アナザーワールドSRS・リプレイ・ワンアンドアナザー
■ 第7話『 最終決戦突撃編 』 4ページ ■
1998年〜2004年(仮想リプレイ公開2020年3月21日)




9月にしたこと『判定:コネクションを広げたり、聞き込みをして全方位に情報収集』
 ●使用能力値:【理知】【幸運】
 ・情報難易度:2つき目10


ジーク/9月3日! まだ暑い!(ころころ)はいー、達成値14で成功!
スウィフト/(ころころ)順調……とはいかなかった。達成値9で失敗。
ドレーク/(ころころ)13で成功。悪くない。
GM/2人成功したから2番目のコネクションを広げるシーンができる。えーと今回は……ドレークのシーンでいこう。
ドレーク/オーウェルのように、誰かに会うシーンになるのか?
GM/そんな感じのキャラロール回でいくよ。

 5:この1ヶ月、家族との問題が起きた。身内が騒動を起こしたかもしれないし、嬉しいことがあって他に気が回らなかったのかもしれない。

GM/家族といったらドレーク。ドレークといったら家族。
ドレーク/どこにそんな俺にファミリー要素があった?(笑) ……まあ、身内キャラは、生まれたが。
GM/今日は連日調査を協力してもらっているリリルラケシスに顔出し。住んでる高層マンション最上階でワインでも飲んでセレブな会食しよう。上質なワインでも飲んでディナー。
ドレーク/いい血でも手に入れたのか、セバスチャン。
トンプソン/搾りますぞぉ。
オーウェル/牛の乳搾りみたいな動作はやめろ(笑) あと、人外狩りを追い詰めるセッションなんだから人間は狩るなよ……?
GM/大丈夫、食用の人間を使ってるから。いや、冗談です。そんな足がつくようなことは天下の魔王様はやらないと思うし。
ドレーク/はあ……。適当な相槌を打って会食は終わらせて、さっさと機関の情報収集を進めに行きたいんだが、ってつまらなそうな顔をしている。
スウィフト/でもディナーには付き合う。
ドレーク/貴族はパーティーが仕事みたいなもんだから。
GM/パーティーというか、身内しかいない静かなディナーだけどな。難しい政治的な話や吸血鬼トークが夜通し行なわれて、そろそろ終わりかなってとき。トイレにでも行くために席を立ち、廊下を出ると、成長したドリスの顔を発見する。
ドレーク/……でも、坊主じゃないんだろ?
GM/うん。ブリジットが居る。一応、給仕っぽいことをしてる。魔王の従者だから。
スウィフト/メイド服ですか?
マァサ/執事服を着させられて格好良いのもイイ。
GM/ご、ご想像にお任せします……(一同笑) 従者であり、セレブな会話には入れてもらえないし入ることもできないブリジットは、終わりが近くなって出てきたドレークに「終わったのか?」って尋ねる。何となく、話がしたい様子だ。
ドレーク/……付き合え。適当な部屋に入って、煙草でも吸う。話を始めるまで黙って煙草を吹かしてるから。
GM/ムーディーな夜の喫煙所に入った。
ジーク/ムーディーな喫煙所、あるんだ(笑)
GM/じゃあブリジットが意を決してドレークに話を始める。「機関のこと、どこまで分かった?」
ドレーク/知っていることをある程度話す。煙草を吸いながら。結局は、スパイであるブリジットが調べたもの以上のことは分からない。……先月、仲間が襲撃する連中の行動パターンを引っこ抜いてきた。だいぶ前進したが、どうやって先生を叩くかまだ結論が出ない状態だ。
GM/先生、という言葉にビクッとする。
ドレーク/何か先生について知ってるのか?
GM/「……あいつは、悪魔だよ。人のこと、人だと思ってない。人間だとか、人間以外とかじゃない。自分以外の生き物は全て自分の研究の材料だと、自分の研究の為になる何かとしか思っていない男だ」 あくまで気丈に言い放つが、声は震えている。
ドレーク/悪魔か。本当に悪魔かもな。俺、その先生という奴の種族が何なのかよく知らない。……悪魔なんじゃないか?
ジーク/オーガ族とエルフ族と吸血鬼と獣人がいて、悪魔がいないのもおかしいしね?
スウィフト/邪神召喚をしようとしているのも悪魔だから、と言われたら納得する。
GM/「その悪魔に……今も、きょうだいは、酷い目に遭わされている、かもしれない」
ドレーク/……坊主のことか。坊主は今も、生きてるんだな?
GM/「よく判らない実験に付き合わされているよ。なんでも……生きた魔力を持つ者が、50人は必要だ、って言ってた。あいつは魔力が強い魔導種族だから大事な素体になるって、あとは同じように魔力のある幻獣のような種族がたくさんいれば儀式の成功率も上がるって……」 話せる限り、ブリジットは知っていることを話します。
ドレーク/……なるほど。全部知っている情報だが、スウィフトが翻訳した情報が正しくて……今まさに実行しようとしている奴が居るって分かった。重要な情報になる。
GM/「は、早く救ってやってくれよ! お前らなら先生なんて怖がらないで戦ってくれるんだろ……このままじゃあいつが、悪魔に、嬲り殺されちまう……!」 涙目で必死に訴える。
ドレーク/約束はできない。
GM/「そんな……」
オーウェル/約束はしてやらないのか。
ドレーク/何度も殺されてるからな。しかもオーウェルが何度も討ち取れずにいる強敵だ。早く倒すとは約束はできない。が、無視は絶対にしない。出来るだけのことはする。後悔はしないように。そのために嫌な奴に頭を下げて連日、調べてやってるんだからな。
GM/それでも約束はしてやらないのか……。では、喫煙室に現れた兄王が言おうか。「約束はしてやらんのか。優しくない男だな、君は」
ドレーク/げっ、わざわざ避けたのに来やがった……。
オーウェル/避けてたのかよ(笑)
GM/マスターに「客人に突っかかるとは、従者失格だ。部屋に戻れ」と言われ、ブリジットは嫌々シーン退場します。
スウィフト/嫌々をもうちょっと詳しく。
マァサ/「元気なのは結構だが、せっかく教えたサーヴァントとしての礼儀を忘れたのか? 良い子だから先に私の部屋に戻っていろ、後で好きなだけ構ってやる」
GM/「バッ……ばか!? す、すすす好きなだけって、ふざけんじゃねーよ! お前なんか嫌いだッ!」 嫌がりながらシーン退場します。
トンプソン/好きなの?
スウィフト/ありがとう。
GM/何が?
オーウェル/嫌々ってそういう意味じゃないと思ったんだが?
スウィフト/ありがとう。続けろ。
GM/ど、どういたしまして……?(笑) 「ブリジットとは主従の契約をしたが、私のことはあの通り、嫌いだという。何度相手をしても私を怯えて動かないときもあるのだ。スパイ活動は順調だったようだがな、それ以上の活躍は期待できん」
スウィフト/「相手をしても」とは!?
ジーク/中の人、落ち着いて!(一同笑)
ドレーク/もう機関の関する判定は終わった。期待するのがおかしいだろ。
GM/「これ以上、ブリジットから得られる情報は皆無と言っていい。お前も先ほど、奴が話す情報は全て知っているものだった。今後も価値が無いと判断できただろう」
ドレーク/用済みだから処分するかって話でもしたいのか。
GM/「愚弟だが話が早くて助かる。長年機関とやらで使われた体は、相当手を加えられたのか、味が落ちている。それでも珍しい魔導種族だ。ドレークが好むワインにはなりそうだが」
ドレーク/なんでそんなこと思う?
GM/「かつて吸ったあの種族の血は美味かっただろう」
ドレーク/1話セッションで血を吸ってたのは却下されたので無しになった筈だ。
GM/あ、そうなんだ(笑) 「ドレークは喰らうつもりはない、か。ではどうしたものか」
ドレーク/喰らうつもりもない。ワインとして加工して飲みたいと思える奴でもない。いらないなら、放っておけ。このままお前のマンションに置いておけよ。……その方が、坊主が助かって再会したとき、喜ぶ。
GM/「…………。そうか」 自分語り、こいつも始めます。
ジーク/マサルさんに続いて!
ドレーク/な、なんだ、変に黙りやがって。……このコネクション広げは、NPCの過去語りターンなんだな?(笑)
GM/「私は、いや我が一族は、機関の人外狩りに襲われたことがある。……数十年前に城が襲われ、大勢の同胞が失われたと話したのは覚えているか」
ドレーク/ああ。人間の組織が人外を襲って好き勝手しすぎだから人外は人外同士で同盟を組もうとした。それで生まれたのがリリルラケシスという組織だ、ってお前から説明された。
GM/「不覚を取った私は、忌まわしい人間に捕らえられた。両手足をもがれ、喉を切り取られ、目を抉られた。再生するには数年を費やした。奴らは私を弄り、自分らの思う通りに動かすただの機械へと仕立て上げた。機械の中は地獄だったぞ。今でも思い出しただけで、すぐにでも人間を滅ぼしたくなる」
ジーク/吸血鬼、再生するんだ。強ぇ(笑)
オーウェル/魔王レベルになると心臓を杭で貫かなきゃ死なないんだろ(笑)
ドレーク/でも西暦2100年ぐらいまで気長に人間を滅ぼす気でいるんだから、優しいお兄様だこと……。
GM/「確実に滅ぼすための準備にあと100年ほど費やすだけだ。人間を滅ぼすには変わらん。……だが、地獄の中から、救ってくれた人がいる」
ドレーク/ん……?
GM/「私を地獄から救い出してくれた人がいるんだ。……今度は、私が地獄から、救い出したい。救って……寿命で死ぬまでの100年は、平和に生かしてやりたい。だから人類滅亡は2100年以降でいい」
ドレーク/……。お前……そうか。お前は、あいつだったのか……。
GM/「……彼は機関から狙われたとき、私を自宅の地下に隠して、奴らに攫われた。その後、私を探していたセバスチャンによって救出された。ハワイの同種が狙われたときにドレークを頼ったのは、ハワイの女神達に救助を懇願されたからではない。全ては機関の裏を暴き、破壊し、彼を救出するため。ようやく終わりが見えてきた。だから全力で救いに行こう」 『イベントキー:逆襲』をゲットしてください。

