アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 カチューシャの唄 』 3ページ ■
2019年7月6日




 ●トリガーイベント 〜お姉様の告白〜

GM/ミドルフェイズ4が終了したので、1919年7月9日になりました。ミドルフェイズ5のターンですが、何をしますか?
愛菜/割り込みでシーンをしましょう。
薫/まずは……桔梗さんの秘密から! いきましょう!

 『イベントキー:桔梗の秘密』
 桔梗と接触する連続作業判定。
 タイミング:イニシアチブで宣言できる。【理知】判定難易度10→【幸運】判定難易度8→【意志】判定難易度12に全て成功すれば、桔梗のもっと深い秘密が判明する。
 一度でも失敗したら交渉失敗。3回連続して成功しなければならない。
 ファンブルした場合、桔梗が判定者を嫌な目で見る。


GM/3回連続で成功しなきゃいけないし、失敗したら脱落してシーンに登場できなくなります。まずは1回目、【理知】判定で難易度10からどうぞ!

 1回目の判定は、薫と累が成功。
 然と愛菜が失敗。だが愛菜は『イベントキー:探求心』を使用し、達成値+2で成功させた。


GM/では残った3人、2回目の【幸運】判定で難易度8に挑戦してください。

 2回目の判定は、薫と累と愛菜、3人とも成功した。

GM/最後は、【意志】判定で難易度12です。どうぞ。

 3回目の判定は、薫成功。
 累は愛菜は失敗し、薫ひとりのみが成功した。


薫/えっ、薫ひとりぼっち!? だ、大丈夫かな!?
然/でも……デリケートな秘密なら、逆に薫さん1人だけ成功ってのは良いことかもしれない。
薫/確かに。……「桔梗の秘密に薫だけが気付けた」っていうのは、天の思し召しかもしれないな。
GM/そうだね、それなら「薫さんだけが桔梗の秘密を直面してしまう」というシーンにしましょう。桔梗と対面するなら、寮がいいかな?
薫/じゃあ……あの日の夜のことを訊きたいので、直接会いに行く!
GM/単刀直入、薫さんは桔梗のもとへ会いに行った。今日は7月9日、桔梗は寮の自室におります。学園長の娘ということもあり、寮でも一人部屋を使わせてもらっています。
薫/コンコンとノックします。……桔梗さん、いらっしゃる? いま時間よろしいかしら?
GM/「どうぞ」 緒方恵美声の彼女が、お話に来てくれた薫さんをお茶を出してもてなします。
薫/……何から話をしよう……。
GM/……桔梗から話し掛けてもいいですか? 「……残念だったね」 桔梗は、とても悲しい声でそう呟きます。
薫/……茅乃のことかしら。
GM/「うん。とても悲しいよ。……彼女とボクは、とても良くやっていたから」
薫/私も、とても悲しいわ。
GM/「後輩としてだけじゃない。一人の友達として、大好きな……妹のような存在として思っていたよ」 本当に親しみを込めて言います。
薫/……とても仲が良かったのね。でも、何か別のものを感じるわ。
GM/「……ボクはもしかして、顔に出ちゃうタイプかな」
薫/周りの女学生達は貴方のことを囃すけど、私はヒトっぽいと思ってるわよ。
GM/「……薫先輩は、茅乃に似てる。だから信頼できる人だ。……ねえ、ボクのこと、ちょっとだけ吐露してもいい? ボクには秘密にしていることがあるんだ。……話を聞いてしまった彼女は死んでしまったけど」
然/……うっ……。
GM/……そこまで言った桔梗だが、反応が無いなら口を重く閉ざします。
薫/……私で良ければ。私は図太いからそんな簡単に死なないわよ。独り言だと思って話してくれればいいわ。
GM/今の桔梗は、修道女のような制服ではなく私服です。その服を脱ぎ始めます。
薫/きゃっ!(笑)
累/そういうシーンかー……(笑)
GM/彼女の胸が開かれる。薫さんはその体を見て、「男性の胸板だ」と思います。「察していると思うけど、ボクは……元々、男だ」
然/……元々、男?
GM/「去勢された」
薫/ま、マジかよ……(笑)
GM/「ボクは養子で、元々は鬼怒川という山奥に住んでいた……鬼、異端の子だった。名前も今の名前とは違う生まれだった。元の名前は法月(ほうづき)とかだったか……」
然/法月……。
GM/「鬼の強い因子を持ったボクは、ヒトの女と交わると、悪しき異端を孕ませてしまう。『悪しき異端を殖やさないようにするため』、ボクは子供が作れないよう手術を受けさせられている。男を女にする技術が最近入ってきたらしくてさ」
薫/ああ……それで、娘に?
GM/「縁あってボクは学園長に拾われ、綾小路の一人娘として第二の人生を歩むことになった。ボクは普通の人間とは違って何倍も優秀だから、ボクのことが必要なんだって言われて迎え入れられたんだ。……体は中性的なものになったけど、心は男のままでね」
薫/そりゃそうだ……。
