■ 「ask:誕生について」



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(新しい彼の誕生。
 若干10歳の子供が生んだ彼について、10歳の彼の口から語っていただきましょう)



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 台の上でうつ伏せに縛られている。両脚を開かされた状態の幼い少年は、自分の下半身に押し上げてくる快楽に打ち震えている。
 体を固定され、ぶら下がった性器を指で乱暴に弄られ、ケツの穴を何時間も甚振られ、ひいひいと喘ぐ。穴という穴から体液を垂れ流す。無残な姿は何時間も続いている。何日も。この日の宴が終わっても。まだまだ彼の任務は続く。

「ベルトルトの名前を知ったきっかけは、訓練に励む同期達が彼のことを話していたからです。同い年ぐらいの連中が毎日修行を行なっていましたから。彼らも俺と同じように物心ついた頃から大人に命じられ鍛錬を詰む毎日を送っていますが、それでもまだ子供。雑談が非常に多い。聞きたくなくても同期達の噂話を耳にしてしまうものです」

 全身をどろどろ溶かしながらも上げる悲鳴が地下室に充満していく。ああ、ああ、と不気味な低音が響き渡る。頭を振るってもがくベルトルトは、背後からの愛撫を必死に受け入れていた。もうずっと同じ動きで苦しみ続けていた。

「同期達の中には、とても意地悪な奴らが居ました。自分より成績の悪い子供を玩具代わりにして遊ぶような連中でした。始めはそんなことに興味など持てませんでしたが、堂々と人前で繰り返される苛めを黙っているほど俺は弱い人間ではありません。彼らの標的である少年を助けてしまった、そいつの名前がベルトルトだった。それが彼との出会いです」

 散々揺さぶられたベルトルトの穴からペニスが引き抜かれた。ぎい、と潰れた悲鳴がまた上がる。まただ。もう何度も訊いた。ぎちぎちに縛られた子供の細い足の痙攣は止まらない。少ない酸素を吸い込んだ彼の体から、どろりと精液が溢れ出ていった。

「彼を助けたと言っても大したことはしていません。ただ『この俺が大人にチクったらお前らは悪い子になるかもしれないなぁ? ならないかもしれないけど、もしかしたら処分されるかもなぁ?』 曖昧な可能性を呟いただけです。大声でね。それだけで苛めていた彼らはベルトルトから離れていきました。俺は子供達の中でも一番成績が良いし、大人達の期待も信頼も得ています。立派な脅迫になったでしょう」

 台に抱きつくように固定された腕は一切動かすことはできない。唯一自由がきく指は血が滲むほど握り締められている。彼が理性で爆発しそうな感情を懸命に保とうとしていることが判る。でもそれも限界が近づいていることも判る。

「ただ自分は気分が良くなりたかっただけです。面倒なことをしないでヒーローになれるなんて良いじゃないですか。助けたのは自分の為にしました。虐められていたベルトルトが勝手に懐いた予想外でした。今思えば想定できることでしたが。更に言うなら、一瞬の上機嫌のために助けた相手と遊んでいるうちに好きになってしまうなんて。いえ、これは、関係ない話でした。いえ、関係なくはないですね。後々大いにあることです」

 足掻く顔が、周囲の男達の笑いを誘う。そんな大勢の歪んだ笑みに囲まれながら台の上で喘ぐベルトルトを、離れた席でじっと眺める。離れた席で、今となっては親友と言える少年が陵辱される光景をじっと眺め続ける。

「ただお礼を言ってくれるぐらいで良かったのに、それ以後ベルトルトは俺の言うことを何でも聞くようになりました。何でもです。元から彼は誰の命令も真面目に聞く奴でしたが。それは俺が関わる前からの話です。試しに『腹が減ったからお前のパンをくれよ』と言いました。冗談のつもりでした。でも彼はくれました。どんなに空腹でも。水汲みを頼むと交代すると言ってくれました。意地悪な連中が図に乗るのも理解できます」

 涎を台の上にばら撒き喘ぐベルトルトは、周囲の男達から「何をしても決してイくな」と命じられている。さっきまで何回もイきっぱなしで狂っちまうほど犯され続けていたのに、今度は打って変わり、何をされてもイくなという命令を受けていた。苦痛を伴う宴に眉を顰める者もいたが、俺はただその光景を見守るだけだった。

