アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 ダブルダウン 』 4ページ ■
2013年9月20日




 ●クライマックスフェイズ 〜衝突〜

GM/君達は暗くなる前に宿舎に戻ろうとします。夏の夕方は長いです。でもここは山道だから、早めに戻らないと暗くなっちゃうよ。
ナツメ/早く行こう。もう夜が近い。夜になったらまた何か起きるかもしれないし……。
きよえ/……ねえ、大ちゃんの心を揺るがす言葉が欲しいな。
ナツメ/……そうだね。
GM/ではクライマックスフェイズに突入する前に、ちよたんのミドルフェイズターンも残っていた訳だし、ここで『契約』をする機会を設けましょう。
萌/ありがとうございます! 合宿舎に戻る前に契約しておこう。どういう組み合わせにする?
ナツメ/(しばらく全員で相談して)……うーん、このパーティーなら……マスターを1人に集中した方が良い気がしてきたね?
千代反田/それだったら、後衛で死ににくそうな僕がマスターになろうか。よし、お前ら全員飼ってやる!(笑)
ナツメ/わーい、ちよたんに飼われるー(笑)
千代反田/ああ、僕の言うこと聞け!(笑) 全員と契約をします。
萌/うん、よろしく! ちよたんと握手します。
ナツメ/俺はちよたんの頭に手をポフッ。
千代反田/それは違うだろ!(笑)
きよえ/ちよたん、ぎゅ〜っ! 契約成立〜!
GM/ちよたんがマスターで、他3人がサーヴァントになるんだね。契約成立です、キャラクターシートにお互いの名前をお書きください。マスター1人が3人分を管理するのは大変なので、全員がちよたんの負担を減らすように手伝ってあげてね。
萌/令呪が3人分あると大変だから、令呪を管理する項目を作るといいよ〜。
千代反田/うん、気を付ける。……結構、重要なポジションになっちゃった。
ナツメ/ちよたんが倒れたら俺らの令呪が全部使えなくなるしね。
萌/ちよたんが戦闘不能回復を持っているし、頑張っていきましょー!
GM/そんな会話をしながら山道を歩き、もうすぐ校庭が見えてくる……その途中。道の先に、2人の少年が立っているのが見えます。
千代反田/むっ。
GM/途中で合宿舎を出て行ってしまった君達を探していたのかな? 班のメンバーである空と大地だ。……2人とも、君達を睨みながら迎え入れる。
ナツメ/……2人の様子は?
GM/空は片手で頭を抱えて苦しそうに、大地は敵意を剥き出しだ。何か言葉をかけるかい?
ナツメ/…………。写真、撮らない?
GM/写真?
萌/あ、そうだ。班全員の集合写真、まだこのループでは撮っていないよ!
ナツメ/そうだよ、撮らなきゃ。俺、クラスのみんなを撮ってばかりで写真に入ってなかったしね。ウズマキから三脚を取り出します(一同笑)
GM/いきなりの提案に、空は「お、お前ら……」と苦笑いをします。ですが、「いらないよ、そんなの」と、大地が一蹴します。
きよえ/大ちゃん……いっしょに写真を撮ろうよ。
GM/(大地になって)「いらないって。これから君達を殺すんだから」
萌/こ、殺すって……!
GM/「君達を今のうちに始末しておかないとこれからの食事に弊害が生じる。それは……結界を解除されたことと、先ほどの会話を考えれば君達が僕らの邪魔をするって充分に把握できることだ」
ナツメ/……そうだね。今から俺は君の邪魔をするよ。でもそれは、君にとって悪いことじゃない。
GM/「悪いことだよ……どうせお前達は、あいつら、教会の味方なんだろ!? 討伐命令が来ていたんじゃないか!?」 大地は君らの素性を予想して言います。
きよえ/確かに私は教会のエージェントだけど……。
GM/それを聞いた大地は、見たことのないような怒りの形相になります。「やっぱり教会の連中か! ほら、ここに異端がいるぞ! さっさと討伐しろよ! お前らが殺しにかかってくればすぐ返り討ちできたのに、僕達から動く羽目になるなんて……!」
ナツメ/……あのねぇ! 討伐の対象とかそういうのの前にさ、友達なんだよ。俺達、みんな友達なの! ……判ってよ!
きよえ/ナっちゃん……。
ナツメ/友達として君達を見捨てたりしたくない。だから……!
GM/「うるさいっ!」 聞き耳を持たない大地と、その隣には苦しげにナツメの言葉を聞く空。
萌/空にぃ……。
GM/「空! さっさと殺そう! 人間なんて殺してしまおう!」 小さな子供のようにムキになって大地が声を上げる。
きよえ/ねえ、大ちゃん……。
GM/「なんだよ!?」 半泣きの状態で、大地はきよちゃんの方を向くよ。
きよえ/大ちゃんには……笑っていてほしいな。私がいっぱい笑えるようにするから、大ちゃんには笑っていてほしい。いっしょに笑ってようよ!
GM/「……うるさいって言ってるだろぉ!?」 彼は耳を塞ぎます。その瞬間、彼の周囲の土がボコボコと浮き上がり、大きな武器を作り出します。≪大地の一撃≫の演出です。
千代反田/大地の?
GM/一撃。……ええ、設定していたスキルウェポンが≪大地の一撃≫だったんだ。まったくの偶然だよ(笑)
きよえ/名前が被った!(笑)
GM/「空っ!」 大地に名前を呼ばれた空は、姿を人間から四足歩行の赤い毛並みの獣に変化させていきます。
萌/……あたしはまだまだこれからも空にぃと楽しい生活を送りたいって思っているんだ。そのために頑張るから、信じていて! 構えを取ります。
千代反田/僕も、僕も友達として……みんなのマスターとして倒れる訳にはいかない!
GM/じゃあ、そんなちよたん達のもとに男性の声が聞こえてくることにしよう。姿は見えないけどどこかにいる、ルージィルさんの声です。
千代反田/右側からお願いします。
きよえ/右耳にと指定が入った(笑)
GM/(ルージィルになって)「とある不幸な魂がこの世界にいました。そんな悲しい運命を背負ってしまった子を救うために、世界はループすることを選びました。……貴方はその人物が誰か判りますか?」
千代反田/誰か?
GM/「世界は捻じ曲げられた悲しい運命を正すために『ループの核』を選ぶのです。その核が死ぬと世界は白く染まり、設定された時間に戻るようになります」
萌/死んで、世界が真っ白く消えたのは……空にぃ?
GM/「その通り。ですが悲しい魂を救うことができるのは、私の手を取った貴方達。貴方達が救う価値無しと判断したなら、私は世界が設定した核の権利を全力を持って剥奪してみせましょう。……さて、お聞きしたい。異端エアガイツは貴方達が苦労してまで救う価値はありますか?」
千代反田/ある。
GM/即答だね。
千代反田/世界遣いが世界を変えるだけの価値がここにはあったよ。
GM/「……その一言だけで充分です。失礼しました」
千代反田/まかせろ。
GM/「貴方達の力で、世界を正しき姿へ」 戦闘開始します!
きよえ/ルージィルさん食べよ。
萌/あたしも食べたい!(笑)
GM/GMは物凄く格好良くキメてくれたちよたんを食べようかな。
ナツメ/みんな、いなくなくなっちゃダメだからね!?(笑)

