アリアンロッドRPG・リプレイ・ミラクルモンブランズ
■ 第4話『白霧に消えて』 4ページ目 ■
2012年9月4日





 マティアスはホリアに攻撃。ターラはすかさずその攻撃を≪カバーリング≫。ターラは物理ダメージ97点を受け、ホリアが≪プロテクション≫で軽減を試みる。
 次々と襲いかかる騎士達の攻撃には、ターラが≪ダンシングヒーロー≫を使用し回避。ホリアに攻撃が来たらターラが庇い、ダメージを0にし続けるという流れを崩さず進めていった……。


GM/爆弾ドラム缶のターンだよ。≪連続攻撃≫をいくよ。まずはクラエルに対してね。
クラエル/や、やばい。
スグリ/クラエル、死なないで……。
ターラ/クララ、生きてよ……!
GM/命中判定いくよ。(ころころ)命中19でした。
クラエル/(ころころ)ダメだ、回避17です。
ミルフィ/お、惜しい〜!?
クラエル/生き残る! 生き残るって言ったもん! スグリの分も生き残らなきゃカッコつかないよ!
GM/16D6ダメージロールいきます。
スグリ/クラエル、頑張ってー……!
GM/(ころころ)魔法ダメージ、65点。
クラエル/65?
ターラ/イケる……?
クラエル/…………。
スグリ/もしかして、ダメ……?
クラエル/……ダメ。ピッタリで落ちる。
GM/ピッタリぃ!?
クラエル/65点、ピッタリで【HP】0になりました。
ホリア/ええっ!? ま、【魔法防御力】は……?
クラエル/【精神】2と≪加護≫の2点を足して、【魔法防御力】4点。転職したから魔防は下がったんだ……。
ターラ/【HP】は……?
クラエル/61点。
GM/……ぴ、ピッタリ……?
クラエル/これは……倒れるしかない。
スグリ/えええええぇ!? うそ……く、クラエルが倒れた……マジかよぉ!?
GM/……クラエル、倒れます。では、ドラム缶はミルフィを攻撃します。これでミルフィが倒れたら、ドラム缶達はルール通り3人のPCにトドメを刺します。
ミルフィ/そ、そんな〜……!?
ホリア/……大丈夫、ミルフィさんは生き残れる!
ターラ/うん! そうだよ、フィはモンクになったんだもの! 大丈夫だよ!
GM/ミルフィに命中は(ころころ)16です。
ミルフィ/(ころころ)回避は……失敗です。
GM/(ころころ)ミルフィに、魔法ダメージ50点。
ミルフィ/……まだ生きてます! 自分のターンになったので、爆弾ドラムに≪インヴィジブルアタック≫+≪ソニックブーム≫で攻撃します!
スグリ/マジミルフィ、希望の光!
クラエル/ホントだよ! 頑張れー!
ミルフィ/(ころころ)め、命中……クリティカル〜!
スグリ/ここでクリティカル!?
ターラ/す、凄い。フィの出目が6・6・1・1!(笑) ありがとうフィー!
GM/凄い出目だな。(ころころ)回避不可だのでダメージください!
ミルフィ/はい〜!(ころころ)38点の素通しダメージです〜! よくもやりやがったなぁ〜! ボッコボコにします〜!
GM/……ミルフィのその一撃を受け、爆弾ドラム缶は機能停止します。
スグリ/よっしゃあ! やったぁー!
クラエル/よくやった、ミルフィちゃんー!
GM/……そして、剣ドラム缶のターン。ミルフィに接敵して攻撃します。
スグリ/ミルフィにヒドイことしたらタダじゃおかねぇぞ!?
GM/(ころころ)19で命中。
ミルフィ/(ころころ)17で当たります。
GM/実は剣ドラム、固定値が結構あるんだよ。(ころころ)物理ダメージ55点。
ミルフィ/あら、大丈夫でしたよ。
クラエル/「あら、大丈夫でしたよ」って心強い!(笑)

 ホリアはターラを≪ヒール≫で、ほぼ【HP】最大値まで回復を行なう。
 そして、戦わない道を選び続けていたターラは……。


ターラ/このままだとやられてしまう! 騎士Aに≪マイティアーム≫+≪フォースストライク≫+≪ボルテクスアタック≫で、水属性の攻撃をします!(ころころ)命中24!
GM/(ころころ)当たります。
ホリア/そのダメージに≪チェックメイト≫を使用します!(ころころ)14点プラスしてください!
ターラ/(ころころ)これで……74点水属性魔法ダメージ!

