アナザーワールドSRS・シナリオ「狂気の使者は我にくる」
シナリオ公開・ネタバレページ

2015年4月〜2016年1月に行なった長期キャンペーン「狂気卓」のシナリオ公開ページです。





 アナザーワールドSRS
  長期キャンペーンシナリオ名 『狂気の使者は我にくる』 ネタバレ解説


 ※実際GMしてるときに使っているメモを見せられるレベルに書き直したものなので、わりと雑です。ご了承を。



【このセッションのテーマ】

『アナザーワールドSRS 4th Edition』だからこそできるシナリオにする。(異端堕ちルール、【正気度】判定、邪神召喚など)
▼4版で追加された公式NPCを登場させる。(鶴瀬総支配人、警視庁能力特命課、魔鏡のカケラなど)
▼「邪神八柱」の中の一人を登場させる。(今後、邪神ネタを使いたいため)
▼実は長期ではまだやったことのない「機関シナリオ」をやる。
▼『ドロリア』のときのような物凄く高カロリーな情報収集シナリオ。PCが「ループしよう!」って気になるシナリオ。
▼できるだけプレイヤーが用意してくれたネタを拾う。

▼ちなみに。シナリオ名「狂気の使者は我にくる」は『機動戦士Vガンダム』のBGMタイトルからです。怖い。



【登場人物】

▼黒幕(名前:明日田アキ子)
(1)超人類開発研究所『機関』によって育てられた能力者。機関チルドレン。[魔術師/稀人/異端者]の人外。
 数年前に鶴瀬が行なった「機関解体事件」によって処刑された『機関』最高責任者:上門狭山(かみかど・さやま。「異端・異端犯罪者リスト」参照)の寵愛を受けた子供であり、邪神召喚によって世界を無にすることで人類を救済しようとしている。
 (狭山は「神様が召喚して世界が一からやり直せたら罪を負いまくっていた人間は全員白紙に戻れるしめっちゃ良いことだよね!」教の信者。その考えに心酔している黒幕は、何がなんでも邪神召喚を目論んでいる)

 5年前ほどから明桜建設(建設業のヤクザさん)女社長:明日田アキ子の体を乗っ取り、アキ子として生活している。PC1の家族とは知り合い(PC1の母親とお友達、または兄弟の同業者など)
 半年前のハロウィン(10月30〜31日の夜)に、明桜建設の息が掛かった中央駅で50人もの一般人を儀式の生贄として捕獲。能力者として覚醒した適合者達を配下に仕立て上げた。
 そしてさらにワルプルギスの夜(5月1〜2日)に50人の誘拐。100人の血肉を使って5月3日の夜に「ユウストタディアスの召喚」を行なおうとしていた「狂気の使者」。

(2)黒幕の設定。
・機関チルドレンであり、人外の能力者。死亡したとき昇華され、青い光になって消える系。
・「魔術師]と[異端者]であり、令呪やモブ操作に長けた人。捕らえた人間を令呪で操り人形にしたり、部下をただの駒として認識していない。
・NPC1を仕立て上げる邪神召喚の実行犯として半年間仕立て上げるが、最後に反逆されてしまうポジション。
・明日田アキ子の名前の由来。人に化けて惑わすシェイプシスターの名前がデイアス→日・明日→明日田(あすた)。アキ子は「悪狐(アッコ)」から。
・「邪神ユウストタディアス召喚チームが冥王組」→名前を変えてヤクザっぽく明桜組」→あきざくら建設。

(3)黒幕の設定オマケ編。
・ルリチカが犬神筋設定。じゃあ獣で悪い能力者にしよう! 狐にしよう! 狐顔で着物姿のお姉さんにしよう! もっふもふ!
・桐久雄が機関チルドレン設定。機関シナリオなので因縁があることにしよう!