【マップ】
 エンゲージ1:大地
 (↑3メートル離れている↓)
 エンゲージ2:空
 (↑5メートル離れている↓)
 エンゲージ3:ナツメ、きよえ
 エンゲージ4:萌
 エンゲージ5:千代反田

【行動値】
 大地:15
 萌:12
 ナツメ:10
 千代反田:10
 空:10
 きよえ:7


GM/第1ラウンドセットアッププロセス、まずは大地が≪傲慢なる檻≫を使用。ラウンド間、使用する特技の射程や攻撃対象が伸びます。
ナツメ/す、すっごく強いやつだー。
萌/萌は≪空間知識≫を使用します! でーん!
ナツメ/ナツメは……いっぱいセットアップ特技があるんだ。何をしようかな。ええと、とりあえず≪闇の血統≫でダメージ+1D6しておきます。
GM/ちよたんはセットアップに何もしない? なら空は、ナツメと同じくダメージアップの≪闇の血統≫を使用します。
きよえ/きよえもセットアップ特技は特に何も無いです。
GM/全員終わったね。ならメインプロセスに参りましょう。まず大地が射程の伸びた状態で≪毒の魔弾≫+≪パスアウト≫+≪大地の一撃≫で攻撃します。≪パスアウト≫の効果で与えるバッドステータスは、重圧を選択。
きよえ/うっ、重圧かー。
GM/重圧だけじゃないよ。≪毒の魔弾≫を使っているので1点でもダメージが入ったら毒にもなります。
萌/や、ヤバイ。どっちも痛いバステだぞ。

 『バッドステータス:重圧』
 「タイミング:常時」を覗く全特技が使用不可になる。マイナーアクション消費で回復できる。
 『バッドステータス:毒』
 クリンナッププロセスごとに1D6点の実ダメージを受ける。特技にのみ回復が可能。


GM/≪傲慢なる檻≫の効果で範囲攻撃になっているので、複数人いるエンゲージを狙います。なので、ナツメくんときよちゃんを攻撃!(ころころ)命中は15でした。
ナツメ/回避クリティカルが出れば避けられる……(ころころ)出ない。回避13でした。
きよえ/(ころころ)回避は11、当たります。
GM/ダメージロール前に≪血潮の陣≫を使用。2D6点ダメージを受けるかわりにその値をダメージにプラスするよ。(ころころ)なのでダメージは、霊力で30点ですね。
萌/きよちゃんに≪念動障壁≫を使用!(ころころ)13点ダメージ軽減してください!
きよえ/ありがとう、萌ちゃん! 生きてるよ!
GM/1点以上ダメージが入ったきよちゃんは、重圧と毒のバステになります。
萌/重圧はマイナーじゃなきゃ回復できないから、マイナー潰しは辛いなー……。あたしはマイナーアクションで≪興奮剤≫を全員に使います。良い出目こい。(ころころ)【MP】を4点回復してください!
ナツメ/ありがとう、全回復したよー。
萌/メジャーアクションは素振りをします。終わり!
GM/シャッシャと素振りをした(笑) 次のターンは、【行動値】10の3人だね。PC優先でどうぞ。
ナツメ/……ナツメは、マイナーアクションで大地くんがいるエンゲージに移動します。大地くんを≪蒼の衝撃≫で攻撃、覚悟!(ころころ)16で当てます。
GM/(ころころ)当たりますね。
ナツメ/4D6点のダメージロールを振ります。(ころころ)うん、12点の霊力ダメージ……。
千代反田/令呪をもって命ずる! ダメージをプラス20点!
きよえ/ちよたん、なんか言い方がカッコイイよ〜!(笑)
ナツメ/マスターから令呪を貰いました! だから、合計ダメージは32点です!
GM/32点、一気にきたな……痛いです。次はちよたんのターンだよ。
千代反田/僕は何をしようかな……うん、自分を回復しよう。自分に≪肉体復元≫を使用します。(ころころ)【HP】18点回復して、全回復しました。
きよえ/良かった、これで安心だね〜。
GM/では空のターンだ。……ここは、令呪を使えなくするためにもマスターのPCを狙いたいな。
千代反田/そ、それはあかんあかん!(笑)
GM/空はマイナーアクションでちよたんのいるエンゲージに移動。メジャーアクションで≪殺戮の身体≫を使って攻撃します。(ころころ)命中は19!
千代反田/(ころころ)回避14、ムリムリ!
GM/そのダメージロール直前に≪失われた日々≫を使用。ダメージに3D6点追加します。
萌/つ、使うんだ……。
GM/使うよ、空は[狂戦士]だからね。

