クトゥルフ神話TRPG・リプレイ
■ 『 庭師は何を口遊む 』 2ページ ■
2021年11月5日




 ◆捜査資料室

 資料室に向かうと、神童が書類を読みながら考え込んでいる姿が見える。
 3年前の事件のファイルを漁っているようだ。


実散/あ、神童さんだー! 神童さん、どうも〜!
KP/まず、<目星>をどうぞ。
実散/(ころころ)23、成功。
天鴻/(ころころ)69、成功。

 <目星>→ 実散、天鴻が成功。
 何かを仕舞ったように思う。ビニールに入った透明の錠剤のようだ。

実散/あれれ、何を隠したんですか神童さん〜? 茶化すように言ってアタックしに行きます!
天鴻/あ、こら!
KP/(神童になって)「……『庭師』が現れたのが3年前だからな。何かないかと思ってもう一回洗い直しをしているだけだ」
天鴻/そういや神童さんが的場さんの下に着いたのって2年半前でしたっけ? 3年前の庭師事件の時は直接関わってないんですか。
KP/「単独行動をして警部には悪いことをしているとは思うが、あの人もあの人で考えることがありそうだからな……俺はお前達よりも関わりが浅いので、解らないことが多くて」
天鴻/的場さんも世話焼きですからねー。
実散/警部頼れる人だからね〜。俺達ももう一度資料読み直さないとかな? いっぱい読んだけど無意識に飛ばしてるとことかありそうだし!
天鴻/変な言い方ですけど、当時の関係者じゃなかった神童さんから見ておかしな点とかあったら指摘してほしいです。
実散/ところで、さっきしまった錠剤って何ですか?
KP/「……ああ、これか」と言って出す。「何の薬なのかは分からないが、現場で見つけたんだ」
実散/現場からの押収品!? なんだろなんだろ?
天鴻/ちょっと見せてもらっても?
KP/「なんだ、お前達は知っているのか?」と言って渡してきます。<アイデア>をどうぞ。
天鴻/(ころころ)22、成功。
実散/(ころころ)失敗。フリスクかミンティアだと思いました!
格/スーっとするやつだ(笑)
草摩/小麦粉か何かでは?(笑)
KP/では、白南さんは今まで見たことがないものだと分かるでしょう。
天鴻/んー? なあにこれえ? 鑑識とか回しました?
KP/「これから猪狩に渡しに行くところだ。返してくれるとありがたいんだが……この一粒しか見つけられなくてな」 すまなさそうに言います。
天鴻/……透明な錠剤とか何なんだろ? 新手のヤクか?
実散/鑑識に見てもらわないとですね。……資料を見ていて、何か気になったところはありません? 何でもいいです!
KP/「資料を見直して、か。……カルト関係の書類は『ゼロ』が調べていたんじゃなかったか?」
天鴻/カルト? ……実散さん、カルトの事件なんて追ってましたっけ?
実散/記憶にございません。
KP/「いや、記憶違いかもしれないな……すまない。そろそろ猪狩のところに行ってくる……邪魔したな」
実散/あ、すみませーん。行ってらっしゃーい。神童さんを通します。
天鴻/俺達ももういっぺん3年前の事件を洗い直してみます。
KP/ここで資料を探す場合、<図書館>を成功させてください。
天鴻/(ころころ)10で成功。
実散/たかひろくんさすが!(ころころ)実散は失敗です。

 <図書館>→天鴻が成功。
 ふと目にとまるファイルがある。
 何度か手に取った筈なのだが、まるで初めて見たかのような感覚に襲われるのは何故なのだろうか。
 『庭師による猟奇殺人事件』、『人花教(じんかきょう)狂信者』という二種の書類が見付かる。

天鴻/実散さん! これ!
実散/「人花教」……なんじゃこりゃあ?

 ▼『庭師による猟奇殺人事件』
 3年前の日付、文責などが記載された上で、以下のように書かれている。
 ――相模原 涼刑事が発見されたのは早朝。教会跡地にて植物などで吊るされており、腹部には深い切り傷があった。死因は失血死である。
 尚、第一発見者は警視庁特殊犯罪捜査零課、花園班の総勢四名である。
 相模原の死体損傷は激しく、特に顔は判別できない程花や蔦で歪んでいたが、状況証拠からして、相模原涼本人であるとされた。
 死後五〜六時間経過しており、冬の気温だと言うのに細胞の崩壊が激しく、詳しいDNA調査などはされていない。
 当初、花園班は精神不安定な状態であり、すぐに話を聴くのは不可能であった。
 少々の時間を経た後、調書を取ったが、上記班の精神面は芳しくなく、また再度の取り調べが必要だと思われる。

 ▼『人花教狂信者』
 『庭師による猟奇殺人事件』の元、あるカルト教団が浮上。
 『人花教』という自然帰依、植物回帰を目的とした教団である。
 彼らの目的は、「人間の安らかな死」「自然のままの終わり」であり、死体を花で包む、もしくは死体を苗床に花を植えるという行為をしているようだった。
 教団員は皆、入団の儀式として首元に小さな穴を開け、そこに種を埋め込むようにと教えられていた。
 儀式自体は強制では無いようで、自身が「埋めたい」と思った種を選ぶまでは猶予を与えられるらしい。
 このカルト教団はかねてより薄暗い話題が多く、失踪者も多く出ていた。
 その失踪者の内の一人と接触し、よく表舞台に出ていた重要参考人が『南 玲子(みなみ れいこ)』である。
 彼女の住まいは『〇〇都〇〇区×××-×-×××』であるが、2XXX(3年前)より消息は不明である。
 彼女のアパートは調査が入ったが、驚くほど何も無く、彼女と共に消えてしまったカルト教団も現在捜査中である。

☆『南玲子のアパートの住所』を入手

天鴻/……実散さん。この情報を見るのは、初めて?
実散/うん。
天鴻/3年前の事件で、こんな重要な情報を、今の今まで見落としていた……?
実散/……このシーンで確信したことがある。俺達PCの記憶や行動は、あまりにも信用ならない。こりゃ神童さんも変な顔するよ、思いっきりカルトの言葉が入った資料がこんな近くに存在してるのに知らんふりするなんて、怪しまれるに決まってるじゃん!
天鴻/いや、もしかしたら俺達は事件の影響で精神不安定だったから敢えて情報を隠された可能性も……?
KP/実散さんと白南さんは<アイデア>をどうぞ。
実散/(ころころ)60、成功。
天鴻/(ころころ)27、成功。

 <アイデア>→実散、天鴻が成功。
 覚えていない。確かに取り調べは受けた記憶がある。
 しかしそれは一回きりだ。「再度の取り調べ」を受けたという記憶はないように思える。

KP/HO3の白南さんには、さらに情報があります。
天鴻/むむむ?

