■ 「ベルトルト監禁調教1日目・完」



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(お題:「おしゃぶり」「あいつ死んだらしいよ」「ケーキ」「ドクターストップ」「残飯」「エレアルください!!」「バッドエンドじゃない話」)



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ライナー「なあ、今日からお前を監禁調教しようと思うんだ」

ベルトルト「ライナー、明日から夏休みってことは今日は20日なんだよ! つまり5%オフの日なんだ! 君は忘れてしまったのか!?」

ライナー「おう!? しまった忘れてた!!」

ベルトルト「君は汗いっぱいかくんだから今日こそ洗剤とファブリーズを買い溜めしておかないと! じゃないと今年の夏が大変になる!!」

ライナー「ベルトルト! 行くんだな、今、ここで!」

ベルトルト「ああライナー! 僕は今ここでジャスコに行く!!」

ライナー「今日は鞄も重くないし荷物なら俺が持つぞ! クソ暑いな! 監禁調教1日目には辛いかもしれん!」

ベルトルト「夏だからね! でも今年は蒸し暑くないから気持ち良いよ。たまには雨が降ってくれないと困るけど」

ライナー「でも今日は買い出ししなきゃいけないから晴れてくれて良かったな」

ベルトルト「うん! 2人で買い物なんて久々だ!」

ライナー「なんだよお前、さっきからニヤニヤしやがって!」

ベルトルト「だって久々の2人で買い物だから! つい嬉しくって!!」

ライナー「その程度で可愛い顔しやがって! 調教し甲斐があるな!」

ベルトルト「ふふ、ライナーだってなんだよ、ニヤニヤしまくってるじゃないか!」

ライナー「なんでもねえよ! ったく暑いな。アイス安くなってればいいな。箱買いでもするか!」

ベルトルト「駄目だよ7月8月が一番電気代かかるんだから節約できるところはしていかないと! ライナーはあったらあるだけ食べるだろ!」

ライナー「お前だって食べるだろ!」

ベルトルト「食べちゃうけど! 切り詰められるところはしていくって昨日約束しただろ!?」

ライナー「水出し麦茶も買っておかないとだろ! なるべく買い物に行かないようにしないと! じゃないと監禁できないし! 調教には金かかるからな!!」

ベルトルト「そうだね! で、そろそろ無視しないであげようと思ったんだけどまず僕は青空の野外で監禁調教について怒らなきゃいけないのかな!?」



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ジャン「夏と言ったら夏祭りだろ。で、だ、なあ、マルコ」

マルコ「10年後の8月に会いに行こうね」

ジャン「……いや、来月行こうぜ……」



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ライナー「おいおい、流石に買い過ぎだろ!」

ベルトルト「トイレットペーパーとティッシュはいくらあっても足りないよ! 安いときに買っておけばそれだけ安心だよ!」

ライナー「荷物持ちの俺の気持ちを考えてやるおつもりはないのですか!?」

ベルトルト「今夜のお夕飯はハンバーグにするよ! 上にチーズ乗せるよ!」

ライナー「よっしゃ!」

ベルトルト「ふふ、今夜はアニもお夕飯に呼ぼうか」

ライナー「いや! 駄目だ! 今日からベルトルトを監禁調教するんだからそこにアニなんて呼んだらどうなる!? 吹っ飛ばされる! 俺だけが!」

ベルトルト「ねえライナー、そこに立って!」

ライナー「痛い! 蹴るな! おい俺は荷物持ちだぞ!?」

ベルトルト「えっと……僕も両手に荷物持ってるから足しか使えなかったんだ……ごめん」

ライナー「なら蹴るな!! 今ので人類が奴らに支配されていたことに気付くぐらい痛かったぞ!!」

ベルトルト「ごめん。アイスが溶けるね。さあ、早く帰ろう!」バッ

ライナー「お前は昔から『帰ろう』のときだけオーバーアクションになる癖が治らないな」

ベルトルト「あまりに珍しいケースらしいから全面に広めていきたいと思うよ」バババッ

ライナー「よし、帰ったら調教1日目スタートだからな! 覚悟しておけよ!!」

ベルトルト「ライナー! 僕より前を歩いて!」

ライナー「痛い! タックルするな! 両手荷物で無抵抗な俺に後ろからどつくな! 今ので人類が大きく後退するぐらいには痛かった!!」

ベルトルト「突進して気付いたけどライナーの背中は大きくてカッコイイね……」

ライナー「惚れ直したか?」ドヤッ

ベルトルト「ああ……僕がずっと好きだった……大好きだったお兄ちゃんの背中だって思い出したよ……」後ろからギュッ

ライナー「ベルトルト……」

ベルトルト「僕は毎日君のことを好きになっていくよ……どんどん好きになっていく……でもその連続記録も今日でまさかのストップするかもしれない……君は一体今、何だ……!」ヒュンヒュン