 ≪失われた日々≫
 秘めたる力を解放する[狂戦士]の副特技。
 この特技を取得したとき、亡くした人物(家族や恩師、恋人など)や事件など対象となる記憶を設定する。その記憶に関するロールを行うことで、ダイスロール+3D6。


GM/空も幼い頃、機関に捕らわれ毎日能力者に戦わされる虐待を受けていました。≪自己再生≫や≪不屈≫など、なかなか死なない獣の体は戦闘訓練には欠かせない被験者でした。
ナツメ/……はい。
GM/何度も戦いを強制させられ、殺され、蘇らせられ、ついにラクになれた……それがナツメくんの一撃でした。
萌/うん……。
GM/だけどまだ空は生きている。死んだと思ったら死んだ後も戦わされる。そのまま彼は大きくなっていきました。今ではこんなに立派な[狂戦士]です。……ちよたんにダッと駆け寄って(ころころ)令呪込みの、物理ダメージ43点!
萌/ね、≪念動障壁≫を使用します! てやー!(ころころ)ダメージを12点軽減してください。
きよえ/それに≪信義の盾≫を使用します。(ころころ)ちよたん! メッチャ守るよ! 18点軽減してください!
千代反田/の、残り【HP】は10点……まだ堪えている!
GM/空のターンが終わったので、次はきよちゃんの番だ。
きよえ/はい。マイナーアクションを使ってバッドステータスの重圧を解除。メジャーアクションを使って、大ちゃんのいるエンゲージまで移動します。
GM/移動できよちゃんのターンは終了かな。全員が行動済状態になったので、クリンナッププロセスになります。バッドステータス:毒になっていたきよちゃんは、1D6点のダメージを受けてください。
きよえ/1D6振ります。(ころころ)4点ダメージ、残り【HP】は29点……半分減ったけど全然元気だよ!
ナツメ/半分なのに【HP】29点は強いな(笑)
千代反田/凄いな、全回復した僕よりあるぞ(笑)

 第2ラウンドセットアッププロセスに移行。今度は大地が≪闇の血統≫を使用して、着実にダメージアップを計る。
 萌は変わらず≪空間知識≫を使用。ナツメは≪魂砕≫を使用し、自分のダメージダイスを増やした。