 SAN>→天鴻限定。
 『南 玲子』という名前に既視感を覚える。
 この名前は何故かずっと自分に纏わりついていて、まるで呪詛のように張り付いて離れないようなもののように思える。
 「玲子、玲子」と絶叫するように叫ばれ続けていた名前のように思う。
 誰の、声だったか。……そうだ、格の声だ。どうして忘れていたのだろう。同時に刺すような痛みと恐ろしさが背を撫でてくる。
 SANc(0/1)


天鴻/(ころころ)90、失敗。ワケワカランの舞!

【現在SAN値】
 天鴻:55→54(1点減少)


天鴻/捜査に必要だから班全体で3年前の捜査資料を共有するのは必須だ。けど、耳に残る格の声が気にかかる……これを彼に見せても良いのか。大混乱スマッシュブラザーズ
KP/落ち着いて(笑)

実散/情報を隠された? 事件関係者は現場から外されること多いし? にしたってさぁ! ねえ!? この資料、他の2人にも読んでもらお!
天鴻/……そうですね。俺達が知らなかったってことは2人も知らないでしょうし。
KP/ここではさらに振れる技能があります。まずは<目星>をどうぞ。
天鴻/お、何だなんだ?(ころころ)1でクリティカル!
KP/白南さん、クリチケをどうぞ!
実散/素敵な音がした!(ころころ)実散は60、普通の成功です。

 <目星>→実散、天鴻が成功。
 文章が敷き詰められたその書類に、不自然な開きが見付かる。
 そこには恐らく『南 玲子』という人物の顔写真が入っていたのだろう。ページを捲ってみても、他を探してみても、その写真は見付からない。

実散/顔が分からないでござる……?
天鴻/重要参考人の写真が無いとかさすがにありえないでしょ。……誰かに抜き取られた?
KP/さて、続いて<アイデア>をどうぞ。
天鴻/(ころころ)65、成功。成功しすぎて怖い(笑)
実散/たかひろくん冴えてるよー!(ころころ)82、失敗です。

 <アイデア>→天鴻が成功。
 調査資料に関して、署内のパソコンで一部閲覧できることに気が付く。
 しかし、閲覧レベルがあり、物によっては調べられない事も思い出すだろう。
 HO2には補正が付き、それ以外のPCは<コンピュータ>の半分で判定となる。

KP/パソコンに強い人じゃないと調べられないかも、と気付くだろう。
天鴻/そういや捜査資料の一部パソコンで見られるんだっけか。格、出番だぞー!
格/自分の出番ですね! シーン外から腕まくりしてます!(笑)
草摩/投げキッスなう。
実散/ハッ、この波動は兄ちゃんのキッス! 格くんが宇宙モードに入った気もする! あっちもあっちで何か情報が掴めたかな!?
天鴻/どんな波動だよ!?(笑) なんか明確な幻覚が見えるな……?
KP/最後に、<オカルト>を振ることができます。
実散/(ころころ)36で失敗。ちょっと波動のこと考えてたのでオカルトは無理でした。
天鴻/(ころころ)80で失敗。投げキッスに気を取られて分かりませんでした。
KP/さて、捜査資料室では<オカルト>以外の情報は全て出ましたね。これで午前の調査は終わりです。4人で情報共有する場所は、零課かな?
実散/合流! 共有! 見てー! 情報あげました!
格/零課でお昼ごはん食べながら資料を読みます。沈黙します。……ニコッ。
草摩/……あ? 資料を読みながら、声を出します。
実散/いたるくん、兄ちゃん。何か想うことございます?
格/その前に……ええと。3年前の時期、記憶の混濁は全員「ある」という認識で相違ありませんか?
実散/ある、です。
天鴻/理由は分からないが、何か引っかかるものがあるのは確かだな。
草摩/ああ。色々と覚えていないことが多い。……確かに取り調べは受けた記憶があるが。
格/記憶の混濁は自分も「ある」です。……『人花教』、これについて自分は調べたことが……。
草摩/俺、知ってる。南 玲子。
格/草摩さんと同時に言いかけて「えっ?」となります。
実散/ん!? 知ってる!? 二人とも、心当たりあるの!?
天鴻/ちょっと二人とも何か知ってんの!?
草摩/格、先にどうぞ。
格/では自分から。ええとですね、自分は以前このカルト教団について調べたことがある……筈なんです。
実散/「筈なんです」?
天鴻/はっきりと覚えてない……?
格/この教団の跡地は取り壊されていますが、花が残っていて、その美しい花から何故か死刑囚のDNAが発見されました。ですが死体は見つからなかったそうです。ふしぎですね。
実散/ふしぎだね。ふしぎだけど……人間のDNAが、花に?
天鴻/死体を養分にした花、ってことか? にしたって、花から人間のDNAが出るなんてことあるのか? おいおい、SFとかホラーじゃねえんだからさ!
格/……泉さんの死体から見つかった花粉、人間の細胞に似た組織があるとかないとか。さきほど猪狩さんがおっしゃってました。
草摩/ああ、猪狩はそう言っていた。……人間が花になる。そうなると、一連の筋が通ってくる。
格/猪狩さんが調べている花粉はあの猪狩さんでも正体が分からないそうで。カルト教団に関して調べていたつもりですが、自分の記憶が不確からしいことが明らかになった以上、信憑性は保証しかねます。……それで、草摩さんはこの重要参考人をご存知だと?
草摩/知ってる。南 玲子は知り合いだ。さっきラインもした。
格/さっきラインもした!?
実散/ご連絡してたの!? 重要参考人とライン交換してる仲!?
草摩/スマホをさっきいじってたのは南に連絡してたからだ。
格/あ、確かにいじってましたね……。
天鴻/草摩さんは知り合いなんですか!?
草摩/ああ。さっき連絡を送ってみたんだが、まだ既読はついてない。スマホの画面を見せます。

格/玲子ちゃんのアイコンをチェックします。顔写真じゃないのかな
KP/お花のアイコンだよ
格/かわいい! 何のお花ですか
KP/特に決まってないよ……ごめんね……
格/かわいいチューリップかなと思いました
KP/いいですね、チューリップ! 採用

