アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 ユガミジマ 』 2ページ ■
2016年12月27日




 ●ミドルフェイズ3/隼之進 〜入口出口〜

GM/今日も良い天気。朝ごはんもご馳走になりつつ、千夏ちゃんのお父さんから「もう暫く島でお過ごしください」と言われ、また1日を過ごします。
隼之進/はい。……そろそろ真面目に過ごそうかな。【知覚】で判定します。
七波/協調行動!(ころころ)あ、出目が1・2だったので失敗です……。

『AF判定:島で真面目に過ごす』
 ・使用能力値:【知覚】【反射】
 ・難易度:30

※「不思議な島を調査する目的で過ごす」演出に成功すること。
 成功すると、島にあった物を発見できる。
※協調行動OK。難易度:10。


隼之進/まずは……≪スペアハート≫でときわさんの体のチェックをしましょうか。いつものホムンクルス調整です!
GM/(ときわになって)「マイスターが造ったホムンクルスって、僕のブラザーなんですよね。いや、ブラザーズなんですよね!」
隼之進/ときわさんの体が一番メンテナンスしているので、貴方が長男ですね。
GM/「照れますね! 長男なんて照れますね! 長男なんて! 照れますね!」
七波/弟がいっぱいできちゃったねー(笑) とりあえず、千夏ちゃんに村の地図を見せてもらいました!
隼之進/村の地図を用意してもらうなんて、なんて用意周到な良い女なんだ。めちゃくちゃ心を奪われます。地図をもとにホムンクルスに≪飛行の札≫という名の≪魔道具1・2・3≫タケコプターを使って、周りを見てきてもらいます。うん、直流って感じ。
GM/おっ? お前は直流の者か?
隼之進/私は直流派です!(笑) ……自分の足で探索しよう、≪強化手術:体力≫。村々を散策していきます。
七波/村中を歩きまわるね。ひーひー(笑)
隼之進/ホムンクルスちゃん達には頑張ってもらいますよ。コミュニケーションが活発なホムンクルス達に、村の奥様達から情報収集をしてもらう≪ホムンクルス生成≫。より人間らしい行動ができる≪至高の傀儡≫。
GM/怪しまれることなく大勢から話を聞けるね。村々はいかにも古い漁村。道は舗装されていないものです。
隼之進/彼女が転ばないように≪幻想式≫でイイカンジに足場を作っていきます。もしくはイイカンジにホムンクルスに床になってもらったり。
七波/隼之進さんが手を貸してくれるんじゃないんだなぁ(笑)
GM/(ときわになって)「そういうところがダメな男ですね。マイスター・イズ・バッドマンです
隼之進/バッドマンなんですかときわさん!?(笑) ときわさんと≪移殖の儀≫で目と目で語り合いました!
GM/(高坂になって)「七波ちゃん、転ばないようにちゃんと足元を見ていくんだぞー。コンクリートとは全然違うからね」
七波/はーい、圭吾お兄さんへの好感度を上げまーす! もう天井だけどな(笑)
隼之進/高坂さんは凄いなぁ……自分も気合を入れていかねば。≪興奮剤≫をちょっと飲んでおこうか。ただその胸の中に≪暗黒の渦≫が渦巻いている!(笑) いや、高坂さんはリスペクトしてますけど!
七波/ときわお兄ちゃんも足元を気を付けてね!
GM/(ときわになって)「もちろん! 七波さんもはしゃがないでくださいね、貴方も立派なレディなんですから」
七波/わ、判ってるもーん。もうっ、急にこんな話をしてー(笑)
隼之進/これで『現在難易度:6』ですね? ファンブらなければ成功かな。(ころころ)11で成功ですね。
GM/OK、君達は色々と調べました。真面目に聞き込みをした調査結果をお話します。……この島は、非常に豊かな場所です。もし現代にこの島があったなら、かなり豊富な水産業で栄えて有名になったんじゃないかと思います。だがしかし、厳しい地形があるのも確か。
七波/ほうほう。
GM/本土と午咲島を繋ぐちょうど真ん中部分が、非常に危険な岩々があり、悪条件が重なる魔のスポット。自然が作り出した凶悪なトラップがあります。何度も漁師さんや千夏ちゃんが言っていた通り、転覆しやすくて非常に危険な場所です。……なかなか人の手が及ばないからこそ、良い魚介が獲れるのかもしれませんが。
七波/それを本土の方に売り出していってほしいなー。ここのアワビ美味しいもん!(笑)
GM/アワビもすっげー獲れて大豊作の漁村です。けど、運が悪ければ死にます。人は既に何人も死ぬような所です。
隼之進/うーん、難しい……。
GM/数年前、明治時代になり文明開化ブームが到来。本土からお役所人が「この島って素晴らしいですね! 綺麗だし漁業も超盛んだし素敵! ぜひとも本土と積極的交流しましょうよ!」と来ました。ですが島民は「それ無理じゃね? だって行き来だけでも大変だよ」と難色を示したそうです。
七波/うん……。
GM/海産物が豊富な歪島近辺は良い場所なので「もっと盛り上げるべき」というお役所の声があります。ですが島民達は「ムリムリ」と言ってます。自給自足が賄えており、緊急性が無いのも一番の理由ですね。住むには都な島だと判ります。……そういった話がここ数年、この島では持ちきりのようです。
隼之進/無理に言うことはできないよね。
GM/そうですね。さて、君達は島の中央の森に入り……いつの間にか、海が一望できる断崖絶壁までやって来ました。そこには鳥居があります。
隼之進/うん? 鳥居だ。
GM/社は無く、鳥居だけがポツーンと海に向かって建てられていますね。下は海という断崖絶壁に続く鳥居は、何人もの人が亡くなった歪島の周囲の霊を治める慰霊碑のように建っています。おどろおどろしい妖しさはなく、むしろ今日は天気が良く青空が広がっているので清々しい光景が楽しめます。
隼之進/……地形的に人が死にやすい所だから、そう祀ってるんだろうな。そりゃ村長さんが「村を出ろ」と言ってもおかしくないか……。
七波/なるほど……村長さんには「視えている」のかもしれない。
GM/ではここで【意志】判定で難易度12をどうぞ。[魔術師]と[世界遣い]なら、ボーナス+3で判定ができます。
隼之進/はーい。(ころころ)お、[魔術師]だったから達成値13で成功です。助かりました!
七波/(ころころ)私も18で成功です!
GM/お見事。2人は鳥居が≪クリエイトゲイト≫だと判明できます。その鳥居が自然が作り上げたウズマキの入口だと判りました。
隼之進/あー!? 自然の……!? これを通ると帰れるのかな?
GM/はい。隼之進くんはその鳥居……ゲイトを潜れば「ここではない次元」「こことは違う時代」に行けると思った。どうする?
七波/……行くべきでは!?
隼之進/よーし、行くぞー。軽率に行くことにします!
七波/どうする? 2人で行く?
隼之進/私1人で大丈夫だよ。七波ちゃんはこっちに残っていてくれてもいい。
七波/うっ。……それじゃあ隼之進さん、頑張って。……見送るの不安だけど……。
隼之進/ゲイトに入る前、手だけをフラフラさせて行ってきまーすって伝えます。
GM/では隼之進は鳥居を潜ると、君の周囲の景色が変わる。……周囲には、誰もいない。1人だけ別の島に来たようだ。
隼之進/わあ、大丈夫そう……?
GM/さっきまで綺麗な景色を見ていた島と似ている。ほぼ同じだ。だがどこか違う、まるで未開の無人島のよう。君はこう思う。「きっとここは、さっきの島から100年経った場所だ」
隼之進/ふんふん。本来はここに辿り着く筈だったんだな……。
GM/周囲に怨霊がめっちゃいる。
七波/へ?
隼之進/真顔。