 3ラウンド目にして、やっとマティアス側に初ダメージが入ったターラ達。
 盾ドラム缶は、重圧のバッドステータスを解除した後に剣ドラム缶を対象にした≪ジョイフルジョイフル≫を使用。剣ドラムを未行動にした。


GM/剣ドラムがミルフィを攻撃します。(ころころ)命中18。
ミルフィ/よし、フェイトを使用して振ります。(ころころ)……あれ、17でした。振り直します〜!

 ≪結束≫を使用して、ミルフィはなんとか回避を成功させる。
 クリンナッププロセスで、じわじわとオイルが漏れる(毒のダメージを受けるドラム缶達。だがそう簡単にドラム缶達は倒れることはない。
 第4ラウンドセットアッププロセスで、マティアスは騎士Bを≪ホーリーウェポン≫を、ホリアは≪ウィークポイント≫を使用した。
 そして、マティアスはターラに攻撃を繰り出す。


ターラ/……ターラの残り【HP】、48!

 強化された騎士達は、次々とターラを攻撃していく。
 だがターラは、クリティカルと≪ダンシングヒーロー≫使用した回避に見事成功していく。
 ホリアを狙う騎士達の攻撃も、ターラが華麗に庇い続けていった。


ターラ/よっしゃあ!
スグリ/輝いてるよ、ターラー!
ミルフィ/ミルフィも気合いと愛で頑張ります〜! ≪バッシュ≫+≪レイジ≫で剣ドラムに攻撃します〜!
GM/剣ドラムに攻撃した? では、剣ドラムが≪ストライクバック≫を使用。
ミルフィ/……え、何!?
GM/白兵攻撃の対象になったとき、命中判定でリアクションをしてカウンターをするというスキルです。ちゃんとミルフィのダメージは入るから安心してね。
ミルフィ/お、落ち着いてアタシ〜!(笑・ころころ)17で命中です!
GM/(ころころ)……回避、16!?
スグリ/やったぁー!(笑)
クラエル/よ、良かったぁー! 落とせ落とせー!(笑)
ミルフィ/(ころころ)わ、わぁ……129点の物理ダメージです!
GM/……残念、倒れません。
スグリ/マジで!?
GM/でも、残念なレベルです。
ターラ/……それなら毒ダメージで落ちるかも!? 寧ろもう落ちて!(笑)
ミルフィ/うう、まだ倒れない……みんなを庇うように戦うよ〜!

 剣ドラムはミルフィに攻撃。ミルフィ相手に56点のダメージを与えるが……。

ターラ/≪蘇生≫を使用します! 承認ぺったんこ!

 戦闘不能ではないターラ、ミルフィ、ホリアの3人の【HP】が全回復することで、回復手のいないミルフィ陣営は生き残った。

ターラ/≪祝福≫も使用します。3人は【MP】を全回復!

 ターラは、騎士Aに≪マイティアーム≫+≪フォースストライク≫で攻撃。やっと1体目である騎士Aは撃退することができた。
 その後、盾ドラムが≪ジョイフルジョイフル≫で剣ドラムを未行動にする。剣ドラマは再び動き出し、ミルフィに攻撃。


ミルフィ/ダメージが大きかった……ぎ、ギリギリだぁ〜。
GM/……しかし、ここで第4ラウンドのクリンナッププロセスになります。
スグリ/は、はい……。
GM/爆弾ドラムを守るべく動いていたドラム缶達の動きが鈍くなり、機械音と共に機能停止します。
ミルフィ/あっ……。
GM/マティアスも動きを止めます。
クラエル/お、おや……?
ターラ/爆弾は第4ラウンドのクリンナッププロセスに爆発が確定する予定でした。そのことを知っている彼は、「爆弾設置を知らせる使いが来ない」ことから「自分の作戦が失敗した」ことを悟ります。(マティアスになって)「攻撃をやめろ」
ホリア/……あっ……。
GM/「我々の任務は失敗した。撤退する」
ターラ/……マティアス様達が攻撃をやめるなら、こちらは攻撃しません。あたしも剣を下ろします。
GM/これにて戦闘中断です。成長点は任務成功したので通常通り算出されますが、ドロップ品は倒したエネミーのみの入手になります。
スグリ/それでも良い! よく、耐えきった……。
ターラ/シーンは切り替わりますか!?
GM/切り替わるよ。つまり戦闘不能になっているPCの【HP】が1点まで回復されます。
ミルフィ/じゃあスグリさんとクラエルさんが復活しますね!? み、みんなぁ〜……!
スグリ/よ、良かった……良かったよぉ!
クラエル/ああ、生きてて良かったぁ……!
GM/……さて、エンディングフェイズにいこうか。