 ……第1ループでまさかの1シーンも登場できなかったのには……焦った……。


▼NPC1(名前:榊原 始)
(1)PC2の知り合い。
 半年前のハロウィンの夜に中央駅を利用し、黒幕によって誘拐された人物。一般人。邪神召喚のための血肉になる筈だったが、恐ろしい経験により魂が成長し、元から素質があったのか能力者に覚醒してしまう。[魔術師/世界遣い/イレギュラー]。(≪異常鉱物≫を使う描写があるが、[イレギュラー]の副特技コピー≪プロパゲイト≫で取得していて異端ではない)
 半年間の鍛錬という名の拷問により【正気度】を失い、邪神召喚の実行犯にさせられてしまった。
 黒幕に令呪によって縛られ、家にも帰れず機関の駒として働かされている。
 しかし、自分達が召喚する邪神ユウストタディアスについて調べていたら「自分と同じ○○を殺す」という特殊能力「ユウストタディアスの魔眼」を発見。共犯者と共に黒幕への反逆を思いつく。
 5月3日24時に邪神召喚をして世界は無にする、だが黒幕を殺したいので18時に能力者は皆殺しにしよう、そして死のうという方針。
 自分を地獄に落とした能力者という存在全てを憎んでいる。だがPC2も実は能力者だったことを知り、揺らぐことも。
 本当は元の生活に戻りたくてたまらない、でも戻れないなら世界を滅ぼすしかないという思い込むしか救いが無かった「狂気の使者」。

(2)NPC1の設定。
・黒幕によって強力な能力者に仕立て上げられたが、元は「ちょっと異能の才能があったに過ぎない一般人=イレギュラー」。4版で追加された[アーティスト]と[イレギュラー]は「異能を操る人じゃなくてもPC運用できるよ! 一般人だってキャラシ使えるようになったよ!」を表現するクラスでもあったので、魔法使いでも超能力者でも人外でもなんでもない設定。
・そんな人がラスボスにさせられようとしてたら正気も失うよね、助けなくてはと思わせるヒロイン枠。
・「ユウストタディアスの血」を吸いこんだ人間は適性が無い限り体がグッチャグチャのゼリー人間になる。NPC1も半分その状態で、半身が大火傷状態。特に喉の部分がやられており、それなのに声を出さなければいけないため拡声器を使っている(シナリオ開始時、NPC1がPC1を攫った誘拐犯だとは思わせないため。機械音で男女年齢を判らなくさせる目的)。
・黒幕の令呪により、戦いたくないのに戦わされている。だが自分の救済が邪神召喚しかないとも考えているため、率先して邪神召喚を行なおうともする。
・以上の意思を変えるためには、NPC1の願い「家に帰りたい」を受け入れてやることが必要。その言葉を心から言ってくれたなら彼の魂は救済され、全力でPCの味方になる(なるべく黒幕側にはいかなくなる)。

(3)NPC1の設定オマケ編。
・シナリオ構想段階では少女として考えていたため(悲劇のヒロインラスボス役として)「お家帰りたいよう(;△;)私を許してよう」やらなんやら弱い台詞が多い。しゃあない。まさかプロデューサーさんがくるとは思わねえ。
・32歳のネガティブ犯罪者ひゃっほう。


▼NPC2(名前:小野 喜行)
(1)PC3のライバル。
 ワルプルギスの夜(5月1日)の電車に偶然乗り合わせた能力者。[闘士]。
 誘拐された50人と同じく黒幕によって真っ赤な生贄プール(ユウストタディアスの血のプール)に落とされるが、≪海の加護≫を取得していたため生存。原型を留めて生き残っていた能力者のPC1を連れて逃走を計る。
 何とか隠れアジトを抜け出し、ゲイトを通って神社に逃げるが正気を失い狂化したPC1によって殺されてしまう。運悪く逃げ出した神社はNPC1の共犯者:外園メイアが能力者全滅の選定儀式を行なった場所であり、儀式は完成してしまう。
 NPC2はPC1を救い出すことができたが、同時に世界中の能力者全員を死滅させるキッカケになってしまう。