GM/「愛を受け入れたいと思っちゃった女の子が、できてしまった」
然/……うん……。
薫/……繊細なところを深く聞きすぎるのも無粋だと思うのだけど、私……茅乃のご遺体を見に行ったの。そしたらね……言いづらいんだけど、鬼の子供が茅乃のお腹にいたらしいの。あれは……貴方の子?
GM/「おそらくは。……だけど」 凄く深刻そうな顔をします。「正直、ボクもよく判っていない」
薫/そうなの……?
GM/「ボクは……7月5日に、茅乃と……デートをしていた。不純異性交流というものだろう……ただし、タッチまでだった筈だ」
薫/ふ、触れたぐらいだった……?
GM/「ああ。そして……ボクは記憶を失くした。ボクが目を覚ましたとき、茅乃はいなかった。部屋を飛び出したら、学園長から……『茅乃が交通事故死した』と聞かされた」
薫/お、おおお……?
GM/「何がなんだか判らず、ボクは動転してしまった。……ところで薫先輩は、おまじないは信じる?」
薫/ええ、小さい頃よくやっていたわ。
GM/「10年ぐらい前からイギリスで『何でも知ってる妖精さんを呼び出して判らないことを話してもらう降霊術』が流行っているのは知っているかい?」
薫/お、おう!?(笑)
GM/「どうして茅乃が死んだか判らない。どうして自分が意識を失ったか判らない。真相を知りたかったボクは、寮の裏にある林で妖精さんを呼び出す魔術に挑戦してみたんだ
累/俺達が妖精さんかー!?(一同笑) 問おう、貴方がマスターかー!?
GM/「けど、あの日は事故があったからか警備員さんらしき人達がウロウロしていて、近くに来たから逃げてしまったんだ」 ということで、「薫さんが桔梗の部屋に行ったとき桔梗は林にいたため発見できず」、「然くん達が魔法陣に近づいてきたから桔梗は慌てて部屋に逃げていった」のでした。
然/なるほどー!(笑)
GM/「後々、妖精さんに『茅乃の死はどうして?』と尋ねたくて魔法陣に行ってみたんだけど……妖精さんは消えていて何も判らなかったよ」
薫/妖精さんなら会ったわ、今一緒にいる(笑)
GM/という訳で、桔梗が累くんと愛菜ちゃんを召喚した理由は「茅乃の死の真実を知りたい! 茅乃の死の謎を解いて!」です。つまり、それらが解決できれば2人は元の時代に戻れます。
累/OK、空白の時間を探れと!(笑)
薫/……私が在学中も年に何回か事故死があったけれど、もしかして貴方が関わっているの?
GM/「……うん。みんな、ボクと親しくしてくれた人達だ。そして……ボクは、彼女達が死ぬ数時間前の記憶が無い」 どうやら死亡した女生徒と桔梗は関係があるみたいだけど、彼女達が死ぬ前に総じて意識が無いため、どうして彼女達が死ぬか判らないそうです。
薫/そっか……。貴方の秘密は、お父さんは知っている?
GM/「知っている。鬼の子だと知った上でボクを養子にしてくれた。愛してくれていると思うよ」 良い教育を受けさせてくれているぐらいにはね。
薫/貴方のお父さんも魔術に精通してる?
GM/「ああ。ボクはお父様から魔術を教わった」 ……そうやって話す桔梗の目は、薫さんを心配する怯えや不安の色が滲んでいます。
薫/ああそっか、秘密を明かしたから私が死ぬかもしれないって思ってるんだ……。じゃあ、桔梗が秘密を教えてくれたから私の秘密も教えてあげるわ。
GM/「えっ?」
薫/私、先祖代々お抱え魔術師をやっていて、小さい頃から魔術を教えられていたの。だからそのときの怪我とか残っていて、私も凄く嫌だったんだけどね、でも、今回のことに関しては私の魔術が貴方の力になれそうで良かった。
GM/「…………。そ、そういうことを言われたのは初めてだ。慰めてくれて、ありがとう……」
累/キュンキュンしてる顔だぞ(笑)
薫/妖精さんを捕まえたら連れてくるわ!(笑) 事件が解決したらカフェにでも行きましょう!


 ●トリガーイベント 〜地下2階〜

GM/では、もう1つの割り込みイベント……書物庫Zに行きましょう。

 『イベントキー:書物庫Z』
 書物庫Zに向かう連続作業判定。
 タイミング:イニシアチブで宣言可能。【反射】判定難易度10→【知覚】判定難易度8→【幸運】判定難易度12に全て成功すれば、地下2階の書物庫Zへ潜入できる。
 一度でも失敗したら判定失敗。3回連続して成功しなければならない。
 ファンブルした場合、ペナルティが発生する。


薫/私は【反射】2しかないから嫌な予感しかしないんだよな……。(ころころ)ふぁ、ファンブル手前!?(笑)

 1回目の【反射】判定で難易度10に挑戦したところ、累が成功。然と薫と愛菜の3人は失敗。
 しかし然は『イベントキー:探求心』を使用し、判定を成功させた。
 また、愛菜の判定に然が≪ミネルヴァ≫を使用。1D6点プラスした結果、愛菜を成功させた。


然/薫さんだけが失敗……。これはきっと、桔梗さんと話している一方その頃のシーンですね(笑)

