クトゥルフ神話TRPG・リプレイ
■ 『 劇場版 同居人 』 8ページ ■
2022年1月7日




    ◆

KP/エンディングです……。
実散/はい!
百合人/いいえ!
KP/エンディング、やっていきます……『花園 実散が死ぬときまで時を戻して』が、願いだったよね……。
実散/はい。
百合人/やです。
KP/はい。
実散/はい。
百合人/やです。
KP/…………。実散は今、ベッドに横たわっている。
実散/……う……?
KP/体は子供になっていた。いつも見上げていた自宅の天井が見える。かつて自分が使っていたベッドの中で実散は目を覚ました。
実散/あっ……ここ。そっか、俺、神様に……子供の頃まで時間を戻してもらえたんだ……。
KP/胸が苦しい。体中が痛い。死ぬ。死んでしまう。あと数分で自分は死ぬだろう。そう確信を得る。
実散/あぐっ……!? うあ……ううう……!
KP/ベッドの横には、同じように子供の花園草摩がいる。
実散/……あ……兄ちゃん……?
KP/「みちる」 夢で見たあのときのように、親に言われた通り、双子の弟の看病をしている。
実散/ああ……兄ちゃんだ……。
KP/兄は実散の言葉を待っている。兄は実散の言葉を何でも聞いてあげるという顔をしている。兄は実散のためなら何でもするという顔をしている。
実散/…………。
KP/兄に、何か、話をしてください。

実散/(あと数分で……俺、死ぬんだな)

実散/(凄く……苦しいな……)

実散/(……ああ、このときの俺、今にも死にそうだったから……兄ちゃんに助けを求めちゃったんだ)

実散/(……兄ちゃん。優しいな)

実散/(こんな苦しんでいる弟を助けようと……神様、呼ぼうとしてくれて……)

実散/(……そして……一生を無駄にした)

実散/……ねえ。
草摩/みちる。なんでも言ってくれ。
実散/兄ちゃんは、言われたことをちゃんと守る偉い子だから、俺の言ったこと、守ってくれるよね。
草摩/みちる。
実散/……俺が死んだら、俺のこと、全部忘れてね。
草摩/みちる?
実散/変な本の言う通りなんかにするんじゃないよ。ちゃんと勉強して、いいおまわりさんになってね。
草摩/みちる。
実散/いっぱい知り合いを作って、楽しい毎日を送って、いい職場に行って、いい縁に巡り合えて、いい人に出会って……いい同僚に出会って、いい後輩に出会って、いい憧れの先輩に出会って、いい親子に出会って……。
草摩/…………。
実散/双子の弟に執着する人生なんて、失くしてしまって……みちるのことなんて、忘れて、そうま、の、人生を、送って、ね。

実散/(これでニャルラトホテプは召喚されない)

実散/(狂気に触れない)

実散/(兄ちゃんが壊れるキッカケは、無くなった)

実散/(「花園 実散の兄ちゃん」じゃない、「花園 草摩、個人の」人生を、歩める筈)

