クトゥルフ神話TRPG・リプレイ
■ 『 Vendetta4L 』 3ページ ■
2022年4月20日




 ●シーン5:九重ミツグのアトリエ

 九重のアトリエは都心部からやや離れた場所にあった。
 もともとバイク屋が使っていたガレージを買い取り、採光のための改修したと資料にある。
 先行して警察官が調査に向かっている筈だが、連絡がとれない。アトリエ入口のガレージは半開きになっており、中は静まり返っている。

天鴻/先行した奴らは……。
実散/……嫌なことになってないといいけど。入ろう! 拳銃相応のたかひろくんを装備!
天鴻/装備品だった!?(笑) また俺が先に行くから、実散さんは後ろをお願いします。
実散/気を付けて。いつウォッチャーのあれが現実になるか判んないからね。

 ガレージの中に入れば、そこは大小さまざまなキャンバスが立ち並び、まるで森のようだった。
 九重は油彩、水彩、立体造形からコンピューターグラフィックまで幅広く手掛けているアーティストのようだ。

実散/すごーい!
天鴻/アーティストのアトリエって感じだ。

 刑事達は、いや、刑事達であっただろう肉塊は部屋の一角に無造作に置かれていた。
 それが悪趣味なオブジェならば良かった。でも貴方達は、それが人であったものだと分かるだろう。(SANc 1/1d4)

天鴻/は?(ころころ)41で成功。
実散/ちょ……普通に死んでた!?(ころころ)83、成功!

【現在SAN値】
 実散:85→84(1点減少)
 天鴻:54→53(1点減少)


実散/まさかとは思ったけど、そのまさか……普通に殺して、置いておくだなんて。
天鴻/あの野郎……挑発のつもりなんすかね。
実散/……こんなあっさりと人を殺されるとは思わなかった。
天鴻/俺は未来視で捜査本部の人間を皆殺しにされる場面を見てるので、嫌な意味で納得してしまう。「そういうことが出来る力がある相手なんだ」と納得するしかない……。
KP/では、このアトリエにあるキャンバスを調べることができます。<目星>ロールをどうぞ。
実散/(ころころ)23、成功。しかめっ面で見る!

 <目星>→実散が成功。
 立ち並ぶキャンバスを調べると、一番奥に画風の異なる絵が置かれていた。
 描かれているのは、あの悍ましい邪神だ。その絵は九重が描いたものに比べて技術面では拙く感じるだろう。
 だが、そこに込められた執念は画力という枠を超え、禍々しく滲みだしている。

実散/クトゥちゃんの絵? でも画風が異なる……別人の作品かな?
天鴻/工場と個展で見た絵と同じものではない? 絵ならサインとか入ってると思うんだけど……。
KP/はいタカちゃん、正解。絵の隅にサインがあり、「Nagisa」と書かれているようだ。
天鴻/お? ナギサ? 誰?
KP/絵に関する<目星>情報は、以上です。
実散/……こういうときこそ、サイコメトリーかな。ナギサという人物が九重 ミツグとどういう関係なのか、絵を描いた人のことが判るかもしれない。
天鴻/気を付けて。
実散/何かあったらよろしく。別人の絵っぽいクトゥちゃんの絵にサイコメトります!
KP/クトゥちゃんってずっと知り合い風に言ってる(笑)
天鴻/クトゥちゃんって誰なの?(笑)
実散/俺が子供の頃、一緒にお昼寝してくれた子だよ。
天鴻/こんな禍々しいのとよくお昼寝できましたね!?(笑)

【現在SAN値】
 実散:84→83(1点減少)


 掌に塗りたくった絵具をひたすらキャンバスに塗り付ける。
 「違うこんなんじゃない。描ける。自分にもできる。描くことが出来るんだ。勝てない勝てない勝てない。アイツに勝てなければ」
 同じ夢を見る。何度も。何度も。同じ夢を。
 天才児、現代美術界の新星、神の寵愛を受けた才能。九重ミツグ。
 「描ける。自分にもできる。描くことが出来るんだ。自分にも描ける! 才能を道づれに、世界を亡ぼすほど素晴らしい絵を描こう!」
 サイコメトリーを終えた瞬間に、腕が燃え上がるような激しい痛みを覚える。
 血管が濃く浮かび上がり、指先が痺れ小刻みに震えている。激しい腕の痛みに、1d2のダメージ。