(2)NPC2の設定。
 龍の聖剣の手を取って「ループの核」になっていた。
 だがループは全て失敗。歪んだ世界を正すことができなかった。自分では世界を救うことが無理だと考えたNPC2は、キャラロストを決意。その代わり自分の命を代償に「PC達への忠告」をすることを龍の聖剣に提案した。
 NPC2がしたことは、
・黒幕と確実に会ってしまう「5月3日11時の警察署」に行くことがあったらデジャブ判定を発生させること。(黒幕とPC1が出会うと、高確率でPC1が狂化される。暴走バッドエンド行き)
・5月3日11時以前に時間跳躍をすることなく、確実にPC全員が生き残るフラグ(ユウストタディアスの血を吸うこと)を達成させること。
 全ての事件が解決するまでウズマキでPC達を見守っている設定。見守る必要が無くなったら、ライバルであるPC3に想いを託し、成仏する。

(3)NPC2の設定オマケ編。
・上の「NPC2がしたこと」を考える限り、過去ループで起きたと思われる事件とは「警察署に行ったPC1が狂化して人を殺したこと」。NPC2は自分が助けたPC1を救済するためにも、その事件は絶対発生させてはいけないと思ってデジャブ判定を起こしている。
・善人すぎね?→[闘士]とは「その力は戦うためではなく、誰かを護るために在り続ける」ってルルブに書いてるよ。
・ループの核の才能が無いから[世界遣い]でなく[闘士]特化なんだよ。


▼共犯者(名前:外園 メイア)
 半年前のハロウィンの夜に偽電車に乗り込み、黒幕によって誘拐された一人。NPC1と同じく、適合者だったために黒幕によって実行犯によって仕立てられた元一般人。
 [狂戦士]であり、マスターの令呪に逆らうことができる≪抗いの定≫を取得していたため、本編1週間前の4月25日に「ユウストタディアスの魔眼の選定儀式」を秘密裏に行なう。しかし教会のエージェントによって討伐されてしまう。


▼高坂(公式NPCより)
 毎度おなじみ『教会』の仕事斡旋人。[狂戦士/狩人/霊媒師]。
 5月1日偶然中央駅を利用し、偽電車を目撃する。高坂が偽電車を目撃したことにより半年前から進展が無かったハロウィン大失踪事件を再調査することに→PC3〜4に依頼ができるようになった。
 このシナリオでの高坂の役割は、事件を渡すだけではない。
・5月3日18時(第2ラウンド開始時)になったら「ユウストタディアスの魔眼」によって死亡し、PC1に【正気度】判定を行なわせる役目。(できる限り2ラウンド開始前にPC1の前に現れ、大量の血を吐いて死亡する。名前のある公式NPCが死亡することにより、プレイヤーに危機感を与えるのが狙い)
・有力な情報を与えるボーナスキャラクター。(助けることができたときののお得感を味わってもらうための装置)
 条件が揃えば高坂も18時以降生存できるが、世界中の能力者(かつてのPC達以外)は死亡したことになるので高坂だけを救っても意味が無い。この世の能力者に粉を吸わせることは物理的に不可能なので。

 余談。高坂の父親と、黒幕は関係がある。「異端・異端犯罪者リスト」参照。あくまで裏設定で本編には関係無い。


▼鶴瀬総支配人(公式NPCより)
 『教会』のトップ。[感応力師/闘士/狩人]。
 機関解体事件の中心人物であり、権力の象徴。邪神召喚の儀式を行なっていた機関に詳しいため、調査チームが編成されていない5月3日段階では鶴瀬が一番知識のある人物と言える。
 また、敵がヤクザという大きな組織とPC達4人が戦うことになるため、それに対抗できる人物として登場する。
 鶴瀬のできることは、
・機関、邪神についての予備知識をPC達に話す。(重要機密について誰よりも詳しい設定なので)
・大きすぎる組織が動き始めた場合、無条件で助けてくれる。(警察どころか教会にいる全エージェントを動かせる)
・鶴瀬に黒幕の正体を話すことで、クライマックス突入のフラグをPC達に与える。
・狂化して暴走するPC1を殺す。
 鶴瀬は「絶対異端に負けない」という設定を与えられた公式NPCである。
 なので、狂化したPC1がいたら迷いなく殺してバッドエンド直行するし、もし黒幕やNPC1と戦うことがあれば勝利し(戦闘開始と共に日本刀で一刀両断され首が飛ぶボス達)、邪神を召喚されても1ラウンドぐらいなら持ちこたえる(弓で天空高く射ち放って邪神降臨を食い止める、とか)。
 しかし、18時の選定儀式には死亡するし、PC達がスイッチを押さなければ動くことはない。あくまで「PCが持てるちょっと強いアイテム」扱いである。