 ●エンディングフェイズ/離反

GM/(マティアスになって)「爆弾で魔族の村を壊滅させることが出来なかった。我々は任務を失敗だ。撤退する」 マティアスはホリア達を見ずに騎士団達に命じる。騎士達も名残惜しさも一切無く、戦闘終了の合図と共に剣を収め始める。
ターラ/あ、あたしも剣をしまいます。
ホリア/……マティアス様。
GM/マティアスは撤退し始めています。
ホリア/僕は……僕は、これからどうすればいいんでしょうか……?
GM/「私の元に武具を持ってくる、それがお前の任務だった。だがお前は数分前にその命を違えた。だというのに、まだ迷うというのか」
ホリア/…………。貴方は、命令であればたとえ平和な村であっても滅ぼすのですか。
GM/「平和の為ならば、皆を守る為ならば。その為に剣を握る。それは、ここに居る者達全員の想いだろう」
ホリア/……僕は……僕は、貴方達とは違う誰かを守ります! 僕が守らない人達は……マティアス様、貴方達が守ってくれるんですよね!?
GM/「……言われなくとも」
ホリア/……なら……。今まで、ありがとうございました。高位聖印と頂いた勲章を外して、お返しします。
GM/マティアスはホリアに背を向けているので、兄様が受け取りましょう。「本当にいいのか……?」という顔でね。
ホリア/はい。どうか、お元気で……。兄様は1人でも多くの人を守ってください。
GM/それに対して「頑張れよ」や「無事でやれ」と言った激励の言葉は一切無い。マティアスはただ一言。「去れ、邪教徒よ」
ホリア/……はい。マティアス様に背を向けます。
GM/彼らは、ザッザッザッと軍隊の足並みで退却していく。おそらくヴェンガルド峡谷に居るであろう本隊と合流するのでしょう。
ホリア/…………。皆さんは無事でしょうか?
ターラ/リア君に後ろから頭突きします。
GM/どーん。
ホリア/ず、頭突きされました(笑)
ターラ/うっ……あの……。あのね、リア君は後ろだから見えないけど、ターラが泣いてることだけは伝わると思うんだ……。
ホリア/……はい。
ターラ/何も言わずに……ターラは泣いてます。
ホリア/……僕は大丈夫です。まずは皆さんの心配をしましょう。
ターラ/うんっ……うん……。

 一方、その頃。
 もう動かなくなったドラム缶の前の、ミルフィ達は……。


クラエル/いやぁ、本当に生きてて良かった……。ミルフィ、超カッコ良かったよ!
ミルフィ/ミルフィ、号泣です。
スグリ/み、ミルフィ!? アンタは頑張った! よく頑張ったよ!
クラエル/うんうん! 守ってあげられなくてごめんな……!
ミルフィ/……ミルフィは、今まで「ターラが良ければいい」という方針でいたんですよ。
スグリ/うん……?
ミルフィ/第3話でクラエルさんにキツイことを言ったのも、全部「ターラのため」って思ってたんですよ。
ターラ/そう、だよね……。
ミルフィ/でも、2人を失っちゃうと思ったら……凄く悲しくなっちゃったんですよ。これって「ターラだけ守りたい」じゃなくて「パーティー全員がいなきゃダメだ、みんなでいなきゃダメだ」って思ったからですよね……。
スグリ/み、ミルフィ……!?
GM/うわ、それ、嬉しい……ミルフィの心情が変わった! ミルフィが成長したのはGMは凄く嬉しいな!
ターラ/う、うわあ……ターラも嬉しいよ!
スグリ/こ、今度は私が絶対守るからね!? 私が居れば怖い物無しだからねー! とりあえず全員同じエンゲージに入れ! 今のうちに傷を癒しておかないと、あいつらに心配を掛けるから!(笑)
GM/どうぞ、≪マジックブラスト≫+≪ヒール≫で回復してやってください。
クラエル/次は倒れないからなー! コノヤロー、動かなくなったドラム缶に≪ダブルショット≫で攻撃してやるー!(笑)
GM/(ドラム缶になって)「オ前ラニ心ハ無イナリカー。ドロップ品ハアゲナイナリヨー
クラエル/くっそぉー! 倒れろぉー!(一同笑)
GM/ドラム缶の倒れた先には祭壇があり、そこには水晶体がふよふよしてるよ。
クラエル/ミルフィの背中を押します。……取っておいで。君のもんだ。
ミルフィ/うん。……マビノギオンが入ってるクリスタルを、高い身長でシャッと取ります〜。
GM/マビノギオンを手に入れたことだし、村に戻りますか。