実散/……目を閉じます。

実散/…………そのまま、死にます。

実散/……………………。

草摩/嫌だ。

実散/……兄ちゃん?
草摩/聞かない。言われたこと、聞かない。言う通りにしない。
実散/…………。
草摩/言われたこと、聞いてきたけど、聞かない。
実散/…………。
草摩/嫌だ。みちるを忘れたくない。みちるといっしょにいたい。
実散/…………。
草摩/みちるが願ったから俺になろうなんて、一緒になろうなんて、お揃いになろうなんて、ただの言い訳だ!
実散/…………。
草摩/俺が願ってたんだ。俺がいつまでもいっしょにいたいから、そう言い訳していた。
実散/…………。
草摩/俺はみちるといっしょでありたい。みちるといっしょがいいんだ。
実散/…………。
草摩/みちる。俺といっしょがいいって言ってくれ。俺はいっしょがいいから。頼む。
実散/…………。
草摩/お願いだ。大好きなお前がいなきゃ、嫌なんだ!
実散/…………。
草摩/お願いだから……言って……。泣いて、縋る。
実散/…………。
草摩/…………。
実散/兄ちゃん。……かわいいなあ。
草摩/みちる……。
実散/どんなことしてても、どんなに恥ずかしい言動でも……俺のこと、そんなに好いてくれている人を……嫌いになれる訳、ないよね。
草摩/……みちる……。
実散/…………大好き。
KP/百合人、<幸運>ロールをお願いします。
百合人/幸運!?(ころころ)4でクリティカル。
実散/クリティカル!?
KP/幸運クリティカル!? 凄い!(笑) ……百合人の願いは、何?
百合人/えっ?
LP/儀式の部屋には「草摩の遺体」があった。自殺した百合人の遺体を儀式の生贄にすることができたけど、草摩の遺体も儀式の生贄になったんだよ。それに……「生きていると思えば生きている百合人」はあそこに居た。ニャルラトホテプは百合人の叫びも一緒に聞き入れちゃう。
実散/実散の願いだけじゃなく……センパイの願いも聞いてくれるってこと?
百合人/…………。オレが願った願いは、あのとき叫んだ一つ。「ミチルに会えなきゃ、意味ないだろ」。『ミチルに会える人生を送ること』、それが願いだ。
KP/うん。叶えよう。……百合人、いきなりだけど。
百合人/はい。
KP/このシーンにどーんと出て。
実散/どーん?
KP/なんか理由を作ってここに来て。まかせる。いきなり登場OK。
実散/雑ぅ!(笑)
百合人/ダイナミックお邪魔しまーす! 子供のオレ、登場ッ!(一同笑)
草摩/だっ、誰!?
百合人/云十年後の記憶を継いで転生したアタシよッ! アンタ! 電話! 早く! 電話しなさい!
草摩/電話……?
百合人/死にかけの子がいたら電話してお医者さんを呼ぶに決まってるでしょ! なんで危篤の子がいて電話しないの!? まずは救急車を呼びなさいよ!? ニャルラトホテプを呼んでる場合じゃないわよ! 普通は神様を呼ぶ前に救急車を呼ぶの!
実散/なんでオカマちゃんモードなの?
百合人/説教モードだからよッ!
KP/草摩、救急車を呼びます。
百合人/救急車はすぐ来る! 応急手当もできる! して!
実散/兄ちゃん、して! <応急手当>90%ある兄ちゃん、ダイスを振って!
草摩/(ころころ)30、成功。……草摩は電話をして、応急処置もして、みちるといっしょに居ます。……みちるといっしょに生きます。
実散/……うん。
百合人/うん!
実散/そもそも「実散が自宅療養できる程度の体調」が誤りだったというか、兄ちゃん一人で看病させるっておかしいよね……。
KP/偶然「家に草摩しか居ないときに実散が死んでしまった」という設定でした。運が無かったんです。
実散/「お兄ちゃんだから看病して」って期待されてたのに、何もできずに死亡でしょ? そりゃ責任感で苛まれちゃうよ……自分で何とかしようと思っちゃうよ。
百合人/でもそんな病弱な子がいる家から通報があったら、すぐに駆けつけてくれる筈! その準備は出来てる筈!
KP/……そうしていると、実散と百合人の頭にモヤがかかってきます。
百合人/モヤ?
実散/もやもや〜。
KP/大人の頃の記憶が全部無くなります。ここから先は、何も思い出せなくなります。記憶があると、実散が32歳になったとき……『庭師』のシナリオを余裕でクリアーできるようになっちゃうから。
実散/あー、記憶ありのやり直し人生再チャレンジしたら、涼ちゃんを生かしちゃうもんね。
KP/相模原を生かすセッションは、そういうシナリオを用意されてからじゃないとダメです。救うのは無理です。
百合人/転生チートはできないのか!
KP/だから大人の記憶は、ここで終わりです。これからは普通の子供として花園 実散と剛力 百合人になってください。
百合人/あっれー!? なんでオレ、知らないお家に不法侵入してんだろぉ!?(一同笑) まあいいや! 死にかけだった小さい子を救えたし!
実散/救急車で運ばれながら、なんか……大人になる夢を見たなぁ……って思いながら、眠気に襲われて目を閉じますね。
KP/という訳で、これから真のエンディングを始めます!