『AF判定:怨霊退治』
 ・使用能力値:【体力】【意志】
 ・難易度:80000
 ・ラウンド制限:1ラウンド

※「島中の怨霊を退治する」演出に成功すること。


七波/難易度:80000!?(笑) 8万って!?
隼之進/マジかー!? 難易度ヤバイ!(笑)
GM/1ラウンドに難易度80000に成功しないと怨霊の群れに襲われて死にます。怨霊達は「イキの良い餌がいるぞー!」と怨霊達の真ん中にポツンと居る君に向かって襲い掛かろうとしています。
隼之進/襲い掛かってきたー!? 『チョコボの不思議なダンジョン』とかでやったことがある!(一同笑)
GM/怨霊の【行動値】は33なので、一寸法師より先に行動します。≪メリクリウス≫+≪タイマスト≫+≪アテナ≫による、範囲攻撃10D6ダメージを与えます。
隼之進/どどどどうしよう!? でも七波ちゃんがこっちに来なくて良かったな! いや、本来辿り着くこの島に我々辿り着かなくて良かったね!?(笑)
GM/(ころころ)命中27です。
隼之進/おおおー!? ……そうだ、1シナリオ1回までの魔鏡様の≪コネ「魔法少女」≫を使います!
七波/そっか! 10D6を振れば6ゾロぐらい出る!
隼之進/七波ちゃんが居ない所でフォームチェンジできて良かったー!(笑・ころころ)ビュンと戻ります!
GM/隼之進くん、七波ちゃんの元に帰ってきました。
七波/お、おかえり!?
隼之進/……なんていうか、ヤバイ(笑) 七波ちゃんに難易度80000を教えますね。
七波/うん、ヤバイ(笑) れ、冷静に考えましょう! れれれ冷静に考えるんだ!
隼之進/冷静じゃない彼女、めちゃくちゃ可愛いな。
七波/隼之進さんの手をギュッとします!
隼之進/あっ。……に、握り返せない(笑)
七波/……ふう、落ち着いてきた。冷静に考えましょう。難易度80000は無理です!
隼之進/そうだね!(笑) ……ということは、このルートを通って現地に帰るのは無くなったいうことだ。
七波/……ここは、過去の世界。では、怨霊が発生する原因を……。
隼之進/原因をなんとかすれば、怨霊がいなくなってこのルートで帰ることも可能?
七波/そう。……島民が怨霊になるんですよね。なら、みんなが怨霊にしなきゃいい。地震のとき、村人が全員本土にいればいいんじゃない?
隼之進/でもみんな乗り気じゃないよ。
七波/力になってくれるのは誰だ? ……村長さんだ!
隼之進/あの櫻井ボイスのな。
七波/もう櫻井ボイス決定なんだ?(笑)
隼之進/どちらかというと鈴村ボイスの方が親身になってくれそうだね。櫻井ボイスだと人間に興味無さそうな感じかもしれないから!(笑) ……村長さんにこの話をすれば、協力してくれるんじゃないかな?


