴻/(ころころ)82、失敗。
草摩/(ころころ)94、失敗。
実散/(ころころ)48、成功。俺だけオッケーでした!

 <アイデア>→実散が成功。
 その場所は、元々「相模原 涼」の銃があった場所だ。

実散/涼ちゃんの場所? ……もし、あの死体が涼ちゃんじゃなかったというのが事実として、なら涼ちゃんは……生きてるのかな。
格/……期待しない方がいいかと。
天鴻/生きてたとしても、ならなんで姿を隠してるんだって疑問が生じるじゃないっすか。
KP/銃を手に取った、白南さん。

 震える手で銃を持った瞬間。あなたはあることを思い出す。
 自分が元々銃を得意としている人間であったことをだ。

 あの日、あなたは、名坂が「やめてくれ」「撃たないでくれ」と懇願する声を聴かず、ただ何発も彼女に対して発砲していた。
 名坂は「自分の妹なんだ」とも叫んでいた。
 けれど最早その妹はとっくに事切れていたのだ。
 何度体に弾を受けてもそれは倒れることは無かった。
 慟哭と絶叫が耳にこびりついて離れない。
 ようやく彼女の額に銃弾が撃ち込まれると、体は動かなくなり、その肢体から伸びる蔦によって徐々に彼女の体は吊るされていった。

 あなたは人を殺した事がある。しかも同僚の、とても大切な人を。
 SANc(1d3/1d6)


天鴻/あ、ああ……。(ころころ)SANチェック、60、失敗

 その刹那、ブツリ、という音が聞こえあなたは気を失ってしまう。
 目を覚ましてもあの死体は変わらずそこに吊るされている。
 けれど誰かが「相模原」と、それに告げた。
 「ああならば、あれは相模原なのだ」とあなたはそう思い込むことにした。
 「自分は相模原を撃っていない。ならば、違う誰かが彼女をああやって吊るしたのだ」と


天鴻/今の情緒は海老ぞりになったまま二つに折れそうです
KP/よしよし……背中を撫でようね……
天鴻/やだあ、格くんにどう接したらわかんないのおおおお
KP/うん……そうだよね……支えてくれてるしね……

【現在SAN値】
 天鴻:54→50(4点減少)


格/結構ガッツリSAN値が減ってませんか!?
草摩/な、何があったんだ……?
KP/そして、銃を持った実散さん。

 銃を持った瞬間。あなたはあることを思い出す。
 それは銃を撃ったときの感覚だ。その独特の振動と匂いをあなたは鮮明に思い出す。

 あなたは撃ったのだ。過去、人を殺すためにその銃を放った。
 愛する人を殺すために。

 その肉体が綻び、花が芽吹き切る前にと。
 泣き叫び謝り続けている草摩の声を聴きながら、あなたは相模原 涼を殺した。額に一発の弾丸を撃ち込んで。
 その死体が床に崩れ倒れる姿まで、あなたははっきりと思い出す。
 暗いその空間で、腹から血を流しながら彼女は事切れたのだ。
 SANc(1d3/1d6)


実散/……えへへ。(ころころ)SANチェック、53で成功

 その刹那、ブツリ、という音が聞こえ以降の記憶は残っていない。
 次に目が覚めたとき、あなたは教会の祭壇近くでしゃがんでいた。
 そこで吊るされていた別の女性の遺体を見て、あなたは咄嗟にこう思うことにした。
 「あれは相模原だ。彼女は『誰か』に殺されて『吊るされた』のだ」と


【現在SAN値】
 実散:88→87(1点減少)


天鴻/拳銃を受け取った時、身体が強張る。ガチャン、と手から滑り落ちたそれを、青い顔して拾う。
格/白南さん、危ないですよ!? しっかりしてください。
天鴻/……は、あ……。
格/いつもの全力タックルかましても平然としてそうな感じは何処へ行ったんですか? しっかり。
天鴻/……………。すまん、大丈夫だ
格/STR18で拳銃を握れますね? 大丈夫ですね?
実散/……えへへ。あーあ……。
草摩/……みちる? みちるも、大丈夫か?
実散/へーえ。たかひろくんは「思い出しても」大丈夫なんだ? 凄いねえ。
天鴻/大丈夫に見えてんだったら良かったですよ。
草摩/みちる。当たるな、やめろ、さっきから。
KP/ここは拳銃保管庫だからね、ここで共有はやめようね。保管庫の職員が怪訝そうにあなた達を見ています。
格/双子のことは双子に任せますというアイコンタクトを一方的にして、保管庫を出ます。ここにずっと居たら邪魔ですね! とりあえず出ましょう出ましょう!
KP/はい。では、署から出る手前で……暴行を受けたらしい警備員が座り込んでいるのが見える。
草摩/平気ですか? 声を掛けます。様子などを話してくれると助かります。
KP/「ああ……自分を殴ってきたのは、多分、神童刑事だと思う……頭を打ったせいなのか何なのか、記憶が曖昧で分からないが」
格/頭を打ったなら下手に動かさずに安静ですね。
KP/「確か、『あの場所』に、行かなくては……と、誰か、言っていたな」
草摩/あの場所。……教会か?
格/なるほど、教えていただいてありがとうございます。手がかりになります。
KP/「あんたらも気をつけてな……」
格/はい。……嫌な予感がします。急ぎましょう。
KP/教会に行く、ということでいいのかな?
格/教会……くらいしか、心当たりがないですもんね。
天鴻/足取りが重い、けど行くしかない。
実散/えーん、お外に出ても頭がゾワゾワするよ〜。
草摩/……やな天気だな、気分が滅入る。車を出します。