実散/うぐっ!?(ころころ)1点ダメージ……いたたたた。なんだ、この怨念!?
天鴻/実散さん!? 腕、大丈夫か!? 震えてるけど! 無理しないで、手当しよう!
実散/だ……大丈夫、痛っ。見たもの、聞いたものを全て音読してたかひろくんに伝えます。……これって、ナギサって別人が、ミツグの才能に嫉妬して、めっちゃ頑張って凄い絵を描いたってこと?
天鴻/そんな相手の絵を、自分のアトリエに置いてるのか?
KP/痛みに倒れそうな実散は、キャンバスの側には「刑事さんへ」と書かれた手紙が置かれているのを発見する。
実散/あっ……手紙! たかひろくんこれ!
天鴻/実散さんの代わりに拾います。手紙開けます

 「これはあれだ。よくドラマの終わりあたりに出て来る犯人からの告白の手紙だ。
 そんなもの書く機会なんて滅多にないだろうから気合を入れて書いたんだ。最後まで読んでくれよ」

天鴻/気合入れるとこ、間違ってない?(笑)

 「ソレが来たのは10年以上前、俺が高校3年の頃だ。
 ある日突然現れたソイツは、俺の身体を乗っ取った。そして、何かを探し始めた」

天鴻/こいつ、イス人に乗り移られてたのか!?

 「詳しいことは分からない。世界を亡ぼす邪神の復活を阻止しようとしてたらしい。
 ソレは、芸大を目指している連中のリストを持っていた。
 そして、そいつらが大学に入る前に、芸術への好奇心を消していった。
 ソレは、随分かかって探していた相手に辿り着いた。それがこの絵を描いた、俺の幼馴染の『ナギサ』だ」

実散/幼馴染……。

 「ナギサを危険視したソレは、芸術への好奇心を奪うのでは不足だと感じて、命ごと奪い去った。
 そして、お役御免になった俺は自分の身体に戻された。めでたしめでたし。世界は平和になったってわけだ。
 数年間、俺はナギサの事をすっかり忘れていた。ソレが殆どの記憶を消していったんだ。
 だが、ある日ふいに思い出した。きっかけはこの絵だ。ナギサが一番最後に描いた絵。俺は復讐するために、まずソレを呼び出す方法を考えなきゃいけなくなった。
 あいつは邪神を畏れている。つまり、邪神を目覚めさせてやればいい。
 生贄には、当時のリストにあった奴を選んでやった。翼をなくした鳥なんざ、生きる意味もないだろう? それに、犯人が誰だか分からせることで、よりソレが反応する確率が高かった」

天鴻/……だから、イス人のことを「優しい」って言った俺達にキレたのか。
KP/うん。ミツグの犯行の動機、判った?
実散/……ミツグの幼馴染ナギサは、邪神を呼ぶ絵を描いてしまった。世界を守りたいイス人はミツグの体を乗っ取り、幼馴染のナギサを殺した。ミツグは殺しただけじゃなく、ナギサの記憶まで奪われた。
天鴻/イス人に復讐したいんだな。
KP/ナギサが生きていると未来に「邪神を呼ぶ絵」を描いてしまう。だからイス人はミツグを使ってナギサを殺しました。ミツグの記憶は消したんだけど、絵を見て思い出して、復讐のためにイス人が嫌がっていた邪神を呼ぼうとしているんです。
天鴻/イス人は、人の心が分からない……。
実散/兄ちゃんも「人間というものをあまり理解できていない。的外れなことをする」て言ってた……そりゃキレるよ。じゃあこの絵、形見なんだ……?
KP/そういうことですね。

 「これで理由が分かったかい? だが、残念。全てがもう、手遅れだ。
 まぁ、これも何かの縁だ。終焉への始まりを一緒に眺めよう。特等席を用意したからレインボーブリッジまで来てくれ」

天鴻/レインボーブリッジ?
実散/えっと……九重ミツグは、レインボーブリッジにいるってこと?
天鴻/この手紙の通りだと、そうなりますね。レインボーブリッジで何する気なんだ? 封鎖しなきゃ?(笑)
実散/あの子、派手なことしそうだな……。レインボーブリッジに行こう!
KP/お外に出ます!

 アトリエから出て行こうと歩みだした。その足元がぐにゃり、と歪む。
 天鴻は、鼓膜が破れんばかりの幾千の悲鳴を聞くだろう。

天鴻/うっ!? 思わずその場に蹲る。
実散/たかひろくん!?

