クトゥルフ神話TRPG・リプレイ
■ 『 庭師は何を口遊む 』 1ページ ■
2021年11月5日




 ●プリプレイ

きりくあきと(以降、KP)/では、クトゥルフ神話TRPG『庭師は何を口遊む』オンラインセッションを始めていきましょう。
一同/よろしくお願いします!



 クトゥルフ神話TRPG 『庭師は何を口遊む』
   シナリオ製作者:USB 様 シナリオ掲載サイト



 あなた方は警視庁特殊犯罪捜査零課(通称『ゼロ』)の同僚である。
 各々がそれぞれに特化した技能を有しており、四年前の結成当初からの付き合いだ。
 紆余曲折ありながらも、共にそれだけの年数を過ごしてきた。

 共通の同僚である『相模原 涼(さがみはら・りょう)』は温厚で優しい人物であったが、3年前とある事件によって死亡してしまう。
 あなた方はその光景を忘れた事はない。

 とある教会跡地にて、まるで磔刑にあったかのように吊るされた肢体。
 祭壇の奥に位置していた十字架に無数の蔦が這い、相模原 涼はそこで事切れていた。肉の隙間から色とりどりのアザレア、アイビーそれ以上の美しい花々を咲かせて死んでいたのだ。
 その目や鼻、口から伸びたものが一層激しく、最初は誰のものかも判別は出来なかったが、ふと「相模原」と呼ぶ声が聞こえ、あなた方はそれを誰であるかを理解した。
 3年前、応援の刑事達が現れるまでの間、あなた方はその名を叫び、泣き、悲痛と嘆きの中、相模原 涼の死体を床に降ろし、ただひたすら慟哭していたのだ。

 犯人は未だ捕まっていない。その死体の異常性から犯人は『庭師』と呼ばれ、今でもメディアを賑わせている。
 あなた方は日々別の捜査に当たりながら、『庭師』を探し続けている。




 花園 実散(プレイヤー名:マーサー)
 職業タイプ:[刑事]
  STR: 9  CON:11  POW:18  DEX:13
  APP:15  SIZ:13  INT:14  EDU:13
  HP:12  MP:18  SAN:90
  アイデア:70  幸運:90  知識:65
  ダメージボーナス:+0  不定領域:72
 回避:71  拳銃:80  聞き耳:80  目星:80  言いくるめ:20  説得:70  オカルト:35  心理学:90
 職業:刑事(チーフ)  性別:男  年齢:32  身長:172cm  体重:普通  出身:東京  髪色:茶  瞳色:黒
 持ち物→38口径リボルバー、財布、携帯電話、写真の画像、ハーバリウム

▼花園 実散(はなぞの・みちる)の設定
 警視庁特殊犯罪捜査零課『花園班』のチーフ。犯罪心理分析官、プロファイラー。
 同じチームの花園 草摩の双子の弟。
 性格は明るめ、朗らか、ポジティブ、かっこつけ、ゆるやか。弁は立ち、言い訳がお上手なタイプ。
▼花園 実散(はなぞの・みちる)の秘匿ハンドアウト:HO1
 あなたは3年前に死亡した「相模原 涼」の恋人である。しかしこの事実は同じ課の誰も知らない秘密だ。
 あなたは彼女を愛し、また彼女から愛されていた。故に3年前からの心の傷は未だに癒えていない。
 彼女の事件を追う内、犯人である『庭師』は警察署内関係者の誰かである可能性が高いとされた。
 理由としては相模原自身が、体術・防衛手段に於いて一般人に劣る事が無い事。更に彼女が非常に警戒心が強い人物であると知っているからだ。
 あなたは恋人が無残な死に方をした為か、その前後の記憶が曖昧な状態だ。
 だが一つだけ確かな事は、その死体を見て一番に「相模原」と名を呼んだのは自分という事だ。
☆POWを算出する際に+3の固定値が付く。(ただし上限を超える事は出来ない)
☆あなたはPOW*3ptを<心理学>に振り分ける事が出来る。(そこにプラスして技能ポイントも付属出来る)
☆POWが他のステータスよりも低かった場合、ステータスの中で最も高い値になるように入れ替える事が出来る



 名坂 格(プレイヤー名:MUMA)
 職業タイプ:[刑事]
  STR: 8  CON: 9  POW:11  DEX:11
  APP:16  SIZ:12  INT:18  EDU:15
  HP:11  MP:11  SAN:55
  アイデア:90  幸運:55  知識:75
  ダメージボーナス:+0  不定領域:44
 拳銃:70  聞き耳:30  目星:30  機械修理:40  言いくるめ:85  説得:85  値切り:10  オカルト:40  コンピューター:85  心理学:34  電子工学:60  法律:60
 職業:刑事(メカニック)  性別:男  年齢:30  身長:176cm  体重:??  出身:日本  髪色:黒  瞳色:茶
 持ち物→38口径リボルバー、警察手帳、白いハンカチ、財布、スマホ、タブレット、ノートパソコン、モバイルWi-Fiルーター、筆記用具、家族写真、眼鏡ケース

▼名坂 格(なさか・いたる)の設定
 警視庁特殊犯罪捜査零課の刑事。
 天才的な手腕を持つメカニック。こと機械に於いて、右に出るものは居ない。
 口から先に生まれたタイプの男。
▼名坂 格(なさか・いたる)の秘匿ハンドアウト:HO2
 あなたには幼少期に生き別れた歳の近い妹が居る。妹を探す為に、あなたは情報収集の技能を身につけていったのだ。
 妹を探している中で、とあるカルト教団の噂を入手する。そのカルト教団跡地は今既に取り壊されてしまっているが、そこで発見された美しい花から何故か死刑囚のDNAが発見された。
 だが死体は見付からなかった。あなたはそのカルト教団に資料をどうにかして手に入れたいと思っている。
 またあなたはPC3の事を快く思っていない。それは表面に出しても出さなくても構わない。ただ何故そう思っているのかあなたには確かな記憶というものがない。3年前のあの日以来、記憶が曖昧なのだ。
 そしてあなたはある程度の<コンピューター>技能を有する立場である。
☆あなたはINT*3ptを<オカルト>に振り分ける事が出来る。(そこにプラスして技能ポイントを付属出来る)
☆あなたはINTを算出する際+3の固定値を付ける事が出来る。(ただし上限を超える事は出来ない)
☆INTが他のステータスよりも低かった場合、ステータスの中で最も高い値になるように入れ替える事が出来る



