■ 「 お い や め ろ お 前 ら 」



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(お題:「スポンジ」「ソーシャルゲーム」「杏子」「明後日の月」「おいやめろコニー」)



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コニー「おい! いいかげん教えろよ!」

ベルトルト「ひっく! えっぐ、ふええぇ……!」

ジャン「おいコニー、お前こんな所に居……って、何してんだお前ら? なんで泣いてるんだよ、ベルトルト!?」

ベルトルト「ふぐっ、ひっ! えぐっ! ひっく……!」

コニー「ベルトルトが! 強情で! オレに何も教えてくれない!」

ジャン「あ?」

コニー「オレが頭下げて教えてくれって言ってるんだぜ!? なのにベルトルトの奴、無視するんだぜ! ヒドイよな!?」

ベルトルト「うああああん! 無視っ、なんてっ、してないっ! ひっく! ふあああああん!」

コニー「じゃあなんで黙ってるんだよ!? オレがバカなままでもいいっていうのか!?」

ベルトルト「ち、違っ! えっぐ! びえええっ」

コニー「いっつもみんな、オレの頭がスッカスカのスポンジなんだから何でも訊けって言ってるだろ! こうやって勉強する気になってるオレって凄くね!? だというのにお前ってやつぁ!」

ベルトルト「ふええっ、で、でもぉっ! ひっく!」

コニー「スポンジはなぁ! なんていうかなぁ! うめーこと言えないけど! 吸収力だけはいいんだよ! だから育成ゲームのつもりでオレに投資しろよ! 脳ある鷹はなんぞねって言うだろ!」

ジャン「おいやめろコニー! なんか難しいことを言って説得力を出そうとしてることは判った! でも失敗してるから落ち着けよ! 聞いてて恥ずかしい!」

ベルトルト「う、うわああん! ぼ、僕は……お、教えられないっ! えっぐ!」ブゥン

ジャン「おいお前もやめろベルトルト! 二段ベッドの上で暴れるな! 何を教えてくれないんだ? 俺が教えてやっても」

コニー「コレだよ!」バッ

ベルトルト「だっ、ダメだ! やだっ、やめてええええええ!!」

コニー「ジャンなら知ってるんだろ!? コレ何なんだ!?」

ベルトルト「やあっ! やめてくれえええぇ! う、ああ、あああああ!?」

ジャン「うるせーな何でそんなに泣いて……! …………」

コニー「なあ! コレ何なんだよ!? オレはただコレが何だって訊いただけなのに怒られたんだよ!?」

ジャン「…………」

ベルトルト「ふああええぇぇん、ひぐっ、ひっく、あああぁん!」

コニー「しかもめちゃくちゃ泣きつかれて! オレ訳わかんねーよ! コレってそんなにヤバイ物なのか!?」

ベルトルト「じ、ジャンに見られた……! もうっ、もう嫌だ、ふえええぇぇん!」

ジャン「…………」

ベルトルト「えっぐ……ひっく……」



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ジャン「コレ、何だ」

ベルトルト「!!」

コニー「えっ!? なんだよジャン! お前、実は秀才そうな顔してるクセに判らないのかよ!?」

ジャン「わ、悪いかよ! くそ、俺もコニーと同類だったってことかよ……!? 何だコレ!? おいベルトルト! コレは……」

ベルトルト「い、言えないよそんなのぉ!!」頭ブンブン

ジャン「んだとぉ!? おいお前、言えないような物を持ってたのかぁ!?」

ベルトルト「ふぁっ!? ち、違っ……!」

コニー「違わねぇだろ! これ、ベルトルトのベッドから出てきたんだぜ! オレ見たもん!! オレ嘘つかない!」

ジャン「ああん!? 隣のベッドのライナーの物って可能性もあるだろがぁ!?」

ベルトルト「ら、ライナーじゃない! ライナーはそんな物持ってない……!!」

コニー「そんな物って何だよ!? どんな物なんだよ!?」

ベルトルト「ライナーは……そんな人じゃないっ……!! これは、僕が……僕が……!」

ジャン「はあ!? そんな物って言うほどの物なのかよ、コレは!?」

ベルトルト「おっ、お願いだからぁっ! ねえ! もうこのことは追及しないでくれよぉ!?」

コニー「ふざけんな! ここで終わられたら気になるだろ! ずっとそういう言い方されてるんだぜ! 気になってオレが眠れなくなったら困るだろ!? コニー育成ゲームの話はどうするんだよ! トゥルーエンドいけねーぞぉ!?」