 『イベントキー:逆襲』
 アクセンからの的確なアドバイスを表わすイベントキー。
 PC達への襲撃が発生した場合、4人中2人が【幸運】判定(難易度:15)に成功したら、襲撃した部隊を全て返り討ち(戦闘不能・死亡)させる。


オーウェル/なんだこれ!? 襲撃した奴らを返り討ちにする……?(笑)
ジーク/死亡イベントを回避できる『襲撃回避』と、それに反撃する『逆襲』で……確実に俺達が死ななくなるね!
ドレーク/そうか、回避しただけじゃ無限に襲撃されるもんな。部隊自体を止めないと……。これでシーンは以上か。
スウィフト/……あの、すみません。蛇足だと分かっているんですが、敢えて質問します。このアクセンという人、双子の片方に惚れているようですが、もう片方には全然興味無いってことでしょうか……ブリジットは処分とか言ってましたが……?
GM/はい。救いたいのは自分を何度も救ってくれたドリスなので、ブリジットには興味ありません。顔が同じだけの別人だし。
スウィフト/ひでえ……ありがとう……。
マァサ/さすが吸血鬼……血が通ってなくて闇が深い……ありがとう……(笑)

10月にしたこと『判定:コネクションを広げたり、聞き込みをして全方位に情報収集』
 ●使用能力値:【理知】【幸運】
 ・情報難易度:3つき目13


ジーク/10月16日。3つ目いくぞー。(ころころ)……さすがにそろそろ難しいよな、失敗。
オーウェル/(ころころ)惜しい、達成値12で失敗だ……。
スウィフト/(ころころ)おっ、クリティカル!? 成功!
ドレーク/これは、リリルラケシスの協力を使うときがきたか……。(ころころ)よし、なんとか出目が高かったから達成値14で成功。
GM/無事成功。3つ目のシーンにいこう。……今回は、ジークのシーンだ。