ライナー「ならその体が俺無しでは生きられないぐらいに調教してやるぜ! やめろ! 痛い! 荷物ヒュンヒュンするな! アニの真似やめろ!! 痛い!!!」



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アルミン「嬉しいことがあったから……僕、今からノロケるけどいいかな」

コニー「うん」

アルミン「去年も一昨年もその前も、小学生のときからエレンは夏休みになる前には『宿題を一緒にやろう!』って言いにくるんだ。エレンは真面目だからさ、この日を宿題の日って決めて、1日かけて全部終わらせるんだ」

コニー「ぐあ! こ、これは! 優等生ビームか!? 溶ける! オレの体が溶ける!!」

アルミン「毎年のことで定番化してて、僕のおじいちゃんもエレンのご両親もそのこと知っている。お泊まりも公認だ。1日中部屋でノートを開いてああでもないこうでもないって話すのがとっても楽しくて。ずっとこんな時間が続けば良いのにって思えるぐらい、幸せな時間なんだ。今年もその約束が出来て嬉しくてたまらない。以上、幸せのお裾分けでした」

マルコ「えっ!? なにこの液体!? コニー!? コニーだったもの!? とは!?」



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ベルトルト「なあ! 君はどうしてしまったんだ! どこに向かおうとしているんだ!?」

ライナー「何度も言うが俺はこの夏ベルトルトを監禁調教したい!!」

ベルトルト「欲望を吐き出すだけでなく理由を知りたい! 何か命を育てたいのならヒマワリかカイワレ大根をオススメしたい!! どっちもおいしく食べるから!!」

ライナー「俺はヒマワリやカイワレよりもおいしくベルトルトを食べたい!!」

ベルトルト「山田座布団を空から降らせる機能が僕にあったらライナーの上に落としたい! 今だけはライナーに首を捻ってほしいと思った僕を許してほしい!!」

ライナー「お前、俺が死んでもいいのかッ!?」

ベルトルト「やだ! 絶対嫌だ! どこにも行かないで! 僕はこの世界ではずっとライナーと一緒だ!」

ライナー「俺もだ! お前を離さない! 今度は死ぬまで離しはしない!」

ベルトルト「ライナー……!」

ライナー「ベルトルト……!」

ベルトルト「ライナー!」

ライナー「という訳で俺はこの夏お前を離したくないという欲求を抑えきれずこの凶行に走ることにした! 学校が無い今、2人暮らしの俺達にどうこう言う奴なんて居ない! 誰もお前を助けに来てくれない、世界が俺だけになったベルトルトが見たい!!」

ベルトルト「元から僕は君しか見てないよ!!」

ライナー「知ってる! だが俺は心が狭く弱い男だ! その言葉も疑ってしまうし今だって野外で押し倒したいぐらいだから本日より実行に出る!! 己に素直な生き方を始める!!」

ベルトルト「ライナー……いつの時代も自分に素直に生きる君はとっても素敵だ……だけど夏休み中ずっとアパートに監禁されるのは嫌だ!」

ライナー「何故!? 俺は今ですら空の下にお前を晒すのも嫌なぐらい拘束したいんだぞ!?」

ベルトルト「僕にだって予定がある。8月の中旬にミーナに誘われてる」

ライナー「おおおおおおおおおお前!!!!!!?????」

ベルトルト「みっともないぐらい裏返って動揺したね」

ライナー「俺は心が狭く弱い男と言った矢先に女の名前なんて言いやがって!! 嫉妬に燃え狂ってこの場で押し倒してしまったらどうしてくれる!?」

ベルトルト「真夏の太陽の下でアイスが溶けて君が嘆く姿を見たくないよ!」

ライナー「くそ!! がまんのこうげきだ!」

ベルトルト「ミーナにはフリマの店番を頼まれただけだよ! 『友人が全員サークル参加するから売り子が一人も捕まらないの! 私だって買い物に出たい! 売り切れる前に買い出しに行きたい!! ベルトルトが座っていてくれるだけで全ミーナが救われるの! お願い! 買い出し行かせて! 本買いに行かせて!! エレアル本! 私は買いに行く! エレアルください!!』って泣きつかれて断ることができるような僕に見えるかい!?」