ベルトルト「知らないよそんなのぉ!!」

ジャン「104期全員でコニーの頭を改善していく全員参加ゲームを忘れたのか!? 発案ライナーだぞ! お前の大好きなライナーのアイディアを忘れたのか!?」

コニー「愛されてるなオレ!」

ベルトルト「ライナーの言ったことは僕全部覚えてるから知ってるけど僕が協力するとは言ってないよぉ!!」

コニー「愛せよオレを!!」

ベルトルト「僕は一夫一妻が良いんだよぉ!! それにコニーが知らなくてもいい物がこの世にはあるんだ! それがコレなんだからもう無視してくれよぉ!」

コニー「ってああっ!? 何だ!? コレ、案外やわらかいんだな!?」

ベルトルト「や、やめろおおおぉ! さ、触らないでくれぇ!!」

ジャン「んだと! 触っちゃいけない物なのか!?」

コニー「ええっ!? 今さっきまでめちゃくちゃオレ触ってたぞ!? おいベルトルト! コレに触ったら何が起きるんだ!?

ベルトルト「ななな何も起きない! 起きないから今日のことは忘れてくれよぉ! うわああああぁん!」

ジャン「なんでお前そんなに泣いてるんだよ!? コレってそんな貴重な物なのか!?」

コニー「えええっ!? そんなに大事だもん触っちまったのかオレ!? ごめん! だからコレ何!?」

ベルトルト「ごめんって言うならもうどっか行けよおぉ! 二人ともどっか行ってくれよぉ! ふえええええん!」

ジャン「す、すまん! じゃあマルコにでも訊きに……!」

ベルトルト「お願いやめてぇ!! マルコは知ってそうだから訊かないでぇ!」

コニー「マルコは知ってるってよ! よし行こうぜ!」

ベルトルト「お願いやめてコニー! 僕なんでもするからぁ! 何でもするから助けてぇ! 何だってするから許してえぇ!」

ジャン「なんかこいつ無駄にセクシーなこと言ってるぞぉ!?」

ベルトルト「ジャンは今すぐ頭から落ちて記憶喪失になって!!」

ジャン「なんで俺の扱いは雑なんだよぉ!?」

ベルトルト「これ以上コニーをバカにしたらライナー発案コニー育成ソーシャルゲームが無駄になるからだよぉ!!」

コニー「やったぁ愛されてるなオレ!」

ベルトルト「どっちにしろ二人とも忘れてくれぇ!!」ブゥンブゥン

ジャン「二段ベッドで暴れるな危ない危ない危ない!」

コニー「打ち所が悪かったら死ぬからやめろベルトルト! なあ! オレ達生き残って酒飲もうって言った仲だろ!? だから教えてくれよぉ!」

ベルトルト「感動的な台詞をここで使うなぁ! さっさとそれ返してくれぇ!!」

ジャン「ていうかなんで触っちゃいけないんだよ!? 触ったら不潔だとか!?」

ベルトルト「未使用だよ! もし使用済みで触られてるとしたら僕申し訳無くて死んでるよぉ!!」

コニー「未使用ッ!?」

ジャン「何かに使うものなんだなッ!?」

ベルトルト「あっ!」

コニー「使うって!? 何に!? 縄跳びか!?」