 7:この1ヶ月、遊びに費やした。仕事はあまり捗らなかったかもしれない。

GM/10月16日に、ジークが1人で居るシーンを演出したい。何をしてる?
ジーク/オーウェルが墓参りで、ドレークがディナーだったから、俺は……パチンコ!
スウィフト/ジーク……立派なパチカスになって……(笑)
ジーク/奇数が出たら当たり!(ころころ)1……奇数で当たりだけど最小値、あんまり良くなかったか、まぁそんなこともあるなー! 情報収集を頑張ってるみんなにあげる安い菓子を持って街中歩いてます。
GM/では、駅前の待ち合わせスポットで誰かを待っているようにキョロキョロしている少女がいる。20歳前後の。
ジーク/いよーっ! 待ったー!?
GM/「えっ!? まさか貴方が……!」
ジーク/誰?
オーウェル/分からないのに声を掛けた(笑)
GM/「初めまして、ハンドルネームの鈴です。今回初めてオフ会に参加するのでドキドキしてます、どうぞよろしくお願いします」
ジーク/いやオフ会とか知らないんだけど誰?
GM/どうやらスズちゃんはインターネット上で出会った人達と初めてオフ会をするらしく、話し掛けてきたジークがその参加者だと思っているらしい。……そりゃあ、待ち合わせ場所で「待ったー!?」って話し掛けてくりゃ、なあ?(笑)
ジーク/いやいや俺全然関係無い人なんだけど、何のオフ会なの?
スウィフト/うわ、めんどくさい人だ……。でもジークならそういう絡み方する(笑)
ジーク/お姉さん、ネットで出会った人なんて信用しない方がいいよ。パチンコで取ったチョコあげる。
ドレーク/最も信用したくないような奴に言われたよ(笑)
GM/ではそこに、小学3年生ぐらいの女の子が声を掛けてくる。「……すみません。『お茶会テーブルトーク』のスズさんですか。初めまして、KOKAGEです」
ジーク/わっ、オフ会の参加者が来た。
GM/小さな女の子が現れたことで女性は「ええっ、KOKAGEさんって小学生だったんですか」と驚きます。
オーウェル/オフ会あるある?(笑)
GM/ではそこに、マァサもオフ会の参加者として現れます。
マァサ/私か!?(笑) 「初めましてオフ会のメンバーさんですよね。え〜!? KOKAGEさんってこんなに若かったんですかー!? OLさんだと思ってました〜!? 鈴さんも大人だと思ってたからまさか高校生だとは思わなかったですよ〜!?」 こうすか。
GM/(スズになって)「いえ、もう私はこう見えて去年高校は卒業しまして、今は実家の家業を手伝っていまして〜」
ジーク/あっれー!? マァサだー!? 香港にいたと思ったけどオフ会なんか出てるのかよー!?
マァサ/あ、ジークだ。……情報収集のときに情報を売ってる情報屋なんだから日本にはちょっと足を運んでるんだよ。
ジーク/小学3年生って、9歳ぐらいだよな。9歳と、19歳と、99歳かー。
マァサ/どういうサバ読みだ?
GM/この中で一番最年長なマァサが、発言します。「さてこれで『お茶会テーブルトーク』の参加者全員来たわね。じゃあ場所を移しましょうか。……ジークも、来る?」
ジーク/行く行く!
オーウェル/どこへ、とは訊かないんだな?
ジーク/行って確かめた方が早いし!
GM/ジークはドレーク以上に話が早い男だ(笑) ジークは一瞬気を失う。気付くとそこは、どこかの喫茶店のような優雅なお茶の場で、オフ会のみんなで円卓を囲んでいたのだった。
ジーク/ハッ。おはよ!?
GM/(KOKAGEになって)「おはようございます。お茶でも飲んでください」 (鈴になって)「はい、とっても美味しい紅茶とクッキーを用意してくれましたよ」
ジーク/お茶ごくごく。クッキーぽりぽり。っていうかオフ会に無関係な俺も来て良かったの? むしゃむしゃ。
GM/マァサは言います。「いいのよ。どうせやることと言ったら、お茶を飲んで、お茶菓子を食べながら、こうやってテーブルを囲んでゲームをするだけなんだし。人数が多い方が楽しいわよ」
ジーク/おっ、テーブルトークゲームするの? じゃあ俺もやるー!
GM/マァサは「サイコロは用意してるわよ」と渡してくれます。ノートもペンも貸してくれます。オフ会の参加者2人は慣れた手つきでキャラメイクをします。「……ゲームの参加者は、もう1人ぐらい欲しいわね? ジーク。好きな人を呼んでちょうだい」
ジーク/好きな人? 誰でもいいの?
GM/「ええ。誰でもいいわ。貴方の今の友人でもいい。どこにいるか分からない敵でもいい。もう亡くなった人でもいい。会えなくなった人でも、会ったことのない人でもいい。誰でもいいから1人名前をちょうだい」
オーウェル/……なんか、怖い。
ドレーク/言ってることが、よく判らなくて、怖いな……。
ジーク/えっ、じゃあ……俺、陰陽師だから、陰陽師の橘さん!
スウィフト/1000年前の人だ!(笑)
GM/では、あちらの空から渦が巻いたと思ったらその渦からペイッと橘さんが登場します。
ジーク/おっ、おおおー!? 凄い、陰陽師が呼ばれたー!?
GM/彼はGMのマァサから「今からゲームをするから一緒に参加して」と説明され、「ほう、卓上遊戯か。天才だから私は理解が早いぞ」と言って席についてゲームをしてくれます。
スウィフト/さすが天才!(一同笑)
GM/GMはマァサで、プレイヤーはジークと橘さんとオフ会参加者2人の計4名。遊ぶのは『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のような、4人パーティーでダンジョンを探索して敵を倒していくタイプのTRPGです。ではここで、ジークはこのゲームで活躍できるかのダイスロールをしよう。1D6を振って高い出目ほど活躍したことにする。
ジーク/(ころころ)3!
GM/「初めてなのに上出来ね」「出目も高すぎず低すぎず、です」「面白いプレイをするわ」「みんなで話し合いながらする遊びも悪くないな」
ジーク/おーっ、楽しい!(ころころ)よし、6! (ころころ)5も出たぞ!
GM/連続してダイスを振られた、ちょっと張り切り過ぎだ(笑) 美味しい茶菓子と紅茶も出るからいくらでも飲んで楽しんでほしい。そういう場所だから。
ジーク/うめー! でも俺そんなに紅茶が美味しいとは思わないんだよね。ジュースがいい。でも美味い! ありがとう!
オーウェル/……なんだ、このシーンは?
GM/ひとしきり遊び終わった後。マァサは、新たな敵をマップに配置します。「はい、強敵ミドガルズオルム。暴れまくってそう簡単には倒せないボスよ」
ジーク/おー、名前からして強そう。(ころころ)そして出る2! 低い!
GM/KOKAGEが「あ、ジークさんのキャラが死にました」と言ったり、橘さんが「ちょっとこのレベルでは強すぎな敵ではないか?」とブーイングを言います。するとGMのマァサは、「少しぐらい強すぎる敵を出した方が、駒は燃えるでしょう? 勝ったときの達成感が凄いものでしょう、楽しいでしょう?」と言います。ジークはどう思う?
ジーク/うん、そうだね。弱すぎるより強い相手を倒したときの方が「やったー!」って思うよ。
GM/「でしょう?」 そんな話をしていると、鈴のキャラが死にます。
ジーク/あ、死んだ。
GM/KOKAGEのキャラも死にます。橘のキャラも死にます。全滅です。
マァサ/「残念。君達の冒険はここで終わってしまった。……新しいキャラを作ってやり直す?」
ジーク/んー……そうだな。時間が大丈夫ならまた遊びたいかも。このままやられっぱなしなのは悔しいし!
GM/KOKAGEが言います。「いえ、創造主。バランスが悪いです。このままではずっと死ぬしかありません。何度も何度も時間を巻き戻したりして挑戦して新しい子を生んでやり直したとしても、このままじゃ勝ち目がありません」
ジーク/あ、そう思う? ……じゃあドレークのリリルラケシスの協力みたいに、温情が欲しいかも! ボス、弱くして!
GM/ではそこに、「なんで!? 俺に文句があるのか!? 倒せなかったお前らが弱いからダメだっただけだろー!?」と文句を言いにくる男がいます。
ジーク/いきなり誰か入ってきた。誰だアンタ。
GM/俺の名前はタイマスト・トバール! そいつは俺自身! 俺は強いから強いキャラとして活躍するのは当然だろ! なんでお前らが弱いから俺が弱くならなきゃいけないんだよー!?」
ジーク/バランス悪かったら楽しめないからだよ。楽しくなかったら俺は遊ばないよ。遊びたくなかったらゲームなんてしないし、遊んでもらいたいゲームならみんなが楽しくなるよう調整するべきだよ。
GM/…………。
マァサ/……ジークの中の人、素早く論破するの、格好良いよね(笑)
GM/……い、いかん。普通に「うん、そうだね」って頷いて終わるところだった。もうちょっと討論したかったのに。
スウィフト/でも……中の人の考えとしても、それ以上の答えは無いかなぁ。
ドレーク/うん。駄々をこねる変な奴は無視したい。
ジーク/ていうか、お前タイちゃん? ということは、ビジュアルはエルマタドーラ? よし、エルマタドーラに同じ友情テレカにいる仲間としてゲームバランスを教えてやろう!
スウィフト/いつの間にジークはドラえもんズの一員になった?(一同笑)
GM/「……じゃあ! 強ーい俺は分裂する! 大きな俺と、小さい俺がいくつか! 総合レベルは同じ!」
ジーク/あ、タイちゃんが小さく分裂した。……この小さな蛇は、【HP】とかがそれぞれ少ない設定とかかな? それなら、先にこっちを集中していけば倒せたりして……。
マァサ/駒が増えれば、やることは増えるけど……新たに戦略が練られたりして……。
ジーク/……解決の糸口が見つかって、楽しい! またゲームに挑戦する楽しみができる!
GM/という感じで、ジークとエルマタドーラ……いやエルマタドーザの姿はイメージ映像だけど……みんなは再びゲームを再開するのだった。ある一定の時間が経ったら、マァサがパンッと手を叩きます。「はい。タイムアップ! 今日のお茶会はここまで。そろそろお帰りの時間だよ!」
ジーク/えー!? どっちが勝ったとか決めないの?
GM/「時間切れだからね、決められない。そろそろみんな帰る時間でしょ?」
ジーク/じゃ、いつ続き遊ぶー?
GM/「続きは、またいつか」 そう言ってテーブルトークゲームの荷物を全てしまい終えた鈴が「ごちそうさまでした。今日もまた楽しい世界だったわ」と言って、渦の中に消えていきます。
ジーク/消えた。
GM/KOKAGEが片づけを終えて、ジークに言います。「急でしたけどお茶会に参加、ありがとう。楽しいゲームでした」
ジーク/小さい子なのに挨拶ができて偉いねー!? ところで名前は何て言うの? ハンドルネームじゃなくて名前を教えてくれても良かったよね、鈴さんもさ!
GM/「名前は……スウィフトの中の人に「なんか女の子の名前をくれ」と言って付けたものなので、それ以上は何も。私は、コカゲ、という名前の新米プレイヤー……という神です
ジーク/神。
GM/「いつもは兄や姉といっしょに世界の設定を作ったり、ときどきキャラクター……生命を生んだり、こうして創造主というGMと一緒にみんなを見守って楽しんでいます。たまに自分も、自分の世界に混じって、ドラマを作って楽しんでいます」
ジーク/はー……神ー……。
GM/「ジークが言ってくれたこと。忘れないで今後も遊んでいきます。『遊びたくなかったらゲームなんてしないし、遊んでもらいたいゲームならみんなが楽しくなるよう調整するべき』。この世界を作る一人として、みんなが楽しんでくれるよう、神は、これからも頑張ります。駒も、頑張って」
ジーク/……なんか俺、良いこと言ったのかな?
マァサ/「凄く良いこと、言ってたわよ。ゲームに限らず、みんなと遊ぶときにおいて大事なこと」
ジーク/そうかな?
GM/(マァサになって)「独りよがりじゃダメ、みんなが楽しめるようにしていく。ありがとう、言いたいことを言ってくれて。……それはそれとして、強い敵を出すのは燃えるから、それに立ち向かっていってはほしい」
ジーク/それは分かる。
GM/「だから……敢えて強大な敵が現れるだろうけど、それは、みんなで結託して知恵を振り絞って勝利を掴むため、最後まで頑張って。ボスが見えている。倒しにいく場所も分かっている。終わりはもう、見えているから……あとは全員で駆け抜けるだけ」 『イベントキー:ラストスパート』をゲットしてください。