GM/メインプロセスに移行します。大地のターンで……使えるときに使っておくべきだよね。メジャーアクションで≪爆散≫を使用。
千代反田/あっ。
GM/≪爆散≫はシーン攻撃です。エンゲージが分かれていても全員命中対象になるよ。ちなみに【防御点】無視ダメージだよ。
ナツメ/えっ、マジかー!(笑)
GM/どんなに【防御点】があっても素通しだからね。(ころころ)命中は13……低いな。13以上なら避けられるよ。
きよえ/それならいけそう!(ころころ)うーん、きよは失敗しました。
萌/(ころころ)ああ、いけそうだったのに失敗しちゃった……!
千代反田/それなら萌に≪逆転運命≫を使用。振り直して!
萌/ありがとう、振り直します! 来い!(ころころ)来た、16で回避成功です!
千代反田/良かった。(ころころ)さすがに避けられなかった……オートタイミングで≪禍福のさざなみ≫を使用します!
ナツメ/お、ここで使うか。
千代反田/でもこれヤバイんだ、1D6を振って1が出たら【HP】をマイナス20点しなきゃいけないんだよ。
GM/そこが≪禍福のさざなみ≫の面白いところなんだよね。……『AW』名物ということで、恒例のあれを言っておくよ。いーち、いーちっ!
きよえ/こ、怖いコールはやめてください!(笑) ちよたんならきっと大丈夫だよ!
ナツメ/そうだよ、ガンバレ! お前ならイケるぞー!
萌/そうそう、格好良く決められるって!
千代反田/(ころころ)……1……。
萌/マジでぇ!?(笑)
ナツメ/マジで!? ぎ、逆においしいね!?(笑)
きよえ/でも、それって……ちよたん、死ぬよね?
千代反田/……うん、知ってる……[世界遣い]だもん、トリッキーな技だって知ってたさ!(笑) ごめん、令呪が……使えなくなった。
ナツメ/あっ、本当だ!?
GM/えーと……一応注釈しておくけど、特技の効果で戦闘不能になるのはダメージロールを行なったキャラクターがメインプロセスが終えるまでです。回避判定の時点でちよたんは戦闘不能が確定になりましたが、大地がダメージロールを振り終えて行動済状態になるまで生きています。
きよえ/ということは、他のキャラの回避判定に令呪を使うことは可能……だね?
千代反田/……令呪をもって命ずる。きよえ、ナツメ、避けろ。
ナツメ/令呪を貰って+20……(ころころ)はい、成功します。
きよえ/私も成功になりました(笑)
萌/これで全員避けられた……けど、や、ヤバイね(笑)
千代反田/ごめんよ、お前ら……(笑)
ナツメ/いいよ! でも……回復役が倒れちゃった!(笑)
きよえ/仕方ないよ、ちよたんよしよし(笑)
千代反田/うん、いいんだ、≪禍福のさざなみ≫で死ぬのも浪漫だよ……そしていつか違う[世界遣い]キャラを使ったら今度こそ成功させるんだ!(一同笑)
きよえ/そうだよ! その前にこの戦闘で勝つよ、絶対勝つよ!(笑)
GM/えーと、では……(ころころ)霊力ダメージが40点ほどドーンと入ったちよたんは、更に≪禍福のさざなみ≫の効果でダメージ20点を受け、戦闘不能になります。どーん。
萌/ち、ちよたーん!?(笑)
千代反田/凄く悔しい! ルージィルさん、ごめん!(笑)
GM/大地のターンが終わったので、次は萌ちゃんの番だよ。
萌/はい……。マイナーアクションで≪興奮剤≫をみんなに使用します。(ころころ)6が出た! あたしって天才!(笑)
ナツメ/素晴らしい、6点も【MP】が回復できたよ!
萌/メジャーアクションで、空にぃがいるエンゲージに接敵しておきます。移動などさせぬ〜!
ナツメ/ナツメは……目の前にいる大地くんを≪闇の血統≫と≪魂砕≫が乗った≪蒼の衝撃≫で攻撃する! マイナーアクションでは≪霊薬≫を使用します!
GM/これはダメージが跳ね上がるなぁ。
ナツメ/ダメージダイスは合計7D6だよ!(ころころ)命中は、16で当てにいきます。
GM/(ころころ)回避12で当たります。
ナツメ/ダメージいきます。(ころころ)これ良いんじゃないかな、25点の霊力ダメージです!
GM/おお、大地は総攻撃を受けてだいぶ痛がっています。ナツメのターンが終わって、ちよたんが倒れているから、次は空のターンか。
千代反田/僕が倒れることで幸福をまき散らしておこう。見境なく≪愉悦の波≫でも使ってやる。
ナツメ/ゆ、愉悦が出てる、出てるよ!(一同笑)
GM/なんだそのまき散らすの攻撃は!(笑) 空の目の前には萌ちゃんがいるね。攻撃を当てようかな。
萌/うん、あたしがいるぞ! やったー、兄妹対決だー!
ナツメ/前向きだなぁ(笑) 萌の、今の【HP】は何点?
萌/現在【HP】は16点。
千代反田/……回復役が倒れた君らはな、減る一方なんだよ。
ナツメ/そ、そういうの言うのヤメろよー!?(笑)
GM/令呪を操るマスターを落とした後は、ダメージコントロールができるキャラを落とすのは定石だよね。なので空は萌ちゃんに≪会心の一撃≫+≪殺戮の身体≫で攻撃します。(ころころ)命中は15じゃ。
萌/(ころころ)回避12じゃ。……あたしの【回避値】は7。次に良い出目が出れば避けられる! 頑張ろう!
GM/空は自身のダメージロールに≪禍福のさざなみ≫を使用。
萌/ええっ!?(笑)
千代反田/い、いーち! いーち!
GM/1D6を振ります。(ころころ)2が出たので成功。ダメージがプラス20されます。
千代反田/くっそぉーっ!(笑)
ナツメ/そういえば空って、[世界遣い]で世界を使えるんだね……そりゃループもするわ(笑)
GM/なおかつ、ダメージロールに≪特攻≫を使うよ。(ころころ)全て合わせた結果……物理50点ダメージだ。
千代反田/マジか。
ナツメ/じ、ジーザス!(笑)
きよえ/萌ちゃんに≪信義の盾≫を使用します! ダメージを4D6点軽減させます。(ころころ)おっ……19点も軽減した!
萌/で、出目が良い! きよちゃんカッコイイ、結婚して!(笑) そこに自分で重ねて≪念動障壁≫を使います。(ころころ)12点マイナスしましょう……。
ナツメ/……ど、どうだ?
萌/(【HP】を計算して)……ご、ごめん。倒れる。萌、戦闘不能になります。【HP】が全回復していたら倒れなかったけど、無理だった!
きよえ/えっ!? こ、これは……。
GM/回復役に続いてダメージ軽減役も倒れた。これは……大ピンチだね。
ナツメ/……ま、まだ生きてるよ、俺達!
きよえ/……うん、そうだね、勝つ! 勝ちます!
GM/勝つと言ったきよちゃん、君のターンだよ。
きよえ/えっと……えっと……マイナーで≪特殊増強剤≫を使って、シーン間ダメージを+1D6します。
萌/確実にダメージ量を増やして、きよちゃん!
きよえ/メジャーで、≪巨大武器≫で目の前の大ちゃんを攻撃をします!(ころころ)よし、クリティカル!
千代反田/うお、そこで!?
萌/やったぁー!(笑) 命中でクリティカルしたら、ダメージロールが+1D6されるよ!
GM/これは良いタイミングのクリティカルだ。(ころころ)大地の回避は無理、当たります。
きよえ/頼む、良い目が出て!(ころころ)よし、凄い! ダメージは……物理33点!
GM/うわ、一気にきたな! その一撃を受けて、大地は倒れます。
ナツメ/よっし!(笑)
きよえ/ナっちゃん、やったよ! きよ、やったよー!(笑)
千代反田/ああ、よくやった!(笑)
萌/きよちゃん、スゴーイ!(笑) これでマスターの大地くんが倒れたから、空にぃの令呪は使えなくなったよ!
GM/うん、令呪が使えなくなったのでダメージソースが少なくなります。さて……クリンナッププロセスになったので、きよちゃんは毒ダメージを受けてね。
きよえ/(ころころ)……残り【HP】が9点だよ、ナっちゃん。
ナツメ/まだイケるよ、まだイケる!(笑)