「冗談のつもりで言ったので、彼からは一度もパンを奪ったことはありませんし、水汲みもちゃんと自分でしています。だって俺はあいつらと同じじゃないから。言うと、余計に彼は俺に懐いてきました。俺は優しいって言ってくるんです。この程度のことで。それまで滅多に見せなかった笑みを見せてくれましたし、話しかければ色んなことを話してくれるようになったんです。以前よりも後ろに纏わりつくようになったのは、決して嫌なことじゃありません。一緒に居れば居る程、俺だって彼に懐くようになりました。当然です。俺も親しくしてくれる奴には甘くなる子供ですから」

 苦しそうな嗚咽が聞こえる。それでもベルトルトは「そんなのできません」と文句を言わない。どんなに辛く、苦しくても、大量の涙を流していても、ベルトルトは我慢強く男達の命令に従っていた。

「ある日。立派な戦士になるための鍛練中に、馬鹿なことをしました。未熟さ故に引き起こしてしまった事故で、大怪我のせいで3日間は出歩いてはいけないと言われてしまいました。本当の戦士なら傷なんて半日で戻せるだろうけど、そもそも事故なんて起こさずに済んだ筈だろうけど、まだまだ一人前ではない俺には荷が重い話でした。安静にしていろと言われ、何も出来ずベッドの上で2日間過ごすことになりました」

 男がベルトルトの無防備なうなじに注射針を打ち込む。いつもの注射だ。針を見たベルトルトは恐怖に顔を引き攣らせた。唇を噛み締め未知の感覚に耐える。「やだ」とは言わない。液体が体に浸透していくのを見守る。体内から犯されていく恐ろしさに体を震わせていたが、暫くするとびくんびくんと跳ね始め、見開いて言葉にならないものを吐き出した後、目が虚空を追い始めていった。

「成績優秀者が3日も休んでいたら順位を抜かされてしまうかもしれません。故郷の中の子供達では一番である自信がありましたが、それでもまだまだ戦士になれたとは思っていません。正直焦っていました。早く訓練に戻りたいとばかり考えていました。とても苛立っていました。だというのにベッドで過ごす3日目の朝。ベルトルトが部屋に現れ、『本を一緒に読もう』と言ってきました」

 元から熱く火照った体がより快楽に呑み込まれていくようだった。男達の無数の愛撫が再開される。ベルトルトはより深く喘ぐ。吐き出す唾液で溺れ死にそうなぐらい快感を溜め込んでいたが、それでも決して屈しない。男達の押し寄せる快楽を歯を食いしばって耐えていた。イくなという命令がある限り、彼は戦う。

「俺には本調子を取り戻すためとはいえ何も出来ないことが苦痛でした。だから能天気に絵本を抱えてくるベルトルトに腹が立ったのです。一人で読めと乱暴に言い放ちました。また早く訓練に戻りたい、一人前の戦士になるため鍛練がしたいと考えていると、本を読み終えたベルトルトが一緒に飯を食べようと言ってきました」

 大人達は耐える子供を笑い、ベルトルトの敏感な場所を扱き始める。弱音を吐かなかったが直接的な刺激には我慢できずに頭を振るい始めた。それでも彼は一切「やめて」「勘弁して」などの拒絶を口に出さない。どんなにぐりぐりと指で彼の良いところを押し込まれても、甘い快楽が次々流れ込んでいたとしても、彼は不器用な呼吸を続け、懸命に奮戦した。

「自分は真剣に自分の今後を考えていたのです。その最中に関係無い口出しをされては堪りません。一人で食えと言い放つと、ベルトルトはまだ腹減ってないからいいと言うのです。ぼそっと呟くように、なよなよしていて湿っぽく。曇りがちな気持ちをより暗くさせる言葉でした」

 体は他の子供達よりも体が大きく、声はみんなよりずっと小さく、普段から聞き取れないような俯きがちの話し方。しかも今は鼻を啜りながら喘ぎ声はお世辞にも可愛いとは言えない。そんなベルトルトが低く唸るように踏み堪えるのは、彼らにとって楽しいことなのだろうか。男達が浮かべている笑顔は、本当に楽しくて貼り付けている表情なのだろうか。充満する愉快な声と苦悶の声に挟まれて、暫く考え込む。

「そしてベルトルトは散歩に行こうと言い始めました。こちらは怪我をして動けなかったのに、動きたくても待機を命じられたのに。なんて考えなしの一言です。ついに彼に怒鳴ってしまいました。謝り始める彼に余計に苛立ちましたが、俺はベッドから起き上がり散歩に出かけました。大人達からは3日は大人しくしろと言われていましたが、丸2日眠って過ごした体を動かしたいと思っていました。動く口実が出来て、実は、嬉しかったんです」