ライナー「女子に泣かされたのかお前! なんでそのとき俺を呼ばなかった!? 一生部屋から出さねーぞぉ!? 生涯拉致監禁だぞぉ!?」

ベルトルト「間違えて『えーとよく判らないけどそのエルアルってやつが欲しいの?』って僕が口が滑らせたせいで『全然違うわよ団長とアルミンはそれはそれで好きだけど!!』ってその場が地獄だったからそんな危険な場所から君を守るためかな!?」

ライナー「お気遣いありがとう!! ホントにミーナとデートする訳じゃないんだな!? 俺は嫉妬で見苦しい男だぞ! 嘘吐いたらアイスが溶けても野外で押し倒すぞ!?」

ベルトルト「君、本当は野外でやりたいだけだろッ!? なんで夏休み中に監禁調教だなんて持久戦に持ち込もうとしてるんだよ!?」

ライナー「これは決めた! 決めたんだ! ベルトルトを閉じ込めて俺色に染める! こうなったら調教のために用意した最終手段を使うぞ!?」

ベルトルト「ちょっと最終手段使うの早いよ!? まだいい訳一つ目しか聞いてないよ! もう少し粘ってみてもいいんだよ!?」

ライナー「ベルトルト! 監禁調教させてくれなかったらお前のこと嫌いになる! 嫌いになられたくなかったら俺に従え! どうだ!?」

ベルトルト「君は酷い男だ!! 最高に最低だ! 今のは僕に嫌われても弁解ができない!! そんなことを言って…………僕が……本当に君のこと嫌って……も…………うう……や、やだ……従うから……そんなの……言わないで…………ひっく……」

ライナー「堕ちたな」フッ

ベルトルト「もう調教しなくていいぐらい僕は調教済みなんだと思うよッ!! 既に君は僕のご主人様だ! 僕は下僕だ!! ライナーの物だよ! アルミンがこの話を聞いたら『今更じゃん』って冷めた目で言って無関係のジャンが怯えると思うよ!!」

ライナー「今更ジャン、でジャンが反応して怯える。二重の引っ掛けのつもりだがあまりにありきたりすぎてそんなんじゃ座布団落ちてこねーぞ!!?」

ベルトルト「どんなときも向上心のあるライナーが大好きだよ!! でも監禁調教って僕をずっとアパートに閉じ込める気か!? せめて7月までにしてくれよ!」

ライナー「ミーナとのデートは8月中旬だって言っただろうがぁ!?」

ベルトルト「それ以外の約束だって僕にはあるんだよ!」

ライナー「ああん!? なんだあ! 今度は誰とデートしやがるんだぁ!? ユミルか!? ベルユミか!? いやユミベルでまた泣かされたのかぁ!?」

ベルトルト「ミーナと同じような喋り方やめてよ! 監禁調教してもいいけど7月まで!! これだけは譲れない!」

ライナー「俺との密着よりも大切な約束があるっていうのかぁ!!?」

ベルトルト「誕生日ケーキ! もう予約したんだ!!」

ライナー「えっ」

ベルトルト「……僕が、しておいた……から……8月、1日に……ジャスコに取りに行くぐらい……いいだろ……」

ライナー「お、おう」

ベルトルト「…………」

ライナー「…………」

ベルトルト「……ほんとは内緒にしたかったんだから、な」グスッ

ライナー「……おう」



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アルミン「エレン! 聞いてくれ、コレはコニーだったものだ! 君は医者の息子だ、どうやったらコニーが元に戻るかぐらい知らないかい!?」

エレン「早く冷蔵庫に入れるんだ! ただしこれが可能なのは一度だけだ、二度目は無い……覚悟をしておけよ!」

アルミン「ありがとうエレン! なるほど、冷蔵庫のカドがこうなってるからつまり……僕にも判ったよ! エレンが言ってくれなきゃ判らなかった……流石だ」キラキラ

マルコ「2人とも流石だ。やっぱり長年の付き合いからくるものかな」ホッ

ジャン「えーと、マルコが微笑んだままツッコまないんだったら俺も介入しないことにするぞ」



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ベルトルト「ライナー! 首! 苦しい! ちょっとコレ、サイズあってない!!」