 第3ラウンドセットアッププロセスへ移行。
 ナツメは≪異常鉱物≫を使用。至近のエンゲージにモブを1体作成した。

【マップ】
 エンゲージ1:ナツメ、きよえ、モブ
 (↑3メートル離れている↓)
 エンゲージ2:空


ナツメ/俺の作るモブは……地面からモコモコって木が生えてくる妖精、棗の木です。
GM/おお、可愛いドリアッドが完成したぞ(笑) ……これでメインプロセスになるけど、一番最初に動くのはナツメだね。どうする?
萌/まだ空にぃは、ダメージを食らってないよね?
ナツメ/うん。≪特攻≫の効果で【HP】が減ってるぐらいだな。だから俺は……この場で待機をします!
GM/【行動値】を遅らせると。それなら次は空のターンだよね。空は……マイナーアクションで、ナツメのいるエンゲージに前進。
きよえ/よし、来た……!
萌/空にぃのマイナーアクションが潰れたね、よっし!
GM/空はすかさず、メジャーアクションで≪乱舞≫+≪殺戮の身体≫で攻撃。同じエンゲージいるナツメ、きよえ、モブの3体に攻撃します。(ころころ)命中16です。
ナツメ/来ると思った、範囲攻撃だー!?(笑・ころころ)ナツメとモブは回避失敗です。
きよえ/(ころころ)ああ、惜しい……当たっちゃった!
GM/それではダメージロールには≪特攻≫を使用してのダメージいくよ。(ころころ)物理25点ダメージ。
きよえ/あ、駄目です。きよえは倒れます。
ナツメ/待った! 作成したモブに、きよちゃんを庇わせます! それでダメージを受けるので、モブはパーンと砕け散ります。
GM/次のドリアッドはうまくやってくれることでしょうー!
萌/今回のドリアッドも頑張ったよ、黙祷ー!(笑)
GM/では、次のターン……きよちゃんだよ。
きよえ/≪会心の一撃≫は……使いません。1D6を振って1が出たら死んじゃうからです。賭けにはいかず、≪獣化≫+≪巨大武器≫で攻撃します!(ころころ)命中17です!
GM/……回避判定に≪天使の守護≫を使用!(ころころ)2回ロールしたけど残念、避けられない!
きよえ/ダメージロールいきます!(ころころ)よし、良い出目だ……物理ダメージ33点です!
ナツメ/デカイデカイ!(笑)
GM/PCからのダメージは初めてです。次は……。
ナツメ/リレーしたナツメの番です。もちろん空くんに命中判定をいきます!(ころころ)命中15で当てます!
GM/(ころころ)回避12で、当たります。
きよえ/行って、ナっちゃんー!
ナツメ/行くよ!(ころころ)13点の霊力ダメージです。

 このダメージで空は倒れなかった。クリンナッププロセスに移行し、きよえは毒のダメージを受けるがまだ倒れず。
 第4ラウンドセットアッププロセスで、ナツメはダメージアップより安全策を取って≪異常鉱物≫でモブを作成。メインプロセスで早速≪蒼の衝撃≫で攻撃を行なった。