 頭蓋が歪む。頭が爆ぜる。周囲の光景が掻き混ぜた絵具のように溶けだしていく。
 泣き叫ぶ声、慟哭、怨嗟、何かを引っ掻く音、――そして、嗤い声。
 天鴻の目から涙のように真っ赤な血が流れだす。

天鴻/あ、なに、なんだ……!?
実散/血が!? たかひろくんのおめめ、赤くなってる!
KP/ミチルちゃん、タカちゃんに駆け寄る?
実散/そりゃ駆け寄るよ!

 押し寄せるビジョンは、サイコメトリーを持つ実散の頭にも入り込む。
 貴方達はそれを「視る」。

KP/2人、一緒に未来を見て
天鴻/えーん!(笑)
実散/わーい、SANチェックご一緒だー

 ――道で車7台の玉突き事故が発生。20キロの渋滞が発生しています。
 ラジオから流れだす交通情報。連なる車の列。遅々として進まない覆面パトカーの中に落ちる重い沈黙。大破した車。フロントガラスに反射する赤いライト。

実散/未来の俺達、渋滞に巻き込まれてない?(笑)

 ――6時のニュースです。連続殺人犯スクラブルに関しての最新情報をお伝えします。
 まずはこちらの映像をご覧ください。これはとあるアーティストが描いたものです。実はこの絵画が殺人現場に描かれていた絵画と酷似、……、少々お待ちください。
 今、スタッフの数人が倒れ、お待ち下さい、状況が……ニュースを見た視聴者の中で気分が悪くなった方がいるという情報が!

天鴻/あ、こらー!
実散/放映しちゃってるー!?

 ふいに、地面が揺れた。
 道路に亀裂が走り、触手が天を貫くように伸びていく。
 車を降りて、貴方達は走る。ようやくレインボーブリッジが見えて来た。だが、橋を取り囲むようにして何十本もの触手が蠢いている。
 それだけではない。半魚人と言うべき不気味な化け物が次々と海からあがって来ては、人々に襲い掛かっている。

天鴻/何あれ、あれ何ー!?
実散/触手と……ぎょぎょぎょー!?
天鴻/さかなくんさん!?(笑)

 「すでに儀式は終わった後だ。ついさっき俺の絵が全国にニュースで流されたんだ。もう誰にも止められない。
 アトリエに誘導したのは俺の動機を伝えたかったからじゃない。ただの時間稼ぎだよ、刑事さん。考えてもみろよ。ちまちま復讐するくらいなら、世界ごと滅んだ方がずっと分かり易いだろ?」
 レインボーブリッジの真ん中で、九重ミツグは待っていた。
 「さあ、ここが特等席だ。最高のショータイムを愉しもうじゃないか!」

天鴻/世界ごと心中する気かよ!? 避難誘導……なんて、間に合わないな!?

 地面が激しく振動し、街が海のように波打った。火花を散らし、あちこちで電線が切れていく。
 海がうねり、轟き、海面は山のように盛り上がる。

実散/あ……来ちゃった?

 ――それは、恐怖そのものだった。あるいは、絶望の顕現か。 
 巨大な手が高欄を破壊し、のたくる触手が眼前の空を埋めていく。
 頭足類を思わせる悍ましき頭部、淀んだ眼は確かに貴方達に向けられる。(SANc 1d6/1d20)

実散/おわー!? 神格級1d20のSANチェックだー!?
天鴻/死わよ!?(ころころ)82、失敗!SAN減少は……(1d20ころころ)12! 一時発狂ですわよ〜!?
実散/ああああ!? たかひろくううううん!(ころころ)01クリティカル。
KP/ミチルちゃんさぁ!?(一同爆笑)

【現在SAN値】
 実散:83→82(1点減少/クリティカルのため最小値減少)

 天鴻:53→41(12点減少)


実散/クトゥちゃん! 久しぶり、元気にしてた〜!?
天鴻/お昼寝いっしょにしてたから慣れてる!?(一同笑)
KP/タカちゃんが正常にSAN減少してくれた良かった……(笑) あ、クリっちゃったミチルちゃんは詳細が判っていいよ。これ、クトゥちゃんじゃない。
実散/あ、違うの?
KP/クトゥちゃんのお子さんの「星の落とし子」ちゃんです。
実散/お子さんでしたか〜! 言われてみればクトゥちゃんの数倍ちっちゃいもんね〜! でもおっきくなったねぇ〜!
天鴻/お、お友達のお子さんだったの……? どういうことだよ(一同爆笑) えっと、発狂するかの<アイデア>ロールするね……。(ころころ)72で成功。そこは成功せんでええ!(笑)
KP/発狂表、1d10してください!
天鴻/(ころころ)3です。
KP/「多弁症(何があってもひたすら喋り続ける)」でした。技能マイナスは無いっぽい。良かったね
天鴻/え、やだめっちゃ怖いなにあれCG? ハリウッド映画? クソ早口。
実散/わあ、スピードおしゃべりさんになった〜(笑) たかひろくん落ち着いて、オニキスのかわいい写真でも見て〜!
天鴻/オニキスかわ〜。俺、この事件が終わったらオニキスを吸いに行くんだ……!