 白南 天鴻(プレイヤー名:ピロ)
 職業タイプ:[刑事]
  STR:18  CON:17  POW:11  DEX:12
  APP:13  SIZ:16  INT:15  EDU:16
  HP:17  MP:11  SAN:55
  アイデア:75  幸運:55  知識:80
  ダメージボーナス:+1D6  不定領域:44
 回避:75  キック:75  マーシャルアーツ:72  拳銃:45  挑発:59  応急手当:60  聞き耳:75  精神分析:60  図書館:70  目星:75  言いくるめ:6  説得:16  心理学:6  法律:6
 職業:刑事  性別:男  年齢:33  身長:187cm  体重:78  出身:??  髪色:茶  瞳色:藍
 持ち物→ニューナンブM60、警察手帳、手錠、スマホ、財布、筆記用具

▼白南 天鴻(しらなみ・たかひろ)の設定
 警視庁特殊犯罪捜査零課の刑事。ガタイの良さを活かした近接白兵戦が得意。
 零課設立時期にはSATにも誘われてたが、零課の方が性に合う理由でそちらに移動した。
 基本的に軽いノリ。悪く言えばチャラい。争いごとは好まないが、いざ荒事になれば最前線に立ってチームの盾となり武器になる。
▼白南 天鴻(しらなみ・たかひろ)の秘匿ハンドアウト:HO3
 あなたは基本技能として初期値で<拳銃>40%を持っている。
 しかしあなたは拳銃を持つことが出来ない。持とうとすれば酷く手が震えてしまうからだ。これは誰にも言えない秘密である。
 その明確な理由に関してもあなたは忘却してしまっている為、説明する事も出来ない。
 あなたは大量の血を見る度にSANc0/1が入る。これは『訳のわからない恐怖心』によるものだ。
 ただし、あなたはその代わりとして誰よりも努力し屈強な体を手に入れた。肉弾戦に於いて右に出るものは居ないのだ。
 3年前のあの事件以来、あなたは仲間の誰も失いたくないと思っており、そうした正義感を持った人物である。
 誰よりも班を想い、仲間を考え支えたいと願っている。
☆あなたはSTR*3分の%を特殊技能<挑発>に振り分ける事が出来る。
☆あなたはSTRを算出する際、+3の固定値が付く。(ただし上限を超える事は出来ない)
☆<挑発>
 初期値5%:この技能はその戦闘ラウンドの間ずっと効力を発揮し続ける。つまり一度成功してしまうと、戦闘が終わるまでの間永続的に機能する。効果は、敵からの攻撃が全て自分に向けられるというものだ。ただし知能数が自分よりも下の獣等にのみ有効である。
☆STRが他のステータスよりも低かった場合、ステータスの中で最も高い値になるように入れ替える事が出来る



 花園 草摩(プレイヤー名:トモ天丼)
 職業タイプ:[刑事]
  STR:16  CON:10  POW:12  DEX:19
  APP:12  SIZ:14  INT:17  EDU:14
  HP:12  MP:12  SAN:60
  アイデア:85  幸運:60  知識:70
  ダメージボーナス:+1D4  不定領域:48
 回避:61  拳銃:80  応急手当:90  聞き耳:55  精神分析:80  目星:80  医学:80  博物学:78
 職業:刑事(警察医)  性別:男  年齢:32  身長:175cm  体重:75  出身:東京  髪色:茶  瞳色:黒
 持ち物→ニューナンブM60、スマホ、ウェットティッシュ、アルコール消毒液、煙草、ライター、電子カード・クレカ、絆創膏・軟膏・頭痛薬、充電器、タブレット、エコバック

▼花園 草摩(はなぞの・そうま)の設定
 警視庁特殊犯罪捜査零課の刑事・警察医。
 花園 実散の双子の兄。真面目そこそこ多趣味オタク。
 園芸サークルや植物園の空気が好きだった。
▼花園 草摩(はなぞの・そうま)の秘匿ハンドアウト:HO4
 あなたは非常に多趣味な人物であり、医学的なものから博物学的なものまである程度理解している。
 3年前の事件より以前は植物を育て、仕事の傍らそうしたものの研究もしていた。
 しかし事件後は花に対して強烈なまでの嫌悪感を抱くようになってしまっている。記憶が曖昧で何故かはわからない。
 あなたはかつて、今はなき植物研究サークルに自身が育てた花や種を売っていた。そのサークルで殊更熱心に花について勉強をしていた女性が居たのを知っている。
 名前は「南 玲子(みなみ・れいこ)」。
 花に興味を失ってしまったあなたはその女性ともそれきり会わなくなってしまっている。あらぬ誤解をされたくないあなたはその女性については黙っている事にした。
 あなたはPC1の補佐をしつつも、どこかPC1に抵抗感を抱いている。その立場故か劣等感故かあなた自身にも解らない。
☆あなたはDEX*3ptを<博物学>に振り分ける事が出来る。
☆あなたはDEXを算出する際、+3の固定値が付く。(これは上限を超えても構わない)
☆DEXが他のステータスよりも低かった場合、ステータスの中で最も高い値になるように入れ替える事が出来る




 この世界が存在しているから人間が存在しているのではなく、また人間が存在しているから世界が存在しているのではない。
 両者に前後関係はなく、ただあるのは奇妙な縁と因果だけだ。



 クトゥルフ神話TRPG 『庭師は何を口遊む』



 ●オープニング:導入

 零課の面々は、的場、猪狩、神童、そして長く付き合っているジャーナリスト泉の八名で飲み屋に集まっている。
 今日は相模原涼の三回目の命日だ。
 3年前謎の犯人『庭師』によって殺された同僚のこと、そして事件のことを絶対に忘れまいと、必ずこうやって集まるようにしているのだ。


 ▼NPC1:的場 元(まとば・はじめ)
 48歳。警視庁刑事部捜査一課警部。
 4年前に発足した『ゼロ』の元チーフ。3年前の事件より前の1年だけPC1〜PC4と一緒のチームだった。
 今では課も変わってしまったが、変わらず『ゼロ』を大事にしており、何かと世話をやいてくれている。
 思慮深く、温かみのある人物であり、PC1・実散にとっては頼れる上司だろう。