実散/普通に連絡を取り合う仲って……めっちゃ知り合いじゃん。
草摩/俺は昔、植物研究サークルにいた。自分で育てた花や種を売っていたことがある。そのサークルで熱心に花について勉強をしていた女が、彼女、南 玲子だ。
格/……この3年、会って話したことはありませんか? 失踪は3年前からだそうですが。
草摩/顔は知ってるしこうやって連絡を取ろうと思えばできる距離だったが、最近は会ってない。南は花のことに詳しいかもと思って連絡を取ってみたんだが……。
天鴻/草摩さんのスマホに南 玲子の写真が残ってたりは?
草摩/KP、南の写真はあります? サークルメンバーの集合写真とかは?
KP/写真はありません。ラインのアイコンもチューリップなので。
実散/かわいい(笑)
草摩/俺のラインのアイコンは花でも草でもなくアイルーです。
天鴻/草摩さんは猫派か〜(笑)
草摩/相手の顔は覚えていていいですか? 覚えているならどんな女だったかみんなに説明して情報共有しておきたいです。もしくは俺の天才的ジーニアスイラストレーション(美術1)で似顔絵を描く。
実散/美術1で情報攪乱させるな。
格/似顔絵係に頼んだ方がいいのでは?(笑)
KP/では草摩さんはちゃんと説明できたか、<日本語>をお願いします。
草摩/日本語……母国語で判定か。(ころころ)70でぴったり成功。
実散/1たりてる!(笑)
天鴻/成功した! きっと絵を描こうとした草摩さんをみんなで止めたんだな(笑)
草摩/アイルーを描こうとするとショゴスになる俺の画力を披露できないなんて。
格/芸術的ですね! でも似顔絵でみんなのSAN値を削らないでください!(一同爆笑)
実散/しっかり色を使って人間を描いて!(笑)
天鴻/草摩さん、1本で色んな色が出てくるレインボーペンとか好きそう(笑)
草摩/好き。ショゴスの絵はみちるにあげます。
実散/わーいアリガトー! 好感度+1。正気度−10。
格/実散さんの正気度が!?(一同笑)
KP/どこにでもいそうな黒髪の女性であるため、情報共有は難しいと説明しながら思ったことでしょう。『人花教』の資料を見たなら<オカルト>を振ることができますよ。
草摩/黒髪だと言いながらピンクのラインマーカーで髪を塗り始めます。(ころころ)16で失敗。レインボーペンに夢中だったので……。
格/(ころころ)ぐう、50で失敗。
実散/またこっちも挑戦する!(ころころ)92、失敗。
天鴻/(ころころ)20で失敗。花園班、あまりにもオカルトへの興味が薄い(笑) ……紛失した写真がどっかで見つけらればな。南 玲子の家に行ってみるしかないかね?
草摩/住所が分かったならそれもありだ。天鴻に2枚目の絵をあげる。
天鴻/お気持ちだけいただきますね。
実散/兄ちゃんお絵かきブームになってるよ(笑)
KP/では次は、午後1の探索……より先に、零課について説明をしておきましょう。

 それぞれのデスクと仮眠室が設置された程々に大きなオフィスとなっている。
 自身で何か調べものをする際は、自分のパソコンを利用してもいいだろう。
 パソコンで警察内部の情報を調査する場合、閲覧レベルに達していないものの資料に関しては「普通ならば」調べることは出来ない。誰にも悟られず情報を閲覧するには、それなりの技術が必要になる。
※「各自のデスク」、「各自のパソコン」、「零課の資料保管室」が探索可能。

格/パソコンで内部情報を抜きたいです。自分はこちらに残りますね。
草摩/自分は南の知り合いだし、南のアパートに向かいます。みちる、車を出せ。お前が運転しろ。
実散/俺が兄ちゃんの面倒を見るね! このままデスクでショゴスのイラストを増やされても困るし(笑) いたるくん、内部の作業を任せていい?
格/はい! お任せください、実散さん。
草摩/リクエストがあれば何でも描くぞ?
天鴻/いいえ、私は遠慮しておきます(笑)

 相談の結果、午後1のパートの内訳は以下の通りとなった。
 南 玲子のアパートの住所→実散、草摩。
 零課→格、天鴻。



 ◆零課

格/自分はパソコンで調査資料を調べますよ!
天鴻/格のパソコン調べものを横目で見つつ、自分のデスクを調べまーす。
KP/了解です。まずは白南さんから……。

 ▼HO3:白南 天鴻のデスクの中身
 机の書類を整理してみると、ころりと何かが転がる。薬莢(やっきょう)のようだ。
 ※弾は警察指定の拳銃のもの。天鴻は記憶にない


天鴻/ヒュッ!? ……転がり出てきた薬莢は微かに震える手で摘まんで、またデスクの中にしまいます

KP/名坂さん、<コンピュータ>でお願いします
格/はーい。(ころころ)85ぴったり成功。怖……!(笑)

・『南玲子の顔写真』
 画像が数枚出てくる。その内の一枚を拡大すれば、こちらをしっかりと見つめる物静かそうな女性がそこには映っていた。

・『死刑囚02417・02927その他NOの特別執行について』
 通常、死刑執行は複数人の目がある中で行われるが、例外が数人上がっているらしい。
 自身が調べた死刑囚の名前もある。この人々はいったいどこに消えたのか。

・『死体安置所の立ち入り記録』
 何人かの警察関係者の名前を見つけるが、頻繁に名前が挙がっているのは猪狩、神童、的場、そして『ゼロ』の面々のようだ。

KP/さて、名坂さんは南さんの写真を見たね?
格/見ました。

 SAN>→格限定。
 格は、この顔に覚えがある。本当に微かな類似点でしかないが、あなたは直感することだろう。
 これは、自分の妹だ。
 ずっと探していた妹の情報が目の前にある。しかも「重要参考人」として……。生き別れた妹はその異常なカルト教団に属している可能性が高いようだ。
 SANc(0/1)


格/(ころころ)……19、成功! 良かった! 良くないよ!? どうして「南」なんていう苗字に……
KP/名坂さん、自分のデスクを見ますか
格/……み、見ます

 ▼HO2:名坂 格のデスクの中身
 引き出しの奥から、誰かの写真が見付かる。
 女性のようで裏を見れば『人花教 カルト教団重要参考人/南 玲子』と書かれている


格/はわ……
KP/書類で欠落していた写真はこれだ。自分が隠し持っていたのだ、と分かります

天鴻/……自分のデスクには……特に捜査の進展に繋がるような物はなかったな。
格/……白南さん、白南さん。
天鴻/うん? なんか分かったか?
格/『南 玲子の顔写真』、画像ありました。
天鴻/本当か!?
実散/すごーい!
草摩/助手席で描いてた新作の南 玲子を破く。
天鴻/お兄ちゃん、レインボーペンは没収したでしょ!?(笑)
KP/名坂さんと白南さんは、<アイデア>をどうぞ。
格&天鴻/(ころころ)成功。