 2回目の【知覚】判定は難易度8。然、、累、愛菜の3人とも成功した。

 そして最難関の最後、【幸運】判定で難易度12に挑戦。
 愛菜が成功。然と累が失敗した。


GM/では、愛菜ちゃん1人が潜入成功のシーンでよろしいですか?
累/さすがに地下に潜入1人は怖い。ここで累は『イベントキー:連帯感』を使います。(ころころ)……うーん、失敗だな。
然/……累さんに≪悔改めよ≫! 判定を振り直して!
累/使ってもらって、駄目だったら令呪を切ってもらおう。浦島の本気!(ころころ)ダメだ、2足りない。
然/そこに≪ミネルヴァ≫を使用!(1D6ころころ)2が出た、成功! ヤックンが仕事した!(笑)
薫/ピッタリで素晴らしいー!
GM/おー、然くんの支援を受けた愛菜ちゃんと累くんの2人が成功したぞ。
然/地下だから足場が悪くて然は行けなかったんですよね。……そうだ、ヤックンだけでも地下に連れて行ってくれませんか?
GM/≪小さな眼≫だけで視界共有、OKだよ。判定はできないけど実質シーン登場は可能だ。
累/ヤモリを頭に乗せて2人で書物庫Zに行くぞ!
愛菜/ドキドキ。ヤバイ所の匂いがプンプンするわ。
GM/違う所に行っている薫さんが「地下1階はあったけど地下2階は知らないぞ」と言っていた書庫を発見、入って行きます。……そこは書庫というより、パッと見「実験室」という言葉がイメージされる部屋に来ました。
薫/……ラボ?
GM/ええ。ホルマリン漬けの何かの瓶とかありそうな、研究施設です。1919年当時にしてみれば最先端技術が詰まった場所で、非常に異能開発が進んでいると言われている卍のマークがある器具が完備されおり、地下で何らかの研究がされていたと思います。
愛菜/ど、「ドイツの科学力は世界一」的な?(笑)
GM/そうそれ、マジ卍。ナチスがサイキッカー開発していたとかいうアレ。……そこで、「鬼の研究について」という諸々の資料を発見します。
累/ひえっ。ヤモリを撫でながら見ます。
然/ヒンヤリ。ぴったり。
GM/またもや国からのお手紙も見つけました。「絹川女学院さんへ。支援金いっぱいあげるから良い生徒を作ってね。第一次大戦でガッポガッポ稼げたけど、もっと富国強兵を進めて続く大戦で活躍できる強い日本を作っていこうね! そのための異能研究を頑張って! 大日本を凄い軍国にするため能力者兵士の開発をしていこうね!」という内容です。
然/う、うわーお……(笑)
薫/なるほどね……「良い生徒を作って」って、そのままの意味(笑)
GM/資料には、「良い子供を作るために『法月』という名の少年を確保した」という記述を発見します。……法月って誰だろうね? 判んないや。
愛菜/あ、そっか。まだ私達には判らないや。
然/「新しい名前が出てきた!」って認識ですね。ヤモリの首が鋭角に曲がる(笑)
累/このシナリオに男の子キャラなんていたっけなー?(笑)
GM/資料は続きます。「法月から『獣鬼(じゅうき)の素』を採取成功。これを摂取した人間の【能力基本値】を大幅に向上させることを確認」……。

 『イベントキー:獣の酒』
 書物庫Zという異能研究所にて発見したどぶろくのような酒を表わすイベントキー。
 タイミング:マイナーで使用宣言可能。
 男性が摂取した場合、【正気度】4点が減少。【体力】【反射】【知覚】基本値+20。
 女性が摂取した場合、【正気度】1D6点が減少。【理知】【意志】【幸運】基本値+20。


然/おっとぉ!?
GM/……ところでこのシナリオ内で、「体力がとってもあって、運動神経が良くて、手先がとっても器用で、頭が良くって神の星の下に生まれてきたというぐらい素晴らしい人」がいましたね。
然/あー……桔梗さんは性別がどっちでもあるから……。
薫/全能力値が+20されているってこと!?(笑)
GM/「実験のため、女子の使用を提案。男子は獣鬼の素を摂取後、発狂死するケースが多発。女子の場合、発狂する可能性が男子よりも数段と低く……」 【正気度】1D6点減少なら、低いと1点しか減らないしね。
累/「使用」とか言うなー!(笑)
GM/「また、獣鬼の素を子宮に注入した場合。3〜4時間で鬼の卵子が孵化することが確認。ただし急激な赤子の成長に母胎が耐えきれず、ショック死する女子が多数。無事に獣鬼の素から異端出産にこぎ着けた女子はいないため、さらなる実験を……」
愛菜/ひ、ひぃー……。
GM/……えー、簡単にまとめますと。「【能力基本値】が超上がるお酒だよ」「男子の方が発狂率が高くて、女子だとワンチャン正気のまま超人が完成するよ。もっと女の子で実験しようよ」「このお酒で孕まされると5時間前後で超強い鬼の異端を出産するよ、でもショック死ばっかで成功してないよ。だからもっと女の子で実験を……」ってことです。
累/……これを、茅乃さんは摂取した、と。
然/ううう……。
GM/なお、この『獣の酒』を1D6個、持っていくことができるよ。≪興奮剤≫と同じ要領で使えます。
然/興奮というか劇薬じゃねーか!(笑)
愛菜/つ、使いたくないな……!
累/でも押収はしたい。(1D6ころころ)6つ手に入れます。
薫/がめつい!(一同笑)
然/持ちすぎ!(笑)
GM/とりあえず持てる分は持つ!(笑) このどぶろくぽい液体は、法月から生成することができるというものなので……白い液体だ、把握しろ。
累/はい、言われずとも、はい。
GM/そして、実験に使われた女子の名前と……交通事故死の被害者の名前、完全に一致します。さらに累くんと愛菜ちゃんは、ある手記まで発見します。