 ▼NPC2:神童 大輔(しんどう・だいすけ)
 43歳。警視庁刑事部捜査一課警部。
 2年半程前から的場の補佐をしている刑事。目元に大きな傷があり、それが原因でよく麻薬取締(麻取り)に間違われてしまう。控えめな性格で、言葉数もそこまで多い方ではない。
 だがその分良く笑ったり、気遣ったりするような動作は多く、親しみやすいだろう。

 ▼NPC3:泉 立夏(いずみ・りつか)
 36歳。大日新聞ジャーナリスト。
 『ゼロ』発足当初から関わりのあるジャーナリスト。明るく世話焼きな性格でムードメーカー的存在。特に仲が良かったのは相模原 涼である。『ゼロ』に何かと関わって来ては情報を提供してくれる。

 ▼NPC4:猪狩 幸太郎(いがり・こうたろう)
 32歳。警視庁刑事部鑑識課。
 鑑識のプロであり、その若さでありながら様々なものの鑑識を依頼されている人物。これだけ見れば優秀な刑事なのだろうが、彼は空気を読む事をしない男である。不謹慎に物事を発言するも本人は気にしない。話し方も緩く、軽い。すぐに全て口に出す。
 植物などについても詳しく、拳銃は苦手だが、料理が上手いためナイフ等の刃物の使い方は上手い。

KP/という訳で、飲み会です。チーフである実散さんに店員が近づいてきて最初の飲み物とつまみを聞かれるでしょう。
実散/幹事はチーフの俺なのかな? みんなー、最初はビールでいい? じゃなきゃじゃんじゃん好きなの頼んじゃうぞ!
格/いいですよー、とりあえず生で。
天鴻/同じく生でー。
草摩/とりあえず生で。後でコーラ頼む。
KP/猪狩は「俺、桃サワーがいい!」って言います。泉も神童も、もちろん的場も飲めます。とりま生、みたいです。
実散/もちろん飲み会の内容がアレだからそれなりに落ち着いた雰囲気で、でも笑顔は振り撒いておきながら……全員ビール持ってー。乾杯ー!
格/乾杯!
草摩/乾杯。
KP/店員が、テーブルに今日のお通しを出していくよ。
実散/サラダとか来たなら盛ってくよー。みんな嫌なやつあったら言ってねー!
格/おれは何でも食いまーす。取り分けるの自分がやりますよ!
実散/わーい、いたるくんにお願いしちゃうー! 俺はやるって言っておいて下手なので!
天鴻/ブロッコリーはパスで!
草摩/そのブロッコリー、貰う。
KP/(泉になって)「名坂くん、ありがとう」 にこっ。
草摩/おかわり。
実散/立夏ちゃんが頂く前に頂き終えた男がおるぞ?(笑)
天鴻/草摩さんはまだまだ食べ盛りなの?(笑)
格/おかわり早くないですか?(笑) 草摩さんに2杯目を盛りますね。
KP/神童は「相変わらず早いな……喉に詰まらせるなよ?」と心配そう。的場は「おいおい、ムリはするなよ」と苦笑している。
格/草摩さんのためにコーラを追加注文しますね。
草摩/好きになるぞ?
格/草摩さん、貴方って人は(笑)
実散/えっ、そんなんで好感度上がるの!? なら兄ちゃんの前に俺のブロッコリー置いてあげるよ!
草摩/ブロッコリーを美味しくいただきました。好感度±0。
実散/全然上がってなーい!
天鴻/ブロッコリーじゃ好感度は上がんないかー(笑) サラダを食べ終わったので唐揚げでも食べよ。
KP/(猪狩になって)「白南ちゃん、俺にも唐揚げちょーだい!」
天鴻/ほいよ。
KP/(猪狩になって)「やったー! あんがと!」
格/卵焼き、貰いまーす。
実散/そんな風に飲み会が進んでいく訳だけど……涼ちゃんの席には、彼女に似合ったハーバリウムの瓶をちょこっと置いておく。遺影という訳じゃないけど、彼女の存在を忘れないように。
KP/的場は……ハーバリウムを置いていた実散を微笑ましそうに見ていました。
実散/わ、的場さんに見られた(^_-)-☆ ……「ウインク」で文字変換したら顔文字が出てきたよ。
草摩/ウインク? 俺もできるぞ(^_-)-☆ うわ、同じ顔文字が出た(笑)
格/できない人もいるらしいですね、コレ(^_-)-☆
天鴻/(^_-) ……☆が出なかった。
格/チャーミングさが足りませんよ、白南さん!
天鴻/俺には目力が足りないってこと!?(笑)
KP/(^_-) えっ、猪狩も出ない! なんで!?(笑)
草摩/猪狩は目が細くてウインクしてるか判らないんだよ。猫みたいで可愛いぞ。
KP/(猪狩になって) 「も〜! 確かにオレは細目だけど草ちゃん酷くない!?」
天鴻/的場さんと神童さんもウィンクしてくださいよ〜。絡み酒します(笑)
KP/(神童になって)「白南、お前は酒に弱かったのか……大丈夫か?」
天鴻/酒弱くないですよ〜、ただ人より楽しくなっちゃうのが早いだけで。大ジョッキがばー!
格/ビール、もう1杯くださーい。
実散/判った、頼むねー! 兄ちゃんのコーラも追加で頼みます。他の人も足りなそうなら注文するよ〜!
KP/(泉になって)「私もビール!」 お酒を飲みつつ、つまみを奪い合いつつ、飲み会を楽しむ面々ですが、的場がぽつりと呟く。(的場になって)もう3年も経ってしまったか……。俺も一応課は変わっても捜査はしているんだが、如何せん立場が立場だから上手く動けなくてな。すまない」
実散/的場さん、ちゃんと飲み会の中身が分かってる。真面目だ〜、やさしみ〜。
格/あたたかみ。
KP/(神童になって)「零課も大変だった……よな? 最近は……しっかり眠れているのか?」 みんなを気遣うような視線を送る。
天鴻/いい人達だなあ。……何とか元気にやってますよ。
実散/俺は大丈夫ですよ。少なくとも3年前よりは。
草摩/問題ありません。特に何か進展があった訳ではないですが。
格/カウンセリングも通いましたしね……。ま、体調に影響はありませんよ。進展も無いままですが。
KP/猪狩も何か言いたげだったが、手元のカシスオレンジを啜っている。
実散/あれー? なんかあったりした? 幸くん?
KP/(猪狩になって)「……3年前のアンタらは、見ててちょっと怖くなるくらいだったから、さ」 心配しているようですよ。
実散/おや、お気遣いの紳士だった。
KP/(的場になって)「みんな、眠れているならいいんだ」
天鴻/嫌でも寝ないと、身体が資本の仕事っスからね。
草摩/……何か、今回は土産話があるって訳でもないのか? 全員を見渡す。ここで話しておきたいことがある奴はいないのか?
格/残念ながら、自分は特に。
KP/(的場になって)「すまない。こちらも調べてはいるんだが芳しくなくてな……」
天鴻/俺からは何も。
実散/こっちも無いかな。
草摩/無いなら、肉を食ってさらに体を整える仕事をするだけだ。……半見揚げ、美味い。