 ●ミドルフェイズ4/七波 〜訪問〜

七波/村長さんのお家に行ってみましょう! 直接お礼を言いに行ってきますね。
GM/では翌日。千夏ちゃんが「村長さんの家なら山の高い所にあるよ。それに優しい人だから、すぐ出迎えてくれると思うよ」教えてくれます。
隼之進/これは山登りになりそうですね。まずは協調行動を振りますよ。(ころころ)達成値13で成功です。

『AF判定:島の主と過ごす』
 ・使用能力値:【理知】
 ・難易度:20

※「島の主と会って過ごす」演出に成功すること。
 成功すると、島の主と交流ができる。
※協調行動OK。難易度:8。
※『イベントキー:旦那様』がなければ判定できない。


GM/導真様は、村長の家らしく他の家屋より少し大きめなお家に住んでいます。海辺の家々よりは中央の森に近い場所に建てられているので、少し歩きますね。
七波/村長さんちに持って行く物を確認します。≪食料調達≫!
GM/自分で獲った魚介だ。
七波/今朝の漁を手伝って獲ったやつです。山登りになるから朝ご飯はしっかり食べました。隼之進さん、はいあーん!
隼之進/隼之進、めちゃくちゃ興奮しています。≪興奮剤≫+≪興奮剤EX≫相応の興奮です。
七波/うん、あーんで食べてくれたことに大満足!(笑) 移動を頑張ろう、≪勾玉の加護≫。
隼之進/ここもまた舗装されてない道だ。彼女の足場をキープするため≪幻想式≫!
七波/ちょっと大変だなーって所も頑張って歩きます。隼之進さん、大丈夫? しんどくない? ≪飛行の札≫使う?(笑)
隼之進/いや、村人に見られたらヤバイので(笑)
七波/ちょっと高いジャンプをしていたって言い張らなきゃ!(笑) ……島の主と過ごすが目的のAF判定なので、ちゃんと会おうと思います。村長さんのお宅ってどんな感じですか?
GM/木々にまみれたちょっと大きめのお家です。ごめんくださいと君達が村長宅を訪れると、ちょうど村人達のおしゃべりが終わったところなのか、みんながゾロゾロと出てきます。
七波/あ、お疲れ様でーす。
GM/「導真様、ごちそうさまでしたー」「おや? 亀井さんちの居候さんが来たぞー」「じゃあワシらは退散するかのぉー」 村人達はニコニコと帰っていきます。そして……銀髪紫眼の青年、導真様が現れます。
隼之進/ど、どうも……。
七波/お邪魔しまーす! こんにちは、村長さん!
GM/(導真になって)「こんにちは。都会の人だっていうのによくここまで登ってこれたね。大変だっただろう」
七波/山道、大変でしたー! でも体力には自信はあるので!
GM/「そういえば君は千夏と一緒に漁をしていると聞いたよ」
七波/そうなんですよ。そうだ、これが私が獲った魚です!
GM/「ありがとう、みんなで焼いて食べるかい?」
七波/ありがとうございます! ……村長さんの前で着物はちゃんとしているかな? 着物を直す、≪魔法のローブ1・2・3≫です。
隼之進/彼女が身だしなみを整えている中で、この人は一体何者なんだろう……胸の中で≪暗黒の渦≫が渦巻いています。警戒してしまうけど、≪強化手術:体力≫があるから平気!
七波/村長さんには何かあるぞ……というのは自分も気付いています。【正気度】判定には≪強化手術:意志1・2≫で堪えます! ちょっと警戒の意味も含めて、足元のアンクレットをチラッと見ます。魔力の揺らぎを察知できる≪魔道具1・2・3≫で、宝石が3つ入ったアンクレットなんです。
隼之進/はー、めちゃくちゃセクシーかー(笑)
七波/何かあったとしても、魔術の鍛錬を詰んでいるこの両目が見逃さない! ≪刻印増強1・2≫。
GM/もう『現在難易度:1』です。そろそろ振ろうか? 村長さんはお茶を淹れてきてくれますよ。
七波/お茶を淹れてきてくれてる、ありがとうございます!(ころころ)達成値12、成功しました。
GM/お茶を出してくれた村長は他愛もない会話をするよ。「村の人達と一緒に働くだけじゃなく、子供達とも遊んでくれたらしいな。ありがとう」
隼之進/いえいえ。……ところで、村長さんは村の人に「外に出た方がいい」と言っていると聞きました。そういうことに関しては、わりと肯定的なんですね? 何か理由でもあるんですか?
GM/「あるよ。話していいのかな」
七波/ぜひお話をしてほしいです!
GM/「まず先に訊きたい。君達はどこから来たんだい?」
七波/2016年から来ました。即答します。
GM/「ほぼ100年後か」 それも即答します。
隼之進/察しが早いですね。……100年後のこの島は、怨霊だらけになるんです。私達はその怨霊達を浄化するために来たんですよ。
GM/「……そうか」
七波/驚かないんですね。
GM/「おそらく君達が時間を跳躍してきた理由も、察しがつく。……おそらくオレのせいだろう。俺が時空・時間を歪めたせいだな」
七波/村長さんのせい? ……あの、村長さんが不思議な人というのは、なんとなく察しているんですが……。村長さんは、不思議な能力がある人なんですか?
GM/「オレは500年前に堕天してきたんだよ」
七波/えっ。
GM/堕天とは、神様の住む『上階』からこの世に……出力を落とした姿になって降臨することです。神そのものが降りると大変なことになるのでね。
隼之進/は、はあ……。
GM/オレの本名はドーマサキエル。本職は邪神をやっている」
七波/え……えへへ!?(笑)
隼之進/普通に自己紹介されてしまった!?(笑) 動揺して何も返せないじゃないですか!?
七波/どうも初めまして!?(笑) ご、ご本人様でいらっしゃいますか……?
GM/はい。邪神本人です。

 邪神ドーマサキエル。
 時空・時間・宇宙を司る『巨大な剣』の欺く神。
 世界を壊そうとしている異端という存在を生む『邪神八柱』の総帥。「世界を切り裂く剣」「星を貫く刃」「突き立てられたものは無に帰す」などと呼ばれた邪悪の代名詞。
 この世全悪の頂点に位置し、この世を終わらせようとする『悪の中心』。