 ●エンディング:実散

 実散は、助かった。
 九死に一生を得た実散は無事に意識を取り戻し……病死することなく、再び入院生活を送ることになった。


実散/おはよう、兄ちゃん、お父さん、お母さん。……またそんな挨拶ができるんだ。わあ、死ぬと思ってたのになあ……。
KP/実散は生きてます。適切な治療を受ければそのうち退院できるでしょう。
実散/……眠っているとき、大人になった夢を見た。俺、おまわりさんになって……銃とかバンバン撃つカッコイイ大人になってた。
百合人/この卓では撃たなかったけど。
実散/『庭師』の頃にはちゃんと撃つもん!(笑) ……入院着のままお外に出て、青空の下でベンチに座って、お空を見上げながら、「そういう大人になりたいなぁ」と呟く。カッコイイお仕事したいもんね。
KP/花を持った草摩が、ベンチに座る実散の前に現れます。
実散/…………。それ、兄ちゃんが育ててくれた……お見舞いのお友達?
草摩/うん、赤い花。みちるに似合うと思って。
実散/ありがとう。
草摩/ごめん。……ごめんなさい。
実散/……どうしたの?
草摩/どうしたらいいか判んなかった。混乱して、俺、とんでもないことするところだった。みちるが死ぬところだった。死んだら、俺……。
実散/…………。
草摩/ごめん、ごめんなさい……! みちるの目の前でボロボロ泣き出し、ずっと謝る。
実散/…………。兄ちゃん、あの地下道の暗い中でも……3年間の夢の中でも……ずっと俺に謝ってるんだよな。
草摩/ごめんなさい。みちるを殺してしまう、ごめん、ごめんなさい。泣く。
実散/……兄ちゃんは、殺してないよ。俺、生きてるし。もし俺が死んだとしても、変なことしないでね? ……俺のこと気にしないで兄ちゃんは兄ちゃん個人で生きてほしい。
草摩/みちる。
実散/そう願ったことも……どっかの夢の中であったけど。……無理、だね。きっと無理だ。無理だって、あのベッドの上の熱烈な告白を聞いて知っちゃったから……。もう俺達、いっしょにいるしかないね?
草摩/みちる……。
実散/……もう……「俺のこと忘れて」とか、絶対に言わないよ。兄ちゃんのお花、受け取って、俺から……抱きつきます。


 ●エンディング:百合人

KP/では百合人。好きな「実散の生きてるシーン」をしていいよ。それが百合人の願いだったから。
百合人/全部記憶は無くなったけど、ミチルちゃんと再会して……『あの瞬間』をやりたいです。
KP/はい。『あの瞬間』ですね。
百合人/ミチルちゃん シーンに出て アタシの店においでー ミチルちゃんと再会して……しばらく経った後、『同居人』が始まる前あたり!
実散/爆破されてない店にお邪魔しまーす。
百合人/また飲みに来てくれてありがとー
実散/センパイ、今度は同僚を連れてくるね! すっかりセンパイはたかひろくんのことお気に入りだし、いたるくんも誘ったら来てくれるかな〜。
百合人/うんうん、タカちゃん来て〜って言っておいて 同僚メガネくんも大歓迎 兄ちゃんがよく話すセンパイさんも紹介してもらってよ〜!
実散/醒ヶ井さんはまず俺が紹介してもらわないと……(笑)
百合人/そんな感じで、店は2人だけで楽しんでます。……自覚は無いけど、人生2度目。2度目の2人きりのバー。特に何事もなく、この日は何にもなく終わる。1度目の人生と同じように。
実散/苺のお酒、おいしー。
百合人/甘いお酒大好きだよね、ミチルちゃん〜。
実散/大好きです〜。
百合人/でもそれぐらいにしときな。もう閉店時間だよ。一人で帰れる? お迎え必要?
実散/ん〜……泊まっていきたい。けど、さすがにご迷惑ですか? そんな学生時代みたいなことできませんよね。警戒なしの笑顔で言います。
百合人/……かわいいなあ、もうっ。店の上の階がオレの家だし、泊まっていってもいいけどさ。
実散/本当ですか! センパイのお家、どんな部屋なんですか? 最近新居に引っ越したばかりで部屋作り研究中なんですよ、見せてください〜。
百合人/ここから先は、1度目の人生の再現です。
実散/はい。
KP/ああ……。
百合人/ミチルちゃん、コンビニでお泊りセットを買ってきな。ハブラシとか必要だろ? そう言ってミチルをお店から出させてます。オレも店の外に出ます。
実散/はーい。
百合人/そして、『ああ』なります。
KP/はい。
実散/『ああ』……?