 余談。もし第3ループの駅前暴走シーンで桐久雄&あゆむが町の人を殺しまくって手のつけられない「詰みループ」になってしまったら。
 駅前のシャノアールに居た鶴瀬が≪アザーズ所属≫+≪瞬足≫+≪鳥躍≫で駆けつけ、狂化した2人を処刑してしまうシーンを考えていた。困ったときの強制終了マシーン鶴瀬。
 狂化の場所を駅前にしたのは「ゴールデンウイークで人が多い場所だから」「駅にNPC1がいるから」だけでなく、「すぐに鶴瀬が駆けつけられる場所だから」というのも理由の一つ。


▼警視庁能力特命課(公式NPCより:佐久間ゆたか&伊伏野狛)
 警察組織の顔として登場する。
 検死や遺留品、物件の調査、一般人の調査(PC1の家族について)、ヤクザへの攻撃要員のキャラとして登場する。
 4版で追加された大きな要素の一つなので、出来るだけ登場させたい。


▼現場復旧委員会(公式NPCより:藤原幸正)
 50人もの失踪事件を隠蔽することができる、教会のお掃除屋さん。
 特命課同様、4版で追加された大きな要素の一つなので、出来るだけ登場させたい。
(と思っていたけど、セッションではあまり名前を出す機会がなく終わってしまった。一応設定としては、外園メイアを討伐した教会のエージェントは藤原幸正という設定。「誰ですか?」と言われたら答えたし、「会って話ができますか?」と言われたら藤原幸正の口から事情を説明したけど、カットできるところだったのでカットしてしまった)
(余談。藤原幸正の正体は、冥府の王ハーデス。ユウストタディアスは、闇を司る冥府の邪神である。「ユウストタディアスってどんなの?」と藤原本人に訊いたならクラスメイトを紹介するテンションで話してくれただろう)


▼邪神ユウストタディアス
 AW界に存在している異端を生み出す神「邪神八柱」の一つ。死の神、安らぎの神、混沌の神。
 外見は、マント(聖骸布)を纏った線の細い若者風。顔はドクロ。「ざんねん! きみたちのぼうけんはここでおわってしまった!」
 「同種を殺す魔眼」と呼ばれる緑色の眼を所有している。この魔眼は「『自分と同じ○○を持つ者』だけを殺す」と言われる。「○○」の設定は、選定儀式によって指定することができる。選定儀式を行なえば「○○」の指定を自由に変更することが可能。



【シナリオクリアー条件】

(1)黒幕を倒すこと。
(2)ユウストタディアスの魔眼による能力者全滅が起こらないこと。
(3)NPC1を救済すること。

 以上3つがプレイヤーの望む形で達成されていれば、ベストエンディングである。


(1)黒幕の倒し方
・「明日田アキ子は悪狐であり、機関チルドレンであり、NPC1を操って邪神召喚を目論んでいる異端である」と判明させる。
・黒幕は正体を追及され、邪神召喚を阻止される動きをすればPC達に襲い掛かってくる。
・黒幕に会うためには、「11時段階で警察署に行く」「鶴瀬に、黒幕に会うコマンドを提示する」必要がある。鶴瀬に「明日田アキ子は機関チルドレンで黒幕である」と告げたなら、いつでも黒幕に会えるようになる。

(2)ユウストタディアスの魔眼による能力者全滅が起こらないこと。
 外園メイアとNPC2が死んだ現状、第2ラウンド開始前の18時段階でNPC1が黒幕を殺す気でいたままなら、儀式は発動し、全世界の能力者が絶滅する。
 ただし、PC達が無力化した、説得したなどNPC1に儀式を行えない状況に持ち込めれば全滅はしない。
 儀式が行なわれた場合、高坂、鶴瀬、黒幕など能力者キャラクターは全員死ぬ。
 別卓でPCとして活躍したキャラクター(アイザックやルカ達)は、「世界の抑止力ルール(別卓のキャラは、その卓のメンバー全員が死を認めない限り、隕石が激突しても死なない)」により戦闘不能状態にはなるが死亡はしない。

