シノビガミ・リプレイ・楽園
■ 楽園プリプレイ ■




 ●プリプレイ

GM/それでは『シノビガミ〜楽園』、始めたいと思います。
一同/はーい、宜しくお願いしますー!
GM/まず、このセッションのご説明に参ります。今回遊ぶのは『Role&Roll』vol.70に掲載された『シノビガミ』公式シナリオ『楽園』です。このシナリオを知ったキッカケは、「『楽園』はシノビガミプレイヤーだったら一度はやれ!」という話を聞いたからです。
プレイヤーA/「『楽園』をプレイした。噂通り面白かった」「今度『楽園』やってくる!」とか、ツイッター上で名の上がるシナリオで有名だって、GMに教えました。
GM/そうそう、その話を聞いちゃったらどうしてもプレイしたくなっちゃって。公式シナリオの中でもトップクラスの評判だったので『Role&Roll』vol.70をAmazonで注文したんだけど……予想以上に配送が遅くなっちゃって(笑) 正直に言う! プレイヤー募集をかけた段階では、GMはまだどんなシナリオか読んだことがなかった!
プレイヤーB/そうだったんですか?(笑)
GM/あらすじだけは読んでたけど、核心部分は全然知らなかった。
プレイヤーC/実際に読んでみてどうでした?
GM/面白かったです! 「これはやってみたい!」と思えました!

 このリプレイは『シノビガミ』公式シナリオ『楽園』のネタバレを掲載しています。
 今後公式シナリオを遊ぶ可能性のある人は閲覧をご遠慮ください。【秘密】の探り合いが最大の売りであるこのゲームを遊ぶにあたって、楽しくないことになります。
 未プレイの方は、是非とも名作と言われた感動を味わってからご覧ください。


GM/凄く魅力的なあらすじだし、ハンドアウトも良くって……他にも面白いと思う理由があるんだけどね。
プレイヤーD/他にも?
GM/それは……後で話します。さて、『楽園』は「タイプ:特殊型」の説明しにくいシナリオです。でも面白いよ。まずはハンドアウトを選んでもらおう!

【あらすじ】
 とある暗闇のなか、密命を受ける。
 『秘伝書≪時檻(ときおり)≫を奪った裏切り者≪月読(つきよみ)≫を倒し、秘伝書を取り戻せ』。
 一方、ここは私立清陵高校。今日は9月30日。
 明日の文化祭に向け、君たち同好会メンバーは準備に勤しんでいた。
 タイプ:特殊型  リミット:4  プレイヤー人数:4人  プライズ:文化祭の思い出

【ハンドアウト:PC1】
 使命:文化祭を無事終わらせる。
【ハンドアウト:PC2】
 使命:自分にとってかけがえのない仲間を守る。
【ハンドアウト:PC3】
 使命:文化祭を成功させる。
【ハンドアウト:PC4】
 使命:同好会メンバーの好きな人が誰なのか調べる。
【ハンドアウト:NPC1】
 使命:みんなで楽しい時間を過ごす。(PC1の異性を推奨)
【ハンドアウト:NPC2】
 使命:早く家に帰る。(PC1の同性を推奨)

【プレイに関する補足説明】
※テーマは「文化祭前日を舞台にした学園ドラマ……しかし、その実態は?」
※PC全員、「同じ高校の同じ同好会の生徒」。
※PCは絶対に「忍であること」を公言してはいけない。キャラクターロールは基本、「裏社会のことなど何も知らない、ごく普通の一般人」としてロールすること。
※導入フェイズは、2つのシーンが設定されている。1つは、GMが描写する「どこかの密会」のシーン。もう1つは、PC達の日常を描くシーン。2つ目の導入フェイズでは「9月30日、清陵高校文化祭前日。文化祭準備に勤しむPC達」のシーンをする。
※導入フェイズ終了後、PC全員に【パーソナル秘密】を配布する。PC達は忍者だが、このシナリオでは変則的に、通常の【秘密】と【パーソナル秘密】の2種類を持つことになる。【パーソナル秘密】は、NPCの2人も所持している。

【「プライズ:文化祭の思い出」について】
 このプライズはゲーム開始時、誰のものでもない。
 「設定された獲得条件」を達成したPCが自動的にこのプライズを入手し、プライズに設定された【秘密】を見られるようになる。
 この【秘密】は情報判定や「情報共有」で入手できない(ドラマシーンで、同じシーンに登場している人物に教えることは可能)。