 <アイデア>→格、天鴻が成功。
 何かの、いや、誰かの調査の為に安置所に向かったような記憶がある。
 しかし、うまく思い出せない。

天鴻/……死体安置所なんて出入りした覚え、ねえぞ。
格/自分もですよ!
天鴻/でも、ここには記録が残ってる。記憶じゃない、記録だ。
格/記憶と記録、どちらを信じるべきか。自分は記録だと思います。
天鴻/猪狩か神童さんか的場さんにも話を聞いてみるか?
格/……そうですね、断定するのはそれからでも遅くありません。ですが、これ、ハッキング情報なので……。
天鴻/……猪狩は大丈夫だろ、そういうの聞いても。むしろテンション上がりそうだ。「自分達の行動記録を遡ってたら二人の名前も見付けたんですけど、お二人もその時期に何か調べてたんですか?」ぐらいの訊き方でいこう。……ちなみに、自分のデスクの中には何があった?
格/目ぼしいものは何も。
天鴻/そっか。

格/なぜ、自分が、この写真を持っていたのだろう。記憶が欠けていることに確信を持つ。そして……白南さんのことはなんとなく快く思っていないので、つい伏せてしまった

格/チョコはありましたよ。
実散/チョコ!
草摩/チョコ!
KP/双子がハモった(笑)
天鴻/お、いいな。おやつにしようぜ。……実散さんと草摩さんのデスクは勝手に手ぇつけらんないしなー。
実散/俺のデスクにあるきのこの山なら食べていいよ!
草摩/俺のデスクにあるたけのこなら食べていいよ。
実散/あん? なんだぁてめぇ。
格/きのこ派とたけのこ派の対立がここで!?(笑)
天鴻/双子で争うのはアステカの儀式だけにしてくれる?(笑) デスク回りで調べるものが無いなら、今度は資料室に行きたいな。

 資料保管室には今まで調べていた資料などが並べられてあるが、常に使っているため、そこまで珍しいものがあるようには感じられない。
 けれど、どこか頭の奥で何かが引っかかっているような感覚を覚えるだろう。


KP/資料保管室に来ました。<目星>を振ることができます。
格/(ころころ)67、失敗。
天鴻/いつも使ってる資料室なんだけどなあ……(ころころ)51、成功。

 <目星>→天鴻が成功。
 資料の並びが狂っている書棚がある。
 気になり、そこを調べてみれば、奥には小さな金庫が隠されていた。どうにも記憶には無い。パスワードは4桁の数字のようだ。

天鴻/バイオハザードで見た!(笑) 格さんや、何か見覚えのない金庫を見付けたのじゃ。パスワード知ってる? 俺は知らない。
格/自分も見覚えありませんね!
天鴻/適当に入れてパスワードロックかかったら嫌だしな。つうか、誰だろうな、これ置いたの? 俺も格も覚えが無いってことは、双子のどっちかか、もしくは相模原さんか?
格/……自分達だったりして?
天鴻/それ〜。自分の記憶に自信が無いから有り得る〜。
格/ね〜。大問題ですよ、事件の捜査官の記憶が不確かって〜。
天鴻/けどさ、それなら自分のデスク調べたときにパスワードのヒントぐらい出てくると思うのよ。俺はこういうパスワードは絶対忘れたりごっちゃになるからメモるもん。
格/なるほど! でもそれでいくと、設置したのが自分だった場合はメモを残していない可能性がありますよ。
天鴻/お〜も〜い〜だ〜せ〜! 格の頭をシェイクする。
格/ちょっと、やめ、やめてください! パーワーハーラー!(笑) ……鍵開け(物理)をするにも、無理ですね。見てください、この力こぶ。無いでしょう?
天鴻/え、格、腕ほっそ。STR18の力こぶ見る? ムキッ。
格/いかにも頭脳労働担当ですみたいな顔した眼鏡のメカニックにSTRがある訳ないんだよなあ。
天鴻/隠れマッチョのメカニックだっているかもしれんじゃん!
格/もうチョコあげません。
天鴻/ぴえん(笑) ……双子に金庫のことを教えて、自分のデスクを確認してもらおうか。
格/お二人が帰ってきたらそうしましょう。
天鴻/了解〜。したら双子にラインだけ送っっとこ。……なあ、格。
格/はい?
天鴻/南 玲子の名前に、お前は覚えは無いのか?
格/ありませんね……。小学校の同級生にだって、南さんという方はいませんでした。
天鴻/そっか、なら良いんだ。
格/どうかしたんですか? ……何か心配ごとでも?
天鴻/ああ、ほら、草摩さんがまさかの繋がりだったからさ。忘れてただけで、実は知ってる人だったってパターンもあるのかなって思っただけ。悪いな、変に勘ぐったりして。
格/……そういうことでしたら、記憶が元に戻るまでは何とも言えませんね。
天鴻/そうだな。……そうだよな。変な話して悪かったな
格/人間の記憶はストレスの負荷が高いものをころっと忘れたりしますから。信用できませんね、自分が……。
天鴻/ほんと、何より自分が信用なんねえわ。
格/いえ。お互い、早く記憶に確信が持てるようになるといいですね……本当に。
天鴻/その分、皆のこと信頼してっからな。
格/……人たらしだな……。無言でチョコを食います。

格/「名前」には覚えがないから嘘ついてない。……なんで俺はこの人のことを好きなままでいられなかったんだろうか、寂しい


 ◆南玲子のアパート

 そこは質素なアパートだった。前もって得ていた情報のとおり、警察が調べきった部屋なのだろう。
 というより、驚くほど調べられる場所が無い。引き出しを開けようとも、押入れを覗こうにも、物がないのだ。
 あるとすればベランダで枯れ果てた花と大きな植木鉢程度。彼女が此処で暮らしていたかどうかすら怪しい場所だ。


実散/到着〜。わー、綺麗なアパート〜! 中身もサッパリ綺麗になっちゃってるね。
草摩/誰か来た痕跡は、警察以外無いか。……それでも何か痕跡は無いか探す。
KP/ここで調べられるのは、植木鉢かな。

 ▼植木鉢
 枯れた花を引き抜き、土を掘っていくと、ビニールでぐるぐるにパッキングされた何かが現れる。
 それを破って中身を出してみると、手帳と、小さな鍵が入っていた。

実散/おわ!? 兄ちゃん! 早速発見したよ!
草摩/手帳と……鍵?
実散/手帳と! 鍵だよ! 手帳を読もう!
草摩/用心して確かめます。

 ▼手帳
 彼女の手帳のようだ。
 最初こそ整然と書かれていた日記だが、最後に記載されているのは人花教の教えか何かだろうか。

・〇月〇日
 兄は見付からない。
 何処に行ってしまったんだろう。
 ずっと探しているのに。何処にも見つからない。

・〇月〇日
 教会の人々が、兄は死んだと言ってきた。
 花になったのだと言った。
 とても綺麗な花を渡してくれた……。
 本当に兄はこうなってしまったの?
 何て……綺麗なんだろう。