(3)NPC1を救済すること。
 NPC1は家に帰りたがっている。その居場所を確保し、認めてあげること。
 NPCはやりたくないことを令呪によって強制的にやらされているので、令呪から解放してあげること。一番は、黒幕を倒すことである。
 一応、AW設定的には「令呪刻印のある体を除去できれば令呪は消滅」なので、NPC1は喉が刻印箇所だから喉を取り除けば令呪から解放されることにはなる。一応は。



【バッドエンド条件】

 このシナリオは【正気度】判定による狂化をテーマにしてもらうため、バッドエンド直行のデスフラグを多大に用意している。
 それが「PC1の狂化」である。

『イベントキー:誘拐』
 PC1専用。何者かによって誘拐されたことを表わすイベントキー。
 狂気に触れたり、非常に恐ろしい事態に直面すると凄まじい妄想に囚われてしまう。【正気度】判定難易度15に成功すること。失敗した場合、PC1は『狂化』する。

『狂化』ルール
 すべての【能力基本値】と【攻撃力】に+99され、即座に戦闘修正が変更される特別ルール。
 狂化中は「ダメージを与える行動」しか行なうことができず、また、命中対象が選択できなくなる。対象はシーンに登場しているPC、NPC、エキストラ、オブジェクト全てをランダムで決定する。
 狂化を解除するためには、『契約』しているマスターが【意志】判定難易度15に成功するか、令呪を1つ使用して狂化解除を命令しなければならない。

 GMはできるだけPC1に狂化してもらうべく、ショッキングなイベントを用意する。
 まあ、上のルールから「PC1はサーヴァントにする」「PC1のマスターは【意志】の高いキャラになる」のは目に見えているので、少しぐらい多くても大丈夫。

 『ショッキングなイベント集』
・オープニングフェイズで、実行犯の声を聞く(←初回のお試しダイスロールなので、この時点でバッドエンドにはならない)。
・赤いプールのことをフラッシュバック。
・赤いプールで死んでいる50人の水死体&ゼリー人間を発見。
・「NPC2を殺したのは自分である」と自覚する。
・高坂や、多くの能力者が目の前で死ぬ。
・他のPC3人や、家族が死ぬ。
・黒幕がPC1を狂化して暴走させるべく行なう残忍な行動を目撃する。

 狂化してしまったら、思う存分狂化ロールを楽しんでもらう。「狂気の使者とはPC1のことだったんだよ! ΩΩΩ<な、なんだってー!」

 狂化したPC1を止められないor逃れられない罪を犯した場合。
 異端絶対殺すマンの鶴瀬がシーンに登場し、PC1を処刑する。

 龍の聖剣「あ、これPC1は救えないわ。NPC2、どう思う?」
 NPC2「PC1が可哀想! PC2〜4も悲しいね! ループしよう!」
 龍の聖剣「オッケー」……みたいな会話があったりなかったりして、狂化バッドエンドとなり次のループに移行する。
 (邪神召喚による世界消滅の際はPC達の前に現れて手を差し伸べるロリだが、PC1狂化によるバッドエンドは死んでウズマキの中にいるNPC2によるループである)


【セッションの流れ】

▼マスターシーン
・真っ赤なプールで溺れるPC1、PC1を助けるNPC2の姿を演出。
・「――さあ、儀式を始めよう――」

▼オープニングフェイズ:PC2
・PC2とNPC1の日常、NPC2の失踪を演出。
・小屋に捕らわれているPC1を発見するPC2。

▼オープニングフェイズ:PC3
・PC3とNPC2の日常、NPC2が2225の電車に乗ったことを演出。
・PC3に高坂の依頼を受けさせる。

▼オープニングフェイズ:PC4
・PC3と共に高坂から事件の詳細を聞き、依頼を受けるシーンを演出。
・シーン最後にロリによる忠告を受ける。

▼オープニングフェイズ:PC1
・小屋でNPC1に捕らわれているPC1。意味深なことを言われているときにPC2に救出してもらうシーンを演出。
・PC3〜4にも「小屋に」登場してもらう。11時段階、小屋でPC全員が集まることでNPC2が望んだ「生存フラグ」が達成する。
※このとき、絶対に高坂は小屋に入らない。
・高坂がPC1に「警察に行こう」と提案。デジャブ判定を行ない、「警察に行ったらデスフラグがあるよ!」と匂わせる。