 各々あなた方を慮るようなことを言い、時折相模原の思い出話をしていたが、徐々に事件の本格的な話し合いへと発展していった。
 特にこれといって成果はないような話だったが、泉が突然、得意げな顔でこう告げてきた。

泉「そもそもあの花、普通じゃなかったじゃない?
 あんなにいっぺんに色んな花持ち歩いていられる訳ないんだから、いっそ種が特殊だったかもしれないって私、考えてたのよ。
 だからそういう点でちょっと調べものをする予定よ。詳細が判ったらすぐに零課に連絡するわね」


天鴻/種が特殊……ですか?
実散/種を鑑定でもするの?
草摩/できるのか。それはありがたい。
KP/的場や神童は感心するような驚いたような言葉を発し、猪狩は「はー! オカルトっぽいね!」と元気に言い出す。だいぶ酔いが回って「オカルトっぽいの、テンション上がるよねえ!」とへらへら笑っている。
格/オカルト……ですか。自分は品種改良みたいなことかと思ったんですが。青い薔薇みたいに。
天鴻/猪狩。お前、植物に詳しいんだろ? 泉さんに協力して差し上げろよ。
KP/(猪狩になって) 「いいよぉ〜!」
実散/立夏ちゃん、OK出たよ!
格/言質は取ったのでこき使ってあげてください、泉さん!
KP/(泉になって)「猪狩くんは鑑識の仕事で忙しいでしょ! 調査くらい一人でできるわ。記者なんだから!」
天鴻/泉さんの行動力は知ってるけどさ、あんまり無茶とか無理はしないでくれよな。
草摩/何かあったらいつでも頼れよ。
KP/(泉になって)「草摩くんも白南くんも、心配してくれてありがとね!」 ウインク!(^_-)-☆
格/(^_-)-☆
天鴻/星の一斉攻撃!?(笑)
実散/きゃっきゃ(*>_<)-☆☆☆
格/実散さん、まばたきになってますよ。
KP/(的場になって)「はいはい、そろそろてっぺんを越えるぞ。勘定して帰ろう」 時計を見るともう12時近い。
草摩/……デザート……。
KP/(神童になって)「時間だから……今度差入れするから……」
天鴻/デザートはコンビニで買ってえ?(笑)
草摩/みちる、セブン行くぞ。ななパフェ食べる。
実散/ななパフェ! いいね、食べよ兄ちゃん! みんなも一緒にコンビニ行こうよ〜!
格/マリトッツォがあるといいんですが。
天鴻/俺は胃もたれするんでウコンの力買ってくわ。
KP/帰り支度の最中、猪狩が言います。「そういえば3年前のことで、なーんかアンタらに聞きたいことあんだよなって思ったんだけど忘れちゃったな。ま、大したことじゃないんだろーけどさあ」
草摩/聞きたいことは掌にマジックで書いておけ。
KP/神童は「猪狩は鑑識以外に興味がないからだろうな……」と溜め息を吐く。的場は「ははは、ある意味特化しているということだろう」と笑っている。
天鴻/的場さんはすぐ部下を甘やかすんだから。
格/思い出したらいつでもどうぞ。
実散/幸くーん、アイスの実あげるから思い出して!
KP/(猪狩になって)「思い出したらラインするね〜」
実散/待ってる!
草摩/待ってる。
格/なるはやでお願いしますね!
天鴻/思い出すことを忘れるなよ……?
格/ありそうだ……。猪狩さんに今ラインしておきましょう。「質問を思い出したらライン」っと。
KP/(猪狩になって)「えっ! 待ってよ、信用なさすぎじゃない!?」
天鴻/ついさっきの発言からして信用されると思う!?
KP/泉も「そうそう、仕方ないわよ!」と笑っている。店の外に出るとヒュゥッと冷たい風が皆の頬を掠めた。もう季節は冬だ。寒風が身に染みる。各々、帰り道はバラバラで帰宅することになるだろう。
草摩/冬だったか……アイスは寒いな。格、ななパフェ半分あげる。マリトッツォと仲良く食べて。
格/えっ? ありがとうございます。パフェいただきます。好感度+10。
草摩/やったぜ。
KP/好感度システム継続中だったの?(笑)
実散/あー!? 兄ちゃん、アイスの実あげる! 俺にも好感度ちょうだい!
草摩/寒いからアイスあげたんだ。±0。
実散/なんで好感度上がらないのー?(笑) 神童さんにあげたら申し訳なさそうに「……ありがとう……」って言うのに! 知らんけど!
KP/神童なら言いますね(笑)
格/ちょっと待ってください! 実質おれは残飯処理ということですか!? ありがたくいただきますけどね!? 好感度−5です!(笑)
天鴻/コンビニ前でアイスの実を分けっことか、俺達は中学生か?(笑) じゃあ草摩さんに肉まんあげる。
草摩/え、天鴻は神の使い?
天鴻/神の使い!?(一同笑) 肉まん一つで人間としての格が突破してしまったぜ……?
草摩/冬のコンビニの肉まんの力を舐めるな。捧げ物として上等だろ。神に位置する者として同じ位となることを許可しよう。
実散/たかひろくんが上の世界へ逝ってしまわれた。
格/白南さんのことは忘れません……。
天鴻/昇天させないで!?(笑) というかその文脈だと草摩さんは既に神じゃん!?
草摩/ご存知なかったのか、秘密のHOが実はそうだったんだ。
格/初耳ですね。
実散/秘匿HOのシナリオ恐ろしい!
天鴻/でも肉まん一つで懐柔される神、チョロ過ぎない?(笑)
KP/的場が笑いを堪えきれない様子で「ほらほら、お前ら気をつけて帰れよ?」と言います。
格/いけませんね、ついついコンビニの前で駄弁ってしまって! 解散解散!
実散/はーい、気を付けて帰りまーす!
天鴻/完全に先生に寄り道を注意される高校生の図か……(笑)
草摩/気を付けて。コンビニのピザまんうめえ。
天鴻/気付いたら草摩さんが追いピザまんしてた件(笑)
実散/兄ちゃん、食いしん坊キャラなの?
格/胃を大事に健やかに生きてほしい(笑)