ジャン「こいつの身長にその長さじゃ足りないだろ! あとボールが邪魔だろ!」

コニー「じゃあボールを転がして遊ぶとかか!? ボーリング!? ゲートボール!?」

ジャン「繋がってるのにどうやって遊ぶんだよ!」

コニー「だ、だよな! じゃあこのボールには何か意味が!?」

ベルトルト「うわあああああん! やめろぉ! 詮索するなぁ!! 返せぇ!」ブゥンブゥンブゥン

ジャン「二段ベッドで連続エルボーはやめろ! ホントに落ちる! そして死ぬ!」

コニー「なんで小さい玉と大きな玉が並んでるんだ!?」

ベルトルト「じじじじっくり観察するなぁ!! お願いだぁ死んでくれよぉ!!」

ジャン「おいやめろベルトルト! 明確な殺意が現れ始めたぞ!? 殺されるほどの物なのかよコレぇ!?」

コニー「ちゃんと何なのか教えてくれたら帰るって! そうだ! 実際に使ってるところを見せてくれよ!」

ベルトルト「殺してくれえええぇ!!」

コニー「今度はなんでそっちが死のうとするんだよぉ!?」

ジャン「おいやめろ飛び降りようとするな! ベルトルト落ち着け! 早まるな二段ベッドから落ちたら結構痛いから!」



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マルコ「なに二段ベッドの上で騒いでるんだい。珍しいな、ベルトルトまで大声出して」

ベルトルト「うえええええぇぇん!」

ジャン「おいマルコ! 頼むからベルトルトを落ち着かせてくれ!」

コニー「あとコレが何なのか教えてくれ! コレコレ! マルコなら知ってるだろ!?」

マルコ「…………」

ベルトルト「ひっく! えっぐ! も、もぅやめてぇ……!」

マルコ「…………」

ベルトルト「ふぇ……やぁ……もう……」

マルコ「なんでそんな物があるんだッ!?」

ベルトルト「!!!」

コニー「よっしゃあ! 流石マルコ! やっぱり知ってるんじゃないかと思ったぜ!」

ジャン「俺もお前を信じてた! 一体コレ何なんだ!? 何に使うやつで……!?」

マルコ「恥を知れぇ!!」ブゥンブゥンブゥン

ジャン「あぶなっ!?」

コニー「死ぬっ! 落ちるっ! 殺される!」

ジャン「おいやめろマルコ! 俺達はただコレが何なのか知りたいだけで……!!」

マルコ「そそそそそそんなの言える訳ないだろぉ!!?」

コニー「はあああ!? なんだよ言えないような物なのかよぉ!?」

マルコ「言えないっ!! 第一なんでそんな物を持ってるんだ!? 常識知らず! まったく! 品位を疑うよ! こんなの昼間っから出して!」

ベルトルト「……ひっく……えっぐ……えぐ……!」

マルコ「べ、ベルトルト! なんで君がそんなに泣くんだ!?」

コニー「それ、ベルトルトの物だからだよ」

ベルトルト「う……ううううううあああああああああん!! 死んでやるぅ!! 使命なんて僕はもう知らない! こんな辱めにあった僕は故郷に帰れない!! 頭から落ちて死んでやるぅ!!!」