 『イベントキー:ラストスパート』
 マァサからの的確なアドバイスを表わすイベントキー。
 全ての情報収集判定が終わった状態で、4人中2人が【意志】判定(難易度:10)に成功したら、クライマックスフェイズに突入する。


オーウェル/全ての情報収集が終わった状態で……クライマックスフェイズに突入?
ドレーク/……あと1つ、第4段階のコネクション広げがあるが、それが終わったら使えるってことだな。
GM/マァサとタイマストがゲームを中断させて、バイバイって手を振ります。ジークは「帰ろう」と思えば不思議と体が渦の中へ引き寄せられ、気付けばここから居なくなっています。
ジーク/あっ、シーンが終了する前に。……マァサって実は神様だったの!?
マァサ/そう! 実は! 私はGM側だったから……どこでも現れ何でも知ってる情報屋とは仮の姿! 謎の女マァサは、ジーク達がいる世界より一次元上に住んでいた、この世界の創造主だったのだー!
ジーク/な、なんだってー!? ふう、スッキリ。
マァサ/ふう、スッキリ。……これでマァサはこれ以上セッションに出られないキャラになっちまったな(笑)
ドレーク/大層な設定がいきなり生えたからな(笑)
ジーク/そうだ! いきなり呼ばれたけどちゃんとTRPGに参加してくれた橘さんもありがとう! ちゃんと家に帰れる?
GM/(橘になって)「羅生門へ妖怪退治しに行っている途中だったが、きっと私のことだから、何事も無く途中参戦して討伐完了するだろう」
ジーク/さっすがー! 陰陽師すげー!
GM/……あ、ちょっと思いついたネタがあるからもう少しシーンをやってもいい?
スウィフト/どうぞどうぞ。
GM/橘さんは帰る前に言います。「大蛇退治にヒントを得た。小さい蛇は弱体した大蛇、そちらも倒していかないと」
ジーク/あっ、1000年前の人!(笑) 頑張って封印してくれよー。今まで以上に凄い封印してくれよー! 小さくて可愛い女の子の蛇だとしても倒すんだぞー!
ドレーク/……小さい子分蛇はメスなのか?(笑)
GM/メスの方が可愛いから採用。女っ気無いセッションだし。「為になる知識をありがとう。人々を苦しめる妖怪であれば女であろうが容赦はしない。このオレの美貌でどんな妖怪だろうと落としてみせよう!」
ジーク/いよっ、千人斬り! さすが陰陽師! これは勝ったな。
スウィフト/いや、逆に失敗フラグのように聞こえたが……(笑)
GM/スゴ腕陰陽師は1000年前にパパッと帰っていきました。さっさと妖怪を倒して、邪神と出会って、古文書をしたためたり、知識を色んな人に伝えてもらう仕事をしてもらうために。
ジーク/頑張って異能の知識を集めて機関みたいな組織を作ってほしい。
GM/じゃあそうなります。
ジーク/あ、機関みたいなっていうのは「大きくて凄い団体」って意味で!
マァサ/……実際に橘さんが異能の研究をしていくうちに多くの知識を集めていって「この力をー! 人々の為にー!」とやっていくうちに色々と団体が派生して、こじれた結果現在の機関が生まれたら……歴史を作ったみたいで、面白いね(笑)
オーウェル/面白いけど、なんだか切ないな……。
GM/ジークは気付いたら駅前に立っていました。オフ会の待ち合わせ場所に。時間は1分も進んでません。デデデデデーン、デデデデデーン♪(←世にも奇妙な物語のテーマソングを歌い始めるGM)