・〇月〇日
 植物について研究しているという刑事に出会う。
 興味本位で「例の種」を渡した。
 珍しいといって喜んで持ち帰ってくれた。

・〇月×日
 数か月後になって、あの刑事が種を渡してきた。
 半透明で美しい種だった。
 「一つは同僚の女性にあげた」などと言って笑っていた。
 私に埋める種はこれにしよう。とても美しい。

------
 嗚呼、我らが祖にして、麗しき花ヴルトゥーム。
 その甘き香りの前では誰もが魅了され、その美しさの前では全てが平伏すだろう。
 我らが意志もその下に、御身の御心のままに。

 彼岸で咲く一輪の花となり、未来永劫あなたに仕えよう。
-----

KP/<オカルト>を振ることができます。どうぞ。
実散/そっかぁ〜、ヴルトゥームか〜!(ころころ)85で失敗。
草摩/兄を探していた、例の種、刑事、同僚の女性……?(ころころ)33で失敗。
KP/分からないですね……何も思い当たらない。鍵を見ますか?
実散/見ます!

 ▼小さな鍵
 何かの鍵なのだろう。小さく花の文様が入っている。
 鍵と一緒に何かきらりと光るものが落ちた。

 ▼半透明の欠片
 きらりと光るものは半透明の欠片で、米粒程度の大きさしかない。
 中から何かが割れて出てきたように、真ん中で真っ二つに分かれている。

実散/「中から何かが割れて出てきたように、真ん中で真っ二つに分かれている」……? この日記に出てくる「あの刑事」って、誰のことかな?
草摩/…………。
実散/「一つは同僚の女性にあげた」って書いてあるけど、もしかしてこれって、涼ちゃんのことかな……?
草摩/……植物について研究しているという……刑事……。
KP/草摩さんは<博物学>で調べることができます。
草摩/(ころころ)29、成功。

 博物学>→草摩が成功。
 それが、実際何なのかきっと誰にも解らない。けれど、あなたにはそれが何であるか手に取るようにわかる。
 これは植物の種だ。
 どの文献にも、どの資料にもそれが何の植物の種であるかなどわかる訳もないのだ。
 なんせこれは自分で生み出した種なのだから。

 昔あなたは植物研究サークルに所属し、そこで南 玲子に複数の不思議な種を渡された。
 見たことも無い種にあなたは魅了され、好奇心から熱心に研究を始める。
 奇妙で不気味なことだが、この種がよく育つ姿を見せたのは人の血を垂らしたときだった。
 研究に熱中していたあなたは、それも些細なことと気にしなかった。
 そこで偶然にも品種改良に成功した。
 その種の見た目が半透明でとても美しかったため、お礼として二人の女性に渡したのだ。
 一人は南 玲子。
 もう一人は、3年前に植物に塗れて死んだ相模原 涼だ。
 彼女の死体の姿と閉じていた記憶から、あなたは酷い恐怖心を覚える。


 あなたは元々、花を愛していた人間だ。
 SANc(1d3/1d6)


草摩/(ころころ)87、失敗

【現在SAN値】
 草摩:60→58(2点減少)


実散/……兄ちゃんの方を見るよ。何か、分かることでもあった?
草摩/無言になります。深刻そうにSAN値が減った顔で、無言で、欠片を見つめています。
実散/話せる? 兄ちゃんが何も話せないなら、俺から話したいことを言ってもいい?
草摩/……先、話してくれ。
実散/兄ちゃん。犯人である『庭師』は、警察署内関係者の誰かである可能性が高い。
草摩/……まじか?
実散/俺の予想だけどね。理由は……涼ちゃんだって、刑事さんだよ? 普通の人に劣る筈が無い。それに涼ちゃんは凄く警戒心が強い子だった。そんな子が不覚を取る相手は身内じゃないかと思うんだ。
草摩/…………。そんなことを話して、俺が犯人である可能性は考えないのか。
実散/双子だから許してるというのが正直なところだけど、「わざわざ参考人の部屋に来て情報収集して青い顔してる人」が犯人とは思えないよ。
草摩/…………。
実散/はー、ようやっと秘密が話せた! 暴露タイム終わり! 兄ちゃんは何か暴露できる? まだ話せないって言うなら俺のとっておきの秘密も話しちゃうけど?
草摩/……………………。とっておきの秘密、話したら……俺も、話してやる。
実散/なに深刻そうな顔してんのさ。じゃあ話すよ? とっておきの秘密。
KP/正座。
格/姿勢を正す(笑)
天鴻/胸を押さえている(笑)
実散/俺、涼ちゃんのこと好きだったよ。
草摩/……えっ!?
実散/俺は涼ちゃんを愛してたし、それなりに愛されてるなぁって思ってたよ。プロポーズだって少しは考えてた。
草摩/プロポーズ!?
KP/まじか!
天鴻/KPがうろたえておる!(笑)
実散/そこまで驚くほどじゃないでしょ(笑) 兄ちゃんだって女性の知り合いの影があったじゃん。
草摩/いや、俺は南とそういう仲じゃなかったし……。ですよね、KP?
KP/はい。そういう仲では無いです。
実散/愛した人をあんな目にされて、色々探っていたんだよ。そんな愛に深い弟が、緊張感をもって全員を警戒してるって分かってくれた? はい、双子の兄ちゃんも似たように暴露させてみて!
草摩/………………。
天鴻/……お兄ちゃん、多分「とっておきの秘密ってそっち!?」って思ってるんじゃないかな。知らんけど(笑)
格/がんばぇー!(笑)
草摩/セルフSANチェックしていいですか。(ころころ)SAN58のところ、58でぴったり成功。
実散/いきなり何!?(笑) しかもギリギリ成功じゃん兄ちゃん!?
KP/減少値は……お好きに設定していただいて構いません。
草摩/1d100減少でもいいですか?
KP/成功してその数値!?(一同笑)
草摩/(1d100ころころ)44ぐらいSANが減る音がしました。
実散/死ぬわッ!?(笑)
KP/じ、じゃあ、4だけ減らすとか……?
草摩/ではそれで。…………俺は……俺が、一連の事件の、犯人かもしれない。
実散/ほわ?
天鴻/いきなりサスペンス!?(笑)

【現在SAN値】
 草摩:58→54(4点減少)