ライナー「仕方ねーだろ! ボンテージ衣装なんて一式揃えたら1ヶ月豪遊して暮らせるぐらい金が飛ぶんだから! LLサイズなんて買えるかLサイズで我慢しろ!!」

ベルトルト「どおりで先月腹減った腹減ったってうるさかった訳だ! 節約の姿勢を評価してたのに僕に隠れてこんな物買って!」

ライナー「何を買ったって?」

ベルトルト「て、手錠とか……こんな……恥ずかしい物を買って……!」

ライナー「具体的に何を買ったって?」

ベルトルト「……言えないよ……正直……今の僕は恥ずかしすぎて死にそうだよ……最初『ま、いっか、ライナー大好き!』ってギュッギュしてた自分を叱りたい……!!」

ライナー「バイブとローターも言えないぐらいお前は恥ずかしがり屋か?」ニヤニヤ

ベルトルト「おい君は未成年だろ……どうやって買ったんだ……うちにインターネットが繋がるパソコンは無いよ……まあ、ライナーは大人っぽいからお店でも……」

ライナー「ふふふふフケ顔って言うなああ!! 少し窮屈なぐらいが締め付けられて気持ち良いんだろ!? ああんっ!?」

ベルトルト「物は言いようだね……鎖って案外首に巻くと重いしうるさいし……鎖だけ冷たいから変な感じがするよ……で、実際これってどうやって買ったんだい?」

ライナー「ジャンの家に遊びに行ったときに」

ベルトルト「……ときに?」

ライナー「猥談に花が咲いて、いつの間にかネットであれこれ調べていて」

ベルトルト「……いて?」

ライナー「通販サイトに辿り着き、梱包『パソコン用品』で注文した」

ベルトルト「……ジャンと一緒に、この、アダルトグッズを選んだってこと……? ってことは、ジャンは僕がそういうので遊ばれるってことを知っているんだ……?」

ライナー「安心しろ! エレンも一緒だった!!」

ベルトルト「安心できないよ! 3人でなにいっしょになって注文してるんだ!!?」

ライナー「エレン師匠からのアドバイス付きだから一番良い物が買えたんだぞ!? 師匠は1から10まで全てを教えてくれた!!」

ベルトルト「『感謝しろよ!』みたいな言い方やめろよ! そもそもどうしてエレンはこういう経験値高いの!?」

ライナー「医者の息子だからだろ。ジャンが思いっきり安いローターを買おうとしたとき『おいそれはやめとけ。それは導線が簡単に切れる』ってときの作画の良さをお前にも見せてやりたいぜ。ドクターストップってああゆうことを言うんだろ」

ベルトルト「あ……うん……そうだね、医者の息子万能説だね……エレンは多分熟練者なんだね……ジャンは誰にローターを使う気でいたのかな……ジャン……そっか、ジャン……がんばれ……あああ」

ライナー「いちいちうるさい奴だなぁ! なんでお前、さっきからジャンのそんなに気になってるんだよ!?」

ベルトルト「気になってるっていうか……当然だろ、気にするだろ……」

ライナー「あいつはいない! あいつなら死んだ!」

ベルトルト「死んだのッ!?」

ライナー「死んだらしい!! 安心していい!」

ベルトルト「死んだらしいよって言われて安心するのもどうかと思うよ!?」

ライナー「そうだ、今のお前には俺しかいない。他の男のことを考えるな。俺だけを見ろ」グイッ

ベルトルト「あっ……う……鎖、引っ張らないで……」

ライナー「…………」

ベルトルト「こ、怖い顔もやめて、くれよ……その……僕、もうライナーの物だって……言ってるだろ……」

ライナー「………………あああっ、なに靴下だけ履いてるんだぁ!? おいこらあ! 犬に服なんていらないよなぁ!」

ベルトルト「そ、それならクーラー消して! もうそろそろ体涼しくなってきただろ!? 僕クーラーつけっぱなしは苦手なんだから……!」

ライナー「犬に服なんていらないよなぁ! さっさと脱げよ!」

ベルトルト「ううっ……!」

ライナー「犬に服なんていらないよなぁ!!」

ベルトルト「気に入ったからって何度も言わないでくれよッ!!? 『監禁調教でやりたかったこと』の一つが達成されて笑顔になるのもやめようよ! 雰囲気ブチ壊れるだけだから!!」