 ――そのとき。
 貴方達は光の中にいた。
 光源は分からない。目を焼くような眩しさではない。真っ白い、上も下も分からない。暑くもなく、寒くもない。そんな場所に浮かんでいる。

天鴻/あれ?
実散/わあ……これって、イス人さんの空間!?
KP/「気が付いたかね?」 謎の声がする。あのときの声です。
実散/イス人さん〜!
天鴻/何かやべーの見ちゃったんですけど!?
KP/「安心して欲しい。あれもまた可能性の一つ。未来はまだ定まってはいない。今、この場所は時の流れの中庸にある。ここにいる限り、時間の心配はいらない」
天鴻/精神と時の部屋、ってコト!? ……ちなみに、SAN値が41になったから不定の狂気になっちゃうんだ。
KP/不定、決めておきます? 1d10をどうぞ。
天鴻/やっときますか……。(ころころ)10です。
KP/「殺人癖(誰彼構わず殺そうとする)」……えっ?(笑)
天鴻/今すぐ俺を殺してくれ頼む。嫌すぎですが!? ここに居る人実散さんしかおらんが!? 完全に正気度ゼロで天鴻オルタですよ!?
KP/解釈違いです!
実散/お気持ち表明しちゃう〜! たかひろくんのキャラ性を守りたい! クリチケを使って振り直して!
天鴻/もったいねえ〜! 殺人癖なんてなかった!(ころころ)8です。
KP/「不信(単独行動をとりたがる。交渉技能不可。)」
実散/実散が交渉系だから問題なくてゲーム的にもヨシ!
天鴻/殺人よりマシ! ……九重の手紙を読んだ後なら、イス人に不信感を持つのも不自然じゃないかな。
KP/それでいこう! この単独行動も「イス人との交流が嫌」という意味でどうですか?
天鴻/じゃあ……ちょっと謎の声に警戒気味になる。
KP/という訳で、イス人だけど質問ある?
実散/スレを立てるな(一同爆笑)
KP/安価でなんでもする。
天鴻/お、なんでもって以下略。
実散/ねえ、海から上がってきたアレ……改めて訊くけど、何?
KP/「星の落とし子と言われる存在だ。だがあまり詳しく知らない方がいい。知るという事は近づくという事だ」……ってシナリオには台詞があったんですけど。
実散/知り合いのお子さんだったわ。
天鴻/実散さん、もう知ってる……イス人より詳しいとは(笑) 九重ミツグがその星の落とし子ってやつを呼んだのか?
KP/「その通り。あれが召喚された世界は終わりだ」
天鴻/どうにかさせるために俺達に力を貸したのか? でも、どうにかしたいんだったらナギサって奴を殺したみたいにすれば良かったんじゃないか? トゲトゲ。
KP/「精神の転移には相応の力が必要になる。短時間の間にそう何度も使えるものではないんだよ。……現在、この世界では召喚の可能性がとても強くなっている。非常に、残念ながら……この世界を救える可能性は僅かにしかなくなってしまった」
実散/あう。
KP/「私は少なからずこの事態に対して責任を感じている。そしてここまで協力してくれた君達への恩義も感じている。協力してくれた君達に尋ねよう。僅かな可能性のために元の時空に戻るか、このまま精神を分離し我々と安寧に満ちた長い時を過ごすか
天鴻/それって……俺達しか助からないよな?
KP/そっすね。頑張ってくれた2人に恩義があるので、「この可能性がかなり狭くなってしまった世界から助けてあげよっかな」という提案です。
実散/邪神が現れて滅ぶ世界で、俺達2人だけ助けてあげるって?
KP/うん。
実散/……ほんと、心根は良い子みたいだねえ。たかひろくん。どうする? 俺は悩むまでもなく、だけど。
天鴻/そりゃあ、まあ、決まってるでしょ。
実散/戻ろっか。
天鴻/戻ろう。皆を助けられる可能性があるなら、そっちに賭けたい。
実散/2人だけ逃げても、嬉しくもないよ。そもそも俺達に可能性を見出して選んだんでしょ? じゃあ、もうちょっとやれるよ。
天鴻/どうしてもって言うんなら、俺の代わりに草摩さんと百合人さんと格を助けてやってくれよ。
実散/あ、それ良いね。で、スーパーマンになった俺達が戦って、勝利したら、みんなを安全圏から戻してもらおう!
天鴻/いや、実散さんは助かりなよ。
実散/えー? 俺もたかひろくんといっしょに超能力者として頑張る〜。
天鴻/なら、やっぱ2人で戻らないと。
実散/うん! イス人さん、さっき「なんでも」って言ったよね? もっと色んなのちょうだい! 世界を救ってあげるから!
天鴻/ひゅ〜、実散さんカッコイイー! 助けてくれるなら、援助ぐらい惜しまないよな?
KP/「OK、あげる」 実散の目の前に、地球文明には存在しないであろう銃が現れる。
実散/う?
KP/銃を手に取るならば、貴方達の頭にはその扱い方が流れ込んでくるだろう。