11月にしたこと『判定:コネクションを広げたり、聞き込みをして全方位に情報収集』
 ●使用能力値:【理知】【幸運】
 ・情報難易度:4つき目15


オーウェル/問題の、最高難易度だ……。(ころころ)1・2で失敗!
ドレーク/(ころころ)11で失敗。
ジーク/(ころころ)んー、出目が奮わない。失敗。
スウィフト/もう全然ダメじゃないか! ……3人も失敗したら、特技を使う気も無くなる。(ころころ)はい、スウィフトも失敗。
ドレーク/全然ダメだったな。……せめて1人が素で成功して、他のPCが達成値をプラスしていくやり方か?
オーウェル/難易度15は難しすぎる……成功させる2人ともに特技を使っていくしかない気がするぞ。
GM/さて、全員失敗した11月。今月は、何も進展がありませんでした。(ころころ)

 5:この1ヶ月、家族との問題が起きた。身内が騒動を起こしたかもしれないし、嬉しいことがあって他に気が回らなかったのかもしれない。

GM/スウィフトの家族やドレークの兄ちゃんがまた騒動を起こしたりして、そっちの方で忙しくて、何も手がつけられませんでした。残念。
スウィフト/いつも問題を起こしてるな、僕の家族……(笑)
ドレーク/騒動を頻発させるなよ、愚兄……(笑) シーン的に、今度はスウィフトがメインになるシーンだよな?
GM/そうなるんだけど、残念ながら判定に失敗したので特に何も発生しない。そうして12月になる。……12月のいつか、日付を決定して。
オーウェル/(ころころ)……12月28日だ。ほぼほぼ大晦日じゃないか。
スウィフト/大変な儀式ができる大晦日が近い……。
GM/……君達は、いつ襲われるか、いつ襲われるか、そう気が気でない日々を送っているかもしれない。そうして一刻と大晦日が近づき、ついに28日までやってきた。
スウィフト/もうさ、心臓に悪いから殺される前にさっさとタイムスリップしよ?
ジーク/賛成ー!
ドレーク/そうしよう。
オーウェル/殺されるの分かってるからな……。
GM/えー。殺されようよー。死ぬのを回避するために時間を跳躍するってシチュエーション、格好良くない?
マァサ/そういうときはね、GM。「実は時を巻き戻す勾玉は、持ち主が命の危機に瀕しているときじゃないと使用できないのだ!」と設定をいきなり生やすのだ。
GM/さすがは創造神。では、次からそうします。
スウィフト/今からじゃないんだ!?(一同笑) ……もう3日以内に殺されるのは確定してるんだから、もう陵珊の山に車で突っ込んでみないか?
ジーク/自爆覚悟で? いいねー!(笑)
オーウェル/車に爆弾でも詰み込んで山にブチ込むか。
ドレーク/爆弾をリリルラケシスで調達させるか?(笑)
GM/「ピピーッ! 危険なことをしようとしているイトコを止めにくる警察でーす!」 まだクリアフラグが立ってないので教会ストップ入ります。正直、面白そうだからやりたいが。
スウィフト/やりたいのになんで止めるんだよ?
ジーク/そーだそーだ! ラスボスの居場所が分かってるのに突っ込んじゃいけないなんておかしいぞー!
GM/イトコに交通事故に遭ってほしくないから止めます。
スウィフト/優しい……普通に鶴瀬が優しいからの理由だった(笑)
オーウェル/判定を全て成功させなきゃラストダンジョンに突撃できない仕様にしてるんだから、従おう(笑) じゃあ、どうやって俺達は殺されるんだ?
GM/…………。チッチッチ、ドーンッ! 4人の体はそれぞれ爆発する。爆死した。
ジーク/あっ。
オーウェル/……ついに、香港で仕掛けられた爆弾が。
ドレーク/6年も経ったのに、まだ爆発の仕掛けが生きてたのか……。
GM/今回は4人集合している必要は無いな。ご飯を食べてたり、歩いていたり、古文書を読んでいたり、情報収集をしている、そんな何気ない瞬間に突然体が爆発した。……君達の命を狙う者が、唐突に思い出したかのように起爆スイッチを押したのだろう。みんな、死にます。
ジーク/呆気ない。……じゃあ、タイムスリップしよっか。
スウィフト/今回も2D6ヶ月前にワープでいいよね?(ころころ)4……まあ、4ヶ月あれば結構な猶予か。
ドレーク/4回以内に、難易度15を成功させればいいんだな。
スウィフト/誰が【正気度】を2点減らすか……もういいや、考えるの面倒だから僕が全部引き受ける。スウィフトが2点消費します。

【現在正気度】
 ジーク:9
 スウィフト:9→7
 オーウェル:6
 ドレーク:8


GM/なんか……頭が良かったスウィフトが何も考えず投げやりになっているのが、今回の『代償』ぽくて良いと思った。
マァサ/確かに。スウィフトって30歳で大人になったからというのもあるけど、全然騒がなくなっちゃって……それが精神が摩耗してる感じで、良い(笑)
スウィフト/4ヶ月前だから、また8月に戻ってきたんだよな。(ころころ)8月17日。またミーンミーンって蝉が鳴いてるクソ暑い日に戻ってきて、くっそ苛立たしげにしてる。
ジーク/スウィフトのアパートにアイス買って行こっと。賞味期限寸前のガリガリくん買い込み。
GM/尋常じゃないぐらい安そう。
オーウェル/アイスの見切りってレアだな……(笑)


 ●ミドルフェイズ5

スウィフト/そういやスウィフトのキャラシに年齢17歳って書いたままだったけど、もう30歳なんだよな……。マァサ、30歳のおじさんにイラストを描き直してくれないか。
マァサ/はーい。1人だけ外見が変わっていくっていうの、人外だらけのお話では浪漫だよね。凄く好きー。