ナツメ/(ころころ)命中15、ダメージは……20点! どうだ!?
GM/……[狂戦士]はな、霊力に弱いんだ。空はついに倒れます。
ナツメ/……やった!
きよえ/やったぁー! わーい! やっと倒したー!(笑)
GM/令呪追加によるダメージアップが無かったので長い戦いになりましたが、ギリギリのところでナツメくん達の勝利します。……一睨みしたナツメくんを見た空は、また「ごめん……」と呟きながらその場に崩れ落ちていきました。
ナツメ/崩れ落ちていく体を見て俺は、ごめんなさいではなく……ありがとうって言います。
GM/……「ありがとう」なんだ?
ナツメ/ここまで戦ってくれて、抗ってくれてありがとね。
GM/なるほど。……獣はバタリと地に伏した。トドメは刺しますか?
ナツメ/刺しません!
GM/大地くんには刺しますか?
きよえ/刺しません!
GM/ということなので、これにて戦闘終了します! 戦闘不能の萌ちゃんとちよたんは【HP】1で蘇ってください。
千代反田/では演出で……範囲回復をします。みんなすまなかった……。
きよえ/ううん、良かったよ、みんな生きてて良かった〜!
千代反田/もう二度と≪禍福のさざなみ≫は使わねえ。
萌/あー、深く心に刻み込んじゃった(笑) 起き上がって……涙をボロボロ流して、良かったよーって泣いてるよ。
GM/空と大地はPC達にトドメを刺されなかったので生きています。真の姿が獣である空は身じろぎながら、自分を討ったナツメくんを見つめます。(空になって)「ナツメ……生きてるか?」
ナツメ/ギリギリだよ……。本当に瀕死の状態で生きてる。
GM/「……良かった。良かったよ……お前を殺したくなかった……お前だけじゃない、萌も、みんなも……友達を殺したくなかったんだ……」
ナツメ/俺も同じ気持ちだよ。ずっとそうだった。……何年も前から、友達であるお前を殺したくなかったんだよ……。
GM/空は……涙を目尻に溜めながらも、安心したように笑います。「最初……ちよたんが倒れたとき心臓止まるかと思ったぞ
ナツメ/それは俺もだよ(笑)
千代反田/僕が悪かったよ!(笑) 大丈夫、どうせ[世界遣い]は死ぬものさ!
きよえ/でも生きててくれたから良かったよ〜(笑)
GM/空が疲れた顔で笑っています。が、「……やだ……いきたくない……」 離れたところで、動けなくなっている大地くんがべそべそと泣いています。
きよえ/……大ちゃん?
GM/(大地になって)「いきたくない……教会になんか……行きたくない……やだ……絶対にひどいことをされる……!」 蹲って、ガタガタと震えて泣いています。
きよえ/……きよえが、大地くんのところに行きます。
GM/近寄るなら「来るなぁ! ……た、助けて……」と泣きじゃくりながら叫びます。近づいてくる影を怯えているようです。
きよえ/……へにゃっと笑います。安心していいよ、私は何もしないよ……。
GM/その笑顔を見て……震えながらも涙でボロボロな顔を上げます。「た……助けて……助けてくれるの……?」
きよえ/当たり前だよ。だって私、大ちゃんのこと大好きだもん。
GM/「……信じてもいいの?」
きよえ/うん! 信じて!
GM/「……空にも、ひどいことをしない?」
きよえ/しない!
萌/させない! ……あたしも口を出します!
きよえ/絶対に、私達がそんなことさせない。
GM/……大地は近づいてきてくれたきよちゃんの手を、ガッと強く掴む。そして体に抱きつくというか縋りついて助けを求めるように、わんわんと泣き始めます。
きよえ/うん、もう安心していいんだよ……。大地くんを撫でて、額にキスをして、抱き締めます。