 苛めていた少年達の気持ちもよく理解していない身としては、いまいち納得できなかった。「イったか?」 男が様子を確認する。尋ねられた彼は弱々しく首を振る。「い、イってません……本当です……僕は……勝手に気持ち良くなんか、なってませんっ……」 聞きづらい悲鳴に「本当か?」「本当に達してないのか?」と大人達は笑いながら問い質した。「いい子だ。本当にお前はいい子だ」

「体を修復させる訓練に付き合うつもりで散歩をしろ、能天気に考えず俺の為になることをしろ。ぐずぐず泣き出す彼の腕を掴み外に出ました。その後の彼は騒がしかった。
 ――ねえ、ライナー、あの木は葉っぱが一つも付いてないね。
 ――ねえ、ライナー、お花がどこにも咲いてないね。
 ――ねえ、ライナー。……あの山の先には何があるのかな。
 冬が始まっているというのに、ベルトルトは次々と呑気なことを言うんです」

 必死に否定しても信じてもらえないのが悲しいのか、肉体の苦痛が強すぎたからか、ベルトルトはぼろぼろと大粒の雫を零し訴える。「ほ、本当です……命令通り、僕は……イって、ない……」 行為は終わらない。遠目でも彼の身体は赤く染まっていることが判る。彼の身体は限界に近い。それでも彼は耐える。強く意思を持ち、ずっと抗い続ける。

「いつも俺が連れて行ってあげている散歩と同じなのに、足がとても重く、歩くというより俺が引っ張って歩かせているようなものでした。山奥の集落をぐるぐる回るだけの散歩の中、村の端まで来たときのことです」

『ライナー。僕はね、今日ね、処分されるんだって』

「そのときは、ぽかんとして次の言葉がちっとも出てきませんでした」

『僕、ライナーみたいに強くないから。ライナーみたいに期待もされないし、すぐに動けないし、泣き虫で頼りないから。お前なんかに任務は任せられないって。もういらないから処分されることに、なっ、た、んだ』

「辿りついて、ようやく違和感に気付きました。俺に本を読めと頼み込んだこと、中途半端な時間に一緒に食事をしようと誘ってきたこと、2人きりで外に出ようと言ったこと。それは今までどれも彼からしたことがないものです。俺は怪我のせいで苛立って気付かなかったけど、本来ならこれまでしたことのない彼に感動するべきでした。この時間は、新しい彼の誕生を喜ぶべき時間だったんです。でも呆気なく、俺が気付く前に終わってしまいました。……彼は意を決して言えた一言に震え、涙を溜め始めました」

 そうして数時間。ベルトルトを可愛がり続けていた男が、「ライナー」とこちらに声を掛けた。その人は手招きをしながら、ベルトルトに口でペニスを清めさせようとしていた。

『ねえ、ライナー。僕はここから逃げ出しちゃいけないかな。ライナーは、怖い子達から守ってくれたけど、怖い大人達からは守ってくれないのかな』

 離れた所に座ってその光景を見ていたが、上の人間に呼ばれたら近寄るしかない。近寄れば嫌でも愛する親友と目が合った。さっきまで自分の中に挿っていたものを、拘束されようが舌だけで清めようとする彼と視線がぶつかり合う。

「優しい人間なら手を引いて集落から飛び出したのかもしれません。でも、俺は違います。俺は故郷の戦士です。刃向うようなことを口にしたベルトルトの頬を叩き、言い聞かせました。死ぬまで俺達は戦う運命には逆らえない、俺達はずっとここで生きていくんだ。説明してあげている最中もベルトルトは何度も目を擦っていました。俺は話しながらまた気付きます。ずっとここで生きていくと言った後に、彼は今日ここで死ぬということに」

 見つめ合ったとしても俺は何も言わない。お前ならできるよな、してみせるよなと期待を込めてしまう。彼もその期待に応える。舌を這わせ、奥に誘い込む。もっと食べさせろと強請るような視線を男に送る。「いい子だ」 また彼を誉める声が聞こえた。

『ごめ、ごめん。痛いのに、ごめん。お散歩に連れて行ってくれて、ごめん。嫌だったよね。付き合ってくれて』

 ベルトルトの体中から、しゅうっと熱い風が舞う。

『僕、何かしたいって、あまり言、言った、こと、なかったから、どうしても、最後に、ライナーにわがまま、言いたくて』

 台に固定されていた彼の無防備な背中は痛めつけられ放題だった。作られた傷が次々再生していく。刃を立てられても抜かれた瞬間に再生していく。だから、いくらでもその工程が楽しめる――そんな玩具に成り果てていた。それでいい。