草摩/俺は、研究していた。植物の。
実散/うん。
草摩/南から、複数の不思議な種を渡された。人の血を垂らして、品種改良した。その種を二人に、渡した。玲子と、涼に……。
実散/…………。
草摩/俺があの花を作ったんだ。俺があの花を作って、2人に渡して、だから、俺が……2人を殺したようなもので……涼を好きだったっていうお前にとって、俺は……。
実散/今朝、立夏ちゃんの首を刺したの、兄ちゃんなの?
草摩/……いや、それは判らない。
実散/立夏ちゃんのスマートフォンとパソコンのデータを抜いた覚えはあるのかな?
草摩/……無い、ですよね?
KP/ええ、草摩さんにはそんな記憶はありません。
実散/兄ちゃん、発想が飛躍してない? 花がヤバイ代物だって話の流れで分かるけど、兄ちゃんがハッとしたのは「自分が品種改良したこと」と「種の出所が南 玲子さん」ってだけだろ? それだけで「兄ちゃんが犯人」? 違う、とは言い切れないけど、ちょっと馬鹿。
草摩/…………。
実散/兄ちゃん、その話をたかひろくん達にもするつもりだった? 落ち着きな。……外に出て良い空気を吸おう。人間も光合成は大事だよ。助手席で話をまとめてみんなに話しな。
草摩/…………。話、考える。助手席で。……しっかり思い出したこと、天鴻と格にも話す。
実散/それがいい。俺の前で暴れたんだから、2人の前では格好つけた兄ちゃんでいられるね? えらいえらい。しっかり話考えて2人に会うんだよ。
草摩/……うん。
実散/手を引っ張って、諸々を回収してアパートから出ます。
KP/では零課で集合しましょう。みんないるよ。
天鴻/おっかえりー。……って、草摩さん。顔色が悪いけど、どうしたの?
格/え、何かあったんですか?
実散/ほらほら、兄ちゃん。涙を拭いて。
天鴻/実散さん、泣かしたんです?(笑)
実散/うふふ、ノーコメント!
草摩/……全部の報告が終わったら、俺の話をさせてくれ。まずは調査報告を頼む。
天鴻/は、はい。格、捜査資料の検索の結果をよろしく。
格/分かりました。見つかりましたよ、重要参考人の顔写真データ! 他にも諸々! まずパソコンの検索結果をぺらぺら喋ります。
実散/すごーい! 参考人の写真だー! ピンクのラインマーカーで描いた髪じゃない! 日本人だ!(笑)
天鴻/気になる部分といえば、死刑囚の件。それと死体安置所に出入りしてた零課について……つまり俺達について、ですね。
実散/先回りして言っておくね。俺は記憶にございません。
草摩/……右に同じ。
格/ですよねー。確認の際は慎重にお願いしますね! セキュリティをアレしたことがバレて減給にならないように。
実散/うんうん。……俺は身内犯を疑っているので一応は釘差しますね。的場さん、神童くん、幸くんに確認を取るのは慎重になった方がいいと思う。
天鴻/身内の犯行を疑う理由は気になるんですけど、それ聞く前にもう一つ。資料室で開かない金庫を見付けまして。
実散/金庫?
格/パスワードつきなんです。4桁の数字に心当たりは?
草摩/……特に無いな。
実散/お手上げポーズ。
格/一応デスクにメモが残っていたりしないか、確認しておいていただけると助かります。
実散/きのこの山のデスクを探す!
草摩/たけのこのデスクで探す
実散/あん? なんだぁてめぇ。
格/戦争の火種を感じる(笑)
天鴻/醜い争いのもとはここで断ち切る! きのこたけのこ両方掴み食い!(笑)
KP/では、実散さんはデスクを調べますか?

 ▼HO1:花園 実散のデスクの中身
 『ゼロ』結成当時の写真が飾られている。
 その裏には、何故か「押し花が散りばめられた栞」が貼り付けられている


KP/実散さん、<目星>を振ることができます
実散/目星ふりますね!(ころころ)83で失敗……
KP/……これは、ぜひ成功してほしい……
実散/……よーし。みんなで目星しちゃう流れにしちゃおー
KP/全員に調べさせるってこと!?(笑)

実散/あっ! 写真だー!
格/……へっ?
天鴻/写真?
実散/見て見て〜! 『ゼロ』結成当時の写真だよ〜!
天鴻/うわ、懐かしいな。
格/なんと懐かしいものを……。
実散/……あれ〜? 写真の裏に……押し花が散りばめられた栞がある? こんなのあったんだ……。
格/花の栞?
KP/この栞を見た方々、<目星>を振ることができます。
格/(ころころ)91、失敗。目を細くして栞を見ています。
天鴻/(ころころ)32、成功。
草摩/俺も見よう。(ころころ)74、成功。
実散/えらぴ! ……というかこのデスクを開いて何かが出てくるの、『笑ってはいけない』のデスクネタにしか思えないよ(笑)

 <目星>→天鴻、草摩が成功。
 僅かに血痕が付着している。栞には0229と書かれているようだ。

草摩/0229?
格/これは、よもやよもやでは!?
天鴻/4桁の数字かいてあるやないか! よもやよもやだな!?(笑)
実散/うまいうまい! 情報うまい!(笑)
草摩/聞いてください、『炎』(一同爆笑)
実散/なんだろこれ。誕生日とか? だとしたら、誰かがうるう年生まれってことになるけど……誰か知ってるー?
KP/実散さん、あのね……。

 実散はこれが『相模原 涼』のものだとわかる。
 2月29日は二人が付き合うことになった記念の日だ


実散/えー!? そういうことするー!? はー!? これー!?
格/凄く何かを思い出したようなお顔ですね(笑)
天鴻/なんか思い当たることあった!? さあ、吐いてもらおうか! デスクライトぺかっ!
実散/いや〜、これは、涼ちゃんの大事な数字ですね〜! つまり金庫は涼ちゃん関係なのかな〜? ちなみに涼ちゃんの誕生日ではないですね〜!
草摩/誕生日ではない大事な数字……? 体重とか?
KP/体重229キロ!?(笑)
格/可変の数字にはしないでしょう(笑)
実散/……彼女が、恋人とお付き合いした記念日です……。
格/え!? 恋人!? 大声で言います。
天鴻/へー、そうなんだー。なんでそれを実散さんが知ってる訳? カツ丼食うか?
実散/涼ちゃんの恋人は俺だから知ってるんです〜! カツ丼にきのこの山を植林しながら告白しますね(^_-)-☆
天鴻/なんで植林すんだよ。
草摩/植えるならたけのこの方が見栄え良くない?
天鴻/カツ丼に対する冒涜は止めろ!(笑)
格/こんなにどんな顔したらいいか分からない情報もそうそうありませんよ(笑)
実散/という訳で! 0229は大事な4桁の数字なんだなー! えっ、金庫? そんなのもあったねえ! 気になっちゃうから恋人だった俺が開けちゃおうかなー!?
KP/金庫チャレンジしちゃう?
格/行っちゃえ行っちゃえー♪
天鴻/おらっ、交際記念日を入れてきなさいよ! かれぴへのプレゼントだったら黙って戻ってきて良いですからね(笑)