隼之進/そりゃあ……おばあちゃんが「小さい頃から見た目が変わらない」って言いますよね(笑) 貴方、誰かに召喚されたんですかっ!?
GM/「いや、普通に自分で堕天してきた。結構いるんだよ、旅行で来たとか、ボランティアで来たとか、人間に混ざって遊びに来たとか、純粋に殺したいから来たとか、そういう神ってわりといる」 村民が【正気度】判定をしない理由は「生まれたときからずっといるから」ですね。
七波/生まれたときから邪神がずっと村長さんをやっているんですもんね!(笑)
隼之進/すげーな、「趣味で村長してる神様」って!(笑) 神様とちゃぶ台を挟んで話をするとは思わなかったですよ。高坂さんが見たら卒倒しちゃうよ!
GM/高坂が「どひゃー!?」ってスッ転ぶの、想像に容易いよ。
隼之進/いきなり画風がコロコロコミックみたいになった!(一同笑)
七波/邪神が関わっているとは思わなかったので動揺が走ってますよ……私達、人を助けるために邪神と交渉しようとしてるんですよ(笑)
GM/「本職は邪神だから、この世界を滅亡させようとしているんだけどさ。たまには休憩も必要だろ? そう思って最初は遊びで堕天してみたんだが……ぶっちゃけ、愛着がわいちゃって。正直、居心地が良すぎる」
七波/あっ……(笑)
GM/「500年なんて神様からすると1ヶ月にも満たない感覚だけど、考えてごらんよ……。小さな生き物が、懐いてくれるんだぞ?」
隼之進/我が子のようなもんですよね! ……愛しいなぁ(笑)
GM/「今この村で一番のおばあちゃんだって、こーんな小さいときから知ってるんだぞ。可愛いって思うに決まってるじゃん」
隼之進/おっちゃんトークじゃないですか!(一同笑) こんな綺麗な男の人が「こーんな小さいときから知ってるねん」ってめちゃくちゃ面白いでしょ!
七波/めっちゃ面白い! 好き!(笑) そりゃ愛着もわきますよねー! ……その、そろそろ関東大震災が起きます。9月1日に大きな地震があって、その影響で島が津波が起きて、みんな死んじゃいます。
GM/「それが影響で、島は怨霊だらけになると。……それもまた、オレが原因だろう」
隼之進/貴方が、怨霊化の原因?
GM/「ああ。死んだ島民達は、突然の死に惑って成仏できず、オレに助けを求めに来たのだろう。そしてオレは邪神だ。迷える魂を自分の眷属にすることなんて容易い」
七波/あっ……。
GM/「彼らを普通の幽霊ではなく、『負の感情』を求めて暴れる異端……怨霊にすることで、ただ苦しむだけの彼らを救うのだろうな」 異端の神は悪いやり方で、彼らの「なんで死ななきゃいけなかったんだー!」という鬱憤を、暴力という方法で晴らしてあげたのでしょう。
七波/ううっ、そうなんだ……。
GM/導真様は島民を愛してます。村人が「苦しいよ〜助けてよ〜どうすればいいんだよ〜」と縋ってきたなら、「じゃあその苦しさを他人を殺して晴らそう」と異端的に導いてやることで助けてあげたのでした。方法はアレでも導真様なりに島民を想った結果が、オープニングのマスターシーンなのです。
七波/……それ、なんとか違う方法で助けてあげることってできません? 例えば、みんなで本土に行って死なないようにするとか……。
GM/「なんとなく村人達に『島の外に出なさい』と仕向けてみたこともあるが、総じて聞く耳を持たなかった。彼がここで死ぬのは、彼らが選んだ結末だ。この島で生きたいと言っている彼らは、この島で死ぬのは本望だろう」
七波/……ヤだなぁ。
隼之進/でも島で生きたいと言いたくなるのも判る。ここ、めちゃくちゃ居心地が良い島ですもんね……。
GM/「彼らの意思を尊重するつもりだ、村長だけにな。……ところで、異端がいたんだっていうジョーク、あれめちゃくちゃ面白いよな
隼之進/あれ、異端界でも流行ってるんだ?(一同笑) そのジョーク、100年後も流行ってますよ。
GM/「マジかよ(笑) ……死ななきゃ怨霊にはならない、それは確かだ。もしくは……島民が死んでも、オレがいなければ、島民は怨霊にはならない
七波/あ……。
隼之進/「貴方の存在が怨霊になることを増長させる」から?
GM/その通り。邪神が眠っているN市が、どんだけ異端事件が起きているのかご存知でしょうか。
隼之進/N市、異端がめちゃくちゃ各地から押し寄せているスポットになっていますね!(笑)
GM/「100年後の島民達を全て浄化するには、難易度80000ぐらいの判定が必要だろうね。でももし、オレがこの島からいなければ……その浄化難易度は8ぐらいになるんじゃないかな?」
隼之進/それって……「貴方を殺せばいい」ってことですか?
GM/そうです。導真様にはデータがあり、戦闘して倒すことが可能です。PC達が導真様と戦って勝つこで、例の浄化判定は難易度8になります。
七波/うわあ、邪神さんを殺しちゃうの……(笑)
GM/ではこの辺りで、このセッションのクライマックスフェイズについてご説明しましょう。ここでPC達はどうするか、ご相談ください。島民を救う手段があるなら提案してくれれば、GMはそれに見合った「ラストバトルAF判定」をご用意します。もちろん「導真様と戦闘する」という選択肢もありますので、ご自由に決定してください。
隼之進/うーん……。例えば、「我々は実は本土からした地震調査隊で、数日後に地震が来るんだよ! 危ないから報せにきたんだよ!」とか村人に話して信用してもらうとか?
七波/「何日か調査をした結果、この村が深刻な被害に見舞われる可能性はとても高いです。だから逃げてください!」って言うのも……あり?
GM/ありですね。1920年代は既にラジオによるお天気ニュースは浸透している時代です。人々は予報を頼りに生活しており、科学的に調査している人が本土にいることも判ってくれるでしょう。
七波/……あとは、地震で津波が来るといっても、島全部がダメになるとは限らないですよね。「緊急避難ができる場所を決める」とか。
GM/そうだね。……天災で水に流された街は「昔は住まなかった土地だけど現代になって都市開発で街になった所」が多くて、天災が起きても「昔から人が住んでいる高台や、山の上のお寺や神社は無傷」というのは多い話だそうだよ。
七波/ここ、山の高い所でしたよね? しかも村長さんの家は村人が大勢入れる広いお家! 村長さんの家に全員居たら津波を回避できるのでは!?
隼之進/イケるかなー!? 村人をどうやって集めようか?
七波/ここ、島内放送は無いですよね?
GM/無いね。
七波/……でも、村長さんの声があれば、人は集められる。
GM/集まるだろうね。考えてもみて。100人って言うと多そうだけど……小学校や中学校の「全校生徒大集合の体育館」、君達の通っていたところは何人いた?
七波/全然100人って集まれますね!?(笑)
隼之進/イケるな! 普通に「全員集まれー」って言ったら集まるよね。≪+50村長≫を使って!(笑)
七波/「ちょっと今日、村長さんから大事な話があるから」と言ったら集まるよね。集めて話をしよう! これが一番現実的かな?
隼之進/……よく思いついたね。良かった。
七波/うん! 良かった、それでは村人を集めます!
GM/村長宅に集める前に、消極的というか、「なるようになれ」精神の導真様が味方をしてくれるか。【理知】判定で対抗判定をしてみましょうか。(ころころ)こちらの達成値は12なので、達成値13以上を出してね。
七波/(ころころ)はい、成功です! ……村長さんに、地震が起きる当日に「酒盛りだ〜!」とかで集まるように言ってもらうことってできますかね?
GM/ええ、できます。なお関東大震災は9月1日お昼頃、11時58分に発生します。
隼之進/朝からドンチャン騒いでもらった後、「わー! 地震だー!」って言って高台に行ってもらえば!?
七波/「地震で津波が来る! 絶対に下りちゃいけない! 高台で避難してもらう」……って言って、村長宅より上の山へ行ってもらうかな?
隼之進/こんな段取りでどうですか!?
七波/その逃げている間に……村長さんを、グサッですかね。……正直、邪神を倒しておいた方がいい。そこで殺しておかないと、後々大変なことになりそうな気がして……。
隼之進/うん、邪神を生かしておいたから悪い方向に……ってなるのも怖いし。
七波/この機会を逃すと、絶対後悔しそうなんですよね。倒せる機会を与えてくれているんだし……。「地震で、村長さんが……!」と村人達に報告するようにいきます。
GM/村長は全面OKしますよ。では……クライマックスフェイズの内容が決定しました。プレイヤー間の話し合いの結果、以下のようなAF判定が出来上がります。

