■ praises



―――よくやったな。えらいえらい。



オルガがあたまをなでてくれた。
なんだかコドモあつかいされてるみたいで、バカにしているみたい。
けどそのときはうれしかった。

はじめてやることにせいこうした。
すごくドキドキしていて、うまくできるかふあんだったんだ。

けれどオルガがいっしょにやってくれたからだいじょうぶだった。

ずっとまえからそう、オルガはちゃんとみていてくれる。

どんなときでも、バカとかムカつくこともたくさんいうけど、
そのコトバにはかならずやさしいイミがこめられているから。

ついそのとき、バカとかいわれてわらってしまった。

あしたからもっとバカバカいわれるかもしれない。
それはちょっとイヤだけど、オルガといっしょにいるかぎり
つづくことだからあきらめるしかないのかも。



―――でもこわくなかったか? ケガはしてないか?



おにいさんなオルガはひつよういじょーにそのひ、きいてきた。
はじめてのことでビビってないかとか、チビってないかとかいってくる。



―――なにも、オマエがすることはなかったのに……。



ざんねんがっている。
だいせいこうしたのに、オルガはちょっとイヤがっていた。

ちゃんとほめてくれたのに、なんでだろう。

……ちゃんとできてなかったから?
ぼくにはむいてなかったから?



―――でも、オマエがぶじならいいんだよ。



おっさんにさいのーがあるっていわれたからやったんだ。
それにオルガはさきにたくさんしている。
もっといっぱいせいこうしている。

これでおそろいになれた。
オルガはしんぱいするけれど、ちからになれてうれしいんだ。
おっさんもほめてくれる。ほかのおっさんたちもほめてくれるから、あしたはもっとたくさんしよう。
じょうずに、かっこよくしてみせよう。



―――あしたも、がんばろうな。



しらないおっさんたちにほめられるのもわるくないけど、
やっぱりオルガにほめられるの、スキだから。


オルガにしんぱいされるの、イヤじゃないから。



じゅうをつかうこと、ダイスキだから。



あしたもうまくできるかなぁ

もっとじょうずなひとごろし。





END

04.2.11