 ※電気銃B型 ダメージ:8d6、装填数:1d20+3
 命中率は探索者の<拳銃>技能に依存。装填数は受け取った時点でダイスロール実施。
 イス人から知識を受け取ったため、キーパーコンパニオン記載のデメリットは消去。

実散/8d6点ダメージ!? カッコイイね、これ! 光線銃じゃん〜!(1d20+3ころころ)しかも21個も弾を貰えた!
天鴻/ダメージやば!?(1d20+3ころころ)13……実散さん。はい、これ。銃を渡す。
実散/……ちゃんとたかひろくんの分まで持っておく。しっかりと俺が使いこなすからね。銃の腕は結構自慢なんだよ?
天鴻/はい。すいません……プレイヤーの男児心は「ひゅ〜光線銃だ〜!」ってテンション爆上がりなんですけどね!(笑)
KP/そんなタカちゃんにもプレゼントあるよ。これを使ってレインボーブリッジを走って

 ※バイク Ducati(ScramblerNightshift)
 二人乗り可能な大型バイク。

天鴻/ドゥカティ!? やだめっちゃカッコイイやつ! 天鴻の男児心がときめきました!
KP/タカちゃんにはそれプレゼントするから操縦して6時より前にミツグの所に行って
天鴻/やった〜! でも俺<運転>技能は持ってない〜!
KP/大丈夫! タカちゃん仕様だから! 専用機よ
天鴻/イス人への不信感が払拭されてしまう!
実散/やったー、不定の狂気が回復しちゃった(笑)

 「6時の全国ニュース放送とともに九重ミツグは星の落とし子に呼びかける。それまでに彼を止めるのだ。
 君達の道行きに光があらんことを」
 光が和らぐ。周囲の景色が少しずつ色彩を取り戻し、元の形を成していく。先ほどまでの酷い頭痛や腕の痛みは今は随分とましになっているようだ。
 残された時間が少なく、世界は滅びへと向かっている。それでも貴方達は戻ってきた。現在時刻は、5時30分。

実散/アトリエ前に……戻ってきた。時間はギリギリ! でも、間に合う!
天鴻/急ごう、レインボーブリッジへ! イス人から貰ったドゥカティに乗って、ヘルメットを実散さんに投げ渡す! 乗って!
実散/わあっ、カッコイイー! たかひろくんの後ろにぎゅうします!


 ●シーン6:レインボーブリッジ

KP/バイクを運転し、触手の攻撃を掻い潜りながらレインボーブリッジを目指します。運転はタカちゃん、銃を持っているのはミチルちゃんですね。

 ▼特別ルール
 ダイスロールは『バイクの運転』⇒『触手の撃退』の順で【計3回】行います。
 尚、撃退は「電気銃B型」を使用、成功失敗問わず弾丸は消費する。

 『天鴻専用超大型特殊バイク運転』は<STR×5>で判定。
 【成功】⇒そのまま『触手撃退』へ移行。
 【失敗】⇒『触手の撃退』ダイスロールでの技能が−10。
 続いて『触手の撃退』に移行、<拳銃>で判定。
 【成功】⇒次の『バイクの運転』ターンへ。
 【失敗】⇒触手の攻撃(単体攻撃/60%/1d4)

実散/STRで運転するんだ。バイクって重いもんね……。さあ、たかひろくん飛ばして〜!
天鴻/おうよ!