『AF判定:村長宅へ島民を扇動する』
 ・使用能力値:【幸運】
 ・難易度:50

※「9月1日、島民全員を山頂に集め、11時58分を迎える」演出に成功すること。
 成功すると、島民を地震の被害から救える。
※協調行動OK。PC全員参加可能。


GM/導真様はニコニコしながら「オッケー」と言ってくれます。「貴方を後で倒しますよ」と言っても笑顔は変わりません。
隼之進/めちゃくちゃ可愛いな! ……逆に怖いけど(笑)


 ●クライマックスフェイズ 〜当日〜

GM/本日は9月1日。君達が「酒盛りだよ、全員集合!」と言うと、マジで島民全員来ます。
隼之進/ドドドド!(笑) 本当に来た!
七波/凄いなー、乳飲み子まで来てる!(笑) ≪勾玉の加護≫+ ≪飛行の札≫で移動を補助して、≪強化手術:意志1・2≫+≪刻印増強1・2≫でみんなを説得して村長さんのお家へ連れて行く!
隼之進/食料もお酒もみーんな調達しておきました。≪魔法のローブ1・2・3≫+≪魔道具1・2・3≫で支度をしておいて……これで1週間ぐらいもちそうだね。
七波/3日ぐらいもってくれればね。私もいっぱいお手伝いをしたい! ≪心身置換≫+≪幻想式≫で立派にお手伝いします!
隼之進/けど今のうちに英気を養うといいんじゃないかな、≪心身置換≫。……アワビ、食べる?
七波/食べる。あーん。うまい。
GM/高坂とときわは2人が「なんとか帰る目途がついた」とお話してくれたので、「宴会を何かの作戦」だと知った上で注視しながら楽しんでいます。お酒は飲みすぎない程度にね。
隼之進/でも、ちょっとは飲んでる?(笑)
GM/そりゃあ付き合いですから。導真様もいつも通り過ごしています。……では、そろそろ判定してもらおうかな。
七波/はい。(ころころ)もちろん成功です!
GM/島民1人残らず、全員が村長さんのお宅でドンチャン宴会に参加しております。……そこに千夏ちゃんが「村長さんから聞いたよ。今回の酒盛りは、2人が企画したらしいね?」と声を掛けてきます。
七波/村長さんがそんなこと言ってた? えへへー(笑)
隼之進/島の地酒が飲みたかったから、ちょっと我儘を言いました。イイカンジに叶えてもらってとても満足ですね。
七波/ここのみんなと食事ができて、私も満足!
GM/「家族みんなでこうやってワイワイしてると楽しいでしょ?」
七波/そうだね。でも、家族でワイワイするのも楽しいけど……私は、家に閉じこもっているのじゃなくて、外に出て、この島に来たでしょ。それでこういう楽しいことができるのも、とっても良いことだと思うんだよね。
GM/「……そっか。七波ちゃん、外に出なきゃ私に会えなかった訳だもんね」
七波/そうだよ。外に行かないと出会えないものっていっぱいあるんだよ。
GM/そこに関しては考えを改めなきゃいけない、と真剣に受け取ります。
七波/いいこいいこ!
GM/……PC達はここで、難易度12の【理知】判定ができます。
七波/なんだろ、こえーな?(ころころ)よっしゃ、成功です!
隼之進/(ころころ)いけたいけた。成功。
GM/千夏ちゃんが、七波ちゃんに似てると思った。
七波/似てる。
隼之進/似てる。……似てる?
GM/はい、似てます。まるでご先祖のよう。
隼之進/ご先祖?
七波/ご……ご先祖?
隼之進/……あ。この子、ここで絶対死んじゃダメなんじゃね……?
GM/11時58分。ゴゴゴゴゴ。
七波/わ。
GM/まずは小さな余震。でも誰もが揺れていると判ります。それから……ドンッと体験したことのないような爆発的な揺れを感じます。さすがにこれには「やばい地震だ!?」と不安がる声が出ます。
隼之進/おおおお……?
七波/じ、地震! 建物の中は危ないです、外に出ましょう!
GM/そんな指示を受けてみんな動き始める。安全な所を知っている村民が「もっと山を登ろう!」と一同を連れて行ってくれます。
七波/急いでー! 振り返っちゃダメだよ、上の方に逃げるんだー!
GM/高台に行けば判る。大津波が、この島に近寄ってきていることに。村人全員、高坂もときわも上に向かいます。……ここには七波ちゃんと隼之進くん、そして導真様だけになります。
七波/はい……。
隼之進/……津波が来る前に、終わらせないとですね。
GM/(導真になって)「ああ。全員が集まって、全員が逃げ延びた。きっと彼ら彼女らは生き残る」
隼之進/それだけでもミッション達成なんですけど……ここからボーナスステージということで。
GM/「そうだね」 導真は普通に笑っています。
七波/未来のために……すみません。お命ちょうだいします!
GM/では導真様との戦闘……なんですが、ちょっとセッション時間的に戦闘シーンはカットしたいと思います。説得に応じた彼は無抵抗で殺されてくれるようです。
隼之進/無抵抗に殺されてくれるんだ……それはそれで怖い……。
GM/プレイヤー間の相談タイムのときに「殺した方がいい」と何度も言ってくれたからね。GMはその強い意思を受け入れよう。では、導真様にトドメをどうぞ。
七波/……トライデントを構えて、そっと七波が魔力を込めると、≪本のクチ≫が柄の部分に表示されている呪文を勝手に読み上げてくれます。
GM/おお、カッコイイ演出。
七波/そうすると魔法が発動して……ドン! 物凄い魔力で邪神の胸を貫く!
GM/≪這いよる混沌≫でザスッと刺された導真。体から蒼い昇華の光が生じさせながら「上階から、君達の活躍を見ているからね」と……クスクスと笑う。
隼之進/特等席だなぁ……。
GM/「ああ、それと……高坂 七波。君の体は透けてきているよ
七波/……え。
隼之進/え?