 ▼HO4:花園 草摩のデスクの中身
 引き出しの中にボロボロの冊子が入っている。
 何かの植物について書かれた資料のようだが、くしゃくしゃであったり破られていたり、線が引かれているため読むことは出来ない


草摩/……記憶に無いものですか
KP/はい、記憶に無いです。筆跡などから自分のものと分かるが、何故ここにあるかは分からない
草摩/また記憶喪失か……

天鴻/実散さんのデスクが大当たりっぽかったですけど、草摩さんは机ん中に何かありました?
草摩/察しって顔をしながら冊子を引き出しから出します。
実散/兄ちゃんなんでダジャレした?(笑)
草摩/ただ、読めないんだ。ボロボロの冊子で、何かの植物について書かれた資料で、中身が読めないぐらいぐしゃぐしゃにされてる。
実散/それじゃあ、金庫チャレンジ〜! お前に相応しいナンバーは決まった〜!

 ▼金庫
 【0229】と入れると、カチャン、と開くような音が聞こえる。
 金庫の中には『被疑者Xについて』と書かれた簡易的な書類が入っているだろう。

実散/被疑者X……?

 ▼『被疑者Xについて』
 日付は丁度3年前となっている。
 所々に花園(実)、名坂、白南、花園(草)の名が記されていた。誰が主立って書いたかはわからないように態々そうしているようだ。

 Xは重度の死体愛好の癖があるようである。殺人事件の調査の最中、数枚写真が抜かれていることも確認されている。
 更には、妙なカルト教団と内通し何人かの遺体も渡しているようだ。
 遺体に関しては、未だ状況証拠のみとなっているため、実際渡している現場をおさえる必要があるだろう。

 また、これは警戒すべきかは解らないが、Xは何らかの方法で人の行動を操っている節がある。
 所謂マインドコントロールなどのそういったものではなく、もっと不可思議なものだ。説明が非常に難しい。
 現に、こうして調査している中でもところどころの抜けを感じてしまう。これの対処方法が解らない為、何か怪しい行動をした際はそれも記載していく。

草摩/「現に、こうして調査している中でもところどころの抜けを感じてしまう」……このメモを記しながらも被害に遭ってるような書き方だな。
格/ええ。資料の書き方がもう、警戒心のかたまりですよね。
天鴻/「殺人事件の調査の最中、数枚写真が抜かれていることも確認されている」って、警察の捜査資料ってことですよね?
格/重要参考人の写真が抜け落ちていたあれですかね。
KP/そうです。捜査資料の写真です。
実散/やっぱ身内の犯行かぁ。……そういや立夏ちゃんが死んだときの「首を一突き」って、ナイフとか刃物によるものだっけ?
KP/はい、刃物によるものです
実散/ふうん。そっかあ。
草摩/いきなり何か?
実散/いや、殺すのに首を一突きって、仕事人みたいだねって凄い技術だって感心した。拳銃とかなら俺でも殺せそうだけど刃物は難しいでしょ。でも訓練したみんならできるのかな〜?
草摩/できなくは、ない。目的がはっきりと殺意があればいけるんじゃないか?

実散/……みちるは、幸くんが怪しいと思ってるマンなのだった

天鴻/実散さんは犯人に目星でもついてるんですか? ……それとも、全員を疑ってるんすか?
実散/目星はつけてるよ。でも確信が無いから言えない。自分自身も信頼してないから余計にね。
天鴻/そう、なら良かった。「自分自身は信頼してるけど、他の奴は信用してない」なんて言い出したらそれこそ疑心暗鬼になりますからね。
実散/たかひろくん、怖いよ〜。
天鴻/ああ、言い方が悪かったな。この状況で「自分も信頼できない」って冷静に判断出来てて良かったって話ですよ。要は、あんたは信頼できるって思ってるってこと。
実散/わあっ、ありがと〜! まあ、犯人の目星は「首が突けるなんて凄い技量の人だ!」ってぐらいしかないよ。
天鴻/ナイフの扱いが上手い奴、心当たりなくはないですけどね……。
格/そうですね……。首って筋肉に守られていて頸動脈を一突きとかは難しいと聞いたことがあるような
実散/さて、いたるくん達が探ってくれた金庫もみんなで見られたし、俺達がアパートで手に入れてきた情報も渡そうか。
草摩/アパートで回収してきた鍵と手帳を出す。人花教の教えのようなメモと、種の話をする。
格/……「嗚呼、我らが祖にして、麗しき花ヴルトゥーム」?
実散/麗しき花ヴルトゥーム、知ってる人はいる〜?
KP/では、全員<オカルト>でどうぞ。
草摩/(ころころ)38で失敗。
天鴻/唸れ、親から貰ったオカルト!(ころころ)19、失敗。オカルトは悉く失敗してますね、我ら……(笑)
実散/(ころころ)あ、28で成功やったあ! えへへ、今日はオカルト記念日にしよ〜!

 <オカルト>→実散が成功。
 「彼岸で咲く一輪の花」という言葉で思い当たる事がある。
 『地獄の植物』という植物の事だ。それは人や生物に寄生し、その苗床となるものの死などによって芽吹くらしい。

実散/「彼岸で咲く一輪の花」? 『地獄の植物』? 人や生物に寄生し、その苗床となるものの死などによって芽吹く……って、間違いなくこれじゃーん!?
天鴻/え、なにその物騒な植物(笑)
実散/ねえねえ! いっぱいいっぱい思い出しました! 親から貰ったオカルト大全に載ってた!
草摩/なにそれ親怖い。
KP/君の親でもあるのよ(笑)

格/日記……この「兄」って
KP/この日記の兄は、名坂さん、貴方です
格/「妹も兄(自分)を探していた」→「だが教会の人々が兄は死んだと言って来た」→「妹は自分に種を植えることに決めた」? おこ