 エンジンの低いモーター音が鼓膜に、鼓動に響いてくる。
 風を切って走り出す車体は、鉄馬のごとくアスファルトの上を疾駆した。事故車による長く続く車両の群れをすり抜けて、順調に目的地へと向かっていく。
 ――だが、レインボーブリッジのループ橋に差し掛かった瞬間に、突如としてそれが現れた。
 うねり狂う触手。目のない筈のそれは、だが明確な敵意をもって貴方達に襲い掛かる。

天鴻/……来たかっ!
KP/バイク運転判定1回目、どうぞ!
天鴻/90%以下で成功だ。(ころころ)24、成功! でかいバイクを力任せにハンドル切って、触手を避ける!
実散/ぎゅいいいん! 避けたところを、お得意の銃……くらえー!(ころころ)13、成功!
KP/ミチルちゃん、拳銃のダメージロールしてください!
実散/(ころころ)26点! これ本当にCoCのダメージロール?
天鴻/アリアンロッドか?
KP/ジュワッと襲い来る触手が溶けます。
実散/すごーい! 見て見てたたかひろくーん!? でも前も見て〜!
天鴻/うわ、イス人の銃やべー!? ナイスショット実散さん!
KP/狙い定めた一撃が絶望の魔手を打ち砕く。破壊された触手の欠片がぼたぼたと地面へ降り注いだ。2回目、バイク運転どうぞ!
天鴻/おっしゃ!(ころころ)9で成功してますう! 実散さんが拳銃を当てやすいとこにバイクを持っていく! あらよっと!
実散/ひゅー、たかひろくん優しい(ころころ)7で成功! あらよっとってマネっこ!(ころころ)31点ダメージ!
KP/ジュワッ。電撃が触手の胴体を撃ち抜いた。悲鳴に似た不協和音が大気をビリビリと震わせる。
天鴻/2回目も撃退! バイク乗ってなきゃハイタッチするんだけどなあ!
実散/じゃ、背中にキスしておくね(^ε^)-☆Chu!!
天鴻/ちょっ!? もうっ!
実散/えへへ。
KP/イチャついてる(笑) 3回目、バイクどうぞ!
天鴻/最後!(ころころ)47、成功!
KP/粘着質な触手の体液でタイヤが滑る。しかし地面へと無数に突き刺さる触手を掻い潜り、華麗なハンドルさばきで駆け抜けた。
天鴻/あぶねっ!
KP/天を突くようそびえたつ触手が渾身の力で振り下ろされる。バイクは紙一重で攻撃を避けきった。
実散/うふふ、焦ってるように見えて余裕だね。
天鴻/実散さん振り落とさないように結構必死なんだぜ!?
実散/……当たって!(ころころ)88、失敗。
天鴻/クリチケ!
実散/使っちゃう!(ころころ)14、成功。てやー!(ころころ)31点ダメージ!
KP/判断が早い! ダメージロールの出目も良い!
実散/当てるよ、外さない! ごめん、ビックリさせちゃったね?
天鴻/いや、大丈夫! 俺の方こそ乱暴な運転して悪かった!
KP/一斉に襲い来る触手へと、電流は乱反射しながら一撃でそれをなぎ倒した。失敗すると1d4ダメージのところ、3回連続で全部回避!おめでとう!(^ε^)-☆Chu!!
実散/ありがとうたかひろくん!(^ε^)-☆Chu!!
天鴻/めっちゃキス振ってくるじゃん。くそっ、運転してるからキス返せない(笑)

 巨大な螺旋をぐるりと回る。
 いたるところから触手の突き出した海は、タイムリミットが近いことを告げていた。
 バラバラと轟音が響き、振り仰げば報道ヘリコプターが飛んでいる。もう一機、警察航空隊のヘリコプターが避難を呼びかけているが、聞き入れる様子はなさそうだ。
 ループ橋を抜けた先、直線に伸びる橋の上に、九重 ミツグは立っている。

天鴻/あ、実散さん、あそこ!

 時刻は17時50分。世界を救うために残された時間はあと僅かだ。
 「こいつは驚いた。お早い到着じゃないか。警察って連中は死体が出るまで鼻が利かないと思ってた」

天鴻/俺達の能力を見越して、挑発してただろ。
KP/「ああ、そうだよ。少しばかりおしゃべりをしようじゃないか」
実散/している時間は無いよ。放映が始まる前に、君を逮捕しにきた。
KP/「違うだろ。殺しに来たんだろ?」
天鴻/お前の主張も言い訳も全部署で聞いてやる。お前の心中をここで止めるのが俺達の仕事なんでな。
実散/おしゃべりしたいなら刑務所で聞いてあげるから、お縄につきな。
KP/「……そうかい。おしゃべりにも付き合ってくれないのか。あと10分だっていうのに」
実散/10分しかないんだよ! ……やるよ!
天鴻/ああ! 身を低くして構える。
実散/8d6点ダメージの銃は……犯人には使えないよね。確実に死んじゃうから!
天鴻/生きて逮捕するなら、なるべく使わない方がいいな。触手は実散さんに任せた!
実散/たかひろくん、犯人確保を頼んだよ! 銃を構える!
天鴻/任せろ! 絶対捕まえる!