ライナー「こら、なんで犬が人間様の言葉なんぞ使ってる? そこは犬らしく『わん』だろ!?」

ベルトルト「っ! …………わ、わん」

ライナー「よし、いいこだ」ナデナデ

ベルトルト「ううっ……その笑顔と声はずるい……やっぱり……僕のライナー、かっこいい……」

ライナー「ほら、ちんちん」

ベルトルト「……わ、わん……」ゴロン

ライナー「おーよしよしよしよしよしよしよしよしよし!!」

ベルトルト「あははははははははははやめてやめてくすぐらないでお腹はイヤだやめろおッ!!!」ドスゥッッ

ライナー「痛い!!! 足技強い!!? ベルトルト雄々しい!!」

ベルトルト「雰囲気を出したいのかブチ壊したいのかどっちなんだ君はぁ!? そこは『よくできたな、ご褒美をやる』とか言おうよ! ライナーは顔に似合わず美声なんだから!!」

ライナー「ご褒美をやる!」

ベルトルト「復唱した!? 言われた通りにやるのは僕だけで十分だからもう少しアレンジ加えようよ!!」



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ジャン「…………」

ジャン「…………」スッとポケットに忍ばせる

ジャン「…………」

ジャン「…………」スッとポケットから出す

ジャン「…………」

ジャン「…………」電池があるか確認

ジャン「…………」

ジャン「…………」ちゃんと動く

ジャン「…………」

ジャン「どういうタイミングで出せばいいんだかそこまで教えろよバカヤロオオオ!!!」

マルコ「えっ? あっ? なんだい? 誰に怒ってるんだい? で、デート、何か気に入らなかった??」アセアセ



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ライナー「違った! まだ準備段階だ! ついベルトルトが可愛過ぎて撫でまくってしまっただけで今のは事故だから!」