 最低限、傷の手当てをして村に戻るミルフィ達。
 村人が逃げた2人だけの村に戻り……やっと5人一緒になった。


ターラ/ターラは強引に目を拭ったので、目が赤いです。
ミルフィ/ミルフィも目が赤いですよ。
ターラ/ふ、フィ! どうしたの? ……フィが泣いてたらターラはすぐ判るよ!
ミルフィ/た、ターラ〜……! マビノギオン、取ってきたんだよ〜。
ターラ/……ライチちゃんから聞いたよ。爆弾を、止めてくれたんだね。
ミルフィ/うん……みんなで頑張ったんだよ〜。
クラエル/ターラちゃん達も、頑張ったみたいだね。
スグリ/そっちにも強い奴らが来てたんでしょ?
ターラ/……うん。マティアス様が来てた。
ミルフィ/……洞窟に居たのも神殿の人だったから、なんとなく判ってたよ。
スグリ/やっぱり来てたのね。……心配そうにホリアを見るよ。
ホリア/高位聖印と勲章を無くしたホリアがいます。
スグリ/……ホリア。ちょいと頭をよこせ。
ホリア/……何をする気ですか。
スグリ/早く頭を下げろよ! いいから!
クラエル/ボクが上からホリアの頭を下げさせようか。ドラム缶でカーン!
ホリア/それはヒドイな!?(笑) ま、前のめりになりますね!
スグリ/ホリアの頭を捕まえて、ぎゅっと抱きしめる! ……辛かったろ?
ホリア/…………。
スグリ/……頑張ったね……。
ホリア/……僕は、親を一度亡くしています。
スグリ/亡くしているから何?
ホリア/……これくらいの喪失は、耐えられます。
スグリ/耐えられる、耐えられないじゃないんだよ。アンタが辛そうなのが嫌だ。
ターラ/…………。リア君! カッコイイよ!
ホリア/……ターラさん。
ターラ/リア君の背中に頭突き! えいっ! ……リア君は! カッコイイもん……!
ホリア/ターラさんの方を向きます。
ターラ/わっ、背中に頭突きしてたのにこっち向かれた(笑)
ホリア/……ターラさん。僕、今度は守れました。
ターラ/あっ……。お、おめでとう! おめでとう……って、またボロボロ泣いちゃう……!
GM/……では、騒ぎが終わったことに気付いたライチが現れましょうか。
スグリ/ライチ! おかえり!
GM/(ライチになって)「お姉ちゃん! 良かった、無事だった……!」 ライチがスグリに走り寄ろうとする……が、ライチの足は進まない。
スグリ/……えっ?
GM/理由は、ライチの首根っこを金髪の青年が掴んで止めているから。
ターラ/……ガーベラさん!?
スグリ/が、ガーベラ!? わ、私の妹を返せ!
GM/彼はライチをぷらーんと引き寄せます。
スグリ/そんなことしたら首が締まっちゃうでしょ!? ライチを返しなさいよっ!
ターラ/……ガーベラさん、いつか来ると思ったよ。
GM/(ガーベラになって)「……水晶体を持っているということは、5つ目の武具を手に舌ということですね」
ミルフィ/……こ、こくっ!
ターラ/ねえ、ガーベラさんは一体……。
GM/「先に僕に言わせてください! 伝説の武具5つを、僕に渡してください!」 厳しい口調で言います。
ターラ/……ガーベラさんは、不幸になりたいの?
GM/「何のことです」
ターラ/あたし達は何も知らんから知らんなりに考えた! ……薔薇の武具には神をも殺す力がある。それを全て装備した人は不幸になる。使ったら死ぬかもしれへん武具を集めて、ガーベラさんは何がしたいんや?
GM/「……これ以上、君は知らないでください。何も言わず、その武具を渡してください」 もう一度言います。真実を君達に教えたくないということを表情から察して頂きたい。
ターラ/事情を知ったら渡す訳が無いと思ってるんやね……?
GM/「その通りです。力づくで武具を奪おうと思いましたが君達の力は強大だ。奪えるとは思えない。だから『お願い』です。武具を僕にください」
ターラ/…………。
GM/「武具を僕に渡せば君達は幸せになります。そして僕は、武具を使って世界を幸せにすると約束してみせましょう」
スグリ/何も知らずに本当に幸せになれると思うの? 少なくとも……ターラの表情は曇るわよ!