 鼓膜をつんざく音がした。それは一切の躊躇が感じられない、空を切り裂く様な高い音。
 一体、何が起こったのだろう。瞬く間の出来事を、その場に居た誰もが理解を拒んだかのようで、世界が静止した気がした。
 永遠に思えた静寂の後、皆の意識を引き戻したのはそこに広がった真っ赤な色彩。
 「おい! 車が店に突っ込んだぞ!」


実散/え。

 日常は急なる交通事故によって破滅を迎える。
 百合人は突っ込んできた車から、実散を守る形で轢かれてしまった為だ。
 即死である。警察によってその場は抑えられたが、遺された実散は心に酷い傷を負ってしまうだろう。


実散/……せ、センパイ……?
百合人/礼二さんの奥さんと同じように、交通事故死です。
実散/え……?
KP/お判りいただけただろうか。
実散/……センパイ、死にましたね。
百合人/はい、センパイは死んでました。オレの正体は分かっていただけましたか?
KP/百合人は、『同居人』内で存在しないんだよ。

▼剛力 百合人(ごうりき・ゆりと)の秘匿ハンドアウト
 あなたは、このハンドアウトを受け取っていない相方PCの『幻覚』である。
 探索者の二人は何気ない日常を共に親しく過ごしていた。しかし、その日常は急なる交通事故によって破滅を迎える。
 あなたは突如飛び出して来た車から、相方PCを守る形で轢かれてしまった為だ。胴体は無残にも二つに分かれ、臓腑が道路を赤く照らした。即死である。
(1)「このPCは交通事故に遭い、志半ばで死亡した」ものとする。
(2)このPCに、自身が幻覚であると言う自覚はない。よってNPCに普通に話しかけ、物体に物理的接触も行なうことができる。いたって普段通りのシナリオプレイングで構わない。