 こんなイメージの17歳から(アバター提供「鶏肉とともに」様)。

 こんなイメージの30歳になりました(アバター提供「私好みの男めーかー」様)。

9月にしたこと『判定:コネクションを広げたり、聞き込みをして全方位に情報収集』
 ●使用能力値:【理知】【幸運】
 ・情報難易度:4つき目15


オーウェル/(ころころ)9月30日の成果は……(ころころ)オーウェル、失敗。
ドレーク/(ころころ)すまない、ファンブル一歩手前の失敗だ。
ジーク/(ころころ)俺も達成値12だなぁ。
スウィフト/1人も成功しないか……。(ころころ)僕も達成値12で失敗。
オーウェル/これは……全然カスリもしない。素直に特技を使っていくしかないな。
スウィフト/せめて1人だけでも自力で成功できたら嬉しいんだけど……まだ猶予は3回あるから、来月に狙おう。

 6:この1ヶ月、順調に仕事をこなした。仕事がとても捗ったかもしれない。

GM/全然順調じゃないんだよなー。

10月にしたこと『判定:コネクションを広げたり、聞き込みをして全方位に情報収集』
 ●使用能力値:【理知】【幸運】
 ・情報難易度:4つき目15


オーウェル/(ころころ)10月12日……うん、オーウェルには無理だ。達成値10で失敗。
ドレーク/達成値プラスをするなら、【理知】が高いジークとスウィフトに任せよう。(ころころ)ドレークも達成値9で失敗。
ジーク/出目高くなれー!(ころころ)無理! 達成値10! 失敗!
スウィフト/(ころころ)……全然ダメ。達成値10。リリルラケシスの協力を得ても1D6点上昇だから……せめて達成値12は自力で出さないと怖い。
GM/今月も無理だったな。

 2:この1ヶ月、何もする気が起きなかった。のんびりしていた。無気力だったかもしれないし、充電期間になったかもしれない。

ジーク/何か丁度良いのが出た。暑すぎて何もやる気が出ないー!
GM/この夏の気温はもう5回ぐらい経験したけどな。
スウィフト/30歳の夏を、もう5回も繰り返してるのか……夏休み何回も繰り返すんだったら良いけど、何も進展無いしつまらない人生に思えてきた。
マァサ/スウィフトがどんどんやさぐれていくー。