 「国からの通達が頻繁だ。我が国からの異能兵士開発の成功例が欲しいらしい。早く成功させなければ」
 「私も年だろうか。≪魅了の魔眼≫の効きが悪くなってきた」
 「法月が最近、私の言うことを聞かない。私の≪魅了の魔眼≫の効果が衰えただけではない、彼の【意志基本値】を強化しすぎたのも問題かもしれない」
 「一刻も早く超人を開発しろという通達が来た。来たる1919年7月9日、22時、実験を開始する。場所は第一講堂にて」


GM/……というメモ書きを発見します。どうやら今夜22時、何かの実験をするみたいだよ。
愛菜/≪魅了の魔眼≫……洗脳させる特技か。学園長が使えるのかな。でも、なんで火災が起きるんだろ?
累/……可能性の話をするよ。桔梗さんを使って、女生徒達を使って何か実験をしようとする。でも桔梗さんが抵抗判定に成功して、色んなことを知って、学園長にブチ切れ。それで学園長に……襲い掛かって、とか。
GM/ところで、[魔術師]には火を使う特技があるよね。
薫/ある! ≪火炎術式≫が!
累/……厨房から火が出たっていうのはデマかな。学園長も[魔術師]なんだよね? じゃあ炎と炎でぶつかったか?
然/木造建築の校舎だからね、2019年の建物より燃えやすいんじゃないかな。
GM/そんな推理をするPC達は、もうこの手記を書いた人物が……綾小路学園長だと判っているね。では、最後のイベントキーを配布します。

 『イベントキー:学園長』
 学園長・綾小路 巴に会いに行くことを表わすイベントキー。
 使用宣言すると、クライマックスフェイズに移行する。


愛菜/80人の犠牲が出る前に、こっちから動けばいいんだ!
累/殴り込みをかけて本人を黙らせればとりあえず解決する!
薫/結局はそれだよね!(笑)
GM/ミドルフェイズ6までにこのイベントキーを宣言しないとバッドエンドだからね。早め早めに宣言をしてください。
然/まだ明るいうちに学園長に会いに行こう!

 一同は『供給』を行なう。【HP】と【MP】を3D6点回復した。
 そしてPC達は『イベントキー:学園長』の使用を宣言。クライマックスフェイズへと移行した――。



 ●クライマックスフェイズ

GM/学園長は学長室にいることでしょう。君達はすぐにそこまで行くことができます。
然/勢いが大事!
薫/コンコンとドアを叩いて、卒業生の市紘 薫です! 失礼します!
GM/穏やかそうな男性の声で「どうぞ」と迎え入れます。
薫/ゾロゾロゾロと入っていきます! 学園長様、ごきげんよう。
愛菜/お邪魔しまーす。
薫/ビシッと! お前のやったことは全てまるっとお見通しだー!(一同爆笑)
然/一気に薫さんが仲間由紀恵っぽくなった!(笑) 悪いが全部、見せてもらった。累さん、例のボトルを。
GM/1D6個もゲットしたあれを。
累/持ってきすぎました(笑)
GM/累くんが持ってきた物を見て、目を見開く学園長。
薫/因幡 茅乃ちゃん、ご存知ですよね。ご遺族にお会いしました。……事故死と言えと、貴方からの指示ですよね。
累/学園長先生がお国さんから富国強兵はどうなんだって散々言われてることも知ってます。
然/その方法が……「清楚な女子を使用する」ですか。
薫/茅乃ちゃんのご遺体も拝見させていただきました。彼女は鬼の子を孕んでいた。貴方の研究に、何か関係があるのでは?
GM/「…………。彼女の胎内に赤子が残っているとは思いませんでした。まさか、死体から暴れて出てくるとは」
然/……何をした? 何を、させた?
GM/「法月と親しくしていた彼女なら出産という奇跡が起きるかもしれない。そう思って彼女の中に、出させました」
然/…………。
GM/「資料を読んでくださったならお判りでしょうが、女子は法月の体液を取り込んでも発狂しない確率が高いのです。彼女が落ち着いた精神状態であれば、正気を保ったまま射精後6時間ほどで出産が成功したでしょう。ですが彼女はショック死した。そして交通事故死に見せかけて道路に放置した後、まさか母胎でまだ生きていた赤子が柔らかい腹を突き破って出てくるなんて思いませんでした。残念ながら外気に耐えきれなかった赤子は数分で死んでしまったようで。もう少し腹から出る時間が早ければ私が確保できたのに」
薫/……この外道が。
GM/「もしかして貴方達は、退魔組織『教会』の者ですか?」
薫/よくご存知で。
GM/「たまに教会の者が嗅ぎ回って来るんですよ。大抵は、金を渡せば黙って見逃してくれました」 ……2019年の教会に何の資料も無かった理由、1919年当時の構成員達が学園長から金を渡されて事件を隠蔽していたからです。
愛菜/あーっ!? だから記録が残ってなかったと!
薫/なるほどなー! マジ腐ってるー!(笑) しっかり異端の調査をしていたなら、100年後にもその記録が残っているもんな……。
然/確かに退魔組織には属している。だが、僕は僕の意思でここに来た。
累/善良な鬼の子に呼ばれちゃった妖精さんなんで、ちょっと願いを叶えに来たっていうか!
愛菜/そう、願いを叶えに来ました!
GM/「はあ、貴方達は……ご遺族に謝れとか言いに来たのですか?」
薫/……やはりこういうことをやる人の思考回路は、わたくし達には理解できませんわね。
然/桔梗さん……いや、法月くんと僕の妹同然の茅乃は、きちんと想い合っていた仲だった。それを踏みにじった清算はさせてもらう。
GM/「清算? ははは、凄惨ときたか!」 伏せていた目が、じっと然くんに向けられる。≪魅了の魔眼≫を使用。4人全員を対象に範囲攻撃を……なんですが、全員警戒している状態なので【回避値】に+3のボーナスで対抗判定をどうぞ!(ころころ)こちら、命中16です。
然&薫&累/(ころころ)回避成功!
愛菜/(ころころ)13で失敗……。
累/令呪を持って命じる! がまんっ!
然/可愛い命令だ!(一同笑)
GM/「おやおや、これは無傷で済ませてくれないようですね……」 そう言って学園長はウズマキから禍々しい魔導書を出します。クライマックス戦闘を始めます!