GM/なんということでしょう、七波ちゃんの体がどんどんと透けて無くなっていきます。「本来の歴史では、津波に攫われて大勢が死ぬんだろうね。でも……人間はしぶとい。全滅した訳じゃない
隼之進/あっ……あ?
GM/「島民100人が、全員死んだ訳ではなかったんだよ。数人は奇跡的に生き残り、壊滅した村を捨て、本土に渡ったんだ。とある少女もまた生き残り、家族を亡くし、一人で本土へ行った。……そこで良い人と出会って、母親になるだろう」
隼之進/……ああ!? やっぱり、千夏ちゃんって……!
GM/お察しの通り、PC1のご先祖様です。「一人になった亀井 千夏は、天涯孤独の身で本土に向かい、とある男性と出会う。それが運命だった。……私の歪みが原因でただ時間を越えてきただけの君達は、『正なる神』が設定した運命を捻じ曲げてしまった。両親もご近所さんも全員無事で前向きな今、彼女が本土に行く理由が無くなった。それによって『今後生まれてくる筈だった命』を歪めてしまったんだ」
七波/そ、それで……それで貴方、楽しがってたのぉ!?(笑)
GM/普段の『AW』は、異端によって歪められた死を止めるため『正なる神』の装具である龍の聖剣がPC達をタイムスリップさせます。ですが今回は、異端による死は発生してません。君達は、君達の力で、運命を捻じ曲げてしまいました。なので七波ちゃんの死を救いにくる誰かが現れることはありません。
七波/……あ……。
GM/最後の口プロレス戦闘、始めます。リアルタイム5分以内に事態を解決してください。何もしないと5分後、高坂 七波という存在は消滅します。
七波/…………。
GM/「運命を歪めてしまった君。それでも君は、彼女達を救うのかい? 自分が消滅することになってしまった訳だけど」
七波/救う。
隼之進/……救う、んだね?
七波/……本当はやっぱり、未来を変えるって良くないことだと思う。けど、でも、私はどうしてもこの村の人達の命を助けたい。……ここの人達の暮らしを守りたいって思っちゃったんだよね。
隼之進/…………。そうだね、君ならなんか、そう言う気がしてた。
七波/うん。
隼之進/…………。
七波/…………。
隼之進/…………。いや。
GM/いや?
隼之進/あの……隼之進の正直な気持ち、言っていいですか?
七波/いいよ、好きに言って。
隼之進/ちょっと、クズなこと、考えちゃったんですけど。
七波/言っていいよ。……中の人はいつも私の意見を優先して自分の意見を変えてくれるから(笑)
GM/プレイヤーの意思とは別にPCが意思を表明したなら、言っちゃおう。
隼之進/ありがとうございます。じゃあ……久々に「隼之進としての声が出た」ので、そのままロールしますね。彼女の手をグッと引きます。
七波/わ。
隼之進/悪いけど、私は100人の命よりも君の方が大事だ。100人の命と君が天秤にかけられるのなら、君の方が重いに決まっている。
GM/口に出して言った。
七波/び……ビックリした顔をします!
隼之進/だって……何年見てたと思ってるんだ? 10年以上ずっと君のことを見てた。でも彼女達は数日ほどしか関わっていない。それは何人いたって変わらない。
七波/な……ん……。
隼之進/それに、元々……邪神にかどわかされるような男だぞ。……高坂さんから勘当されるかもしれないし、ときわさんから人でなしと言われるかもしれないけど、それでも、私は貴方を取りたいです!
七波/…………。ビックリして何も言えなくなっちゃった。そんなこと、初めて聞いた!
隼之進/初めて言いました!
七波/なんで!?(笑)
隼之進/自分のウズマキからホムンクルスを大量に出して、上に登っている人達を止めようとします!
七波/ちょっ!? え、ええっ!?
隼之進/とりあえずここで導真様だけ殺せば、みんな霊になっても悪霊にはならないんだよね? 高坂さんとときわさんと、千夏ちゃんだけ生かせばいいんでしょ? その他の人達は土砂崩れに巻き込もうとします。
七波/え、ええ、そんな……! ひ、100人の命だよ!?
隼之進/でも、貴方は1人しかいない。貴方の代わりはいないんですよ! ここで島のみんなが生き残ったら、千夏ちゃんは本土に出ない。七波ちゃんのおじいちゃんとなる男性と出会わない訳で……。そしたら、私と出会えないじゃないですか。
七波/そ、その……もしPVPをしても、令呪はそっちが握ってるんですよ!?(笑)
GM/そうだよ。だからGMは「契約は大事だから考えてしてね」っていつも言ってるよ(笑) ……こんな決死の告白を聞いてしまった七波ちゃん、今のお気持ちは?
七波/む、村の人を助けて暮らしを守りたい……8割。でも、死ぬのは怖い……1割。それと、告白されてめちゃくちゃ嬉しい! 1割!(笑)
GM/でも8割が「助けたい」なんだね、凄いなぁ。
隼之進/悩んでる間もめちゃくちゃ準備を進めてますよ。
七波/迷っている間にも!?(笑)
隼之進/今頃、土砂崩れが起きる準備をしているかな。
七波/とっ……トライデントを向けますっ!
隼之進/それなら……ガッと彼女の手を引いて、高台に行きますね。
七波/あう……。
隼之進/……私はそういう男なんですよ。だって9歳のときから貴方のこと好きだったんですよ。
七波/うう……言うのが遅い……。
隼之進/まだ先たくさんある。君には先があることを考えれば、今から言っても遅くないと思うんだが……。
七波/うううう……なんでこのタイミングでそういうことを言うかなぁ……! ホムンクルス達を、納めてください!
隼之進/……嫌。
七波/嫌じゃなくて!
隼之進/嫌!
七波/5歳児みたいな言い方するな!(笑)
隼之進/嫌ー! 貴方に恨まれたとしても、嫌です!
七波/……あああう……。