▼トリガーイベント1
・警察に行った場合。失踪届の取り下げは高坂がするが、その最中に黒幕:明日田アキ子が登場。PC1に【理知】交渉判定(難易度15)を行なわせる。失敗したら黒幕に連れ去られ、車の中で≪魅了の魔眼≫によって狂化される。

▼ミドルフェイズ(1ラウンド)
・オープニングフェイズ:11〜12時。1ラウンド:12〜18時。2ラウンド:18〜24時を想定。
・AF判定による情報収集を行なう。

▼トリガーイベント2
 NPC1がユウストタディアスの魔眼による儀式発動を阻止できなかった場合、PC達を除いた能力者は全滅する。

▼ミドルフェイズ(2ラウンド)
・AF判定による情報収集を行なう。

▼クライマックスフェイズ案
(1)神社で不審な光を察知し、向かうとNPC1が邪神召喚の儀式を行なっている。戦闘開始。
(2)ゲイトの先にある機関の隠れアジトに実行犯NPC1の姿。大事な儀式の材料や情報が詰まった場所をで戦闘開始。
(3)駅にいるNPC1を発見。これから儀式を行なうために移動するNPC1と戦闘開始。

 戦闘に勝利すると中途半端に儀式は成功し、多くの異端と邪神の上半身だけが現界する。
 世界は消滅しなかったが、多くの人が死に絶えるだろう。ロリはループを提案する。手を取れば時間跳躍できる。蹴った場合、異端が支配する荒廃世界「ロストワールド」と化す。

 戦闘に失敗すると儀式は完全に成功。多くの異端と邪神が現界する。
 神々は「この世界はダメだ。捨ておう」と消滅が確定……するが、寸前のところでロリがループを提案する。蹴った場合はもちろん「AWなんてゲームは無かった」という完全消滅エンド。


【AF判定リスト】

(1)『AF判定:捜索「小屋」』
  ・使用能力値:【知覚】
  ・難易度:30(→15まで減少)
  ・ラウンド制限:1ラウンド
※小屋を調べる演出の判定に成功すること。

(2)『AF判定:調査「2225電車」』
  ・使用能力値:【体力】
  ・難易度:30(→15まで減少)
  ・ラウンド制限:なし
※22:25の電車について調べる演出の判定に成功すること。

(3)『AF判定:鑑定「ライバルの検死」』
  ・使用能力値:【幸運】
  ・難易度:30(→15まで減少)
  ・ラウンド制限:2ラウンド
※検死を調べる、調べてもらう演出の判定に成功すること。

(4)『AF判定:調査「高坂」』
  ・使用能力値:【理知】
  ・難易度:20(→10まで減少)
  ・ラウンド制限:1ラウンド
※高坂と話す演出の判定に成功すること。

(5)『AF判定:「PC1→月見里 桐久雄」』
  ・使用能力値:【意志】
  ・難易度:50(→25まで減少)
  ・ラウンド制限:なし
※PC1について調べる演出の判定に成功すること。

・PC1について調べると、必ずシーンの中で黒幕に関するイベントが発生する。
 明日田アキ子が挨拶をしに来たり、明桜建設のCMが流れたり、その関係者がうろついたりするなど。



【MAPリスト】

(A)中央駅
 謎の電車によって行方不明者が多数起きた事件現場8番ホームのある駅。
a/NPC1が隠れ潜んでいる。会話が可能。
b/『AF判定:調査「高坂」』を組み合わせた場合、機関の隠れアジトに行ける「線路添いのゲイト」を入手できる。ただし、NPC1は登場しない。
c/異端が電車に化けて100人を誘拐した形跡がある。駅の近いところに逃げたのではないか。異端のことなら教会で調べられる筈だ。
d/高坂が実際電車を見ているので高坂を連れてくれば判るかもしれない。