【戦闘マップ】
 エンゲージ1:然、薫、累、愛菜
 (↑10メートル離れている↓)
 エンゲージ2:モブA、モブB
 エンゲージ3:学園長


【行動値】
 学園長:16
 然:14
 愛菜:12
 累:11
 モブ:11
 薫:10

【分類】
 学園長:人間/異端犯罪者/ボス
 モブ:異端/従魔/モブ


GM/それでは第1ラウンドのセットアッププロセスから参りましょう。【行動値】トップの学園長は……セットアップで何もしません。
愛菜/愛菜はセットアッププロセスで≪魂装支援≫を自身に使用します。
累/累は≪空間知識≫を使用します。
薫/薫は≪飛行の札≫を自身に使用します。【行動値】+4して、モブより早く動けるようになる!
GM/あんだけ飛んでた人がついに飛んだ!(笑) ではメインプロセス、最速の学園長からいきましょう。≪タナトスの足枷≫+≪爆散≫で全員に攻撃。(ころころ)命中が18です。
累/いきなりぱぁーん!?(ころころ)避けた! 18で回避成功!
薫/(ころころ)やった、避けた! ウェーイ、回避成功!
然/(ころころ)1足りない……自身≪ミネルヴァ≫を使います。(ころころ)1プラスして成功。
薫/おー、ヤモリさん最低限の仕事をきっちりする!(笑)
然/必要最低限のことしかしないヤモリ! 無駄のない仕事をする!(笑)
愛菜/(ころころ)2足りない……失敗。
累/では、愛菜さんには2つ目の令呪を使います!
GM/全員回避成功だね。では学園長が即座に≪鏡像≫を使用し、未行動になります。お次は≪爆界≫で全体攻撃。(ころころ)全員に命中15です。
然/(ころころ)やったー、避けた!
薫/(ころころ)1足りない! でも『イベントキー:警戒』を使って避けます!
愛菜/(ころころ)2足りない……失敗。
然/愛菜ちゃんの回避に≪交わる矢≫を使用!(1D6ころころ)よし、回避成功にさせます!
累/(ころころ)累も回避失敗。令呪を貰って回避したいです!
薫/令呪を使用! 避けてー!
GM/お見事、怒涛の全体攻撃ターンが終了しました。

 然はメインプロセスで行動待機を宣言をする。
 続いて薫はマイナーアクションで、学園長がいるエンゲージまで移動した。


薫/学園長に≪ネメシスの鎖≫+≪魔法剣≫で攻撃します。防御点無視ダメージにします!(ころころ)代償を払って、命中は18!
GM/その攻撃が当たったら学園長はトップバッターから鈍足になるんだよね……。(ころころ)14で回避失敗。
然/ダメージロール前に≪オグマ≫を使用。ダメージを7D6増やしてください。
薫/はいぃ!? 7D6!?(笑)
愛菜/7D6アップはでかい!(笑)
GM/≪正五神「エーデンアイデイン」≫持ちで≪オグマ≫……怖くて楽しいね(笑)
薫/それなら10D6ダメージだ!(ころころ)うっ、出目が酷い……。
然/なら≪悔改めよ≫! ダメージロールを振り直し! さらに、ダメージロールに令呪を使用!
薫/10D6をもう1回! ありがとうございます!(ころころ)36点なので……令呪を貰って、56点防御無視ダメージ! 薙刀でバッサリいきました!
GM/女子強いとても強い!(笑) 素通しダメージが入ります。さらに【行動値】が1になる……すげー痛い!
愛菜/では、愛菜は≪視えない腕≫+≪蒼の衝撃≫で学園長を攻撃します。女の子の体をなんだと思ってるんだー!(ころころ)命中クリティカルしました!
GM/おおっ。(ころころ)回避クリティカルは出なかった、当たります!
薫/わー、凄いー!
累/ここまできたら乗せますか、令呪を使用。ダメージ+20してください!
愛菜/(ころころ)38点の霊力ダメージいきます! お兄ちゃんが殴ります!
GM/オラオラオラオラァ! 気持ち良くダメージが入りました(笑)