実散/……幻覚……。
百合人/判りやすいところで言うと、兄ちゃんは百合人に対して「みちる?」って確認を取ってたよ。
KP/実散が多重人格みたいに百合人になりきってたからですね。
実散/ほあー!?
百合人/オレが兄ちゃんを襲ったときも、ずっと「みちるみちる」って言ってましたね?
KP/草摩は実散としかセックスしてないから。あと警察署で、天鴻は実散しか見てないよ。堂島という警官も実散としか話してない。
百合人/通行人もね。
KP/そして、生贄。草摩は人間を殺さない。
実散/ユリちゃんセンパイは……人間じゃない。俺が生み出した幻覚で「生きている」と思いこんだ、『兄ちゃんにとってのお花』と同じ『魂が宿った存在』……?
百合人/それと……兄ちゃんは百合人のこと「ミチルのために死んでくれる人間」って言ってた。あれは事実。
KP/事実をそのまま述べただけだな。
実散/はー!?
百合人/だけどそれは、人生1度目の出来事。
実散/2度目は!? どうなるの?!?
百合人/KP。人生2度目は、どうしたらいい?
KP/いいんじゃないかな、ハッピーエンドで。だって<幸運>ロールでクリティカルだったし。
百合人/好きにしていいの!? オレ、事故回避しちゃうよ!?
KP/クリったしいいよ。
実散/……うっ。お酒、飲みすぎかな。グロい夢、見ちゃった。一瞬だったけど……凄く、嫌な夢。
百合人/どどどどうしたの、ミチルちゃん〜? フラフラじゃん、一人で歩ける?
実散/無理です。
百合人/即答かよ。
実散/センパイ。……一緒に、コンビニへ行ってください。俺、センパイと一緒じゃないと歩けないです。
百合人/甘えんぼか〜?
実散/遠くのコンビニがいいです。酔い覚ましがしたいので涼しい真夜中を歩きたいです。
百合人/判ったよ〜。……ねえ、ミチルちゃん。
実散/はい。
百合人/……夜、真っ暗だし、手、つなご?
実散/繋いでくれますか。フラフラなのでありがたいです〜。
百合人/……うん。夢だったんだ。……手繋いで歩くの。
実散/……夢だったんです? こんなのが?
百合人/うん。好きな人と手を繋いで歩きたかったんだよ。
実散/……まーたまた。センパイ、お上手なんだから。
百合人/あー、そういう反応だよね、そりゃそうだよね、普通は……。ミチル。
実散/はい?
百合人/もしこれから凄い事件が起きて、ミチルが傷ついて大変な目に遭って、毎日泣くようなことがあったら……オレは心が弱っているミチルの良いポジションに埋まろうとする。弱ってるとこに付け込むことしかできないから。だから普通に元気なミチルに近寄れない。
実散/…………。
百合人/弱っていないミチルにどうアプローチしたらいいか判んない。高校生のときのような可哀想な子じゃなくなったミチルを、どう可愛がっていいのか判らない。……オレ、好きな子にどう近寄っていいのか、判んない。恋愛下手すぎるなあ。
実散/…………。俺のこと、好きなんですか?
百合人/好き。……今、なんかカッコイイこと言おうとしたけど、全然思いつかなかった。けど、好き。
実散/…………。なんだろう。
百合人/なんだろう?
実散/……悪い気分じゃないの、何故でしょうね?
百合人/悪い気分じゃない?
実散/はい。不思議と。
百合人/ちょっと脈あり?
実散/俺、凄く優柔不断だし基本博愛主義者なんで、誰にでもいい顔しますよ。いいかげんな奴だし、そんな俺だから「嫌になったら放り出す」、その程度の距離で今後も付き合ってくれると嬉しいです。
百合人/…………。じゃあさ、ミチル。……ちょっと、オレと付き合ってみない?
実散/……こんな俺でも、いいんですか?
百合人/いいよ。……それとも、大きな事件でも起きなきゃ近づけないかな?
KP/キキイイイイイイ! ドカーン。爆発炎上。
実散/はいっ!?
KP/百合人の店に車が突っ込んで燃えました。事件ですよ。
実散/大事件だね!?(一同笑) ……あの、センパイのお家、燃えましたね。もしセンパイが良ければ、うちに来ます?
百合人/……いいの?
実散/センパイがうちに来ても兄ちゃんは邪険に扱わないと思います。あれでわりとセンパイの話をする人ですし。
百合人/マジで? あんな扱いでオレのこと大事に想ってるつもりなの!?(笑)
実散/俺も、センパイとこれからもっとお話ししたいと思ってました。これからぜひ……お付き合い、よろしくお願いします。
百合人/…………うん! よろしく、ミチル!