「俺が殴った後だというのに、ごめん、ごめんね、それと、ありがとう、何度も彼は感謝を俺に告げます。言われてもちっとも嬉しくありませんでした。彼を叱るぐらい元気があったのに、本当は何も考えられない状態でした。処分、どうして、いらないなんてどうして、ベルトルトが何をした、ああ何もできないからか、処分ってそんな、いなくなるのか、もういなくなっちまうのか、ずっとここで生きていくんだって言った矢先に、そんな。頭の中が真っ白になっている最中も、ベルトルトは別れを告げていました」

 無限に遊べる玩具になっているのは背中だけではない。とある男がベルトルトの背中を撫でた後、背中と同じように修復された幼く狭い部分に、ペニスを捩り込んでいった。激しい拡張に耐えきれず血を流していた場所も蘇っていく。何度目もそこを痛めつけられても元の形に戻り、初めてのときと同じように遊ぶことができる。散々馴らした箇所も、最初に貫通されたときと変わらないように悲鳴を上げた。それでいい。

「ふと昔を思い出しました。昔と言ってもほんの数週間前、1年も満たない、子供にとってはごく最近の記憶です。俺の傍に居るだけの彼に何と声を掛けたか。何の本が読みたい? 尋ねてやると何でもいいとベルトルトが言います。それが何日も続きました。いつしか選んでやるのが当然になって、ついには面倒くさくもなって、そのうちでいいからお前が選んだ本を持ってこい。笑って、言ったんです」

 悲鳴と言っても「助けて」や「やめて」じゃない。痛みを訴えるような声だが、どんなに一方的な陵辱でもベルトルトは行為を否定せず、ずっと受け入れ続けていた。涙を溢れさせながらも、念入りに繰り出される刺激に耐えている。それどころか「おねがいです……もっと……優しく、ちょうだい……」とお願いすらするんだ。

「また違うことを思い出しました。飯を食いに行くとき。俺が誘ってあげました。散歩に出かけるとき。いつも閉じこもっている彼に声を掛けるのは決まって俺でした。俺は同じように笑って彼に言いました。そして今日を思い出します。ああ全部こいつは。……最期だというのに、後悔しか残らない。俺は何もしていませんでした」

 どんなに痛くてもベルトルトは拒否しない。「そんなにお願いされちゃ、しない訳にはいかないな」と、男達はベルトルトを前から後ろから犯し続けた。突き刺す快感を受け入れ、途中で呼吸困難に陥ることがあっても、たとえ意識を絶ちかけても頭を振るい「もっと」「もっと……」と、強請り続ける。

「俺が経験した数日間の失敗を心配してか、ベルトルトはもう大怪我なんてしないでくれと小さく気遣ってくれます。しない、今度はヘマなんてしない、絶対に、そう約束して頭を撫でてあげれば良かったのでしょうか。約束の時間だから早く行くんだ、そう見送るのがその日の終わりに相応しかったんでしょう。かもしれません。でも俺は、頭に浮かんだことを叫んでいました。
 ――何でもするから、どんなことでもするから生かしてくれってお願いするんだ! って!
 僕は何にも出来ないから処分されるんだと彼は言いました。そんな訳が無い、俺は知っています。何だってしようとする姿を誰よりも知っています。彼の内面を知らない苛めっ子達ですらそのことなら知っているんです。そんな素晴らしい長所を殺してしまうなんて勿体無いでしょう! 俺はベルトルトの手を取って走りました。中央へ。彼らの元へ」

 何でもした。どんなことでもした。生かしてもらうために様々な陵辱を受けた。何度貫かれても、イかされ続けても、「もっと、ちょうだい。もっと、僕、大丈夫、ですから」と嗚咽を漏らす姿をずっと見る。それでいい。ずっと、ずっと見て、見続けて、彼が必死に生きていることを実感する。もう見逃さない、気付かず後悔することなんて無い。ずっと彼を見守り続ける。

「こいつを今から生まれ変わらせてやってください、成果の出なかった今までの彼は処分して違う彼を生んでやればいいじゃないですか、って! こいつの特徴は、性格は、全部見てきた貴方達なら判るでしょう、って! 例えば、こんなことだって言うことを聞くんですよ、ほら、って。実演もしました。俺は言いました。彼は何でもしました。それが認められて、そうして……彼は、今でも生きています」