 累はメインプロセスで然と同じように、行動待機を宣言。
 モブAは≪デッドアイ≫+≪デスブリンガー≫+≪特攻≫でまとまったエンゲージにいる然、累、愛菜を攻撃。
 全員回避失敗し、物理ダメージ22点の範囲攻撃を受けるが、累の≪念動障壁≫がダメージを8点まで軽減した。
 モブ2体目の攻撃はダメージ26点の範囲攻撃だったが、それも累による令呪を使用する≪念動障壁≫でダメージを0点にさせた。


累/累のターンで、範囲攻撃に入らないようにエンゲージ移動します。(ころころ)離脱成功。その後、メジャーアクションで≪肉体復元≫します。

 累の≪肉体復元≫によって、PC全員の【HP】は33点回復。
 さらに然はマイナーアクションで≪興奮剤≫+令呪で【MP】を26点回復。そしてメジャーアクションで≪セケル≫を使用し、薫を未行動にした。


然/薫さんは≪セケル≫の効果でダメージ+1D6、さらに≪オグマ≫で4D6プラスしてください。合計でダメージロールに5D6追加! 奮起させるように地面を足でバンとリズムを取るように足踏みして、サクソフォンで精神高揚曲を奏でます。
愛菜/おおーっ!
GM/早速≪オグマ≫再使用した! ……GMはサックスの演出は特攻に入るんだよ!(笑)
薫/ラウンド持続してるから、もう≪ネメシスの鎖≫は使わなくていいんですね。では学園長に≪タナトスの足枷≫+≪魔法剣≫で攻撃します! 防御点無視で(ころころ)代償を払って、命中18!
GM/(ころころ)当たったよ、ダメージください。
然/そこに令呪!
薫/9D6の攻撃!(ころころ)おお、43点だから……令呪を入れて、63点防御貫通ダメージ! 転倒のバステ付き!
GM/今度はバステ転倒かー(笑) では、第2ラウンドのセットアッププロセスに移行します。

【行動値】
 然:14
 薫:14
 愛菜:12
 累:11
 モブ:11
 学園長:1

 愛菜はセットアップで薫に≪魂装支援≫を、累は≪空間知識≫を使用した。
 さらに学園長はセットアップで薫に≪異形の触手≫を使用、しかし薫は回避成功した。

薫/愛菜ちゃんのダイスロール+2もあるから、空中回避でぐるんと避けたー!
然/わー、機敏!(笑)

 メインプロセスになり、然は待機宣言。
 薫は≪タナトスの足枷≫+≪魔法剣≫で防御無視攻撃。


薫/(ころころ)あっ、≪魂装支援≫の効果でクリティカル命中した!
然/やったー! ダメージ+1D6だ! そこにラストの令呪を使用します!
薫/これで……!(ころころ)43点の貫通ダメージです! 乙女の強さを舐めんじゃないわよッ!
GM/……落ちたな、これ。オーバー10点で倒れる。ボスが倒れたのでモブも無力化、戦闘を終了します。
然/よし、落ちたー!
GM/エンディングフェイズに参ります……が、その前に「とあるマスターシーン」を演出させてください。この世界には無い物語です。
愛菜/はい……?

 ――1919年7月9日、22時。
 「火災が発生しました。厨房から火災が発生しました。皆さん、第一講堂に集合してください」
 そう告げられた80人あまりの寮暮らしの生徒達が、厨房から離れた安全な体育館へと集まっていく。
 事態にザワザワと動揺する生徒が一望できる壇上に立つのは、綾小路学園長。彼は彼女達を視界内に収め、≪魅了の魔眼≫で見つめた。
 だがその魔眼に、回避判定で成功してしまう人物がいた。

 「もしかしてお父様、貴方は……これと同じことを今までのボクにしていたのですか!?」
 洗脳されて学園長の意のままに動く全校生徒の前で、とある少女……いや少年は、壇上の義父に叫ぶ。

 「まったく……君は優秀すぎるから我が子にしたとはいえ、【意志基本値】を上げ過ぎにも禁物だな。実験の妨げになる」
 もう一度、学園長は……桔梗を洗脳して彼女達と繋がらせようと、近くへ寄る。至近距離で確実に桔梗を洗脳するためだ。
 だが桔梗は反抗する。彼は炎を学園長に向けた。
 学園長もまた娘に炎を向ける。2人は戦う。
 木造の建物を、まだスプリンクラーなども設備されていない施設を燃やし尽くすような戦いを、始めてしまった。

 ……後日。80人が焼け死ぬ地獄と化した絹川女学院。
 そこに、真相を暴く警察組織が立ち入ることはなかった。
 何故なら「未成年女子を使った実験場を国が支援していた」という事実を、どこにも公開する訳にはいかなかった。
 そして暗部を知っている者には、金が握らされた。退魔組織『教会』の者達も黙らされた。これが、とある世界の結末だ。