 こうしてそれぞれ帰宅し、就寝することだろう。
 三回忌ということだからか、相模原の命日だからか、それとも泉が植物の話をしたからなのか、あなた方はそれにまつわる夢を見ることだろう。

 深い深い森の中にいるような、真っ白な霧に覆われているかのような、言いようのない恐怖が静かに忍び寄っている。
 そんな感覚に襲われながら、あなた方は未だ眠りの中に居る。

 花園 実散は、何か怒鳴っている。
 一体何に対してなのか、どうして怒鳴っているのかはわからない。ただ視界の端で相模原 涼が横たわっていた。


実散/…………。

 名坂 格は、誰かに何かを懇願している。「やめてくれ」と叫んでいる。
 しかしそれも、何かの音によって終わりを告げる。


格/汗だくで目覚めて、夕べの気分の良さが台無しになっていたので、「さいっあくだ……」と言って起きました。

 白南 天鴻は、誰かの声を聴きながら、ひたすら手を伸ばし力を込めている。
 うるさい息の音は自分自身から発せられていた。


天鴻/…………。

 花園 草摩は、酷く怯えている。祈っている。
 どうしてか助かりたいのだ。何に対してとも言えず「ごめんなさい」「許してください」と泣いている。


草摩/……ごめん……ごめんなさい。ごめんなさい。

 ――そして、早朝。
 まだ日の出が出ていないような時間帯。あなた方は一本の電話で、乱暴に起こされるだろう。
 その内容に、思わず息をするのを忘れてしまう。

「死体があがった。恐らく『庭師』だろう」


天鴻/えっ!?
格/……は……?

 あなた方はその現場へと駆け付ける。
 現場は、「あの場所」だった。相模原 涼が殺された教会跡地だ。


実散/またあそこで!?
格/よりによって、あそこで……?
草摩/犠牲者は誰だ。

 教会に着いたあなた方を待っていたのは、ちょうど朝陽によってその身を照らされた遺体の姿だった。
 色とりどりの花々が、瑞々しい蔦が、その肢体にしっかりと絡み付き、まるで処刑にでもあっているかのような有様で逆さに吊るされている。
 白いアザレア、赤いアイビー、青い薔薇、きっと死体を苗床にしていなかったら心底美しいと思えただろう。

 その苗床となっている顔に、あなた方は見覚えがある。
 昨晩まで一緒に話をしていたのだから当たり前だ。
 落とされた手帳とボールペン。蔦の隙間から辛うじて顔を覗かせるネームホルダー……。


KP/ジャーナリスト、泉 立夏の変わり果てた姿を見たあなた方はSANチェックです。SANc(0/1d3)。
天鴻/泉……さん? どうして、また……(ころころ)46、成功。
実散/立夏ちゃん……また、吊られている?(ころころ)48、成功。
草摩/(ころころ)21、成功。
格/(ころころ)98、致命的失敗! ワ〜!?
KP/ファンブルは最大値だから……3、減らしてもろて。

【現在SAN値】
 格:55→52(3点減少)


格/格は青い顔してます。吐きそう。
天鴻/格、大丈夫か?
草摩/格……前に出るな。あっち行ってろ。落ち着いてから来い。
格/すみません……。外に出て新鮮な空気を吸います。
実散/いたるくん、ふぁいと〜……。
KP/ここで、全員1d100を振ってください。
実散/(ころころ)96。
格/(ころころ)26。
天鴻/(ころころ)63。
草摩/(ころころ)10。

 聞き耳>→草摩が成功。
 「美しい……」という声が何処からか聞こえた


草摩/誰だ!? 叫びます。
実散/えっ!?
格/……う? 外に出ようとしてたけど、止まります。
天鴻/草摩さん、急に叫んでどうしたんです!?
草摩/きょろきょろきょろ。声の主を探す動きをします。
実散/何? 兄ちゃん、誰かいたの?
草摩/…………。いた気がする。でも、ここには仕事してる面子しかいないんだろうな……。
KP/はい。この現場には……鑑識の猪狩、捜査一課の的場、神童の姿があるだけです。対応に追われているようで一様に顔色が悪い。草摩さんは何も見つけられないでしょう。
草摩/…………。
実散/兄ちゃん、大丈夫? よすよすって撫でます。
天鴻/まずは現場を調べましょ。泉さんをこのまま吊るしておく訳にはいかないでしょ。
草摩/……ああ。
格/外で深呼吸したらすぐ戻ってきます。まだ顔は青いけど吐きそうってほどではない。
KP/はい、では……ここから探索開始です。まずは泉の死体を調べるでいいですかね?
天鴻/はい。そっと下ろしながら、そのまま彼女の遺体を調べます。
KP/泉の死体は首を一突きにされ、即死のようだ。抵抗したような痕はないため一瞬の出来事だったことがわかる。<目星>、<博物学>が振れます。
天鴻/抵抗した後がなく、首を刺されて即死……。(ころころ)<目星>で45、成功。
草摩/(ころころ)<博物学>で77、成功。
実散/(ころころ)<目星>で5、クリティカルです。
KP/実散さんに『クリチケ』を1枚進呈します。クリチケは使うと判定を振り直すことができるものです。どうぞ。

 <目星>→実散、天鴻が成功。
 体に少量の粉のようなものがついているのがわかる。

天鴻/ふむ? 粉?