 ●エンディングフェイズ/千代反田&萌 〜新しい生活を求めて〜

GM/教会のエージェントであるきよちゃんを中心に、彼らを教会に連れて行くことができます。……彼らの正体は、6月から≪偽りの太陽≫を使って君達のクラスに紛れ込んでいた異端エアガイツ。そのことを報告することができます。
ナツメ/合宿の途中だけど、教会に支援を要請しよう。
GM/君達からの報告を受けた教会は、何人かエージェントを合宿舎に派遣してくれました。空と大地が行なっていた≪器の支配≫の洗脳を解き、これからも滞りなく学校行事を続けさせるため情報隠蔽を行ないます。
千代反田/いつもありがとうございます。
萌/結果的に被害が出ていないよ! そのことを重点的に訴えていこう!
千代反田/そうだな、高坂さんにうまく書類を作ってもらおう。情状酌量の余地ありって声高々に言えば……。
きよえ/タカさんならなんとかやってくれる筈!(笑)
GM/そんな高坂だけど、ナツメくんに言いたいことがあるらしい。教会の仕事を一通り終えた後に、ナツメくんの元にやって来るよ。
ナツメ/高坂さんを見下ろします。
千代反田/高坂さんが見上げなきゃいけないんだった!(笑)
GM/(高坂になって)「ナツメくん。機関の被害者である彼らを教会によく連れてきてくれた。ちゃんと俺が保護しよう。決して悪いようにはしない」 ……高坂は、機関解体事件をよく知っています。事件に深く関わっているナツメくんを心から気遣っての宣言のようです。
ナツメ/……高坂さん、大人ですね。
GM/「君よりは大人だよ」
ナツメ/じゃあ……大人に甘えちゃおうかな。
GM/「甘えておけ。絶対に彼らを守ってみせる。絶対にだ」 高坂は手を伸ばして、ぽんぽんとナツメくんの頭を撫でます。
ナツメ/絶対だよ。また10年前みたいなことになったら……俺、日本列島沈没させちゃうからな?
千代反田/日本沈没の原因になるつもりか(笑)
GM/「もちろん、2人には然るべき処置を受けてもらう。だが……君達の友人なんだ、すぐに君達の元へ戻るために努力してくれるだろ?」
千代反田/ああ、きっとな。本人達も覚悟していると思う。
きよえ/タカさん、ありがとう! 大好き〜!(笑)
GM/高坂は萌ちゃんのことも心配するよ。ひとりっ子の萌ちゃんの家に突然湧いた兄、後々渡久地家にはご家族にも情報操作の手が及んだしね。
萌/……そのことなんですが、高坂さん! 空にぃは渡久地家の一員です! 渡久地家で引き取れるように手続きをしてもらえるよう申請を出したいです!
GM/それは……結構オオゴトだから、説得が必要かなぁ? 頑張って【理知】判定をしてみようか。
萌/あたしの【理知】は5だよ!(ころころ)ううっ、出目が1・2だった。そうだ、ちよたん! 令呪残ってるでしょ!?
千代反田/残ってるよ。このパーティーの責任者として申請には立ち合うぞ! マスターとしてな!(笑) 令呪を使用!
萌/それなら……達成値28だよ!
ナツメ/達成値20以上で「不可能なことも可能になる」レベルだぞ!(笑)
GM/……子供の言うことなんて大人は「ハイハイ」と聞き流してしまうところ……でしたが、ちよたんの理知的な後押しと適切な対処によって、萌ちゃんの本気は形になっていきます。
千代反田/よし、ゴリ押せ!(笑)
萌/彼は今まで2ヶ月の間、渡久地家に溶け込んでいたんです! その能力を教会に生かすこともアリだとは思いませんか!? それにあたしにはお兄ちゃんをお兄ちゃんとして思ってきた2ヶ月があるんです! これを手放したくないんです! ……って、子供の情に訴えかけます!(笑) 何度も何度も言いに行くよ!
千代反田/僕も一緒に頭を下げに行くぞ!
GM/彼女の必死の訴えは上層部に届くのか……。それは、達成値28という結果が何もかも物語っています(一同笑)
萌/説得完了、かな?(笑)
ナツメ/れ、令呪ってスゲー……(笑)
GM/萌ちゃん達は合宿が終わった後も、数日かけて異端刑務所や教会のお偉いさん達のいるところに何度も掛け合ったのかな……。今の教会は新トップのもと、クリーンな団体として頑張っています。だからきっと良い再会が待ち受けていることでしょう。
千代反田/……きっとあいつらなら、ちょっと働いて帰ってくるさ。
萌/そうだよね! ……ふぅー、頑張った〜!
GM/「お疲れ様です」 萌ちゃんとちよたんの後ろから男性の声がします。
千代反田/……苦笑いしながら振り向きますね。
萌/……ルージィルさん。
GM/(ルージィルになって)「新しい世界は楽しんでいただけてますか? 貴方達はすぐに教会に向かってしまいましたが、クラスメイト達は無事楽しいキャンプファイヤーを……そして合宿2日目の夜を過ごしていましたよ」
萌/良かった。あたし達は、キャンプファイヤーを2回も楽しみましたから。……良い友人に囲まれていたおかげで、無事合宿を終えることができました。
千代反田/ルージィルさん。僕、[世界遣い]を何度も辞めようと思いましたよ(笑)
GM/「何を言っているのですか、千代反田宗次。貴方達がいなければ悲劇のループを知覚することもできなかったのですよ」
萌/そうだよ、ちよたん!(笑)
GM/「さらに言うなら、異端エアガイツに貴方達のような素晴らしい友達がいなければ……日常に生きたいと世界に縋ることもなかった」
千代反田/……そうだったね。
GM/「貴方達は2ヶ月間、異端エアガイツと呼ばれた2人と交流し、絆を深めました。合宿中に彼らと笑い合ったでしょう? その美しい思い出が彼らにあったからこそ……貴方達と共に生きたいと強く想った結果、ループは発生したのですよ」
萌/……世界は空にぃ達を救うべきって思ってくれたのかな。
GM/世界が救うべきと思っても、君達が救うべきと思ってくれなかったら助からなかったんだけどね。だからルージィルは深々と頭を下げます。「彼らの魂を救っていただき、ありがとうございます」
萌/こちらこそ! 幸せになる機会をくれてありがとうございました!
千代反田/ばっちり頂いた機会を生かしました。
GM/「……さて、報酬という訳ではないのですけど。ここにお茶会のチケットがございます。どうぞお使いください」 冗談を言うかのようにルージィルは微笑みます。なんでか神様やウズマキ関係者はお茶会が大好きなんでね、気軽に遊びにおいでよだって。
千代反田/おおお!? 何か凄いの貰っちゃった!(笑)
萌/ルージィルさん、ありがとう! お茶会に誘ってもらっちゃったー! 堪能してやるぜー!(笑)


 ●エンディングフェイズ/きよえ 〜笑顔〜

きよえ/きよえは……大地くんの無事を確認したいです。
GM/大地くんは、異端刑務所に「危険度の高い異端」として収監されました。けれど彼は元々大人しい性格。誰も彼を苛めるようなことをしなければ、クラスで静かにしていたときのように騒ぎを起こそうとしません。面会をすることも可能です。
きよえ/きよえは強いから大丈夫です。面会したいです!
GM/能力制御などしっかりした施設に君は赴きます。……面会室はとても綺麗で落ち着いた場所です。ガラス越しに現れた彼は……学校で会っていた彼そのものでした。普通で、地味な、目立たない少年がやって来ます。
きよえ/大ちゃん、来たよ。
GM/(大地になって)「……こんにちは」
きよえ/こんにちは。元気?
GM/「……よくしてもらっているよ」
きよえ/それなら良かった。
GM/「…………」 黙ります。世間話は何一つできない子ですから。
きよえ/可愛いなぁ(笑) ……えっとねぇ。大ちゃんさ、もう一回学校に行きたいって思うようになったかな?
GM/「…………。学校のこと……考えるとね、ずっと胸がモヤモヤするんだ」
きよえ/どんなの?
GM/「なんか……気持ち悪い感覚がする。みんなが笑っているのを見ていると、自分もって……モヤモヤするし、笑っていたのを思い出すと、また見たいって……モヤモヤするから、気持ち悪い」
きよえ/……ナっちゃんと同じこと言おうか。それは気持ち悪いんじゃないよ。とっても良い感情なんだよ。
GM/「……そうなの?」
きよえ/うん。
GM/「……本当かな。それを確かめるためにも、もう一回学校……行ってみたい、気がする」
きよえ/うん、来てよ! 待ってるから。また仲良くしようよ。
GM/「……君が卒業する前に、また学校……行けないかな」
萌/えっと、あたし達はあと半年で卒業だから……ちょっと難しいかな?
千代反田/半年で釈放できたらな……。
GM/難しいね。そのことは大地にも判ってしまう、彼が異端刑務所から出る頃には高校3年生が終わってしまうということに。……ずっと無表情に受け答えをしていたけど、どんどん彼の表情が崩れていきます。
きよえ/大ちゃん……。
GM/もうあの楽しかった時間には戻れない。そのことが悔しいのか、寂しいのか、泣きそうに眉を歪め、涙声で「……それでも……変わっちゃっても、僕のこと、待ってて……くれる……?」。
きよえ/ずっと待ってるよ! ずっと!
GM/大地の目からボロッと涙が零れます。「……ありがとう……嬉しい……」
きよえ/やった、嬉しいって言ってくれた!
GM/ボロボロと涙が零しながら……今まで見せなかった表情、不器用な笑顔を見せます。
きよえ/私も、笑顔になります!
GM/生まれたての笑顔を、面会時間が終わるそのときまで見ることができる。そして近い未来でも、彼の笑顔を空の下……学校でまた見ることができるでしょう。