ターラ/あたしは……自分が幸福になるけど誰かが不幸になることがあるなら、自分で全部悲しいことを背負いたいと思うよ!
GM/……ガーベラは諦めたような顔をします。「この子を人質にして戦っても、君達に勝てるとは思っていません。そう、話せば渡してくれるかもしれませんね……」 ガーベラは、の首をぱっと放します。ライチはスグリの元に飛び込みます。
スグリ/お、おいで! ぎゅうっ! 良かった! 良かったよぉ……!
GM/ガーベラは剣は抜いてないけど殺気立って君達の前に出る。「何でも話しましょう。君達の知りたいことは何ですか?」
ターラ/……神殿に抵抗しているという、薔薇の巫女というのは……あたしのお母さんなの?
GM/「ええ。神竜を守る薔薇の巫女タティアナ様は……間違いなく、ターラちゃんのお母様です」
ターラ/……お父さんは?
GM/「……これは、言ってもいいことでしょうか」と言いながら、ガーベラはスグリの方を見ます。
スグリ/……ウサッ?
GM/「まだ言うべきではありませんね」
スグリ/ウサアッ!?
ミルフィ/ど、どういうこと……?
ターラ/古代竜ではないみたいだけど……?(笑)
GM/「タティアナ様は16年前に神殿に反逆をし、神竜の眠る『北の最果ての神殿』から自分の一派以外の人間を全員追い出しました。何故そんなことをしたか。ある目的のためです」
ホリア/それは……?
GM/「神竜を倒すため」
クラエル/神竜を!? 古代竜を倒すって……えっと、神竜ってセフィロスだっけ?
GM/「セフィロスという名の神竜もいますが、僕の言っているのはゾハールという……800年前に舞い下りた神竜です」
ミルフィ/ゾハール……。
GM/「薔薇の巫女は神竜ゾハールを守るためにいる神殿の人間でした。ですが、薔薇の巫女は神竜の声を聞き……知ってしまったのです。神竜ゾハールが粛清装置の一つであることを
ターラ/粛清装置……!?
GM/「粛清装置というのは、人々が過ちを繰り返し、世界が後戻りできないほどの崩壊が訪れたとき、神々が世界を無に帰すための手段のことです」
クラエル/お、おおっ? 凄い壮大な話だ……。
GM/「800年前、神竜ゾハールはこの世を脅かす魔族を倒すために神々によって遣わされたと言われています。ですがそれは、後世の人間達が歪曲した伝説です」
ターラ/えっ……?
GM/「実際は、神竜ゾハールは魔族だけではなく……この世界に生きる者達全てを滅するために遣わされた粛清装置でした。過ちを繰り返す全ての生き物を皆殺しにする存在、それがゾハールです」
スグリ/みんなを殺そうとした……!?
GM/「800年前に世界に舞い下りた神竜ゾハールは、危険な存在だった。そのことに気付いたのが200年前の薔薇の巫女でした」
ミルフィ/は、はい……。
GM/「当時の薔薇の巫女は、人々が崇めている神竜が人々を殺すために遣わされたものだと知った。ですが、神の愛を欲していた人々は巫女の言葉など信じなかった」
ホリア/確かに、信じるとは思わない……。
GM/みんなが「神様は凄い!」と言ってる中、たった一人の女性が「あの神様は怖いものなんです!」と言ってもね。
スグリ/正直、頭がおかしいと思われるだけだわ……。
GM/「人々に拒絶されても、彼女の意思は強かった。魔族と手を組んででも、彼女は神竜を倒そうとした。魔族も彼女に協力しました。魔族だって自分達が滅ぼされる訳にはいきませんからね……」
クラエル/巫女と魔族が協力して、神をも殺す伝説の武具が造られたと……。
GM/「しかし薔薇の巫女は伝説の武具を使ってもゾハールを倒すことが出来なかった。ゾハールを倒す前に武具の代償に耐えきれず、死んでしまったからです。その後、武具は薔薇の巫女の元を離れバラバラになりました」
クラエル/それで、今まであったようなところに……?
GM/「16年前、タティアナ様は200年前の巫女と同じことを考えました。タティアナ様は薔薇の武具を使い、神竜ゾハールを倒そうとしたのです。そのため武具捜索を僕に命じました」