GM/【パーソナル秘密】とは、「シノビガミ弐」で追加された『一般人ルール』の一つです。

 一般人は、シナリオで与えられる【秘密】とは別にいくつかの【パーソナル秘密】を所持している。
 複数の【秘密】を所持しているため、情報判定の対象になった場合、どの【秘密】は明らかになったかをランダムに決定する。
 情報判定で【秘密】を獲得するのに成功したPCは、対象の【秘密】の中からランダムに1つを選ぶ。そこで獲得した【秘密】が、シナリオで配布された通常の【秘密】だった場合、通常通りの処理を行なう。【パーソナル秘密】だった場合、その内容はプレイヤー全員に知れ渡り、すぐさま全公開にする。
 再び情報判定の対象になった場合、公開された【パーソナル秘密】は、ランダムに選ぶものの中から除外される。


プレイヤーA/ハンドアウト……これしか書いてないんですか?
GM/うん。ホントにこれしか書いてない。
プレイヤーB/推奨流派さえ無いんですね?
GM/無いです。というのも、PC達は忍者ではなく一般人です。正確には「一般人ぽくロールしてもらう」だけどね。
プレイヤーC/秘密が2つあるんですか。難しいですね。
GM/プライズが「獲得条件を満たした人が自動的に獲得」というのも面白いね。PCの前提が「同好会の生徒」なので、先生キャラは却下します。……ハンドアウトを選ぶにも選べないだろうから、第一印象で選べばいいんじゃないかな?
プレイヤーD/NPCが2人いるんですね。……NPC2の「早く帰りたい」って(笑)
GM/NPCの説明だけど、NPC1はPC1の異性、NPCはPC1の同性になります。NPC1は人懐っこく明るい性格、NPC2は消極的な性格になります。6人全員で同好会だよ。さあ、何にする?
プレイヤーA/、ど、どうしようか!

 選ぶにも選べない、どうやってハンドアウトを選択しようか悩むプレイヤー達。
 それでもなんとか相談の末、同好会に所属する高校生達を作り出すことに。
 それぞれのキャラクターメイキングが始まった――。


 ●導入フェイズ

 それは、何処か判らぬ暗い部屋の中。
 ある忍達が、上忍に忍務を命じられる。

「秘伝書『時檻』を奪った裏切り者『ツクヨミ』を倒し、秘伝書を取り戻せ」

 闇の中、蝋燭の光が消えると同時に数人の影は去って行った。
 更なる闇の中へ。忍務のために、己の目的のために。
 上忍がふと遠い顔をした。「奴を倒せるのか。全て、『彼ら』に託すしかない」
 深刻な声が闇に溶けていく。

 一方、ここは私立清陵高校。
 今日は9月30日。明日は文化祭当日。
 明日の大イベントに向け、生徒達は早くも心躍らせていた。

「今日は1日、文化祭準備な訳だが。学校行事なんだから、みんな、はしゃぎ過ぎるんじゃないぞー」

 先生の声をよそに、朝のホームルームが終わると同時に騒ぎ出し、中には走り出す生徒も。
 皆、それぞれの居場所へ向かう。
 彼らが求める『青春の舞台』へ――。



 シノビガミ・リプレイ〜楽園




 ●GMより前書き

 GMのマーサーです。
 噂に名高い『楽園』を2011年9月にプレイし、噂通りの感動を味わってしまった私は「他のシノビガミプレイヤーにもこの感動を! もっと色んな子にやってほしい!」と、2回目のGMをしてしまいました。セッション終了と同時に知り合いのシノビガミプレイヤー4人にお誘いのメールを送り、2ヶ月後の2011年10月に再度『楽園』のGMをしました。
 どちらも名セッションになりましたので、是非ともリプレイが作りたいと思い……9月にプレイした『楽園』をA卓、10月にプレイした『楽園』をB卓として、掲載します。
 違った2つの『楽園』を比較しながらお楽しみください。

 なお、この『楽園』A&B卓は、GM:マーサーのアレンジが加わっています。
 エニグマの使用していない他、サイクル進行もオリジナルと違うものになっています。
 今後『楽園』のGMを予定される方は、ご注意してお読みください。




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