 俺はベルトルトが縛られている台の隣に立っている。手を伸ばせばいつでもベルトルトの体に触れることができるぐらい近くに居たが、今の彼は2人がかりで愛されている途中だから邪魔はできない。間近で「その調子だ」と優秀な劣等生の彼を激励することぐらいしか出来ない。

「……何故俺が処分を嫌がったって、そりゃあ、彼と離れ離れになりたくない、その一言に尽きます。最初は上機嫌になりたいから救ったなんて言いましたけど、語っているうちに思い出してきました。彼と親しくなっていく過程を……」

 ぐちゃぐちゃに乱れていく姿を見る。時々小さな声で「……ライナー、見ないで……」というのが聞こえた気がした。俺がしろと言って実践している最中だというのに、なんでもするから生かしてもらっているというのに、まだ羞恥心があるのか。結構余裕があるんだなと感心する。

「俺はまだ彼に何もしていません。これからしたいことがあるけど、子供の体だから何にもできていないんです。これからのために彼は生きていてもらわないといけません。今までの彼が生きていてはいけないのなら、新しい彼を作り出してでも生きていてほしいです」

 成績優秀者の俺は、本日も労いの地下に呼ばれて宴を眺める。その中の一つに、従順で愛くるしい動物を可愛がる催しがあって、それをずっと眺めて、ああやっぱり俺自ら頭を下げた甲斐があったなと実感した。

「……したいこととは何か。まずベルトルトに言いたいことがあるんです。少し大人びた、恥ずかしい台詞です。それを言うには、あそこでベルトルトに仕事を与えている彼らと同じことができるぐらい大人にならなければいけません。彼に好意を抱いている俺は、そのとき持てるだけの力で彼を守り、今に至ります」

 男に言われた通り俺はベルトルトの近くに寄せられ、じっくり間近で親友が奉仕する姿を見せつけられたところ、「どうだ?」と男達は意見を求める。

「俺の言った通り、ベルトルトは使える奴でしょう?」

 なるべく冷酷に聞こえるように、感情を殺して言う。

「「だから処分なんてもったいない。彼はこれからも飼い続けるべきだと思います」」

 お願いをしに行ったあの日、「それでもいい」 彼は喜んだ。「僕を見捨てないでくれる。僕はライナーの言う通りにする」 彼は泣いた。「ライナーがしろと言ったことなら、どんなことでも耐えてみせるよ」 彼は笑った。
 怖い大人達からは守れないけど、俺なりにお前を守ると約束した。未熟な俺にはこんな口約束と見守ることぐらいしか出来なかったからだ。



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 ――そういえば、従順な彼が評価されたらしい。使える奴と見なされたらしい。新しい薬が打たれるらしい。それは強烈なものらしい。今のものとは違う巨人化だから今度こそ彼は生まれかわるらしい――。

「噂話はあのときの子供達と同じように興味が無くても耳に入ってきます」

 あのときの声と同じものが精液に満たされていく。至近距離でその光景を眺める。無造作な力に弄ばれる子供をじいっと見つめる。冬を越える前に、また新しい彼は生まれるのかもしれない。
 だがそんなことよりも、ぶるりと震える体を撫でてやりたいとばかり考える。
 抱きしめてやりたいとも思う。
 どんなに思ったとしても、今の自分はしないでいる。

「今はいいんだ。彼を守るために陥れるような役を徹し続けているんだから」

 今はいいのです。いつか大人になったときに同じことをしてやればいいんだから。




END

ベルトルトは大勢に誕生を祝われていてかわいいのでショタの頃から性奴隷になっているととてもかわいい。 / ベルトルトくんの素晴らしい誕生日を祝うSSなんて幸福な話は書けないので、「誕生」という言葉だけをテーマにしてみました。 / 1年が終わります。この1年をまとめてみました。ライベルとモブベルとショタと若干のSMですね。なら全部合わせてみました。 / 最近インタビューサイトが流行ってますね。流行を取り入れてみました。ショタだけに、若いものには負けません。 / 「どんなSSが一番書きやすいのですか?」という質問がありましたが、答えは「かまいたちの夜2の金のしおりみたいな電波文が一番書きやすい」です。折角なので合わせてみようと思いました。あと同じ言葉を何度も重複させて思考の停滞感を出すのは良いですね。なので「続」をいっぱい出してみました。縁起良いですね。以前アップしたモブショタ輪姦と似てるので似てる構成にしたり。まったくいいとこどりの大晦日ですね。仲良しライベルはかわいい。来年もいっぱい仲違いしてモブに食われてお清めしてほしいですねかわいい。
2013.12.30