マルコ「ままま待って! ごめん! ごめんって!! 俺が言い過ぎた!! ベルトルト落ち着こう! なっ!?」

コニー「そうだぜ落ち着けよ! まずは泣き止め! あと使命って何だよ!? 痛い痛い暴れるなオレを巻き込んで落ちようとすんなぁ!」

ベルトルト「うええええええええん! 殺してくれよおおおおぉ! そうじゃなかったらコニーとジャンが消えてなくなれこの世界からあああぁ!」

ジャン「なんでマルコは救われてるんだよ!? こいつだってその恥ずかしい何かを見たんだから同罪だろ!?」

ベルトルト「君達みたいにマルコは茶化してないからいいんだよッ! うわああああああああん!」

マルコ「ち、茶化したのか!? こんなに泣いてちっちゃくなったベルトルトを弄んだのか!? 本当に真昼間から最低だな君達はぁ!?」

コニー「なんでマルコがそんなに怒るんだよ!? しかもなんでお前も若干涙目なんだよ!?」

ジャン「自分で言ってて赤くなってるんじゃねーよ、マルコ! 別に俺達はお前らを怒らせたい訳じゃねーって! 一言コレが何だって言ってくれればいいだろぉ!?」

マルコ「ジャン!? ふざけてるのか!? コレが判らないのかい!?」

ジャン「わかんねーよ!」

マルコ「えっ!?」

ジャン「何その反応!?」

マルコ「…………ち、ちょっと意外。そういうのはコニーはともかくジャンは知識があるかと思ってた……から……」

ジャン「……なんだよ……それ喜んでいいのか貶されてるのか、どっちなんだ……」

コニー「おおい!? なんでジャンは知ってそうでオレは知らなくて良いことになってるんだよ!? オレがいつもバカ扱いされてるから!?」

ジャン「……ってことはコニーと同じバカ扱いされてる今は貶されてるってことじゃねーか!? おい何なんだよコレ! いいかげん教えろよ! 俺の印象に関わる大問題じゃねーか!」

マルコ「こういうのに疎いジャンも可愛いよ! とても魅力的だ!」

ジャン「マルコの言葉はあたたかいなぁ! そういう台詞は二人きりのときで頼む!」

マルコ「だから黙ろう! ねっ!?」

ジャン「可愛く小首傾げるなッ! お前の必死さは何なんだよぉ!?」

コニー「あれっ!? おいジャン! よく見るとここ窪みになってる! スイッチだぜ! 押してみたら……!」

ベルトルト「やめろおおおおおお! それ以上まじまじと観察するなあああぁぁ!」

コニー「だから! ベルトルトが一言教えてくれればいいだけの話だろ!? っていうか見られて恥ずかしい物をベッドに持ち込むなよ!?」

ベルトルト「うわあああん! ごめんなさいごめんなさい!! それは僕悪かったって思ってるから!  許してください!! だから忘れてください!!」

マルコ「そうだよ忘れてあげるんだぁ!!」

コニー「ここまでやっておいてそう簡単に忘れられる訳ないだろぉ!?」スイッチポチ

ジャン「う、動いたぁ!?」ヴィンヴィンヴィン

ベルトルト「お願い落ちてええええぇぇ!! うわああああん!!」ブゥンブゥンブゥンブゥン

マルコ「看病してあげるから落ちよう!」ブゥンブゥンブゥンブゥン

ジャン「危ねええぇぇ! おいやめろマルコお前結構デカイんだから力勝負じゃ俺達勝てる訳ねぇだろうわああああ!!」ヴィンヴィンヴィンヴィン



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アルミン「ねえ、みんなどうしてそんなに騒いでるんだい……?」ヒョコリ

ジャン「おお!? いいところに来たぞアルミン!」ヴィンヴィンポチッ

ベルトルト「うわああああ!? く、来るなぁ! 絶対知ってそうで来ちゃいけない人が来たぁ! やめろお来るなぁああああああ!」

アルミン「なんだか急にディスられたよ。でもホントどうしたの。騒いでいる理由を訊きたいな」

コニー「おいアルミーン! ベルトルトがコレ持ってたんだけどさぁ! 何なのか教えてくれないんだよ!」

アルミン「うん」

マルコ「コニー! いいかげんにしてあげろよ! ベルトルトが泣きすぎて顔とんでもないことになってるぞ!!」

ジャン「賢いお前なら判るよな、アルミン! コレ何なんだよ!?」

アルミン「アナルビーズじゃないか」

マルコ「うあああああああああああああああああああああああ!!」

ベルトルト「うあああああああああああああああああああああああん!!」

アルミン「しかも電動アナルビーズじゃないか」

ベルトルト「うわああああああああああああああああああああああああああん!!!」

アルミン「よくそんな高い物を買えたね。ああ、ベルトルトってお金あんまり使わないもんね、裏市に行くだけのお金はあるのかな? でもそんな物買いに行けるなんて凄いね、大人だなぁ!」キラキラ

ベルトルト「ああああああああ!! 悪魔の末裔めえええええ!! バラし、バラしやがっ……根絶やしにっ、みんなっ、根絶やしにしてやるうううううう!!」

アルミン「そっか! ベルトルトは大人に見間違えるぐらい大きいもんね! 大人のふりしてイケナイ玩具を買うぐらい大したことじゃないか! そんなに難しい話じゃないよね」ハハッ