 ――だが、君達には関係無い世界の話――。


GM/マスターシーンを終わりにします。……膝をつく学園長にトドメを刺すことも可能ですが?
薫/……また何かやるかもしれない。だからトドメを……。
累/待って。処理は教会に任せるのが良くない?
然/でも……この時代の教会は、金を握らされて黙らされるんだろ?
累/けど薫さんが殺人鬼になる必要は無い。なら……未来に教会に連れていって反省してもらう?
GM/おっ? ……なんか不思議な提案をするね?(笑)
累/手を汚さないようにしたいし、でもこいつをどうにかしたいから……連れていっちゃいます。
GM/ほうほう? えー……冷静に考えてみよう。100年前の犯罪者を連れてこられた高坂はどう思うだろうか? …………高坂なら事情を聞けば君達を助けるな(一同笑)
累/やったー!(笑)
薫/信用しているから累くん達に任せよう。薙刀を下ろす。そして≪ネメシスの鎖≫で巻いて捕虜として渡します!
GM/では学園長は未来に連れて行かれるということで……1919年の行方不明者になるんだろうね(笑) さて、謎が解けたということで、累くんと愛菜ちゃんの体がキラキラと光り始めます。
薫/あっ、元の世界に帰っちゃう!?
累/レイシフト終了のあのBGMが流れた!(笑)
愛菜/わあ、キラキラしてる……(笑)
GM/という訳で、累くんと愛菜ちゃんが「シーンエンドします」と言ったら2人は2019年に帰れます。お好きにシーンを閉じてください。
累/では……妖精さんは妖精さんらしく帰ります。
愛菜/学園長には、未来の時間で人の命を弄んだ罰を受けてもらいますよ。
然/……すまないな、2人とも。ありがとう。厄介事を頼む。
薫/貴方達の助けが無かったら、茅乃の死も闇に葬られたままだったと思う。ありがとう。……茅乃もきっと報われたわ。
累/そうだ。ピアスを預けておくよ。妖精は落とし物をするもんだからこれを桔梗さんにあげてください。
然/妖精さんからのプレゼントだって?(笑)
薫/ちゃんと届けておくわね。
累/あと、桔梗さんに……茅乃さんのことは上書き保存せずに覚えておいてあげてって伝えておいてください。って現代人にはよく判らないことを言う。
薫/うわがきほぞん、って何かしら?(一同笑)
愛菜/好きな女の子のことは最初から最後まで覚えていてねってことです!(笑)
然/思い出を一つ一つ額縁を作って飾っておけってことか。……僕はもう小説家として筆は取らないつもりだけど、もしかしたら、音は残るかもしれない。何か僕の痕跡が残っていたら、よろしく。
累/はーい、レコードを探しておくね!(笑)
然/短い間だったけど、ありがとう。サックスで『蛍の光』を吹きます。
累/それ聞くと「はよ帰ろ」って気分になるね。
愛菜/本来はそういう意味の歌じゃないけどね!(一同笑) いつか、貴方達の子孫に会えるといいな……!
然/それは、努力次第かなー?(笑)


 ●エンディングフェイズ 〜痕跡〜

GM/先に、2019年組のエンディングシーンをしましょう。累くんと愛菜ちゃんは、サイゼリヤの前に居ます。
愛菜/あ、バイバイしたところだ。
累/……まずは高坂さんのところに行こうか。じゃないと学園長がウズマキ入れっぱなしになっちゃう!
GM/ウズマキの中に入れたのかよ、早く出してあげろ(笑) では、そんな2人のもとに……別れたばかりのPC1の辻ちゃんとPC2の市紘くんが来ます。
累/あ?
愛菜/……ふぁっ!?(笑)
GM/辻ちゃんっていう文学少女っぽい子と、市紘くんという元気な男の子が現れます。PC1の辻ちゃんが「龍の聖剣がどっかの時代に飛ばされたって言ってたけど、大丈夫だった?」って心配して尋ねてきます。
累/お、面影があるなー!?(笑) ……これ、宅配便でーす。縛った学園長をあげる。
GM/「いらない」
然/即答!(笑)
GM/PC2の市紘くんが「えっ、お前らクライマックス戦闘した後にクライマックス戦闘したの? 疲れない!?」って言います。
累/疲れた!(笑) でもサイドストーリーだったの! 幕間の物語だったの!
GM/疲れたって言うなら市紘くんが「俺が高坂さんに全部説明してやるよ。そいつ連れて一緒に教会に行こうぜ」とついて来てくれます。文学少女っぽい辻ちゃんも「クライマックス戦闘でお腹減った? またサイゼ寄る?」と言いながら。……すみません、勝手に子孫を作らせていただきました。
薫/私達の子孫だ! わーい、ありがとうございます!(笑)
然/が、頑張ったんだな、僕……ちゃんと血が絶えなかった(笑)
愛菜/えっと……絹川女学院は火災が無かった後、どうなったんですか?
GM/絹川女学院は数年後、学校合併の嵐に巻き込まれます。その結果、名前が残らず閉校となったようです。ただ「ここに女学校があったんだよ」と後世に伝える記念館や公園は残っているようだよ。
薫/ああ、残ってるんだ……!
愛菜/1919年に歩いたところが、2019年にも残ってるんだ……。
GM/もしその辺りを愛菜ちゃんが歩いたなら、文学少女の辻ちゃんが「私のおじいちゃんがこの辺りに住んでいたの。ハイカラ文学青年で超ベストセラー作家だった」って話すよ。
然/それ、盛ってない?(笑)
GM/「そのうちおじいちゃんは『文豪とアルケミスト』に実装されるから」
然/草葉の陰で「ないわ!」って叫ぶわ!(一同爆笑)
GM/「おじいちゃん『文アル』で実装するのもいいけど、『FGO』でサックスでブン殴るサーヴァントで実装してほしい
薫/何のサーヴァント!? サックスで殴るキャスター!?(一同笑)
然/おじいちゃんは「ないない!」って言ってるよ!(笑)
累/……薫さんは、あの後どうなったのかな?
薫/うーん、なんか……薫はそのうち道場とか開きそう。「女の子も強くならなきゃダメ!」って教え出すかな。
累/じゃあ……歩きながら「市紘武芸道場」という看板を見つけて、嘘だろって呟きます(笑)
愛菜/いいねいいね!(笑) ……そうやってワイワイと話しながら歩いていると、凛々しい人と擦れ違う。その耳にはピアスが光っていた、とか……。