 ●シーン7:ラストバトル

KP/敵の数は、九重 ミツグと、触手4体。DEXは実散:13→ミツグ:13→天鴻:12→触手:10の順番です。戦闘スタート! まずは先制射撃が可能です。
実散/先制射撃します! ……触手へ攻撃!(ころころ)44、成功!
KP/(ころころ)回避失敗、当たります。ダメージをどうぞ。触手はHP:25で装甲無しですよ。
実散/いっけー!(ころころ)31点ダメージ! ジュバッ!
KP/ジュワッ!
天鴻/オーバーキルじゃん! 1本減った!
KP/1体触手が消えました! ミツグ、射撃先制します。
天鴻/あ、あいつも銃持ってるから……!?
実散/ま、まさか、俺と同じダメージを使ってくるの……? 一発でも当たったら死んじゃうよ!
天鴻/そんなん当たったら天鴻でも2人分ぐらい死ぬが!?
KP/(ころころ)71で失敗。タカちゃんと触手は先制射撃をしないので、ミチルちゃんのターンです。
実散/早くなんとかしないと……でも実散は変わらず触手を撃ちます!(ころころ)59、成功!
KP/(ころころ)あ、回避100ファンブル。
実散/……もーらいっ(ころころ)33点ダメージ! 確実に落とす!
天鴻/2本目撃破! さすが実散さん!
実散/えへへ、今でも後でもいっぱい褒めてね
KP/ミツグのターンです。偶数なら実散、奇数なら天鴻を攻撃。(ころころ)2なので、実散に命中判定。
実散/うううう!?
天鴻/実散さんを狙いやがった……!
KP/(ころころ)あ……7で成功しました。
実散/<回避>!(ころころ)34、成功。避けました! ……たかひろくん、今だよ!
天鴻/っしゃ! 駆け込む! <マーシャルアーツ>+<キック>で、ノックアウト宣言!(ころころ)64、成功!
KP/ミツグは回避を……(ころころ)97、回避ファンブル!?
実散/やったー! たかひろくんが回り込んだ!
天鴻/体勢崩したとこにハイキック、叩きこむ!(ころころ)11点ダメージ!
KP/ショックロールをします。(ころころ)……36、成功ですね。
天鴻/まだ立ってる……!?
KP/触手のターンです。……前に出ているのはタカちゃんだよね? となると、やっぱタカちゃん狙いになるのでは?
天鴻/ばっちこい! こっち来いよ触手ヤロウ!
KP/タカちゃん狙う! 触手は60%以下成功です。(ころころ)32で成功!
天鴻/回避する!(ころころ)75で成功  紙一重で触手を避ける!
実散/すごーい!
KP/もう1匹もタカちゃんに攻撃いくよ。(ころころ)63、失敗……。ラウンド頭に戻ります。先制射撃ミチルのターン!
実散/触手を撃つよ!(ころころ)30、成功!(ころころ)40点ダメージ! 凄くいっぱい6が出た!
天鴻/これは触手蒸発待ったなし!
実散/たかひろくんには絶対当てないもん!
天鴻/そこは信頼してる!
KP/じゅわわと触手が溶けます。そして……ミツグの先制。(ころころ)タカちゃんを対象に、撃つ!(ころころ)63、失敗……。
天鴻/脳震盪でも起こしたかな?
実散/俺のターンだね。最後の……触手を撃つ!(ころころ)87、失敗……ああっ、たかひろくんに一番近い奴がなかなか当てられない!?
天鴻/大丈夫! 3体も倒してくれた!
KP/続いて、ミツグの攻撃いきます。タカちゃんに。(ころころ)85、失敗!
天鴻/至近距離すぎて当てられないのかもしれん。至近距離でブッパされたら……そうなる前に、止める!
KP/タカちゃんの攻撃番よ
天鴻/普通に<キック>のみ! ノックアウト宣言を添えて!(ころころ)21、成功!
KP/さっきミツグは<回避>ファンブルだったので、自動命中にします。ダメージロールください。
天鴻/これで、しまいだ!(ころころ)5点ダメージ! 膝蹴りを腹にお見舞いする!
実散/適度なダメージ!
KP/「ぐお」 ……ミツグ、倒れます!
天鴻/蹲って、行動不能になったところを抑え込む! 17時58分、犯人確保!
実散/残り1体の触手も収まれー!
KP/貴方達は、九重ミツグの手首に手錠を掛けた。「あっはっは。負けた負けた。ああ、残念だ。実に残念だよ。なぁ……ナギサ、まだ、会えそうにない」
実散/……う。それは、幼馴染の名前……。
天鴻/……あんた、そんなにナギサってやつのこと好きだったんだな。でも、そいつはあんたのこと……。
KP/「ナギサは、絵を描くのが命だった訳。それしか興味なかったんだよ。他は見向きもしなかった。そのナギサが、絵を描き続けることよりも俺に勝つことを選んでとんでもない絵を描いたんだぜ? どう考えたって最大級の愛情表現を受け取ったんだ」
実散/…………。
KP/「ああ、刑事さん。まいったよ。強いじゃないか。獄中で自伝でも書くから名前を教えてくれよ」
天鴻/勘弁してくれ。九重の身体を支えながら立ち上がらせます。
実散/その名前をまた変な儀式に使われたら困るからね。教えてあげない。
KP/「…………はっはっは。そうかい。じゃあ、これで世界は救われたってことだ。おめでとう、ヒーロー」