 <博物学>→草摩が成功。
 植物の花粉と形状が非常に似ているように思う。
 しかし、こういう種類の花粉は見たことがないということがわかる。

草摩/花粉。でもこんな花粉、見たことない。
天鴻/草摩さんが見たこと無いって言うんなら、別種……?
格/花粉か……泉さんは「特殊な種かも」と言ってた。猪狩さんなら何か判るかも。
実散/だね。鑑識マン、どう?
KP/(猪狩になって)「サンプルはちゃんと取ってるよ。粉は花粉だと思うけどさ、持ち帰って調べないとまだなんとも言えんね」
実散/早急に頼むよ。
KP/「にしても、こうやって吊るしているのみるとさ〜……相当な筋力を持ってるか、複数人か、はたまた違う何かがありそうだよねえ〜」
実散/だよね。……涼ちゃんもそうだけど、わざわざ見せつけるような趣味は、何だろう?
天鴻/逆さ吊りに花塗れ、猟奇的にもほどがあるな。
格/わざわざ吊るしているのは、「見立て」という感じがしますね。
草摩/金田一の儀式殺人みたいで胸糞だ。
実散/……昨日の今日で、彼女は何を見たのかな?
草摩/メモとか手帳はどうだ?
KP/「遺留品関係は的場さん達かな。とにかく、ちゃんと調べてから捜査本部で上げっから任せてな」 さて、的場は現場で部下達に指示を出しているようだ。その顔色は殊更に悪い。「ああ、お前達も来たか」
実散/あははー、お疲れ様です。
草摩/頭を下げます。どうですか、的場さん?
KP/「今回のは厄介だぞ。奴さん、彼女のパソコンやスマートフォンから一切のデータを抜いてるわ、それ以外の手帳も中身は全て抜かれている。泉の持っていた情報が目当てなんだろうな」

 ▼的場から得られる情報
・泉が飲み屋を出てからの足取りも目撃証言もなし。第一発見者は不明。公衆電話からの通報。
・彼女のパソコンやスマートフォンから一切のデータが抜かれている。
・手帳も中身は全て抜かれている。

実散/わーい、思いっきり証拠隠滅してる故意の犯行じゃないですか〜。
草摩/明らかに彼女を狙っての殺人だ……。
実散/第一発見者は不明で公衆電話からの通報って……なんですか、それ?
KP/(的場になって)「いまどき珍しいよな……聞き込みは行なっているが、今のところ目撃者は見つかっていない」
天鴻/公衆電話じゃあ、通話記録辿っても個人の特定は難しいっスもんね。昨日言ってた例の種、とかが目的なのか。もしくはそれを詳しく調べられたくない……とかか?
格/通報した人の様子は?
KP/「通報した人物は不明だ。名乗らなかったらしい」
格/通報の時に声を変えていたんだとしたら、怪しいどころの話じゃないな。
実散/電話口で声を変えてきたかー。あるある。よく兄ちゃんの真似とかでする。
草摩/双子あるあるトリックだな。
天鴻/あれ紛らわしいからマジ止めて欲しいんですよねえ(笑)
格/なんとかの20則だったかに反するやつだ(笑) パソコンとスマホも現物を調べさせてください。
KP/「ああ。スマホとパソコン、お前達も調べられるようにしよう」
実散/抜かれたスマホとパソコンを神頼みで解析できたらいいね〜。
天鴻/そっちにバックアップがあれば助かるんだけどな。

実散/KP。神童さんの様子を<心理学>で見ます〜
KP/(ころころ)神童も心此処にあらずというような態度だ。<目星>を振ることができる
実散/あらら?(ころころ)31で成功しました

 <目星>→実散が成功。
 暫く様子を見ていると、自身の目元にある傷を撫でて顔をしかめている


実散/ほむほむ。では、的場さんと幸くんの2人にも<心理学>をさせてください
KP/(ころころ)(ころころ)的場に対して、貴方は何らかの感情を押さえているように思う。猪狩に対して、貴方は落ち込んでいると感じるだろう。調査に同行しなかったためだろうか

草摩/死亡推定時刻は? 深夜12時すぎに分かれて、それから……?
KP/ 「深夜と早朝の合間あたり、だったかな。……このあとすぐ、帳場(捜査本部)が立つだろう。基本的に指揮を執るのは俺になるだろうが、お前達はお前達で動けるように取り計らおう。実散、しっかりな」 そう言って的場は、花園 実散の背を叩く。
実散/了解です。
KP/「草摩も、サポートしてやってくれ」
草摩/はい、もちろん。格もそろそろ復活したようです。俺達全員コキ使ってください。
格/恐縮です……という顔をしています。

格/死体に絡む花の花言葉と教会という場所柄、結婚式の見立てのようにも見える。そして死体の向きからしてタロットの「吊るされた男」の正位置のように見えますが、タロットは詳しくないので読み解けないな……と青い顔で考えています。……KP、白南さんに<心理学>を振れますか!
KP/いいよ

天鴻/つい昨日一緒に飲んだ人が亡くなったんだ。誰だってショックは受けるさ。

KP/白南さん。現在、どんな様子かお教えください。心境とか教えてください
天鴻/3年前の事件の再来かと思って動揺しつつも、これで捜査が発展するかもという期待もありつつ。でもやはり一番しんどいのは、知り合いがまた庭師の手にかかったことでしょうか

KP/名坂さん。白南の様子ですが……「しんどそうに見える。知り合いがまた庭師の手にかかったためだろう。3年前の事件の再来かと動揺しつつ、これで捜査が発展するかもという期待もありそうな雰囲気だ」と思います
格/ありがとうございます〜

実散/朝から夢見も悪くてこんなことになって最悪だけど、仕事はちゃんとするよ。みんな、頑張ろうね?
草摩/……みちるも夢見が悪かったのか。
実散/兄ちゃんも?
草摩/凄く悪い。泣き腫らして目覚めて電話でもう一回泣いたぐらいだ。泣くような夢じゃない夢が見たかった。
実散/うーん、俺は泣くような夢を見た訳じゃないけどね。嫌な朝だったのには変わりないけど。
格/実散さんも、草摩さんも?
天鴻/え、まさか格もとか言わないよな? ……何かの前触れ、だったりしてな。
格/……はは、不吉なこと言わないでくださいよ〜……。
天鴻/嫌な冗談は言わない方が良かったな。……俺は、泣くようなもんじゃなかったけど、ただ凄く息苦しかったな。
格/おれの場合……泣くというか。胸糞悪い夢だったんですよねえ……。
草摩/……できれば今、目覚めたい。3回目の涙で起きて、普通の「おはよう」という挨拶がしたかった。
実散/残念ながら3度目の目覚めはない現実だよ。きっちりお仕事しに行こうね。
草摩/ああ。
実散/じゃ、いったん署に戻ろう! みんなにそう言って、シーンアウトします。
草摩/…………。悪夢を見ても、泣き言を言ってたのは俺だけか。……みんな強い。ごめん、見習わなきゃな。後ろを、教会を振り返って、みんなとシーンを離れます。