(B)教会
 礼拝堂、書庫、作戦会議室がある場所。シェイプシスター型の異端(デイアス)について、ユウストタディアス自体や召喚や魔眼についての情報が入手できる。
a/姿を変えるシェイプシフター型の異端「デイアス」というものがある。
b/異端デイアスは、高レベルになれば人に変身する化け狸や悪狐がいる。
c/邪神ユウストタディアスの詳細、ユウストタディアスの禁書を用いて召喚儀式について、ユウストタディアスの血で適正者が作れることを知る。
d/「ユウストタディアスの魔眼」と選定儀式について知ることができる。
e/1週間前の4月にまだ調査不足の女異端犯罪者事件がある。
f/誰か(鶴瀬)が邪神について調べていた形跡がある。

(C)小屋
 桐久雄が発見され、PC達のスタート地点。街中から外れた古い一軒家。アイテムが入手できる。
a/誘拐犯の正体がNPC1だと匂わせ、いつでもNPC1の自宅に行ける「カードキー」を入手。また、儀式に必要なユウストタディアスの血を作る「瓶の粉」を入手する。
b/高坂がいるorNPC1が犯人だという情報が集まっている状態だと、NPC1の過去を見るソウルデバイスを発見する。
c/PC1はここにくる前は神社にいたことを知る。神社で起きたことも、思い出す。

(D)警察署
 警察病院や霊安室、警視庁能力特命課がある場所。
→NPC2の検死や遺留品について、PC1の素性について、物件(明桜建設)についての情報が入手できる。
a/警察だけの動きでは2225事件の進展は無いことを知る。
b/NPC2が誰かに殺されたこと(PC1のスキルウェポンが使われていることを匂わせる)、NPC2の体は大量の水を飲んでいたことを知る。
c/NPC2はPC1の所持品を持っていたことを知る。
d/PC1とその背景を知る。とってもクリーン。
e/明桜建設の背景を知る。とってもヤクザ。
f/明桜建設が中央駅、小屋、NPC1の自宅の管理会社であることを知る。全部黒幕の手が及んでいる。
g/外園メイアについての目撃証言を知る。


(E)神社
 喜行の遺体発見現場。線路から少し離れた林道の中にある。
a/何者かがここで争い、逃げて行ったという目撃情報を得る。
b/選定儀式が行なわれた現場である。儀式の詳細を知っていたなら、昨日の段階(メイアとNPC2が死亡したこと)で成功していることが判る。
c/召喚儀式が行われる現場でもある。召喚の詳細を知っていたなら、今後召喚が行なわれることが判る。
d/線路沿いのゲイトから一番近いマップであり、NPC1の設置した≪クリエイトゲイト≫により小屋にも繋がっている。


(F)PC達が落ち着ける場所→シャノアール
 自由記述。PC達が自由にたむろしている場所。
a/鶴瀬総支配人が登場できるマップ。機関について調べられる。
b/行き詰まったときのボーナス情報を与える。判定難易度の目安は10〜12。
c/特別な供給や調達ができるポイントとする。あまりにリソースが削りすぎてた際の回復箇所。



【イベントキーリスト】

 イベントキーは全10種類。
1「2225失踪事件」:PC4が自動取得。
2「警察に行かなかった」:デジャブ判定の存在をプレイヤーに匂わせるためのアイテム。
3「住所」:警察署で手に入る。
4「外園メイア」:教会 or 警察署で手に入る。
5「カードキー」:小屋で手に入る。
6「瓶の粉」:小屋で手に入る。
7「冥王顕現計画」PC達が落ち着ける場所で手に入る。
8「明桜組」:PC1の家族イベントで手に入る。
9「NPC1の真実→始の真実」:全ての真相が揃ったとき手に入る。
10「強制クライマックス移行スイッチ→アキ子の居所」:鶴瀬に真相を話したら手に入る。


※7「冥王顕現計画」
 「MAP:PC達が落ち着ける場所」は鶴瀬の登場マップとなる。
 鶴瀬は機関について最も詳しい人物である。教会の書庫にも出入りして調査中で、PC達が「この2225事件と機関が関係あるのでは?」と興味をそそる話題をした場合、このイベントキーが手に入る。