 クトゥルフ神話TRPG
    『 劇場版 同居人 』   END





KP/『劇場版 同居人』、これにて終わりにします。お疲れ様でした。
一同/お疲れ様でしたー!
実散/終わった……ありがとうございましたー! 生還エンドありがとうございまーす!
百合人/一応、ハッピーエンド?
サブKP・きりあき/良かったね! 両生還おめでとう!
実散/ありがとうございます! ……この人生2度目世界線なら、兄ちゃんは狂ってないよね?
KP/はい。「草摩がニャルラトホテプ召喚して狂気に触れる→的場に記憶操作されて、全部の記憶が蘇ったときに、忘れていた狂気も蘇ってしまう→食人衝動を抑えようとしていた礼二さんをけしかける→けしかけられた礼二さんが殺人事件を起こし始める→『同居人』スタート」なので、幼い草摩がニャルラトホテプに出会わなければ礼二さんに殺人を提案することもないです。
実散/ほうほう。
KP/礼二さんが殺人鬼になるキッカケを与えない。地下室に保管されていた血肉も用意されることはない。新たに草摩が儀式をしようとすることもない。監禁生活も始まりません。
実散/兄ちゃんがニャルラトホテプを召喚しないだけで「礼二さんがカニバリストにならない世界」になるんですね!?
百合人/ってことは 礼二さんは普通の人に!?
KP/はい。普通に花園邸を買い取ったお医者さんとして娘と生きてる筈です。めっちゃ人肉を食べたがってますけど、草摩にけしかけられてSAN値が0になってないため、理性があるから一般人ですね。
実散/礼二さん、きっとSAN値20ぐらいで踏みとどまってるだね……(笑)
百合人/礼二さんと凛ちゃん生存世界だー! 良いエンドじゃん!
サブKP・きりあき/『同居人』にそんな世界線があるんだ……!?
実散/「全部無かったことにしたい」は、ラスト戦闘の実散があまりに何も出来ないから「いっそ消えてしまいたい」を再現したからだけど……時を戻す選択、悪くなかったな。
百合人/結果として兄ちゃんが狂わずに済んだから……。
サブKP・ピロ/ニャルと会った会わない関係なくナチュラルボーンサドなんだよな、兄ちゃん。
実散/それな(笑)
草摩/別に俺はみちるを苦しませたいんじゃないですよ? 泣いてる顔や苦しんでる顔が好きなだけです。
サブKP・ピロ/天鴻もドン引きしますよ。
草摩/もちろん天鴻もどんな顔をしても好きだぞ?
百合人/それにしても……残りSAN値もHP的にも、半ば百合人は生還を諦めてたよ。勝利できて良かった。
実散/いやまじで実散は何も出来なくてごめん。
草摩/ラスト戦闘の泥試合、楽しかったな。
サブKP・ピロ/それはともかく。百合人さんが完全に生還諦めてるっぽかったり、草摩さんが死んだり、実散さんが自分の命投げ出したときはどうしようかと思った。君ら全員1回ずつゲンコツさせろ。
実散/正座。
百合人/正座。
草摩/あぐら。
サブKP・ピロ/兄ちゃんはもっと反省して!(一同笑) アヒルが兄ちゃんの頭つつくぞ!? グリグリするぞ!?
草摩/なんだ、アヒル……かわいいことしやがって。俺に気に入られたいのか? おもしれー女。
百合人/草摩が一番おもしれー奴だから。
実散/みちるが何も出来なさ過ぎて、申し訳なさで死にたくなったから死のうと願ったんだけどさ。思えばそれって『庭師』エンディングの兄ちゃんとまんま同じなのよね。
草摩/死にたくなったから死のう! あるある!
百合人/あるあるなの!?(笑)
実散/だって……めっちゃつらかったんだもん、何もできないの。でも何も出来なかったの……実散に「兄ちゃんを撃った」という事実を作りたくなかったの。
百合人/あれでミチルが兄ちゃんを撃ち始めたら、きっと百合人の負けだった。ゲームは勝っただろうけど、百合人的には負け。ミチルはそれでいい。かわいいね。
草摩/みちるはかわいい。抱きたい。抱いたな。
サブKP・ピロ/もう抱いとる。
百合人/いっぱい抱いた
実散/抱かれましたな。これで思う存分デートシナリオに行けるぞ〜!
サブKP・ピロ/水族館に行って〜! 行きましょ〜! いつ行く〜!?
実散/早っ!?(笑) でも行けたらいいな……いつか絶対みんなで行きましょうね!




『 劇場版 同居人 』

END


→同居人 真っ最中にデートに行った『ローター卓』に続く

TRPGリプレイページ・トップページへ戻る