 ――。

 ――――。

 ――――――沈黙。


GM/……リアルタイム5分、経過しました。ここで結論を聞きましょう。七波ちゃん、君はどうしたい?
七波/…………。告白は、嬉しくない訳ではない、んだけれど……。私はやっぱり、100人は見捨てられない。
隼之進/……そうですか。
七波/見捨てられない……から、隼之進さんが……村人を殺したら、恨みます……。
隼之進/恨んでください。一生恨まれても、受けとめます。
七波/ああああ……あうううう……。
隼之進/…………。抵抗しないってことは、そういうことですよね?
七波/…………本当に、恨むからね。
隼之進/どうぞ。
七波/ずーっと恨むからね!
隼之進/どうぞ。
七波/……私の家族みたいに、いなくなったりしないでね……。
隼之進/もちろんですとも。
七波/…………。遠くから聞こえてくる、津波の音。抵抗を、やめます。
GM/プレイヤー達の判断を、GMに教えてください。
隼之進/七波ちゃんを救って、他の100人を全員犠牲にします。
GM/了解です。そのような演出してください。……一応「千夏ちゃん以外の数人も助かっている設定」なので、隼之進くんは「本来の生還者だけ助けて他は全員殺す」という行動をしてください。
隼之進/……真っ先に駆け出して高台に辿り着いた千夏ちゃんやその他の人達は、後ろを振り向くと……自分達の後ろに人がいないことに気付く。そして、遠くから悲鳴や岩が崩れる音がする。
七波/……う……。
隼之進/土砂崩れだ。人が見るも無残な形でボロボロと落ちていく様が見える。……それを、無言で眺める千夏ちゃん達。絶望したかもしれない。ショックで何も考えられないかもしれない。……隼之進は、その様子を満足そうに見ている。
七波/……う、うわああ……。
GM/隼之進くんは「薄い」と思っていた七波ちゃんの体がしっかり実体になっていることに気付いてください。ちゃんと七波ちゃんは生き残ったよ。
隼之進/良かった。あったかいなぁ……。
GM/もし彼女がこのまま消えていたら、PC以外の人……高坂やときわも七波ちゃんの存在を忘れて振る舞ったことでしょう。でも七波ちゃんに変わりはない。しっかりと戻ってきたと実感してください。
隼之進/彼女がここに居るんだという実感を噛み締めながら、彼女を抱き締めて……その光景を、ずっと見ています。
七波/……七波は、見てられない。何も見ないように、ぎゅっとしがみ付きながら……顔を背けます。何も聞かないように……ずっと歯を食いしばって泣いています……。