11月にしたこと『判定:コネクションを広げたり、聞き込みをして全方位に情報収集』
 ●使用能力値:【理知】【幸運】
 ・情報難易度:4つき目15


ドレーク/せめて1D6を追加できる成功圏内に……!(ころころ)ん!? 達成値14!
ジーク/失敗だけど、ほぼ成功!
オーウェル/これは……リリルラケシスの使い時か! 先にオーウェルも振ろう。(ころころ)俺はダメだ、失敗!
ジーク/(ころころ)達成値15! 自力で出したよ、成功!
スウィフト/(ころころ)僕は失敗……したけど! 今こそ使い時!
ドレーク/自分の達成値14の判定に、『リリルラケシスの協力』を使用。(1D6ころころ)4点追加して、達成値18にして成功する!
GM/そしてドレークは【MP】を4点消費すると。2ヶ月間……いやそれ以上の時間を費やして何も進展しなかった一同に、好転する出来事が起きた。……では、スウィフトのシーンをやろう。
スウィフト/よし!
GM/(ころころ)今日は11月17日。今日も機関についての情報を集めたり、古文書を読みふけって新たな情報が無いかを探していたスウィフト。……イトコのクレイモアから会おうという連絡が入る。
スウィフト/鶴瀬くんから? 場所の指定は……無いなら、自宅に招くけど。
GM/……イトコの鶴瀬に、自宅の場所を教えている?
スウィフト/そりゃあ、イトコだから教えている。世話になってるし。
GM/……では、深刻な顔をしたイトコがスウィフトのアパートに現れる。2人きりという約束通り、鶴瀬は誰も連れてきていない。誰かを連れてきているという気配は、スウィフトには感じられない。
スウィフト/敢えてそこを強調する意味はあるのかな……。狭くて汚い部屋だけど、上がって。古文書翻訳に専念しているので、部屋中とっ散らかってる荒れた部屋に入らせます。茶は出さないよ。
ジーク/気が利かない。
スウィフト/最近ジャンクフードばっかり食べてるぐらい荒れてるんだよ。……味覚もおかしくなってきたし。
GM/イトコは、昔からスウィフトを知っている。荒れる前の姿も知っている。だから……「最近、新座くん、ヒトが変わったな」と言う。
スウィフト/そうだね。変わったかもしれない。君だって30近くなるんだから変わらなきゃおかしいだろ。自分は変わってないって言い張るつもりか?
GM/「はわ……」
ジーク/普通にションボリした声出した。
スウィフト/……苛めてるつもりはない、落ち込むなよ。会おうって言ってきたのはそっちだ。用件があるなら言ってくれないかな? こう見えても忙しいんだよね、12月までにやらなきゃいけないことがあるから。
GM/彼は空いている机に、ある薬を出す。「……この錠剤を、新座くんと、新座くんの友達で分けてくれ。液体爆弾の下剤になる
スウィフト/は?
オーウェル/爆弾、解除方法!?
GM/「新座くん達はある液体……霊薬を飲んでる。霊薬を飲んだ者は、胃の中に爆弾を仕掛けられたようなものになる。これはいくら水を飲んでもトイレに行っても、体から洗い流されることはない。爆弾解除用の霊薬を新たに飲まない限り、胃の中でずっと爆弾があり続けることになる。じゃないと、起爆スイッチが押された瞬間に……」
ドレーク/死ぬ……。
スウィフト/ありがとう。貰うよ。……で、鶴瀬くんはどうしてこれを僕に? 僕らが……機関って悪い連中によって体に爆弾を飲まされてたっていうのも、それでいつでも死にかけっていうのも、どこで知ったのかな?
ジーク/凄みを聞かせて尋ねた。
スウィフト/ありがたいけど、そこは訊かないと。
GM/「俺は退魔組織『教会』の一員だ。それは俺が20歳のとき……親の後を継いで『教会』のメンバーに入ったときに、新座くんに報告した通りだ」 異能力を使う警察組織であると、自己紹介した。
スウィフト/そうだね。
GM/「俺は人々を襲う悪い異端を倒して人々を救う警察組織『教会』の一員なんだ」
スウィフト/うん。
GM/「俺は『教会』の、異端討伐部隊『アザーズ』の一員なんだ」
スウィフト/……『機関』の、『アザーズ』じゃなくて?
GM/教会の、アザーズの一員です。
オーウェル/……ん? アザーズって、機関の部隊じゃなかったっけ……?
スウィフト/……あー。そういやハワイで先生が所属していたの、教会だった。警察組織って言ってたからごっちゃにしていたけど、そっか、「警察=教会=アザーズ=機関」で、みんな同じところだった……。
GM/なんか分けちゃってるみたいだからここで明言しておくよ。「警察は教会で、教会の中に異端討伐部隊アザーズって組織があって、教会と機関は繋がっていて、だから機関がアザーズに人外狩りをさせていて、警察は機関は繋がってるから情報全部揉み消しだし何も解決してくれないし無能」。
ジーク/つまり、警察は無能。
マァサ/TRPGの警察は無能。お約束だわ。
GM/そっ。伊藤の誘拐事件を警察に報告しても、警察は機関だから何も対処してくれない。サファイアを教会に任せたなら、教会は機関だからそのままサファイアを口封じに殺す。鶴瀬は警察で教会でアザーズで機関だから、車で機関の本拠地である陵珊山に突っ込もうとするなら止める。
スウィフト/止める。そして殺す。
GM/うん。殺しにくる。……スウィフトの住んでる所を知っているなら、それも簡単。
スウィフト/単にGMが描写が面倒だから自宅襲撃で蜂の巣にしてきたと思ったけど、しっかりと説明するなら、「機関から盗んだ古文書を持った人物の住所を鶴瀬くんが知っているから機関が襲撃してきた」になるんだろうね。……で?
GM/で。
スウィフト/懐から、エルスから預かった邪神召喚の古文書を取り出そう。……起爆スイッチ一つで機関のことを嗅ぎまわる面倒な連中を殺すことができる機関のメンバーが、その爆弾解除を教えてくれるっていうのは、どういう風の吹き回しかな。寝返ってくれるってことでいいのか?
GM/「…………」 黙る。
スウィフト/機関を裏切るつもりになったのかい?
GM/「……ただ、俺は……新座くんとその友達が、死んでほしくないから……」 彼は、警察、教会、機関の……ただの下っ端だ。下っ端の彼は、ある日偶然「自分の身内が殺される算段を知ってしまい」、居ても立っても居られずその下剤を持ってきたようだ。
ドレーク/……突発的な犯行か。
オーウェル/機関を裏切るつもりはないのか……。
ジーク/……というか、なんかこの様子だとこの子、機関を裏切るも何も全容を全く知らないだけじゃない?
GM/ぶっちゃけ言うと、そう。鶴瀬は下っ端だ。しかも表向きは彼は警察の方なので「いいように使われている立場」の人が「【幸運】的にも救ってくれた」という判定結果です。ちなみに「下剤を勝手に持ってきちゃったけどどうしよう」ってこれからのことは、一切考えてない。
スウィフト/完全に善意で助けるために動いちゃった感じかー……あーもう、ただの良い弟じゃないか、こいつ(笑)
GM/元々、スウィフトのお助けキャラだしな。
スウィフト/よし、【幸運】にも僕が殺されるってことを知っちゃったんだ。運が悪かったと思って全部話しちゃうから聞け。
ジーク/巻き込む気だ!(笑)
スウィフト/GMが数秒前に「僕のお助けキャラ」と言ったんだ。これからまさかの「実はラスボスでしたー!」って展開は無いだろう。信頼できるし……助けてくれてありがとうってことで、全部話しちゃいたい。
ドレーク/構わん。
オーウェル/良いと思う。
スウィフト/古文書を持っていること、邪神召喚のこと、機関がしてきたこと、人外狩りとか大事件をいくつもしでかしていること……僕達が機関に何度も殺されてること、それと、タイムスリップしてること。12月に殺されかけては時間を巻き戻っていることを、全部話す。
GM/全部話された。「そ、そんなこといっぺんに言われても……全部信じられないよ!」 信じてくれる顔です。
ジーク/信じてくれるんだ(笑)
スウィフト/良い奴だ。……そういやGM。勾玉を持っているから時間跳躍できるようになったけど、これって鶴瀬くんにも使えるか?
GM/ほう?
スウィフト/実際本人にタイムスリップしてきてもらったら一番信じてもらえるかも。古文書の中身や機関が悪いことしてきたことより、信じてもらいにくいポイントだし。
GM/……【正気度】はPCが減らしてもらうことになるけど、いい?
スウィフト/いいっていいって。(2D6ころころ)はい鶴瀬くん、12ヶ月ほどタイムスリップしてきて。
GM/なんでここで6ゾロ出してるかなぁ。
スウィフト/そうだよ! なんでこいつの出目になると6しか出ないかなぁ!?(一同笑)
オーウェル/その出目……判定のときに出せよ……!(笑)
ドレーク/本当だよ、なんでずっと判定失敗してたのに今6ゾロが出るんだよ(笑)
スウィフト/さっきまでタイムスリップの出目も2D6振って4だったのに……(笑) 1年前にタイムスリップしてきてもらうけど、実際どんな状態になるんだ?
GM/えーと……とりあえず【正気度】は減らしておいてくれ。ちょっと状況を考えるから、待って(笑)

【現在正気度】
 ジーク:9
 スウィフト:7→5
 オーウェル:6
 ドレーク:8


ドレーク/一番高かったスウィフトの【正気度】が一番下に……。違うPCが肩代わりしてもいいんだが?
スウィフト/このシーンには僕しかいなかったし、状況的にも僕がタイムスリップさせるのが最適だと思うからこのままでいいよ。……一層、煙草の量が増えて目の下のクマが酷くなるぐらいだ(笑)
オーウェル/でも、今後があるなら今度は別のPCが減らそう。……次があるなら。
GM/……あ。ネタがいくつか思いついた。スウィフトは勾玉の力で鶴瀬にタイムスリップをさせると、スウィフトの前から鶴瀬が姿を消した。
ドレーク/消えた。
ジーク/消えちゃった。
GM/鶴瀬の意識は1年前に飛ばされた。そして1年間、全く同じ行動を取ったならば目の前に鶴瀬は居る筈である。だが11月17日、ここに居ないということは、鶴瀬は違う1年間を過ごしたからである。
スウィフト/なるほど。……で、その新しい1年を過ごした鶴瀬は今日、どこに?
GM/目の前にあった錠剤が無い。
スウィフト/おや?
GM/スウィフトの体に異変が起こる。体というより、意識が変化していた。……記憶が徐々に変わっていく。「そうだ、自分はこの錠剤を……去年の11月時点で飲んでいたっけ。去年に鶴瀬から錠剤を受け取って、オーウェルとドレークとジークと一緒に飲んだ筈だ」 そのように過去が変わっていく。
ジーク/おおっ?
GM/鶴瀬のキャラ的に、1年前にイトコの危機を知ったなら、すぐに助けようと行動に出るよね?
スウィフト/お……おおー、そこまでやってくれるか鶴瀬くん! タイムスリップしてくれたおかげで、1年前から爆弾の無い体になったぞ……!
ジーク/1年前、めっちゃトイレに駆け込んだっけなぁ。
ドレーク/1日トイレから出られなかった。
オーウェル/ひでえ下剤だったらしい(一同爆笑)
GM/……元々このシーンで『機関からの脅威が無くなる』というシーンにするつもりだったので、こういう描写に変更した。前のセッションで設置されたクソ面倒な爆弾ネタをここで消化できて良かった。
トンプソン/(←クソ面倒な爆弾を設置した人)回収してくれた。すげーなー。
マァサ/いやぁ、このGMは頑張った。ネタを設置したけど回収しなかった写楽とサファイアとか、『先生』の本拠地とか、マーティが後ろから刺された謎とか、ドリスに助けられた魔族の子とかみんな伏線を拾ってるんだもん。しかも死亡したPCの名前とか、マァサとかヒックスとかブリジットとか橘さんも出してるから、凄い!(笑)
GM/橘さんは出そうと言ったジークのおかげだ。そろそろ最終回にしたいから全部まとめろって言われたから頑張った。にゃー。