※8「明桜組」
 両親に黒幕の存在を詳しく尋ねた場合、このイベントキーが手に入る。
 PC1のハンドアウトに書かれている存在「能力者である親」。
 これは「教会外のイレギュラーであるPC1は能力者であり、キャラシの能力をPC1自身が自覚するための装置」でもあるが、黒幕の正体を探るキッカケになるの存在でもある。
 悪狐はPC1の両親(桐久雄の場合、母親とする)の友達の立場を乗っ取り、明桜建設の社長として指示を出している。PC1の親は「友人の会社は明桜組(冥王組)という組織である」「友人とは仲が良かったが最近は会っていない」などと話す。



【情報リスト】

▼MAP:駅
×小屋:A-c/駅と小屋は特に関連性は無い。
×2225電車:A-a
×ライバルの検死:A-c/ライバルと駅は特に関連性は無い。
×高坂:大当たり。隠れアジトを発見する。
×桐久雄:A-a
※イベントキーが出揃っていれば、確信を突くイベントを発生させる。

▼MAP:教会
×小屋:B-a/教会は特に関連性は無い。(高坂、鶴瀬は一度も小屋に行ったことはない)
×2225電車:A-c/B-a
×ライバルの検死:B-c
×高坂:B-a/B-d/B-c
×桐久雄:桐久雄と教会は特に関連性は無い。
※瓶の粉があればユウストタディアスについての詳細をより多く知ることができる。
※全編通してB-f(鶴瀬の存在)を匂わせる。

▼MAP:小屋

×小屋:C-a/B-c
×2225電車:C-a/小屋は特に関連性は無い。
×ライバルの検死:C-a/B-c
×高坂:C-a/C-b
×桐久雄:C-a/C-c

▼MAP:神社
×小屋:E-d
×2225電車:D-a/D-g
×ライバルの検死:E-a/E-d
×高坂:大当たり。隠れアジトを発見する。
×桐久雄:C-c
※カードキーがあれば住所を入手。カードキーがNPC1のものであること、住所がNPC1の自宅であることが確定する。
※メイアのことを知っていれば、選定儀式について判る。

▼MAP:警察署

×小屋:D-f
×2225電車:D-a
×ライバルの検死:D-b/D-e
×高坂:D-c/D-d
×桐久雄:D-d
※全編通してD-g(メイアの目撃証言)を得る。

▼MAP:PC達が落ち着ける場所
×小屋:F-a/F-c
×2225電車:F-a/F-b
×ライバルの検死:F-a/F-c
×高坂:F-a
×桐久雄:F-a/F-b
※全編通して鶴瀬に会える。

▼特別MAP:NPC1の自宅
・NPC1の自宅に入って能力を使うと、NPC1は自宅に張らせた見張りによってPC達が能力者であることを知る。警戒するイベントを作ったり、動揺するシーンを作ったりする。
・NPC1の救済「家に帰りたい」を匂わせる。

▼特別MAP:機関の隠れアジト
・PC1とNPC1が捕まっていたところ。どこかの地下に造られた施設。
・赤いプールがあり、中には50人の死体が詰まっている。機関と感づけるアイテムも多々あり。



【イベントキーでの発生条件】

『MAP:警察署』
・カードキーがあれば住所を得られる。
・明桜組があれば、明日田アキ子社長の異変(本物と別人になってること)を知る。

『MAP:教会』
・瓶の粉があればユウストタディアスについて更に知ることができる。
・外園メイアについて知っていれば、4月の事件の詳細を知ることができる。

『MAP:神社』
・外園メイアについて知っていれば、儀式について知ることができる。

『MAP:中央駅』
・複数のイベントキーを所持していれば、NPC1と出会える。推奨は、外園メイア、冥王顕現計画、カードキー、住所あたり。

『MAP:小屋』or『特別マップ:NPC1の自宅』
・NPC1の真実を持っていた場合、動機を知ることができる過去を記したソウルデバイスを発見する。


 その他、臨機応変にアドリブで頑張るんだ!(原文ママ)




以上