マルコ「おいやめろアルミン!! お願いだからもうやめてあげて! 頼むから! ベルトルトが溶けて水たまりになりかけてるから!!」

ジャン「ほうほう、やっぱり大した奴だぜアルミン! で、コレは一体何に使う物なんだ?」

マルコ「ジャンも名前聞いて判らない物ならもう詮索するなよぉ!!」

アルミン「お尻の穴に入れる物だよ」

ベルトルト「いやああああああああああああああああぁ!!」

コニー「お尻の穴!? 入れるって! どうやって!?」

アルミン「どうやるもなにも一つずつボールを入れていくんだよ」

ベルトルト「ふああああああああああああああああああああん!!」

コニー「こんなの全部入る訳無いだろ! アルミン、お前カンチョーされたことないのか!? あれブスッて指差されたら痛いのぐらい知ってるだろ!」

アルミン「浣腸はエレンの十八番だったよ。……ああ、そっちのカンチョー? えっとね、コレは痛くない人かつ入れるのが好きな人が使うのがこの玩具なんだよ。だから気にしなくても……」

ベルトルト「やだあああああもうやめてええええええええええええ!!」

コニー「痛くない人!?」

ジャン「かつ好きな人!? ベルトルト、お前そうなのか!?」

ベルトルト「やあああああああああ!! らめええええええうあああああああん!!」

マルコ「もうやめたげてよおぉ!! ほらお前ら見て!! ベルトルトが原型を留めてないじゃないかぁ!? なんでアルミンそんなに冷静なんだよぉ!?」

アルミン「……エレンはね、お医者さんの息子なんだ。結構お金持ちのお医者さんのね。そして案外頭が良くて、好奇心旺盛なんだ……ところでさっきの十八番っていうのは10歳のときの話でね……」

マルコ「ごめん遠い目をしないでぇ!! 聞いて悪かった!! 悪かったからアルミンもうやめて!!」

ジャン「なんで医者の息子だと知ってるんだ!?」

マルコ「判らないんだからもうジャンはツッコむなよぉ!! あとでちゃんと教えてあげるからぁ!」

コニー「オレにはアルミンの言ってることサッパリわかんねぇ! それで理解できるマルコやっぱスゲーな! あっ、ベルトルト、さんきゅ。もう判ったから尻に入れていいぜ」

ベルトルト「うわあああああああああああああああんみんな根絶やしにしてやるううううううううぅぅぅ!!!」



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ライナー「…………」

エレン「どうしたんだよ、ライナー。部屋の前で突っ立って。なんで中に入らないんだ?」

ライナー「…………お前、アルミンになんてことしてるんだよ」

エレン「なんのことだよ」

ライナー「調教済かよ」

エレン「調教済の何が悪いんだよ」

ライナー「…………」

エレン「…………」

ライナー「流石医者の息子。理解早いな。今度から兄貴、いや、師匠と呼んでいいかな?」

エレン「いきなりなんだよ、畏まって照れくさいな。俺、ライナーに尊敬されることなんてやった覚えは…………」



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 ――あれから2日後。

 ――月明かりの綺麗な夜の湖の前にて。

ライナー「……この前の騒ぎが広まらなくて良かったな。ジャンとコニーの馬鹿が収まるのに丸2日かかったが」

ベルトルト「…………」

ライナー「騒ぎのせいで夜中に抜け出すことできなかった。作戦会議の予定も流れちまって。アニには悪いことをした」

ベルトルト「ごめん……後でアニと3人で会える時間をまた決めよう……」

ライナー「そうだな。明日にでも格闘訓練のときに相手をしてこっそり手紙を渡すか」

ベルトルト「……本当に……ごめん……」

ライナー「で」

ベルトルト「……ん……?」

ライナー「コレ、まさか本当にお前が買ったのか」ヒョイッ

ベルトルト「!! な、なんで君が……」

ライナー「お前さ、隠したい物はちゃんと隠しておかなきゃまたコニーに騒ぎ起こされるぞ。最近警戒心無さすぎだろ。入団したときはもっと周りをちゃんと見てたっていうか……」