 ちなみに。ジークのシーンで出てきた女の子・KOKAGE(コカゲ、小陰)というのは、スウィフトの中の人が別件で作成した女性キャラクターだったりする。
 今までのキャンペーンで撒いたネタを回収するだけでなく、ゲストキャラとしてプレイヤー達の思い入れのある存在を取り入れてもいる。
 ……『ワンアンドアナザー』第1話セッションをプレイしたのが、1998年。そして第7話セッションプレイは、既に2004年。
 6年という長い月日の中、「最終回をして、全て完結させよう」という意気込みで、皆が『アナザー』に臨んでいるのであった。


GM/ピンポーン。スウィフトの自宅のインターフォンが鳴る。来訪したのは鶴瀬だ。何故って11月17日の今日は鶴瀬が来るって約束をしていたからね。
スウィフト/あ、そこは変わってないんだ。……でも、今から会うように歴史が変わってるんだな?
GM/この1年、鶴瀬は忙しかった。だから集合時間に余裕が無かった……って辻褄合わせをする(笑) 鶴瀬を出迎えると、微妙に顔つきが違う。
オーウェル/若干、凛々しくなってそうだ……(笑)
スウィフト/や、やあ……鶴瀬くん、数秒ぶり?(笑)
GM/「何言ってるんだ、先日も会っただろう? 機関の本拠地に入るための陵珊山の隠し通路を記した地図を調達させた。受け取ってくれ
ジーク/クッソ有能!?(一同笑)
スウィフト/数秒でクッソ有能になっててドン引くわ。調達させたって、誰に!? 情報屋に!?
GM/1年前、教会と警察が機関に賄賂の受け渡しがありその他にも汚職まみれであると調べ上げた俺は反機関派のチームを立ち上げて打倒機関をするために活動を始めたんだが。その調査チームが山間にある研究所直通の地下通路があると連絡があって、今日は新座くんにその地図を渡しに……」
スウィフト/数秒でクッソ有能になっててドン引くわ。
マァサ/大切なことだから2度言う(一同笑) ほら、イトコくんにとっては数秒じゃなくて1年前から頑張ってくれてた訳だしね?
ジーク/機関への反乱軍、作っちゃったよー。
GM/反乱軍。良い言葉だな。レジスタンスという反機関組織という後ろ盾が設立されました。これでみんな動きやすくなった。やったぜ。
マァサ/……実際この子、めちゃくちゃ強くて異端相手なら敵無しだったし、そんな人が「汚職まみれ良くない! クリーンな組織を作って悪い奴らをぶっ潰そう!」とか言い出して革命し始めたら……ついていく人達、そこそこ居そうだよね(笑)
スウィフト/クッソ有能になっててドン引くわ……。
オーウェル/俺達以外にも機関に反発したり、恨みを持っている人達は山ほど居ると思うんだよ。そういう人を集めてレジスタンスだってチームを組んでいたら、凄く心強い。しかも実際強い(笑)
ドレーク/あ、それなら、クソ兄をけしかけてリリルラケシスとレジスタンス同盟を組ませておきます。
ジーク/ヒューマンファイト優勝の吸血鬼を味方につけちゃったよ。
GM/……ヒューマンファイトって、どこまで世界に影響力あるんだ……?(笑)

 『イベントキー:レジスタンス』
 鶴瀬からの的確なアドバイスを表わすイベントキー。
 100人以上の攻防が発生しても、なんとかなる。


スウィフト/なんか僕のイベントキーだけ説明が大雑把すぎない?
GM/うまく日本語で表現できなかった。後でちゃんと説明するからニュアンスだけで受け取ってくれ(笑)
オーウェル/じゃあ……全ての判定が終わったから、クライマックスフェイズにいくか。

 『イベントキー:ラストスパート』
 マァサからの的確なアドバイスを表わすイベントキー。
 全ての情報収集判定が終わった状態で、4人中2人が【意志】判定(難易度:10)に成功したら、クライマックスフェイズに突入する。


ジーク/(ころころ)あ、ここで1ゾロ。ファンブル。
スウィフト/ここで!?(笑・ころころ)僕も出目が低い……でも元々【意志】が高いから成功!
オーウェル/(ころころ)達成値13で成功。
ドレーク/(ころころ)達成値10で、ギリギリ成功だ。
GM/では、4人中3人が成功したのでクライマックスフェイズに突入する。……と言いたいところだけど、これからラスト戦闘があって長いシーンになるので、ここで一旦セッションを区切ろうと思う。
ジーク/絶対、次のシーンは長くなるしな。少し早いけど終わっておこうか。
オーウェル/……うーん、せっかくだから最後は盛り上がるような戦闘がしたいな。緊迫感あるシーンだと良い。
GM/せっかく「100人以上の攻防が発生しても大丈夫」っていうアイテムがあるんだし、物凄く緊迫感のあるシーンにしちゃおうか。
マァサ/どんなのがあるかな? 後で一緒に考えようか?
GM/考えよう。という訳で、今日のセッションはここまで。お疲れ様です。6年も続いた『ワンアンドアナザー』は次回が本当に最終回、頑張ろうー。にゃー。


    ◆


ドリス/ドリスの本名、ブリットにします。
マァサ/6年越しにキャラの名前が決定した……(笑) これでようやっと本当の名前でセッション内に出せるようになったね。きょうだいの名前のブリジットと合わせるようにしたの?
ドリス/ブリジットは当時遊んでた『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』のキャラから付けた(※『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』のブリジットは、エーディンというキャラクターの双子の姉という設定。強気な性格で、凛々しく中性的な強い美女)。ブリジットという名前と似たような響きのを探してたんだけど……。
マァサ/なんでブリッドにしたの?
ドリス/『スパロボα』のブリットくんが好きだから。
マァサ/……君は本当に、ハマったゲームの影響をモロに受ける人だな(笑)

 なお、元ネタのキャラクター名は「ブリット」ですが、特に名前表記を気にしないプレイヤー達の影響でごちゃまぜになってしまい、『ワンアンドアナザー』内では「ブリッド」という表記になっています。
 多分、ドリスの「ド」に影響を受け、同じ「ド」だろうとみんな発音したのかと。プレイヤー一同、本当に名前を気にしないにも程がある。