    ◆

GM/1919年組のエンディングシーンに参ります。……火災なんて起きず、7月10日を迎えた絹川女学院。「学園長が行方不明になった」というニュースが巷を騒がせます。お金持ちだから誘拐事件にでも遭ったのかもね?
薫/本当に怖いですわねー、おほほ(笑)
GM/代理の学園長を立てて、絹川女学院は大騒ぎになるでしょう。ですが警察は究明に消極的な様子。……裏でやっていたことがあくどすぎるので、真剣に捜査することはなく、次第にこの事件は有耶無耶になっていくのでした。だが君達は君達は知っている、不慮の事故死を迎える女子生徒が今後出ないことを。
然/ああ、それは良かった……。
GM/桔梗のその後ですが、突然お父様がいなくなったことで周囲は大混乱。ただ綾小路家はお金持ちだし、親戚に後見人になってくれる偉い人がいたおかげか、大変でも彼なりに生きていきます。
愛菜/お父様は……妖精さんが連れていったってことにしてください(笑)
GM/それでは、桔梗が落ち着いた頃に薫さんと然くんを訪ねます。最初は問い質そうとしておりましたが、君達の晴れた顔色を見て……恐ろしい事態はもう起きないと確信し、君達を信頼してそれ以上を追及しないのでした。
薫/あっ、そうだ。妖精さんがね、落とし物をしたの。貴方にあげるべきだと思って……はい。耳飾りです。
GM/「わあ。とても綺麗な物ですね。さすが異世界の宝だ……」 キラッキラのスワロスキーのピアスを貰ったよ(笑)
然/それと……これ。茅乃が用意したプレゼントだ。これはあの子が君に用意した物だから、渡すよ。
GM/「……ああ、やっぱり用意していたんですね」 誕生日プレゼントを受け取ります。「……実はあの夜、デートの待ち合わせの時間より早めに茅乃の部屋に行きました。そのとき……やけに慌てて、何かを隠している姿が見えたのです」
累/ああ、慌ててプレゼントを見せないようにしてたんだね……(笑)
GM/そのプレゼントには……涙を零して喜ぶ桔梗です。「……後見人になってくれた親戚から、『このまま勉強を続けて綾小路家を支える者として生きてくれないか』と頼まれました」
薫/……そっか。
GM/「……綾小路家の為に学問を収めたいという気持ちもあるのですが、ボク自身は、警察官になりたいと思い始めているんです。判らないことをそのまま判らないままにするのは、なんだか悲しいじゃないですか」 どうやら彼は「謎を暴きたい」という正義感の強い子のようだ。だからこそ妖精さんを召喚したのでしょう。
累/なるほどー(笑)
然/……その言葉には、深く頷く。君なら絶対に夢が叶うと思う。だから頑張ってほしい。僕も応援している。
GM/「はい」 桔梗は力強く、期待に応えるように頷きます。GMの希望するエンディングは以上ですが、何かしたいことはありますか?
然/……茅乃のお墓参りに行きたいです。
GM/では……お葬式が終わり、お骨が入ったお墓へ。茅乃ちゃんのもとに挨拶に行きましょう。
薫/……黙祷します。
然/手を合わせる。お墓には発売されたばかりのお菓子やカルピスもお供えをして。
GM/流行り物、きっと喜ぶよ。
然/お墓を掃除した後……おもむろにサクソフォンを取り出して、マウスピースを咥えて音を出します。
薫/レクイエムを吹く……?
然/『カチューシャの唄』を吹きます。
GM/ほう?
然/1914年の歌謡曲です。

 カチューシャかわいや わかれのつらさ
 せめて淡雪 とけぬ間と
 神に願いを(ララ)かけましょうか

 カチューシャかわいや わかれのつらさ
 せめて又逢う それまでは
 同じ姿で(ララ)いてたもれ

 カチューシャかわいや わかれのつらさ
 ひろい野原を とぼとぼと
 独り出て行く(ララ)あすの旅


然/……音色を吹いて、目元を押さえて、静かに泣く。
薫/隣で、静かにその歌を聞いて……ゆっくり眠ってもらうことを、祈ります。


 アナザーワールドSRS
    『 カチューシャの唄 』   END





END

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