 ●エンディングフェイズ/ナツメ 〜後始末〜

GM/最後に、ナツメくん。エンディングでやりたいことはある?
ナツメ/はい。……数日後。一人で、林間学校に行った山に行きます。
萌/一人で?
ナツメ/木々が生い茂る鬱蒼とした道を歩きながら例の、廃病院の前に立ちます。
GM/もう誰も来る人のいない聖愛病院にやってきました。
ナツメ/いつも持っているカメラで、病院をカシャッと撮ります。……シャッターが切ると、大量の魂がふわっとが浮き上がる。
千代反田/お、おおっ……!
GM/その中には君と友達だった子が何人もいただろう。無念のまま死んでしまった人もいるだろう。
ナツメ/その弔いを込めて、シャッターを切る。……病院の中をゆっくり歩いて、一人ずつ成仏をさせていく。
GM/後始末をしてくれたか。
ナツメ/最後に、病院を出て……振り返らずに一歩ずつ山道を歩くその途中で、大きな地響きがして、病院が崩れていく。
きよえ/ああっ……。
GM/……そのように歩いていくナツメくんの背後には、「アリガトウ……」「アリガトウ」「アリガトウ……!」という子供達の声。人によってはおぞましいと思うかもしれない。けれど、君にとっては耳に心地良い無邪気な子供達の声が空に漂った。
ナツメ/その声を聴いて、嬉しそうに空を見上げながら……笑います。さーて、これからみんなに林間学校で撮った写真を渡しに行かないとなぁ!
GM/呟きながら一人歩くナツメの姿がどんどん小さくなっていく……ケラケラという楽しそうな子供達の笑い声もする、その中で。

 アナザーワールドSRS
   『 ダブルダウン 』   END





GM/ということで、『ダブルダウン』終わりにしたいと思います。お疲れ様ですー。
一同/お疲れ様でしたー!(笑)
萌/わああ、すっごく良い演出でした! ありがとうー!
GM/いやあ、短いシナリオを作ったつもりだったんだけど、みんなにガッツリ演出してもらえてGMは嬉しかったよ。
ナツメ/はー、達成感が凄いセッションでした!
GM/ネタ明かしをしていこうか。空と大地は、2人セットで『異端エアガイツ』なんだよ。だから教会がエアガイツと呼んでいる異端のデータが[感応力師]だったり[狂戦士]だったりしたんです。
萌/あ、そうですよね。空にぃは[狂戦士]で大地くんは[感応力師]だから、2人の能力が混ざってる……。
GM/空は[狂戦士/世界遣い/異端者]で、大地は[感応力師/領域遣い/異端者]です。2人は[異端者]の≪器の支配≫や≪偽りの太陽≫で多感な少年少女達に紛れ込んで何度も本能のままに食らおうと計画し、失敗してきました。空の≪獣化≫や大地の≪夢の帝王≫で怖がらせておいしく食べようとして……何度も失敗してきたんです。
きよえ/……殺したくなかったから?
GM/そう。本能として人間は傷付けて食べる物と上から目線だった異端が、機関のせいで人間とは怖くて近寄りがたいものという認識になってしまい、さらに優しい聖愛病院のおかげで2年間も人間社会に溶け込まされたせいで大混乱しちゃった彼らは、一体自分達がどっちに生きればいいのか判らなくなってしまいました。
ナツメ/なるほど……。
GM/NPC1である空は次第に人間社会寄りの考えになっていきましたが、NPC2の大地はまだ許容できずにいました。いずれ2人は事件を起こし、仲違いをし、自滅する運命だったでしょう。それをどう救ってやるかというシナリオでした。……正直、萌ちゃんがNPC1をお兄ちゃんにしたいと言ったとき、実はGMかなり困惑してたよ。
萌/い、今思えば良いことを言いましたね、あたし(笑)
GM/良い設定変更になりました。友達だけじゃなく家族もできてしまったら、そりゃ殺したくなくなるもんね。
萌/ありがとうございます、お兄ちゃんになってもらって良かったー!
千代反田/こっちも好き勝手やってもらえました。よーし、紅茶飲みに行くよー!(笑)
きよえ/エンディングの演出も良かったです。た、楽しかったー。何度も泣いちゃったー!(笑)
ナツメ/良い夏のシナリオを楽しめました。みんな、お疲れ様。全員助かって良かったよー!




END

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