 上空の報道ヘリからカメラマンが乗り出し、その様子を撮影する。
 6時のニュースは殺人鬼逮捕の話題が大々的に報じられることだろう。
 悍ましい触手は海へと戻り、水平線は沈みゆく。それは、明日の晴天を予感させる、穏やかな海だった。

天鴻/……はあ、やっと終わったなあ……。
実散/お疲れ様! やっぱたかひろくん頼りになる〜! たかひろくんの一撃、いつ見てもカッコイイ〜!
天鴻/ありがと。でもそれも実散さんの正確な射撃のおかげで怪我なく逮捕できたんだよ。
実散/あはは、もっと褒めて〜
天鴻/よしよし、実散さんすごいすごい、流石チーフ!
KP/「みちる、天鴻。お疲れ様」 応援に駆け付けた草摩が現れます。
天鴻/あ、草摩さん。
実散/兄ちゃん! えへへ、勝手してごめんなさい。
天鴻/始末書は後でちゃんと書きまーす。
KP/「いや、みんなお前達の活躍の後始末に来たんだよ、笑顔でな。みんなだって『せいぜいもっと活躍してくれよ』という顔をしている」
天鴻/でも、勝手したのは事実ですからね。
実散/覚悟はしておくよー。……けどさ、連続殺人犯確保できたって……俺達、結構カッコイイことしたね?
天鴻/世界も救っちゃいましたしね。
実散/うん! たかひろくんファンが増えちゃうかも? ファンレターとか貰ったらどうする〜?
天鴻/実散さんのファンも増えるんじゃない? ……つまり、百合人さんのライバルが増える?(笑)
KP/「お前達は署に戻ってみんなに良い笑顔を見せてやれ。九重 ミツグに手を貸していたディープワン達は俺がなんとかしておくから
実散/うんっ!
天鴻/……なんとか出来るの!?(笑)

 いつの間にか、太陽は沈み切り、空は紺青へと変わっている。
 今日という夜、街の人々は殺人鬼に怯えることなく穏やかに眠ることだろう。そして訪れる明日は、晴れ渡った空とともに希望を運んでくるだろう。
 貴方達が手に入れた不思議な力と武器は、いつの間にか消えてしまっていた。
 だが、その代わりに手に入れた希望は、きっと、もっと大きな力になる。
 「お疲れ様。そして、ありがとう。ヒーロー」
 その声は、かすかだが、確かに貴方達の耳に届いただろう。

実散/……あ。いつの間にか銃が消えてる。
天鴻/本当だ。イス人ー! 俺だー! あのドゥカティは残してくれー!
KP/「じゃあ草摩に渡しておくわ」
天鴻/これからバイク通勤しよ!(笑)
実散/……あのね、助けてくれてありがとう! お礼は何度でも言っておくね!
天鴻/ああ、こっちこそありがとう。
KP/…………。どういたしまして。

 ▼クリア報酬
 星の落とし子の召喚を阻止した 1d10 SAN値回復 
 九重ミツグを逮捕した 1d6 SAN値回復
 ループ橋場面で使用した技能 成功回数×1d2(→合計3d2)




 Vendetta4L END

エジプト展に興味を持った双子の話に続く

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