 ◆捜査本部:『庭師特別捜査本部』

 捜査本部には多くの長机と椅子が並べられ、大きなホワイトボードが用意されている。
 3年前、刑事が殺害され、未だ犯人である『庭師』が逮捕されていないということもあり、大掛かりな本部となっている。
 進行として的場が話を進め、管理官なども合間合間で何かの指示を出している。鑑識課の猪狩も判明したことについて発言しているようだ。
 『庭師特別捜査本部』と銘打たれたその本部では、以下のことが伝えられた。


 ▼判明していること
・泉 立夏の足取りについて。昨晩零課、並びに的場、猪狩、神童と呑み屋から出た後の足取りは不明。帰宅した痕跡はない事から、その帰りの間に殺害された可能性が濃厚。
・死亡推定時刻はAM01:00〜02:00の間。
・彼女の体に付着していた粉については現在猪狩が調査をしているが、現状で言えることは『花粉』であるとのこと。
・泉 立夏はパソコン、スマートフォン、その他の端末全てを必ず持ち歩いていた。家に置き去りにしたり、自分自身の手の届かない所におくような事はしない。そこを狙われたようだ。彼女はホテルを転々としていた。彼女が昨晩まで過ごしていた部屋からは何も見つかっていない。
・泉 立夏の交友関係について。人間関係、恋愛関係においてこれといって問題があった訳では無いようだ。彼女自身何かに困っているという情報も上がっていない。

天鴻/情報端末を肌身離さず持ってたのが、仇になったか……。
実散/立夏ちゃんたら用心深くて素敵な子だからこそ、厄介な事件になっちゃったね〜。
草摩/これだと手掛かりが全然掴めないな。
KP/皆さんはここで、<アイデア>を振ることができます。
実散/(ころころ)63、成功。
草摩/(ころころ)87、失敗。
格/(ころころ)49、成功。
天鴻/(ころころ)8、成功。

 <アイデア>→ 実散、格、天鴻が成功。
 確かにそういった悩みなどはないように思える。
 何かあった時は必ずこちらに話を持ちかけている印象だ。

実散/俺達を信頼してくれてたし、トラブルも無い! 立夏ちゃんホントいい女〜!
天鴻/飲み会の時でもそういうトラブルの話はしなかったもんな……。

管理官「3年前の『庭師』と同一犯、もしくはその模倣犯であると思われる。今日までその足取りを掴めていないことを考えると、また逃げられる可能性もある。僅かな情報でも構わない、足と頭を使って捜査をしろ」

 そこに付け加える様に、的場が主な段取りを告げていく。
 零課も指示を出されているようだが、先程的場が言ったように、好きに動いても構わなさそうだ。


実散/えへへ、「同一犯、もしくはその模倣犯」だってさ〜。
草摩/模倣できるのか、これ? ……3年前と事件現場が教会で同じだからそういうことなのか。
格/模倣犯だとしたら、捜査関係者の可能性が高いですね……。
KP/ここからは自由に行動が出来る。しかし基本的に二人一組での行動となる。たった一人で行動する事は不可。警察なので、バディでの行動が基本なのです。
草摩/1人で動かない方がいい。そりゃそうだ。
天鴻/刑事はツーマンセルが基本だからね。
実散/そーなんだー! 世の刑事ドラマが二人組なのってそういう理由なんだ、初めて知ったー!(笑)

■捜査可能場所
<警察署内>
 ◆鑑識課
 ◆捜査本部
 ◆捜査資料室
 ◆零課
<屋外>
 ◆教会

KP/午前、午後1、午後2、のターンで調べられます。午前中のターンはどこに行きますか?

 相談の結果、午前のパートの内訳は以下の通りとなった。
 鑑識課→格、草摩。
 捜査資料室→実散、天鴻。



 ◆鑑識課

KP/それでは、鑑識組からいきましょう。
格/はーい。
草摩/はい。

 鑑識課の猪狩のいる一角は、良く解らないアニメキャラクターのフィギュアやブロマイドがこれでもかと並べられている。
 首からヘッドフォンを下げ、鼻歌交じりに彼は作業をしていた。顕微鏡で例の花粉を調べているようだ。


草摩/猪狩、オタなのか。
KP/(猪狩になって)「やあやあ来たね! まったく分からなくて困ってんよー、助けて!」 猪狩はそう軽快な口調で告げてくるだろう。
草摩/どうした。助けられることあるのか。
格/自分は遺留品を調べに来ました。パソコンとスマホをお借りしますね!

 ▼猪狩が持っている情報
・『花粉』である事は間違いないが、所々人間の細胞に近しいものも見つかっていて困惑している。
・しかもあれだけ見たことのある花が咲いていたのに、何の『花粉』なのか解らない。
・また変異が始まりだしており、最初は明確に『泉 立夏』のDNAだと判別出来た死体の状態も、みるみる内に失われていっている。まるで生きているようだ。
・零課以外にも刑事は来ていたように思うが、同じような内容を伝えてある。

草摩/……なんだそりゃ。率直な感想いいます。
KP/HO2は<オカルト>、HO4は<博物学>を振ることができます。結果は個別にお教えします。
格/<オカルト>で振ります。(ころころ)3でクリティカル! 明日死ぬのでは!?(笑)
KP/凄い! クリチケあげる!