ベルトルト「悪ふざけで調教するなら帰れよぉ!!」

ライナー「ここ俺の家だって! 2人暮らし!! 俺達だけ!! お前は俺の物! 判ったか!?」

ベルトルト「そうだよ……知ってるよ……」

ライナー「ほら、これからここで飼われるペットなんだから尻尾を付けないとな」

ベルトルト「し、しっぽ……」

ライナー「おら、ケツを上げろ。コレ、穴に挿れてやるから!」

ベルトルト「うっ……」

ライナー「早くしろ。激しくされたいのか」

ベルトルト「……ちょっと……雰囲気が出てきて……本格的に恥ずかしくなってきたんだよ……ど、どきどきする……」

ライナー「ああ……恥ずかしい格好にさせられて……首に鎖を巻かれて……犬の尻尾を着けられるなんて……?」

ベルトルト「流石に……僕も……ハイテンションを保てなくなってきたよ……」

ライナー「お前の好きなアナルビーズを入れてやるから早くケツを上げろよ!」

ベルトルト「僕は前世の記憶のせいでアナルビーズとアルミンに大いなるトラウマを持ってるって君は知ってる筈だ!!」

ライナー「電動じゃないから安心しろ!! 金が足りなかったんだ!」

ベルトルト「そこはもっと頑張ってくれても良かったよ!!? って馴らしてもいないのに入る訳が無いだろ! やめてくれ!!」

ライナー「じゃあ馴らしてやるからケツ向けろ」

ベルトルト「……そ、その前に……ご飯の準備……しようよ……さっきからライナーの目が戦士の形相だよ……かっこいいけど、落ち着こう……?」

ライナー「メシだあ? 犬には残飯を食わせるので丁度良いよな。もちろん皿から直接食べてもらう」

ベルトルト「……どこでそんな言葉覚えてきたんだい」

ライナー「エr」ベルトルト「もういい」

ライナー「待ってろ。まずはミルクを飲んでもらおうか。調教って言ったらこれだよな?」平皿にトポトポ

ベルトルト「ああ……5%オフの日だからって大量に買ってきた牛乳にはそんな意図があったなんて……」

ライナー「飲めよ」

ベルトルト「うう……」

ライナー「…………」

ベルトルト「…………」チビチビ

ライナー「…………」

ベルトルト「…………」チビチビ

ライナー「…………」

ベルトルト「…………」

ライナー「…………」

ベルトルト「ライナー。これ、やってみると判るんだけどさ、結構難しい」

ライナー「あ、ああ」

ベルトルト「『そんなことないだろ?』って思った人、実際床に皿を置いてやってみてほしい。胸が圧迫されて難しいから」

ライナー「おう……」

ベルトルト「…………」

ライナー「…………」

ベルトルト「……」ズズズズズズズズズズズ

ライナー「やめろ!! 悪かった! もういい! 畳の上に零さないようにするお前の信念も伝わった!!」

ベルトルト「本音は?」

ライナー「『ご主人様ああああもうらめぇえええガマンできにゃいいいいこんなんじゃなくてこのいやらしいお口にご主人様の濃厚みるくどぴゅどぴゅしてえええええ』ってお前のお口から言ってもらおうと思う!!」

ベルトルト「犬がそんなハッキリと人間様の言葉を使ってもいいの!!? 君が求めてる犬のキャラ設定ってブレすぎじゃないのかい!?」



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アルミン「エレン。ダメだよ。宿題を1日で終わらせるって言ったのは君じゃないか」カリカリ

エレン「そうだったな」

アルミン「1日で宿題を全部終わらせて、明日はミカサの女子校の終業式に行く。2人で迎えに行く。そうだろ」カリカリ

エレン「ああ」

アルミン「うちの男子校より夏休みが2日も遅いなんて大変だね」カリカリ

エレン「ミーナが『男子だけズルイズルイ!』ってうるさかったな」

アルミン「だからエレン。その玩具、しまって。僕はまだ遊ぶ気は無いよ」カリカリ

エレン「…………終わったら、やるよな?」

アルミン「君が疲れて先に眠らなければね」クスッ

エレン「言ったな」カリカリカリカリ



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ベルトルト「んっ……! うう、体が変……やっぱこのボンテージ、サイズあってないよ……痛い……」

ライナー「よし、充分堪能したから脱がしてやる! ……ああ、赤くなっちまってるな」

ベルトルト「あれだけ締め付けられてたらね……んっ……ら、ライナー!? な、舐めたって痣は治らないよ……!」

ライナー「ん」ペロペロ

ベルトルト「ううっ……今日ばかりは君がゴリラじゃなくて犬に見える……」

ライナー「んー」ペロペロ

ベルトルト「…………。ど、どうしよう……気持ち良くなってきちゃった……」

ライナー「そりゃあ、気持ち良くさせてるからな」ペロペロ

ベルトルト「……うう……ら、ライナー…………その……」モジモジ

ライナー「ん?」ピタッ

ベルトルト「あっ。…………ぅ……や、やめ……ないでくれ……」

ライナー「何かしてほしいのか?」

ベルトルト「うっ……僕に言わせる気かい……」

ライナー「やっとその気になったからな。言わせないと損だ」

ベルトルト「君は、本当に酷いな……。……その……」

ライナー「ああ」

ベルトルト「……………………ライナーの、しゃぶりたいな」

ライナー「は?」

ベルトルト「…………」

ライナー「てっきり、逆かと」

ベルトルト「……ご主人様に奉仕ぐらいしてあげようか……と思って。というより……その、僕を気持ち良くしてもらうためには……まず……ライナーが気持ち良くなってもらわないと……その……」

ライナー「……お前な……」ナデナデ

ベルトルト「うう……恥ずかしい……ぐっ。くそ……涙出てきた……ひっく……」

ライナー「興奮してきた証拠だな」ナデナデ

ベルトルト「えっぐ……僕……いつもみたいに、最初に……キス……してもらって……始めるのがいい……ひっく……」

ライナー「ああ、そうか。キスしてなかった。すまんな」チュッ

ベルトルト「ふ、ぅえっ……ついでみたいにしてほしくない……っひ、っぐ。ライナー……首輪と鎖は外してはくれよ……せめて手錠だけでも……これじゃ抱きつけない……」

ライナー「それを捨てるなんてとんでもない」

ベルトルト「ううっ……! えっぐ……ごめん、ライナー……僕……首輪は取らなくていいから、鎖だけ取ってくれないかな…………先にトイレ……行くから……」

ライナー「ここでしろ」

ベルトルト「……いつか言われるんじゃないかと思ったけど……やっぱりやるんだね……」

ライナー「恥ずかしがるなよ、まだ調教は始まったばかりだぜ」

ベルトルト「ライナー……ライナー……ひっぐ……えぐ……クソは……すぐ片付けるんだよ……あと……この10日間は食生活を良くしようね……ひっく……ほぼ全裸でクーラーをつけっぱなしにしてたらお腹を壊しそうだから……となると処理が……ううっ……」