ターラ/だからガーベラさんは武具を求めていた……。ねえ、200年前の巫女は、武具を装備して死んじゃったんだよね?
GM/「ええ。真の力を解放したとき、武具を装備した者は人間では無くなります。だからこそ、タティアナ様ではなく人造生命体である僕が武具を持ち戦わなければなりません」
ターラ/人造生命体!?
GM/ライフパスの『出自:人工生命』のことだね。……ガーベラは、ミルフィの方を見る。
ミルフィ/え、ええっ……?
スグリ/アンタ、ミルフィと同じ存在って言ってたけど……どういうこと!?
GM/「僕は、北の最果てで創られた兵士です。竜の力を持った、僕のようなドラグーンの一族と……ミルフィちゃんのようなドラゴネットの一族が代々巫女を守ってきました」
ミルフィ/あっ……!
GM/「ミルフィちゃんは、ターラちゃんを守り続けていたでしょう? それは『そのように創られていたから』ですね」
ホリア/ミルフィさんは……ターラさんを守る為に創られた……?
ミルフィ/だからターラを守りたかった……な、納得……。
クラエル/でも……今回のセッションで心情が変化したんだよね。
GM/それは、ガーベラは知らないことだけど……知ったら「まさか」って言うね。(ガーベラになって)「タティアナ様は、今回こそ神竜を倒すために武具の捜索を命令した。自分の代で薔薇の巫女を終わらせるという決意から、反逆を起こす前の日に……創られたばかりにミルフィと、生まれたばかりの自分の娘を神聖ヴァンスター帝国に放ったのです」
ターラ/だから、あたしはフィに守られて孤児院へ……?
ミルフィ/う、うわ……凄く納得しました……そっか、そうだったんだ。
GM/「僕とミルフィちゃんは竜の力を持った一族。本来なら伝説の武具は薔薇の巫女が持つ物ですが、創られし者達である僕らなら更に力を解放し、神竜を倒すことが出来るでしょう」
ミルフィ/…………。
スグリ/それで……アンタは武具を集めて、人間としての自分を捨てて竜を倒そうとしているって?
GM/「タティアナ様はご自身で伝説の武具を装備なさるおつもりです。だが、僕も神竜を倒すことができる。……身を危険にして神竜を倒すのはタティアナ様ではない。もちろんターラちゃんでもない」
ターラ/…………。
GM/「僕はまだ、ターラちゃんが武具を集めているということを伝えていません。ですが、戦いから遠ざけるために手放した娘が武具を集めてると知ったら、タティアナ様はどう思うでしょうか」
ターラ/……ガーベラさん……良い人だったんだ。
GM/「僕の話は判ってくれましたか? さあ、武具を僕に渡してください」
スグリ/……ねえ。さっきから思ってることがあるんだけど。
GM/「なんでしょう?」
スグリ/……アンタより、アンタに勝った私達が神竜を倒す方が良くない?
クラエル/そうだよ、ボクもそう思ってた!
GM/「……真の力を解放したら、人ではなくなるのですよ。それをターラちゃんの大切な仲間である貴方達にさせろと?」
スグリ/神竜は今すぐ倒さなきゃいけないものなの?
GM/「粛清装置はいつ発動するか判りません。10年後かもしれないし、100年後かもしれませんが、明日かもしれないんです。……ターラちゃん」
ターラ/…………。あたしは……守られているだけは嫌や。みんなのことを守りたい。
GM/「だけど……」
ターラ/えっとね、ガーベラさん……。ガーベラさんはめっちゃ強いから、伝説の武具を装備したら神竜に勝てるかもしれないけど……あたし達はそのガーベラさんに勝ったんだよ! それにあたし達が勝てたのは、仲間がいたからだと思うの! 仲間がいたからどんな強い人にも向かっていけたの。だからみんなで助け合えばきっと神竜が倒せると思うんだ!
GM/「…………」
ミルフィ/……ミルフィは自分の出生の秘密を知って、ターラを止めたくなります。
ターラ/フィ!?
ミルフィ/あたし、ターラにそんなことさせられない。ターラが神竜を倒しに行くなんて……ダメだよ。
ターラ/ふ、フィ……。
ミルフィ/アタシはターラが安全になるなら、ガーベラさんをこのまま行かせる方に一票を投じる。それか、もしガーベラさんの力が足りないなら、アタシが……。