ベルトルト「…………」

ライナー「まあ、最近ちょっと警戒心を解きすぎてるのは俺にも言えることなんだが」頭ポリポリ

ベルトルト「……ちょっと……?」

ライナー「ん?」

ベルトルト「君のは……ちょっと、かい……? 僕よりずっと……警戒心を失くしてしまったように思えるけど……」

ライナー「何だよ」

ベルトルト「近頃……ずっとみんなと一緒に居て……。あのときの騒ぎだって、ずっとライナーはエレンと話をしていて……」

ライナー「ああ、師匠の技を教えてもらっていたからな」

ベルトルト「……僕が泣いてときも……全然……近寄ってきてくれなかった……」グスッ

ライナー「ああ……」

ベルトルト「コニーに……ジャンに……アルミンにあんなに泣かされたのに……ちっとも助けに来てくれなかった……」グスグスッ

ライナー「あれぐらいのじゃれ合いは自分で何とかしろっていうか……」

ベルトルト「それだけじゃないっ……。最近の……君は……ずっと誰かと……一緒に…………」

ライナー「……寂しかったか?」

ベルトルト「…………言わせないでくれ……」

ライナー「そうでもなかったか?」

ベルトルト「…………」

ライナー「何とも思わなかったのか。寂しいな」

ベルトルト「……構ってもらえなくて寂しいなんて、言えないものだよ……」

ライナー「寂しいから、こんな物買っちまったんだよな?」ビーズフリフリ

ベルトルト「…………」

ライナー「自分を慰める用か? それとも、俺に入れてほしいって言いにくるつもりだったのか?」

ベルトルト「…………ぼ、僕に……は、恥ずかしいことをさせて……楽しい……?」

ライナー「で、言ってくれないのか。コレを買った理由」フリフリ

ベルトルト「…………う、うう……ひっく……君は意地悪だ……えっぐ……」

ライナー「コニーじゃないけど、ちゃんと話してくれればそれで終わるんだがな?」ニヤニヤ

ベルトルト「…………だ、だって! 君に無理矢理押し倒されてガン掘りされたあの日から毎日物足りなくて眠れなくなったんだよ!? なのに君は普通に過ごすし欲しがっても疲れたとか言ってすぐ寝るし! 時々兵士になって僕と寝てたことすら忘れて相手もしてくれないし! 毎日トイレで隠れてケツの穴いじってる身がどんなに惨めか考えたことあるかい!? なんだよそのクソでかいビーズは! ジャンが判らなくても仕方ないよ! 常識を逸脱したサイズだよ流石は超大型仕様だよね!? 普通は大きくたって梅ぐらいのサイズなのに杏子ってどういうことだよ君の巨人のせいだよ!!」

ライナー「お、おう……」

ベルトルト「こんなもん湖に捨ててやる!」

ライナー「これ高価な物だし捨てたら勿体無いし打ち上げられたときのアナルビーズの気持ちとそれを見かけてしまった人の切なさを考えろ」

ベルトルト「そんなものより僕のアナルの切なさと兵士と戦士の中で揺れ動く孤独感を考えろよぉ!!」ブゥン

ライナー「まあ、大衆の前に晒されたこれはともかく」

ベルトルト「ともかくじゃなくて疼いてるんだから早く抱けよぉ!!」ブゥンブゥン

ライナー「実は闇市に行って買ってきたリモコン式のブツがあって、俺を欲しがるベルトルトが見たい俺がここに居るんだが?」

ベルトルト「えっ」




END

小説とは何だったのか。「スポンジ×おいやめろコニー」の組み合わせはギャグしか思いつかず、地の文を書いていたら削除したい衝動に駆られた結果、泣いてるベルさんかわいい。おバカで愛されコニーかわいい。実はウブなジャンかわいい。マルコはただただかわいい。ライベルでジャンマルでエレアルが好きです。
2013.11.10