ライナー「そ、そこまで言うなら便所でしていい! 自分の部屋汚したくない姿勢は十分に判ったから!」

ベルトルト「ありがとう……」ヨロヨロ

ライナー「おっと。もちろん俺と一緒に便所に行くんだぞ。おら、もちろん四つん這いで歩いてもらおうか」

ベルトルト「…………」

ライナー「…………」

ベルトルト「……あ……ああ……なんか……やっぱり僕、どきどきしてる……ライナーの声を聞いていると……凄く、体が熱い……」

ライナー「お前、魔性だな」

ベルトルト「ひっく……ライナーに命令されると気持ち良いんだよ……昔からそうだって言ってるだろぉ……」

ライナー「ああ。覚えてる。昔から、ずっと昔からそうだった」ナデナデ

ベルトルト「……いつのこと、言ってるんだい」クスッ

ライナー「さあな。さあて、便所のドアは開けっ放しでしてもらおうか。ちゃんとご主人様に見せてくれよ?」

ベルトルト「……えぐ……ぅ、ん……この生活があと10日続くのは流石に辛いね……もしくは3日ぐらいで慣れてノリノリでやってしまいそうな自分が居そうで怖いよ……」

ライナー「……やっぱり何も着てない状態で首輪と鎖だけなのはグッとくるな。なあ、わんって言ってくれないか」

ベルトルト「わ……ん。わん……」

ライナー「……何やっても可愛いな、お前は」

ベルトルト「……わん……」

ライナー「よし。今夜から10日間可愛がってやるからな。10日終わってもお前からもっとしてくれって頼んでくるぐらい調教してやる……」

ベルトルト「……わん」

ライナー「ここに居るのは俺だけだからな。俺だけのことを考えて生活しろよ。俺もお前しか考えない」

ベルトルト「……わん……」

ライナー「精々愛してやる。ベルトルト、返事は?」

ベルトルト「……わんっ!」

アニ「あんたらアイス箱買いしたから適当に食いな……ってこのアパートはペット禁止だっていうのに野良犬でも拾って来たのかい」合鍵でガチャッ



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 ベルトルト監禁調教1日目・完。

ミーナ「そういやライナーって801の日に誕生日なんだね! 運命!」☆彡



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ベルトルト「ひっく……えっぐ……ひっく……」

エレン「おい、いつまで経っても泣いてたんじゃ判んねーだろ」

ベルトルト「えっぐ……ふぇっ……えぐ……」

アルミン「大丈夫、大丈夫だからね。ベルトルト。君が話せる範囲でいいんだから、ゆっくり話してくれればいいんだよ。ほら、あったかい物を飲んで落ち着いて」

ベルトルト「ふええ……えぐ……ひぃ、んぐ……」

アルミン「凄く怖い目に遭ったんだね……よしよし。もう平気だよ。ベルトルト、君は自由だから。もう君を縛ったり変なことする人はいないよ」

エレン「ライナーならアニが吹っ飛ばしてる最中だけど今から俺も加勢しに行くから! 安心しろ、ちゃんとお前の分までボコ殴ってきてやる!!」

ベルトルト「……ち、ちがっ……ひっぐ……そうじゃ、なくて……」

エレン「まだあいつのこと庇うのかよ!? ライナーの奴、何言わせてるんだ……。おい、俺達がライナーを反省させるから! だから泣きやめって! な!!」

アルミン「エレン、一度負った心の傷はそう簡単には治せるものじゃないよ。少しずつ事情を聞かせてくれればいいんだ。どうして彼が凶行に走ったのか、君の口から……」




END

自分の意思が無いベルトルトくんが言葉巧みに調教されトルトになる姿はとってもかわいい。タイトルから盛大なネタバレです。現パロでライベルでエロいかもしれませんが直接的なものは何もなく、うっすらとジャンマルとエレアルを主張します。コニーは概念かわいい。(フォロワーさんからお題を頂いてSSを書く企画をやってみた第4段。お題:「おしゃぶり」「あいつ死んだらしいよ」「ケーキ」「ドクターストップ」「残飯」「エレアルください!!」「バッドエンドじゃない話」)
2013.11.25