 ●エンディングフェイズ 〜元通り〜

GM/それではエンディングフェイズです。……村の過半数を失った生還者達。だけど幸いにも船の知識がある人や行動力に長けた人が生き残っていました。だから千夏ちゃんのような幼い子や数人の村人を連れて、そのうちこの島を出ていくことでしょう。だってそれ以外の……村長さんを含めたほぼ全員は死んでしまったのですから。
隼之進/うん……そうだね。
七波/はい……。
GM/数日後、本土から「本土も大変だけど受け入れ態勢が整ったよ」と救出の声が掛かります。彼女達は今後、本土で暮らすことでしょう。……本土へ向かう千夏ちゃんと挨拶、する?
七波/……できないかなぁ……。
隼之進/それなら挨拶しなくてもいい。
七波/……普段の私なら、言いたいことの2つや3つはあった。でも消えちゃったのは、全部……隼之進さんのせいだから。
隼之進/そうなんだよね……。でも、尚も無表情のまま受け入れます。
GM/残念ながら両親を失った千夏ちゃんは君達に声を掛ける元気すらなく、本土へ連れられていくのでした。君達は鳥居のゲイトから現代に帰ることができます。
七波/うん……。
隼之進/……彼女の肩を抱いて、ゲイトから出て行きます。大丈夫、これから幸せなこともある。
七波/……そうじゃなきゃ、やりきれないよ。でも……たとえその先にどんな幸せがあったとしても、不幸な出来事は消えたりしないんだよ……。
隼之進/そう……だね。
GM/君達はどこでもドアを潜ります。……鳥居を抜けた先、4人は未開の無人島のような場所に辿り着きました。君達はこう思う。「きっとここは、さっきの島から100年経った場所だ」
隼之進/怨霊はいない……?
GM/邪神を殺したことで、そこで留まっている亡霊達は悪いように作用せず、自然に成仏していったのでしょう。あのときのような狂気にはなっていません。(高坂になって)「これなら……俺でも浄化できるぐらいだな」

『AF判定:怨霊退治』
 ・使用能力値:【体力】【意志】
 ・難易度:8
 ・ラウンド制限:1ラウンド

※「島中の怨霊を退治する」演出に成功すること。


GM/ときわも涙目になりながら「高坂さん、僕もお手伝いします!」と高坂を援助します。
七波/あっ……ときわお兄ちゃんが頑張っているのに自分ばっかり落ち込んでいられない! 私も手伝う!
GM/「いいですよマイシスター。あれを目の当たりにした貴方の気持ちは判っています。僕達にやらせてください」 高坂とときわはお兄ちゃんとして断ります。
七波/ああっ……お兄ちゃん!
GM/「マイスター! 彼女のことをお願いします」 ときわと高坂は、君達の身に何があったかなど知りません。歴史的に大勢が亡くなることは知っていたけど、その影でどんなやり取りがあったかまでは把握してません。……隼之進を信頼して、妹を授けます。
隼之進/任せてください、って言います。
七波/うっ……。お兄ちゃん、頑張ってね。
GM/(ときわになって)「もう少しだけ我慢していてくださいね」 (高坂になって)「暫く目を瞑っていてくれ。すぐに終えてみせるから」
隼之進/良いお兄ちゃん達だ……。
七波/でしょー?(一同笑)
GM/浄化完了しました。これで教会の任務達成です。スマホで今日を確認すると、本日は8月21日。時刻は11時58分ぐらい。ボートで島に向かって数分後ぐらいだ。……君達は無事に仕事を終えて、日常に戻ることでしょう。
七波/……あの、事件が終わった後、何か音沙汰はありますか?
GM/隼之進くんは七波ちゃんに何かアピールするの? どこかデートに誘いに行くとか。
隼之進/……デートに誘っていいのかな?
七波/行くは行く。ちゃんとデートの格好をして行くよ。
隼之進/天使だ。めちゃくちゃ可愛い。最高か。
七波/でも表情は無いです。
隼之進/……そうですよね……。じゃあ、逆にこっちは笑う。彼女が笑ってないのは不自然だから、自分が笑顔になれば彼女も笑顔になると思って。……ごめんね、待たせちゃって。
七波/待たせたのかよ(笑) ……別に。
隼之進/許してくれるなんて七波ちゃんは本当に優しいな。
七波/許してないだけだし。
隼之進/……どこ行きたい? 映画? それともショッピングの方がいい? 遊園地でもいいな。
七波/…………。遊園地で。
隼之進/なら舞浜に行こうか。君とだったら行きも帰りも苦じゃない。他の人とだと苦痛だけど、会話しているとあっという間だ。
七波/……みんな死んでしまったけど、それは史実で決まっていたことだし、目に見える被害者が私だっただけで、もしかしたら私のように消える人がいたかもしれない……それは、判らない。……なんでデートに来たかって、前向きに生きたいからなんですよ。
隼之進/うん……。断ってくれてもいいのに、断らずについて来てくれる君は優しいから、ちょっとは期待していいのかな。
七波/……今日楽しくなかったら、次は来ないから。
隼之進/そうか。今日を楽しく……めちゃくちゃ努力するよ。


 アナザーワールドSRS
   『 ユガミジマ 』   END





END

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