実散/そういう話もあるんだね〜。……ねえ、兄ちゃん。あのこと、兄ちゃんが話したくないなら俺が掻い摘んで話をしようか?
草摩/……する。俺が、する。
天鴻/はい? 何か話があるんですか?
草摩/南の日記に書いてある「植物について研究している刑事」は……俺だ。
格/はい……?
草摩/俺が南から不思議な種を貰った。俺が研究して、人の血を垂らして、品種改良に成功させた。種の見た目が半透明で綺麗だったから……南と相模原にあげたんだ。
実散/二つに分かれた透明のカケラも提出しておくね。
格/半透明の種ですか、はぁ……。
天鴻/なんか、誰か……確か、神童さんが似たようなの持ってなかったか……?
格/神童さんが?
草摩/……この種がよく育つ姿を見せたのは、人の血を垂らしたときだったな。血を垂らしたら成長する種だった……。
実散/生きてる血に浸したら、大喜びしちゃうやつかもね?
天鴻/それこそさっき実散さんが言ってた『地獄の植物』ってやつでは?
格/血を垂らしたら成長するようであれば、本物の『地獄の植物』かもしれませんね。
天鴻/人花教とかいうカルト教団、確か「入団の儀式として首元に小さな穴を開け、そこに種を埋め込むようにと教えられていた」ってあったよな.。もし、その種を身体に埋め込んだら……。
草摩/……相模原は、人花教だったのか?
実散/まさか! ……涼ちゃんは調べている側の人間だよ。
天鴻/相模原さんは人花教だったというより、人花教の秘密に迫ってしまったから殺されたんじゃないか? 泉さんも、その種を首に埋め込まれたから、あんな姿に……?
格/……草摩さん、どうやってその品種改良の結果を確かめたんです?
草摩/……それは、分からない……。
格/まさか、品種改良に使った人の血が……死刑囚の血とか言わんですよね?
草摩/…………。
格/えっと、いいですか? そもそも種の品種改良を行なっていた人物は、草摩さんで確定なんですかね。
草摩/ああ、自分が品種改良に成功した。
格/人が死んだら芽吹く種の品種改良を行なっていたと?
草摩/……ああ。もし種が大変な化け物的なものだったら、南と相模原に渡した俺は……とんでもないことをしてしまった。
格/おれはそんな惨いことを草摩さんがしていたとは思いたくないので、思い違いであれと思ってます。
草摩/……この罪が本物なのか、俺のものなのか、俺が考えるべきなのか、俺がどうするべきなのか。俺には分からない。すまないけど、今は何も答えられない。
格/……ええと。いいんです、草摩さん。記憶が無い状態のあなたに、答えまでは望みません。……が。
実散/が?
格/始まりが善意であろうと悪意であろうと。おれはその人物を許せないかもしれません。
草摩/…………。
天鴻/品種改良したのが草摩さんだったとしても、悪意があって品種改良したとは限らないじゃん。そもそも元の種は南 玲子が持ってたやつだろ? 草摩さんが悪意があってやったとは思えねえ。
実散/うん。兄ちゃんはきっと悪くないよ。だから気に病む必要は無い。……兄ちゃん、自分を思い詰めて逃げないでね?
草摩/…………。
実散/今は何も分からないし答えられなくて逃げたいぐらい苦しいだろうけど、とりあえず、ひとりで逃げないでね?
草摩/…………。
天鴻/記憶が十全に戻ってきて無い以上、今は取っ散らかったピースを探して嵌めるのが先だよ。断罪も贖罪も、その後で十分じゃね?
実散/うんうん、探し物が先だ。
格/……はぁ、すみません。仕事中に取り乱してしまって。
実散/ううんいたるくん、いいってことよ〜。で、兄ちゃん、返事は?
草摩/……うん。逃げない。
実散/ピャーッて逃げ出したらたかひろくんのダッシュで捕まえさせるからね〜!
天鴻/DEX対抗だとDEX19の草摩さんに勝てねえんだが!?(笑)
格/いやまぁ、むしろ逃げてくれていいんですけど。これはちょっと刑事として良くない発言なのでやめておきましょう。……分からないことがあるのは自分もです。最悪、何らかの記憶の改竄のせいでおれ自身が犯人の可能性もある訳で。
天鴻/不安なのは分かるよ。俺だって分かんないことあるしな……。あと手帳の人物で全く手がかりが無いのは、南 玲子の兄か。
格/えーと、あと、そう。南さんの兄でしたね。
草摩/それも調べることできるのかな?
格/あれ、おれです。
実散/ほむ?
格/おれです。何十年生き別れていても、妹の顔は見間違えませんよ。写真を見て確信しました。
実散/ほう!? ほうほうほう!?(笑)
草摩/兄属性仲間でしたか、こんにちは。
天鴻/ちょっとおおおお!?(笑) さっき「南 玲子のこと覚えある?」って訊いたとき、すっとぼけてたってこと!?
格/それが自分は妹の顔しか覚えていなかったもので! 笑顔で答えます。
天鴻/お前のその笑顔、怖いんだよな!
格/そんな! 自分のこんなに無邪気な笑顔を見て何をおっしゃいますか! 「この名前に聞き覚えは?」と言われてもマジで無かったんですよね! なんだ「南」って!
実散/そこは嘘じゃなかったんだね(笑)
天鴻/お〜ま〜え〜!? 格シェイク・リターンズ!(笑)
格/逃げます! キャ〜助けて実散さ〜ん!
実散/おーよしよし、おいでおいで〜。日記にある「教会の人々が、兄は死んだと言ってきた。花になったのだと言った」は……ただの口からデマカセってこと?
格/詳しいことは分かりませんが、おそらく。
天鴻/兄は死んだと嘯いて入信させたんじゃないか? ちなみに俺は「格と南 玲子が何か関係あるんだろうなー」とは感じてたよ。
格/そうなんです?
天鴻/ただ関係性までは分かんなかったし、薄ぼんやりした記憶だったから……。
格/そうですか、構いませんからキリキリ吐いてください。どうぞ。
天鴻/……南 玲子の名を呼ぶ、格の声が……耳から離れない、そういう記憶だ。
格/…………。
天鴻/そこしか思い出せてないし、これだって本当の記憶がどうかも確信が持てないんだ。そら黙ってるだろ。
格/確かに。自分が白南さんでもそうしますね。
天鴻/南 玲子と格の関係が分からない状態で、下手なこと言って不安にさせるのも嫌だったしな。それが悪い方向に転がって、格が庭師扱いされんのも嫌だったし。俺が抱えてる不安ごとはとりあえずこんなもんだ。
格/いいひとですね……。日記を見る限り、玲子はもうこの世にいないのでしょう。
実散/……うん。
草摩/……ああ。
格/……おれは最期の瞬間に、間に合ったんですかね。せめてそれは、知りたいと思います。
天鴻/……俺の不確かな記憶を頼りにするなら、名前を呼んでたんだから、会えたんじゃないか。
格/励ましとして受け取ります。よし、午後の捜査も頑張りましょうね皆さん!

格/……うわ、急に誰も信用できなくなった。何故だか分からない不快感を覚える男。人体実験をしていた可能性がある男。その弟。……仲間を疑う自分が嫌だなぁ

 相談の結果、午後2のパートの内訳は以下の通りとなった。
 捜査本部→天鴻、草摩。
 教会→実散、格。