ターラ/フィ! それはダメだよッ!
ミルフィ/それでも、アタシはもう……今日の戦いで判ったの。ターラだけじゃなくて、アタシはみんなを守りたいと思ったから……。それに誰か1人の犠牲で済む方がいいでしょ?
ターラ/でも、みんなで頑張ったらみんな無事かもしれへんよ!?
ミルフィ/そんなの判らないじゃない……。アタシはターラを行かせられない! アタシはガーベラさんと同じ存在なら、アタシが……!
ターラ/フィの手をぎゅっと握ります! フィは前に、あたしと一緒に居てくれるって言ってくれた! こんなとこで約束を破るのは許さへんから! ……ボロボロ泣きます!
ミルフィ/でも、アタシ……。
ターラ/あたしのことを大事と思ってくれるのと同じように、あたしだって同じぐらいフィのことが大事なんだよ! だからそんなこと言わんといて……!
ミルフィ/……大事だからこそ、引けないんだよ……。
スグリ/行かせたくないのは私もだよ! だから1人でなんか行かせない! みんなで行けばいいんだよ!
クラエル/そうだよ。というか、離れるなんてできないよ。ボク達もギルドのメンバーなんだし、もう離れられないでしょ。
ミルフィ/……離れたくないです……。
クラエル/もう離れるのが無理でしょ!?
スグリ/そうよ、クラエルったら良いこと言う!(笑)
ホリア/ミルフィさん……僕達が守らせてもらえませんか?
ミルフィ/……うん……。
スグリ/ホリアがいないと回復や≪プロテクション≫ができないし、私がいないと攻撃が当たらないでしょ? でもってクラエルがいればバステ当て放題!(笑)
GM/つまり、このパーティーのバランスは最高ということです(笑)
ミルフィ/……みんなが居ないと何にも出来ないんだな、って思います……。
ターラ/フィが居ないとダメなんだよ! ダメージが与えられないもん!
ミルフィ/……うん……うん……。
GM/「やはりおぬしらに頼むべきだったかのぉ」 ターラの後ろからおばあさんの声がします。
ホリア/お、おばあさん!?(笑)
GM/ターラの後ろには、ローブを着た占い師のおばあさんがいます。
ターラ/おばあさん、どうやってここに!?(笑)
ホリア/一体何者なんですか!? このキャンペーンの老人って全員凄い人ですが!(笑)
GM/「粛清装置に関わっている存在じゃ」
ターラ/な、なんだってー!?(笑)
GM/「フェルシア=ブリガンディアの名において、おぬしらに頼みがある。神竜ゾハールを倒してはくれないか」
クラエル/フェルシア……ブリガンディア?
GM/サモナーだったら神様の一つにそんな名前があるって知ってるんじゃないかな。……神々が設置した世界を無に帰す粛清装置にも反対している神様がいるんです。その中の一人だよ。
クラエル/……す、凄い人だ! 人ではないほどの凄い人だよ!?(笑)
ターラ/お、おばあちゃん……凄い人だったんやね!?(笑)
GM/ターラって毎回それ言ってるよね(笑) 「粛清装置をなんとかできるであろうガーベラに味方しておったんじゃ。だからガーベラに言われた通り、儂の声でおぬしらを『間接的に武具探索から遠ざけようとしていた』んじゃが」
クラエル/あ、それで毎回不吉な予言ばかりしてたの……?
ターラ/……おばあちゃんの占い、間違っていたよ。あたしにとってみんなは幸運だった。それは絶対の自信で言えるよ。
スグリ/た、ターラ……。
GM/「……強い絆を持ったおぬしらは、神竜を倒す可能性があると見た。儂はおぬしらを応援したい」
ターラ/……あたし、最期に勝つのは仲間がいる方だと思います! えっと、人間の心を無くすっていうけど……でも、違う方法で勝てる可能性もあると思うんです! だから、ガーベラさんも仲間になってください!
GM/(ガーベラになって)「……タティアナ様の命令に背くことが出来ない僕ですが、大変魅力的な誘いです」
スグリ/ガーベラが仲間になったら凄く頼もしいよ!(笑)
GM/「……ターラちゃん。北の最果てに来てください。そこに神竜ゾハールと、タティアナ様がいます」