 オカルト>→格が成功。
 死刑囚のDNAが含まれた植物の事を思い出す。「カルト教団が関わっているのでは?」と確信する


格/妹を探している中で、とあるカルト教団の噂を入手して……そこで発見された美しい花から何故か死刑囚のDNAが発見……。こ、これだー
KP/そうです。「それだ!」と確信するでしょう
格/気持ちが昂る。独自に追っていた妹の行方も手掛かりがあまり無かった。ここへ来て二つの事件が繋がる? そう思った瞬間、妹の生死が気に掛かって……死んでる可能性を考えて、気分が沈みます

草摩/<博物学>で振ります。(ころころ)34、成功。

 博物学>→草摩が成功。
 顕微鏡で改めて見てみると、やはりこんな種類の花粉は見たことが無いように思う。
 であるのに、酷い嫌悪感を覚える。見るに耐えない


草摩/……同じ植物研究サークルだった南なら知ってる花粉かな? 南 玲子に連絡したい
KP/連絡、してみますか
草摩/守秘義務はもちろん守りますので事件の全てを話すことはできないけど、ラインで「最近どうよ?」とか言いたいですね
KP/では、ラインを送っても既読の通知がこないと分かるでしょう
草摩/……すぐ連絡が来ないか。じゃあ、返事はとりあえず1日は待つかな……

草摩/格の横で、顕微鏡を使って花粉を見ました。……きもちわるい……。こんな種類の花粉は見たことが無い。生物学者でも呼んでくるべきか?
KP/「ね! まじ分っかんないよねー!」
草摩/そっちは何か分かったか?
格/……人間の細胞、か……。猪狩さん、飲みの席で「オカルトっぽいね」とおっしゃってましたよね。
KP/「え? うん、言ったかな。種が特殊、とか、なんかオカルトっぽくて面白かったからさ。今はそれを後悔している。分かんない種とかマジ勘弁」 げんなり。
草摩/正気の反応だ。
格/……猪狩さんでもお手上げなら、案外本当にそっち方面の話だったりして? それはそうとパソコンは調べさせてください。
KP/猪狩がパソコンやスマホを渡してくれるでしょう。<コンピュータ>でどうぞ。
格/(ころころ)85で成功!
KP/それでは名坂さんは、ボロボロに破壊されていてデータの回収は不可能であることが分かります。
格/これダメですね、物理的な破損が激しいのでちょっとどうしようもないです。クラウドに隔離してたとしても、本人じゃないとIDもパスワードも判らないので無理ゲーですね。
天鴻/ハッキングしたとしても、そもそも「どこのクラウドサービスに預けたか」が分からないんじゃな。
格/せめて手帳が無事ならIDくらいは判ったかもしれませんが、犯人が上手ですね。
KP/「データの回収は出来るかもしれないけどさ、数ヶ月は掛かるかもだって〜」 セキュリティ班が遠い目をして言ってた、とのこと。
実散/セキュリティ班、がんばれがんばれ♪
天鴻/サイリウム振らなきゃ。
草摩/セキュリティ班のCD複数買いして応援します。……それでも数ヶ月で解析できるなら大したもんだ。期待しよう。
格/セキュリティ班に眠眠打破を差し入れしました(笑)
KP/さて、次に<目星>を振ることができます。
格/(ころころ)87で失敗。
草摩/(ころころ)86で失敗です。セキュリティ班に夢中だったので……
KP/そうかぁ……じゃあ、ちょっと分かんないかな。お二人が気付くことなくセキュリティ班に思いを馳せているとき、猪狩がはっとした顔になります
格/猪狩さん?
KP/ 「そういえばさ。昨日アンタらに何か言おうと思ってたこと、思い出したんだよね。3年前、なんかアンタ達捜査してなかったっけ? いつも手伝ってるこの俺にも内緒でさ! 冷たいよねー!」 二人は<アイデア>をどうぞ。
草摩/(ころころ)64で成功。
格/(ころころ)63で成功。

 <アイデア>→格、草摩が成功。
 記憶にない。
 記憶にない筈だが、何か調査していただろうか? 思い出せない。

草摩/え?
格/んー? ……何か調査してましたっけ。
KP/「きっとその捜査以上の事が起きちゃったから、思い出せないんだよな。悪かった悪かった。あーでも悔しい! アンタらけっこう秘密裏に動いたりしてたし、これからも俺に内緒で色々やるんだよなーきっと! 都合のいいときだけ俺を頼ってさ! ……はあ、仕事すんね」
天鴻/拗ねてる(笑)
草摩/投げキッスしてやる。これで機嫌を直せ。
格/草摩さん? ……草摩さん? いま自分の背景には宇宙トーンが貼られてますよ!?(一同爆笑)
草摩/いや、拗ねてる相手にはちゃんと機嫌を取るべきだなって思って。
実散/それで人の機嫌が直ると思っているの、兄ちゃん?
天鴻/ファンサで!? 実散さんのお兄さん、機嫌の取り方おかしくねえ!?(笑)
KP/「いくら俺がゼロのファンだからって投げキッスで機嫌が直るとでも!? 嬉しいけどさ!
格/嬉しいんかい!?(笑)
草摩/体は嫌がっていても心は正直だな。
天鴻/エロゲみたいなこと言い始めた!?(笑)
実散/口は嫌がっていても体は正直だな、でしょ! 何もかも逆!(笑)
格/猪狩さん、機嫌を直してください。ウインクをどうぞ(^_-)-☆ 自分もウインクをしました。
草摩/格がウインクして猪狩と別れた後に、話をします。……格、どう思う?
格/草摩さんはさすがだな〜と思いました。
草摩/それはどういたしまして。
格/3年前の調べ物のことですか?
草摩/……うん、それ。
格/さっぱり記憶に無いです。……でもちょっと引っかかるので、記録が残ってないかくらいは調べておきたいような。
KP/記録はきっと、零課のオフィスにあるだろう。
草摩/……調べ物してたなら当時の記録が何かしら残っている筈だ。自分も調べてみる。今はワケワカランの踊りを踊っておきますね。
実散/久々に「ワケワカラン」なんて言うから検索してどんなダンスか確かめちゃったじゃねーか。
格/えっ、そんなダンスがあるんですか!?(笑)
草摩/あるぞ。ワケワカラン。椅子から立ち上がった中の人が踊りました。
天鴻/オンセだから見えないんですけど!?(一同爆笑)
KP/見てええええ!(笑)
格/『庭師』って腹筋が鍛えられるシナリオだったのか!?(笑) 草摩さんは頼りになる人だと思って好感度+5、それはそうとワケワカラン人だと思って困惑値+5です。
KP/困惑値!?(笑)
草摩/好感度が上がった音が2回した。
天鴻/片方は好感度じゃねえんだよ!?(笑)
実散/好感度は1回! 2回じゃないよ! 勝手に加算しないであげて!(笑)
草摩/シーンアウトしながら、草摩はスマホをいじっています。……記録をつけるように。
実散/あ、日記をつける癖はミステリーのありがたポイントだ。
格/記録大事ですもんね! ……3年前に自分達は周りに黙って何かを調べていたらしい。一体なんだろう?