ターラ/お母さんが……。
GM/「神竜を倒す方法を共に探しましょう。……どうか、タティアナ様に会ってください」
ターラ/……はい!
ミルフィ/……とりあえずここは頷いておきますが、ミルフィはやっぱりみんなを巻き込みたくない、1人でなんとかしたいって思ってます……。
ターラ/ふ、フィ……。
ミルフィ/アタシ、昔からターラのことを絶対守らなきゃって思って生きてきたの。でも今回、みんなが凄く傷付いたことで、みんなのことを守りたいと思った……この気持ちを無駄にしたくない。だから……。
ターラ/その気持ちは凄く嬉しいよ! あたしもそうやったもん! でもあたしはグリリンと一緒が良いし、クララと一緒が良いし、リア君と一緒が良いし、フィと一緒が良いの! フィも自分を犠牲にするとか考えないで……みんなで一緒に生きようよ!
ミルフィ/……うんっ……。話を聞いて、ターラの背中をなでなでしてあげます。……心の整理がつけられるまで、アタシが自分なりのちゃんとした答えを出すまで待っててくれる?
ターラ/うん! もちろんっ!
GM/では、おばあさんが「そろそろ出てこないか?」と……とある人影に言う。
スグリ/おや……?
GM/マスクの男が居る。
ターラ/えっ。
GM/スグリは、ホログラム映像でいつも見ている男が立っていることに気付く。
スグリ/……ぎゃあっ!? 大首領が出た!?(笑)
クラエル/突然の大首領!?(笑)
ターラ/だ、大首領マスクと同じマスクの人がいるんですよね!?(笑)
GM/大首領は逃げた村長達を安全に確保してやって来るよ。同盟の村だからみんなと仲良しさんだよ。(大首領になって)「北の最果てに向かう飛空艇を用意してある。乗るがいい」
スグリ/飛空艇!?
GM/飛行船のことだね。
クラエル/だ、ダイナストガバルってそんな物持ってるんだ。凄いんだなぁ!?(笑)
GM/「ダイナストガバルは、全面的にお前達に協力しよう」
スグリ/さっすがです!(笑)
ターラ/よ、宜しくお願い致します! あ、あの……いつもグリリンにはお世話になってます!(笑)
GM/……大首領は、マスクの顔のままターラを無言で見ています。
スグリ/う、ウサッ! そんなに無言で見つめないであげて!(笑) 大首領、ターラったら可愛いでしょう!?
GM/大首領は無言でしたが、ついに口を開きます。
ターラ/は、はい……?
GM/「どうか、母さんを助けてやってくれ」
ターラ/…………。
ミルフィ/……えっ。
ターラ/……え?
クラエル/…………。えっと、まさか。
GM/「さあ、飛空艇に乗れ!」 大首領はマントを翻し、ターラ達に背を向けます。
クラエル/……お、お父さん!? 大首領ってターラちゃんのお父さんじゃないかな!?
ターラ/お父さん!?(笑)
GM/ターラに「お父さん」と呼ばれ、彼は凄く動揺しながら飛空艇に向かいます。
ターラ/お、お父さん!? お父さんなの!? ……どおりでグリリンに見張りを頼む訳だよ!(笑)
スグリ/「ターラ達を守れ」っていう指令は……お父さんだったから!? そりゃそうだよね、守りたいもんね! そういうことかよー!?(笑)
GM/ひ、飛空艇を出せぇー!
クラエル/お父さん、声が裏返ってますよー!(笑)
GM/君達はガーベラと共に、ダイナストガバルの飛空艇に乗り込みます。そこで傷の手当てをされながら、北の最果てに向かいましょうか。
ホリア/……あの、1人になれる機会ってありますかね?
GM/うん。1人1室、部屋が割り当てられるんじゃないかな。
スグリ/ダイナストガバルの飛空艇、マジすげぇ(笑)
ホリア/別室に入ったなら……ホリアは1人になったとき、泣きます。大人の泣き方ではなくて、子供の泣き方が、ホリアの部屋から聞こえてきたことにしてください。
ターラ/その泣き声を……何も言わないんで、聞かせてください……。
GM/……これにて色んな人が成長した第4話セッションを終わりにします。お疲れ様でした。次回最終回、頑張ろうね。




第4話『白霧に消えて』 終